Subject: [ts-mag:00122] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 114号】 Date: Fri, 29 Aug 2003 21:36:05 +0900 From: Taichi FURUHASHI OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2003/8/29 Keywords: OpenGIS,TNTmips,ODBC,Soccor,DatabaseEditor,Title,SDF オープンGIS テクニカル・サポート専用メールマガジン 第114号「 O D B C っ て 一 体 な に も の ? 」 ################################################################# 株式会社 オープンGIS 作ってみて実感しましたが、 サッカーフィールドって、こんなに大きかったとは... と、いきなりタイトルとはまったく違う書き出しですが、一体なんの話な んだ? と首をひねられた方も、ひとまずはこちらの画像をご覧下さい。 はい、サッカーです。 でもプレイステーションのようなゲームではなく、ウィンドウのデザイン からわかるとおり、TNTmips です。 今週は、このサッカーフィールドを舞台にして、ODBC というデータベース テクニックについてご紹介いたしましょう。 ● さて、少しサッカーの話題を後に回しまして、本題である ODBC について 簡単に触れてみます。 聞きなれない言葉かもしれませんが、ODBC(Open Database Connectivity) とは、特定のデータベースソフトに限定せず、いろいろなアプリケーショ ン同士でデータベーステーブルを結び付けるための、架け橋的な役割を担 う技術です。 ODBC を使うことで、今までデータの交換が難しかったアプリケーション 同士で、簡単にデータベーステーブルをやり取りできます。また、単純に テーブルをコピーするといったやりとりだけではなく、リンクを張ること で、データベースの情報はデータベースアプリケーション側で、地図上で のプロットや属性表示は GIS アプリケーション側で操作を分業することが できるのです。 TNTmips は以前からこの ODBC を利用できたのですが、マシン環境や日本 語対応、また安定性などでいくつか問題がみつかり、何度かの修正を加え てきました。そして、だんだんと実用性が高くなってきましたので、現段 階ではどんなことが可能なのかについて、具体的にご紹介するというのが、 今週の話題です。 ODBC を使ったテーブルのリンク【TNTmips の基本操作】 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/odbc.htm ● まずは、こんなベクタデータがあったとします。 4つのポリゴンにはそれぞれ 1,2,3,4 と番号が振られています。それ以 外に、このポリゴンは特に重要な属性を持っていません。 また、それとは別に、マイクロソフトのデータベースソフト ACCESS で このようなテーブルを持っていたとします。 こちら側には、1,2,3,4 の他にも、名前などの情報が付いていますね。 通常の考え方ですと、ACCESS のデータを CSV や dBase 形式などで、 TNTmips へインポートし、リレーショナル・データベースを構築します が、今回は、ODBC という技術を使いまして、そのまま ACCESS のデータ を TNTmips 側のポリゴンへリンクしてみます。 ▼Display/Spatial Data... [New 2D Group] 機能を実行しまして、ベク タ・ポリゴンデータを表示します。 ▼次に、Group Controls ウィンドウから、対象レイヤの青矢印(Show Details)マークをクリックしまして、ポリゴン行の Make Table/Form ボタンを押し、Link To Data Source... メニューを選択します。 ▼Link To Data Source ウィンドウが現れましたら、左端の Data Source Name 欄から、利用するソフト用のドライバを選択します。今回は、 MS Access Databse を選択します。 ▼選択しますと、読み込む ACCESS ファイルを聞いてきますので、.mdb ファイルを設定します。 ▼今度は .mdb ファイル内のテーブル名リストが現れますので、対象と なるテーブル名を選択(黒く塗りつぶす)しまして、Add ボタンを押しま しょう。 ▼ここまでできましたら、あとは右下の OK ボタンをクリックするだけ です。うまくいきますと、このように Group Controls ウィンドウ内に は、このようなリンクされたテーブルボタンが追加されます。 ■あとは、ポリゴンの番号とリンクされたテーブルの番号を、リレーショ ナルデータベースで繋げてあげることで、4つのポリゴンはそれぞれ、 名前を持つことができます。 リレーショナルデータベースの構築方法を忘れてしまった方は、 メルマガ91号をご参照ください。 http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_091.htm いったいこの作業をすることで、どんなメリットが生まれるのか? と、 思われるかもしれませんが、それでは、早速 TNTmips をそのままにし まして、ACCESS 側のテーブルを書き換えてみましょう。 ▼例えば 高知県を「土佐犬」、愛媛県を「ミカン」と書き換えてみます。 ▼ACCESS のテーブルを上書き保存して、TNTmips 側で左上の Redraw ボタンを押し、再描画してみると... ■やはり、もとに戻したいので、再びテーブルの中身を書き換えて、 Redraw すると... このように、データの更新は普段使い慣れているデータベースソフトを 利用し、空間上にプロットする作業は GIS に任せるといった、分業が 可能になります。 ● この ODBC を利用しますと、例えばこんなことができます。 今度の ACCESS データには、このようなテーブルがあったとします。 フィールド1が X座標、 フィールド2が Y座標、 フィールド3が Z座標、 フィールド4が 選手名 です。 この座標は、国際試合と同じ 105m×68m の大きさで作成した、サッカー フィールドに合わせて入力しています。 (お手製のサンプルデータはこちらからダウンロードできます) http://www.opengis.co.jp/img/faq/soccor/Field.zip [約0.1MB] このテーブルを ODBC 経由でデータベーステーブルとしてリンクして、 サッカーフィールドベクタデータの上に、ピンマップ表示として重ねます。 (この場合、通常の Process/Import-Export... 機能にて、DataBase の ODBC 機能を選択して、リンクする必要があります) ▼細かな作業内容は省略させていただきますが、結果として、このように データベースの情報が空間データとしてプロットされます。 [真上から見ると] [3D にすると] ▼さて、ここで ACCESS 側のテーブルを書き換えてみましょう。 今回は、「Nakata」を「中田」に変えてみます。 ▼そして、TNTmips 側を Redraw すると、文字が確かに変わりますね。 [真上から見ると] [3D にすると] ▼同様に選手全員を日本語に変更してみます。 ▼次に、ACCESS のテーブル側で、中田のX座標を 40→30 に変更してみま しょう。 ■TNTmips 側で、Redraw すると、このように、中田が前へ進みますね。 属性がリアルタイムに変化するという場合であれば、ラスタやポリゴン等 の GIS データとリンクを張る、最初にご紹介した四国の例で十分ですが、 座標そのものが移動する場合は、このようにリンクしたデータベースその ものをプロットするピンマップテクニックを使う方法もあります。 ちょっと、ODBC を使ってみたくなりましたでしょうか? サッカーのようなスポーツも、空間的に扱えば、れっきとした GIS データ です。たまには、このような使い方をしてみると面白いかもしれませんね。 但し、おいおい、全員ボール持ってるぞ!! とか、突っ込まないでくださいね。 今週の新プチ・テクニック """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""" " " もっと気軽にデータベース・テーブルをチェックしたい... " " テーブル同士の繋がりをグラフィカルに表現する、Database Editor " を起動するには、通常メインメニューより Edit/Attributes Databases... " を実行しますが、GIS データの閲覧中にテーブルを確認する際は、 " いちいち、データベースオブジェクト名を指定したりと非常に不便です。 " " そんなときは、いつもの Group Controls ウィンドウから Database " Editor を直接起動してみましょう。多少わかりにくいのですが... " " " ▼まず、Display/Spatial Data... を実行して、GIS データを表示 " します。 " " ▼Group Controls ウィンドウより、確認したいデータベースを持つ " レイヤを確認し、その行の青矢印マーク(Show details)をクリック " します。 " " ▼さらに、表示したい要素(ラインやポリゴン)の行にあります " Make Table/Form ボタンより Edit Relations... を選びます。 " " " " " ■これだけで、データ閲覧中に、そのデータが使用するデータベース・ " テーブルをグラフィカルに確認することができるんです。 " " " " " 一度知ってしまうと、この方法のほうが圧倒的に便利ですね。 " " """" 隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信 """" New Things 最新情報 ================================================================= = = TNTmips の紹介ページを更新【 TNT 製品紹介 】 = http://www.opengis.co.jp/htm/catalog/catalog.htm = = TNTmips の基本操作を更新しました 【TNTmips の基本操作】 = http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm = ================================================================= ■■■■■■ 今 年 も テ キ ス ト 販 売 中 !! ■■■■■■ 昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を 今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!! 同時に、TNTlite の日本語解説セットも、オープンGIS 独自パッチや、 北海道地図さんの GISMAPTerrain サンプルデータと共にリリースしました。 詳しい内容はこちらをご覧ください。 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ バグ・トラブル情報 ??? ??? ??? 国土地理院さんが提供している、数値地図2500[空間データ基盤] ??? を使われていますか? ??? ??? このデータは、TNTmips でも Process/Import-Export... 機能にて ??? SDF という名前の形式としてインポートすることができます。 ??? ??? しかし、うまく読み込めないという現象がいくつか確認されており ??? まして、何度か修正を重ねてきましたが、その中でも一番大きなエ ??? ラーである、XY 座標の反転現象がようやく修正されました。 ??? ??? ● ??? ??? この現象は、日本独自の平面直角座標系という座標系の XY座標の ??? 向き(X:経度方向/Y:緯度方向)が、通常の GIS が考える XY(X:経度 ??? 方向/Y:緯度方向) と逆転していることに起因するエラーでした。 ??? ??? 但し、今までは XY 軸を逆に読み取っていましても、最終的に四隅 ??? に与えられますコントロールポイントが正しいために、表示上はほ ??? とんど問題ありませんでした。 ??? ??? けれど 実データのXY座標が逆転しているので、数値地図2500 の ??? データ単独で表示したときには XY が逆転してしまいます。 どう ??? しても、一度座標を置き直す Warp 処理が必要だったのですが、 ??? 今回の修正で、そのままデータを利用することが可能になりました。 ??? ??? ??? ??? ??? もし、数値地図2500[空間データ基盤] データをインポートされる ??? 場合は、大変お手数ですが、マイクロイメージ社のサイトより、 ??? 最新版(27Aug03以降)の修正パッチを充てていただけますでしょうか。 ??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/ ??? ??? また、詳しいパッチの充て方につきましてはこちらのサイトをご覧 ??? ください。 ??? http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm ??? ??? ??? 数値地図2500[空間データ基盤] 中部圏・その他の地域のデータ対応 ??? につきましては、もう少々お待ちください。 ??? ??? よろしくお願いいたします。 ??? ??? ??? ??? 今週の話題 on メーリングリスト ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~ 今週は特にありませんでした。 ~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、 ユーザーさまの間での情報交換の場として 多くの方に利用されています。 ■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■■ ・TNTmips シングルライセンス 840,000円(税別・送料別) ・年間バージョンアップ(2回分) 140,000円(税別) ・年間テクニカルサポート 90,000円(税別) 普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、 円相場に応じて価格が変動いたしますことを ご理解よろしくお願いいたします。 わからない点などありましたら、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が半年過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。 >サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。 >サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。 >サービスその9:現在計画中です... 「これで年間9万円は安い!!」と感じていただけるような サービスを提供していきたいと考えております。 よろしくお願いいたします。 ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、 TNTmipsに関わる新しいニュースを、 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================