Subject: [ts-mag:00183] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 173号】
Date: Fri, 22 Oct 2004 22:21:01 +0900
From: Taichi FURUHASHI
OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2004/10/22
Keywords: OpenGIS,TNTmips,NeaestPolygon,SML,Copy&Paste,v70,MacOSX
オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン
第173号「 一 番 近 い ポ リ ゴ ン を 探 せ ! 」
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株式会社 オープンGIS
手当たり次第にアタック!!
なんて、人間がやると非常に非効率ですが、世の中には文句一つ言わず
にやってくれるものがあります。それがコンピュータ。行うべき動作を
すべて指示すれば、あとは一晩でも二晩でも徹夜で延々と計算してくれ
ます。
GISも同じです。
今普及しているGISアプリケーションのほとんどは、メニューとボタ
ンを選択することで、様々な機能を利用することは可能ですが、まった
く同じ操作を100回やりなさい! とか、1000回やりなさい! と言われて
も、ちょっとやりたくないですよね。例えば「100地点のポイントと100
個のポリゴンを、すべての組み合わせで距離計算しなさい!」という、
仕事が発生したとします。100個のポイントと100個のポリゴンですから、
組み合わせを考えると10000回も計測しなければならない!
今週はこの処理を、SMLという言語を使って手当たり次第に測定させ
ましょう。
●
まず、今回のサンプルデータを確認してみましょう。
小笠原の母島周辺に散らばるポイントベクタと、母島周辺の海岸線ポリ
ゴンベクタを用いました。
2つのベクタデータを重ねるとこんな具合です。
このデータを使って、次のような処理を考えました。
(1)あるポイントから、すべてのポリゴンの中心点に向かって線を引く。
(2)発生した線の長さを比較して一番短いラインを求める。
(3)そのラインだけを保存する。
(4)(1)〜(3)までの処理をすべてのポイントで行う
今回、ポリゴンの内側に含まれるポイントは処理の対象外となっています
ので、この処理の具体的な利用方法は、例えば「現在、海にいるすべての
船が、それぞれ一番近い島に移動する場合の距離を求める」なんてことに
利用できます。試しに、あるポイントからすべてのポリゴン中心へ線をひ
くと、このように放射状のデータが作成されます。
同じ処理をたくさんのポイントで行うと、当然、このようにゴチャゴチャ
になります。煩雑すぎて、情報が読み取りにくいですね。
そこで、最終的には一番短いラインだけを抽出する事までをSMLで処理
してしまいましょう。こうすることで、放射状のゴチャゴチャ図からは開
放されます!
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●
解説が長くなってしまいましたので、具体的な処理方法をご紹介いたし
ましょう。まずは、こちらから最短距離ポリゴン測定SMLをダウンロー
ドしてください。
p2pDistance_v10.sml [80KB]
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/vector/p2pDistance_v10.sml
▽メインメニューより [解析処理]>[SML]>[実行...] をクリック。
▽<最近隣ポリゴン測定SML ver1.0>ウィンドウが登場。
▽左端の歯車ボタンをクリック。
▽<オブジェクトを選択>ウィンドウで、最初にポイントベクタを選択し
て [OK] ボタンをクリック。
▽再度<オブジェクトを選択>ウィンドウが登場するので、ターゲットの
ポリゴンベクタを選択して [OK] ボタンをクリック。
▽<サブオブジェクトを選択>ウィンドウで、ジオリファレンスを聞いて
きますので、用いているデータが使用しているジオリファレンスを選択
して [OK] ボタンをクリックします。
▽これで、処理が始まります。ポイント数とポリゴン数が多いと、かなり
時間がかかりますので、この時間に別の作業をしてしまいましょう。
■測定が終了すると、p2pDistance_v10.sml が置いてありますフォルダの
中に、PointToPolygonLines.rvc という名前のファイルが生成されてい
るはずです。この中に、ポイントとポリゴンを結んだラインベクタやそ
の中の最短ラインだけを集めたベクタオブジェクトが格納されています。
●
早速、出力結果を確認してみましょう!
この処理の一番の欠点は、真ん中にどーんとあります母島本島の海岸線
にうまく対応し切れていない点です。なぜならば、母島海岸線ポリゴン
の中心が、海岸線から遠く離れているため、本当は母島のほうが近いに
も関わらず、ちょっと離れた小島へとラインが引かれてしまいます。
この部分を改良すると、より実用性の高いSMLのなるのかもしれません。
そういう意味で、まだまだ発展性のある再近隣ポリゴン処理ですね。
もちろん作者の修行もまだまだ足りませんが...
今週の過去プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" 文字のコピー&ペーストのショートカットがわからない!
"
"
" TNTmips は、X-Window システムを利用していますので、ver6.9 まで
" は、文字のコピー&ペーストを扱う場合も、ショートカットキーがち
" ょっと特殊でした。でも、ver7.0 からはよくある Ctrl+c や Ctrl+v
" といったコマンドに切り替わります。
"
" コピー / カット / ペースト
" TNTmips ver6.9: Ctrl+Ins / Shit+Del / Shift+Ins
" TNTmips ver7.0: Ctrl+c / Ctrl+x / Ctrl+v
"
" MacOSX では、Ctrl キーが Apple キーに置き換わります。
"
" コピー / カット / ペースト
" TNTmips ver7.0: Apple+c / Apple+x / Apple+v
"
" 但し、MacOSX版では、まだ日本語文字のコピー&ペーストには対応
" していません。
"
" (メルマガ第69号を改良)
"
"
"""" 隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信 """"
New Things 最新情報
=================================================================
=
= 数値地図25000地図画像のインポータ改良! 【SMLスクリプト】
= http://www.opengis.co.jp/htm/basic/topo25000.htm
=
= 数値地図50000地図画像のインポータ改良! 【SMLスクリプト】
= http://www.opengis.co.jp/htm/basic/topo50k.htm
=
= 数値地図200000地図画像のインポータ改良! 【SMLスクリプト】
= http://www.opengis.co.jp/htm/basic/topo200k.htm
=
= ver7.0用の日本語メニューが公開されました!【日本語メニュー】
= http://www.microimages.com/i18n/locales/Japanese/v700.htm
=
= 第167号「地形図っぽいのがお好き?」【メルマガ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_167.htm
=
=================================================================
■■■■■■ 今 年 も テ キ ス ト 販 売 中 !! ■■■■■■
昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を
今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!!
同時に、TNTlite の日本語解説セットも、オープンGIS 独自パッチや、
北海道地図さんの GISMAPTerrain サンプルデータと共にリリースしました。
詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm
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バグ・トラブル情報
???
???
???
??? MacOSX 版の動作が遅い!!
???
???
??? 次期バージョンである ver7.0 の開発版をすでに御利用の方も
??? いらっしゃると思いますが、9月以降に公開されました、MacOSX 版
??? TNTmips の動作が以前より遅くなった!! との指摘がありました。
???
??? 確かに、9月に入ってからの公開された MacOSX 版 TNTmips ver7.0
??? は起動時間や、各ウィンドウの表示速度が遅く、ストレスを感じて
??? もおかしくない状況でした。
???
??? ただ、10月に入ってからはかなり最適化されてきたのか、動作が機敏
??? になってきています。ただ、なかなか口で言っても信用されませんの
??? で、試しに、同一環境で 2004年9月15日開発版、2004年10月13日開発
??? 版、2004年10月19日開発版の3種類で実行速度を計測してみました。
???
??? それぞれの項目は3回計測した平均値です。
???
??? 2004年 9月15日開発版:1)40.3秒、2)10.3秒、3)6.5秒
??? 2004年10月13日開発版:1)14.0秒、2) 4.6秒、3)6.7秒
??? 2004年10月19日開発版:1)12.0秒、2) 4.6秒、3)6.8秒
???
??? 1)TNTmips 起動時間、2)[表示]>[空間データ...] 起動時間、
??? 3)[サポート]>[タイミング...]機能の[ステータスの表示]モード
??? で、1000回繰り返し時間の計測
???
??? ウィンドウの表示など、GUIに関わる動作が格段に良くなってい
??? ます。ただ、内部的な演算処理は、それほど変わってないようです。
???
??? もし、お使いの TNTmips ver7.0 MacOSX版の動作がどうも遅いな?
??? と思われましたら、こちらのサイトより、最新の開発版(19Oct04以
??? 降) をダウンロードしてお試しいただけますでしょうか。
??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV70.htm
???
??? お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
???
???
???
???
今週の話題 on メーリングリスト
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~ 今週は特にありませんでした。
~
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メーリングリストに参加されたい方は、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。
弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
ユーザーさまの間での情報交換の場として
多くの方に利用されています。
■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■■
円高になりましたので、ver6.9 リリースを機に、価格を改定!!
全体的に安くなりました!
・TNTmips シングルライセンス 827,400円(税込)
・年間バージョンアップ(2回分) 136,500円(税込)
・年間テクニカルサポート 94,500円(税込)
普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。
わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。
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困ったときの問題解決フローチャート
▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」
STEP1 「ウェブ検索テクニック」
▽オープンGIS検索システム
http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
▽メールマガジン検索システム
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
▽マイクロイメージ検索サイト
http://www.microimages.com/search/
▽Google 検索
http://www.google.co.jp/
とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
- や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
を使いこなすと、便利です!
STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]
STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
http://www.microimages.com/didyouknow/
▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
http://www.microimages.com/refman/
STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
メーリングリストに参加されたい方は、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。
弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
ユーザーさまの間での情報交換の場として
多くの方に利用されています。
STEP5「テクニカルサポート」
テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス
############# このメールマガジンの配信について ################
このメールマガジンは、年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。基本的には、登録アカウント
1つに対して1ユーザーを配信対象としておりますが、例えば、研究室
の予算で加入された場合などは、ご購入いただいた指導教官と、実際に
TNTmips で作業を行う学生1名の、計2ユーザーを対象として配信させて
いただきます。
1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。学生さん2名
が同じくらい使用する場合は、申し訳ありませんが、じゃんけん等で1
人に決めてください。
また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。
メールマガジンが配信されなくなった時は、サポート期限が半年過ぎた
とお考えください。
転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。
テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:現在計画中です...
「これで年間9万円は安い!!」と感じていただけるような
サービスを提供していきたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
============ おことわり =============
※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、
TNTmipsに関わる新しいニュースを、
毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。
※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。
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