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ASTERHDF L1 Import!!
ア ス タ ー エ イ チ ・ デ ィ ー ・ エ フ レ ベ ル 1 の イ ン ポ ー ト


高性能で低価格な可視/赤外14バンドセンサ ASTER をご存知ですか?

 ERSDAC が提供しているこの ASTER データを TNTmips でも簡単に利用することができます!! ここでは、HDF 形式で提供されたレベル1A/1B データを TNTmips ver6.5- 6.7 へインポートする方法について解説。ver6.8 以降の方は、より簡単にインポートできますのでこちらをご覧ください。

ver6.8以降の方はこちらをご覧ください
ver6.4以前の方はこちらをご覧ください
ASTER CEOSデータのインポート方法

■■■■■■  注  意  ■■■■■■
ver6.5 ユーザーの方は TNTdisp.exe の
最新パッチをあてる必要があります。
詳しくはこちらを御覧ください



This Information was made on Windows Me(TNTmips 6.5) and Mac OS8.5.1(TNTmips 6.5)
1.インポート方法
Import/Export で自動処理
2.データ解説
このように格納されます
3.自動ジオリファレンス
縦長に表示されるのは何故?





 

 イ ン ポ ー ト 方 法


 TNTmips には ASTER 専用の
 HDF インポート機能があります
 これで、ほとんど自動的に
 インポートを行ってくれるのです



▼Import/Export ウィンドウの表示

 メインメニューより、Process / Import Export を選択します。
 




▼HDFASTER の選択

 Import / Export ウィンドウが現れますので、上にあるボタンの Object Type を「Raster」に、Operation を「Import」にしてから、「HDFASTER」を選択して下の Import ボタンをクリックしてください。
 




▼読み込む File の選択

 次にどのファイルを読みこむか聞いてくるので、CD-ROMドライブを指定して一番ファイルサイズの大きいファイルを選択します。
通常のASTER CD-ROMには、.hdf というファイル名ではなく、.dat というファイル名で、提供されています。また、拡張子の付いていない場合も確認しております。どちらにしても、ファイルサイズの大きいファイルを指定してください。ファイルの一覧が現れない場合は、「Files of Type」を All に変更してみてください。
 



▼パラメータの入力

 今度はパラメータのウィンドウが現れますので、
「Create Pyramid Tiers」のチェックボックスをオン
表示を速くするピラミッドレイヤーを自動作成します

「Compress」オン
ディスクスペースを有効に使うための圧縮を行います

 にして、左下の、「Import」ボタンをクリックしてください。
 




▼保存先 Objects の指定

 最後に保存先を指定しますが、ここで注意してほしいことがあります。

HDFファイルをインポートする際には、
一つのHDFファイルに対して、
一つのプロジェクトファイルを当ててください。

 複数のHDFファイルを、一つのプロジェクトファイルに保存しようとすると、複雑な階層が混ざり合い区別できなくなる可能性があるためです。

●まず、上のボタンを押して、
 インポート用の新しいプロジェクトを作成し、

●次に、左下のボタンを押して、
 作成されるオブジェクトに対して、自動的に名前を付け、

●左下の、「OK」ボタンをクリックしてください。
 



▼あとは待つだけ

 これで自動的にインポート処理が行われます。処理が終わりましたら早速インポートされたデータを見てみましょう。そして疑問が生じたら次の章「データ解説」を見てください。
 





 

  デ ー タ 解 説


 HDF 形式とは階層性を持った
 複雑な構造のデータセットです。
 自動インポート後に、どんなデータが
 生成されるのか解説します



▼どのように DATA が格納されているか

 インポートの際、新しくプロジェクトファイル(.rvc ファイル)を作成し、その中にいくつものオブジェクトを自動的に名前を付けて保存したと思います。なぜそのようなことをしたのか、インポートされたデータの中身を見ながら確認してみてください。

 下の図は、左から【レベル 1A データの構造】【レベル 1B データの構造】【生成された RVC ファイルの構造】を説明したものです。画像をクリックすると大きな図が現れますので、それぞれ見比べながらその構造の似ていることを確認してみてください。

 HDFファイルをこのような形でインポートできるのは、TNTmips 独自プロジェクトファイルが目指す方向性が HDF と非常に似ている TNTmips ならではの特徴といえます。
 特にファイルの中にフォルダを作るという概念を持っている GIS は 他に例を見ないのではないでしょうか。

ASTER HDF
レベル1A の
構造
ASTER HDF
レベル1B の
構造
インポートした
RVCファイルの
構造






▼DN 値のバイナリ bit サイズに注意!!

 VNIR【可視近赤外放射計】と SWIR【短波長赤外放射計】は 8 bit unsigned バイナリデータとしてインポートされていますが、TIR【熱赤外放射計】は元々 12 bit のunsigned バイナリデータとして提供されています。
 しかし、TNTmips でのインポート後は 16 bit unsigned バイナリデータとして認識され、12 bit 以降、つまり 4095 から 65535 までの DN 値は空として処理しています。




▼画像 DATA の基礎

 2001年5月より、若干フォーマットが変わったようですので詳細についての確認は必要ですが、ASTER データを処理する際に必要な情報をメモ程度にまとめてみました。

  ●周期:16日   ●軌道:太陽同期軌道   ●平均高度:705km。

  ●投影法: Lat/Lon 座標系【レベル1A 】、UTM 座標系【レベル1B デフォルト】

  ●回転楕円体: WGS1984

  ●レンジ: 8bit【VNIR・SWIR 】、12bit【TIR】

  ●空間解像度: 約15m【VNIR】、約30m【SWIR】、約90m【TIR】


 空間解像度やピクセルサイズは下の図でも確認できます。











 

 自 動 ジ オ リ フ ァ レ ン ス


 自動的にジオリファレンスが付くの
 ですがどうも縦長に表示されます。
 よくみると、四隅の座標がおかしい。
 この現象について解説します



▼縦長になってしまう

 TNTmips で ASTER データをインポートすると、自動的にジオリファレンスがされて、解像度の異なる画像同士でも簡単にバンド間演算を行うことができます。これは非常に便利な機能なのですが、残念ながら与えられる四隅の座標値が間違って付けられています。

 試しに画像を表示してみますと、本来横長になるはずの画像が、何故か縦長で表示されています。VNIR 画像のピクセルサイズを見てみると、約 18 × 13 m と南北方向に長くなってジオリファレンスされていることがわかります。これはいったいどういうことでしょうか。
 



▼原因を探る

 調べてみると、インポートによって生成された ASTER データの座標情報はこのようについていました。これをみてわかるとうり、四辺が緯度経度方向に平行垂直な画像としてインポートされていることがわかります。つまり実際に採用している座標値は2点であり、残りの2点を緯度経度方向に延長する形で求めているように見受けられます。

Columns: 4980 Lines: 4200 Cell size (meters): Column: 12.585830 Line: 17.847906 N 35 55 57.6 N 35 55 57.6 E 139 31 29.8 E 140 12 59.7 N 35 35 41.5 E 139 52 14.8 N 35 15 25.4 N 35 15 25.4 E 139 31 29.8 E 140 12 59.7


 以上のことを図化してみますと下のようになります。
本来正しく付加される予定であった四隅の座標のうち、正しくついたのは左上と右下の2点。そして、左下と右上の点は緯度経度方向に延長されて架空の GCP が生成されています。

 この誤った左下・右上の2点に正しい座標情報を入力すると縦横ピクセルサイズが 約15m と正確な大きさで認識されます。

 




▼Geolocation Field Data は GEOCENTRIC

 そもそも、正しい座標情報とはどのようなものなのでしょうか。

 インポートされたデータを眺めていくと Data Fields フォルダと同じ階層に Geolocation Field Data というフォルダがあります。この中に2つのラスタデータが入っています。 その名も「Latitude」と「Longitude」。 つまり、緯度の数値と経度の数値がラスタデータとして付属しています(Examine Raster ボタンで見てみるとよくわかります)。

 しかし、この座標情報は地球中心を基準にした地心座標(GEOCENTRIC)の値であり、地球回転楕円体を考慮した値ではありません。

 この座標情報をそのまま使用しますと日本付近では約20kmほどずれることになります。TNTmips の ver6.5 はこの Geolocation Field Data を GEOCENTRIC な値であることを認識しておらず、誤った座標情報を入力していることがわかりました。 この点につきましては早急な修正を米国マイクロイメージ社へお願いしております。

 もちろん Geocentric な緯度を正しく計算すると、通常使われているGeodeticな緯度に変換することが可能です。

 



▼.brs ファイルの Meta DATA

 また、ASTER データには Browse HDF File(.brs) というメタデータファイルが付属しています。このメタデータを見ていくと、SCENEFOURCORNERS という group がありますね。さらによく見てみると Upperleft,Lowerleft,Lowerright,Upperright と四隅の座標値が記載されていることに気づきます。

 ではこの値を入力すれば... 残念ながら、この座標情報もちがいます。確かに今回の座標情報は測地座標である GEODETIC な値でありますが、この座標情報は レベル1A 由来の、実データ四隅情報の四隅であり、レベル1B に使用すると画像端の黒い三角ゾーン(スキュー部分)が考慮されないため不適当なのです。



▼HDF ファイルの Meta DATA

 いよいよ混迷を深めてきましたが、最後に紹介するのは HDF ファイルに組み込まれているメタデータとしての SCENEFOURCORNERS です。

 HDF ファイルにはたくさんの衛星画像データに加えて、それらを説明する補助的なデータ群によって構成されております。 このなかの Metadata の中にある ASTER Generic Metadata のなかに SCENEFOURCONERS はあります。

 このメタデータこそ測地座標(GEODETIC)としてスキュー部分を含めた正確な四隅の座標情報であり、本来 TNTmips が自動的に抽出して画像に与えるべき情報です。 しかし現状は残念ながら自動インポートでの座標情報抽出が行われない上に、このメタデータすらもインポートされておりません。

 メタデータに含まれている座標情報 SCENEFOURCORNERS を TNTmips で読むには、Inspect-Files 機能を用います。Inspect-Files 機能の詳しい解説についてはこちらをご覧ください。

 Inspect-files 機能によって読み取った座標情報を手入力にてジオリファレンスすることで ASTER 画像のジオリファレンスを行うことができます。  



▼結論

今までをまとめると次のようになります。

まず、ERSDAC より購入した ASTER の HDF CD-ROM には3つの座標情報があります。

1. Geolocation Field Data という11×11ピクセルのラスタ型座標データ

2. Browse HDF File(.brs) というメタデータファイル内の SCENEFOURCORNERS

3. HDFファイルに組み込まれているメタデータの SCENEFOURCORNERS



それぞれについてですが、

1. は TNTmips がジオリファレンスに用いているものですが、これは地心緯度と地心経度の記載された GEOCENTRIC という座標情報で、そのままの値をジオリファレンスとして採用すると 20km ほど正しい座標からずれてしまいます。
 正しくGEOCENTRIC to GEODETIC 変換をしていれば問題なかったのですが...
   >>> これにつきましては、現在マイクロイメージ社へ修正依頼を送ってあります。


2. は レベル1A 由来の四隅情報であり、レベル1B に使用することはできません。
   >>> 以前 この解説 WEB ページで使用した座標情報はこちらでしたが、
      情報が誤っておりましたので現在のページに内容を変更しました。



3. が GEODETIC という測地学的座標情報で、スキュー部分を含んだジオリファレンスとして採用すべき正しい四隅情報です。
   >>> しかし HDFASTER インポートでは
      このメタデータがインポートされておりませんので
      Inspect-Files 機能を用いて直接データを見ることになります。



 ASTER インポート ずれる/ゆがむ 現象解説パンフレット 【PDF ファイル : 382KB】



 TNTmips ver6.5 では インポート時に自動的に座標情報が付きますが、この情報は GEOCENTRIC 座標をそのまま使用しており採用すべき GEODETIC 座標情報を用いておりません。現状では TNTmips の Inspect-Files 機能を用いましてメタデータである SCENEFOURCORNERS を読み、手入力にてジオリファレンスを行う必要があります。



▼ASTER + 地図画像 + 公共施設 Pinmap を重ねてみると...

、正しく座標情報が付いているのか... それを説明するには、他の画像を重ねてみるのが一番です。 今回は、ASTER の VNIR 画像を一番下、数値地図25000 地図画像 の一部を透明化処理して二番目、一番上に数値地図25000 公共施設の Pinmap を重ねてみました。 いかがですか、ちゃんと重なっていますね。 こうやっていろいろなデータを重ねていくことこそ GIS の醍醐味です。
 



このページを作成するにあたって多くの方々からアドバイスをいただきました。
みなさまに感謝


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2003.12.01 更新

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