Subject: [ts-mag:00129] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 121号】 Date: Sun, 19 Oct 2003 11:55:48 +0900 From: Taichi FURUHASHI OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2003/10/17 Keywords: OpenGIS,TNTmips,connection,sml,exclusive,getstart,sketch オープンGIS テクニカル・サポート専用メールマガジン 第121号「 繋 が っ て い る こ と は 、大 事 な こ と !! 」 ################################################################# 株式会社 オープンGIS 学校の教室から体育館へ繋がる渡り廊下... 温泉宿から露天風呂へ続く渡り廊下... あるモノとあるモノが繋がることで、外の空間を経由しなくても移動が 可能になります。例えば、渡り廊下に屋根がついていれば、雨が降って も、雪が降っても、簡単に体育館や露天風呂へ行くことができるのです。 これを自然にあてはめた時、一番話題になるのは「森」が繋がっている のかという問題です。日本中あちこちに道路が建設され、大きな森を分 断されている現状では、森で生活をする動物たちは、それぞれが今まで よりも小さな森の中だけで生きていかなければならなくなります。 広い行動圏を持つ、熊などの大型哺乳類はとくに深刻... そこで、最近では「緑の回廊」という発想で、森と森を繋げ、野生の動 植物が移動できるようにして、その生息・生育地の拡大とお互いに交流 を行うような試みが実施されています。 ▽林野庁 http://kokuyurin.jca.ne.jp/Kokuyu_Natural_Submenu03.html ▽北海道森林管理局 http://www.obihiro.go.jp/korido/korido.html ▽日本自然保護協会 http://www.nacsj.or.jp/old_database/korido/korido-index.html ● さて、ようやく本題ですが、その森の繋がりを評価するための手法として、 GIS を利用することができます。 ヒトコトに繋がりと言っても、GIS の場合、ベクタデータとしての繋がり (トポロジ)であったり、ラスタデータとしての繋がりと、概念が異なって きます。もちろん、いろいろな発想でこの「繋がり」を考えていただいて よいのですが、一つのアイディアとして、原科さんという方が考えた、ラ スタデータとしての繋がりの定量化法「連結性指数(指数CON)」という方 法があります。 仮に、森林のある場所を1、ない場所を0としまして、1と0のラスタを 作成したとして、話を進めてきましょう。 例えば、このようなラスタを例に考えていきます。 01101 11001 10100 11100 10001 この森林あるなしラスタに対して、3×3の窓枠領域を設定します。GIS の専門用語では「空間フィルタ」という手法になります。この3x3の 窓枠を、すべてのピクセルに対して当てはめ、次のような算出方法で、 森林ピクセルの「繋がり」度合いを値に変換していきます。 算出方法1: 対象ピクセル(3x3 の真ん中)が森林でなければゼロ(0) 000 000 → 0 000 算出方法2: 対象ピクセルが森林ならば、1 000 010 → 1 000 算出方法3: そのピクセルの周囲1ピクセル以内森林があれば、 ピクセルの数だけ算出方法2に加算 100 010 → 1+1 → 2 000 001 111 → 1+3 → 4 000 111 111 → 1+8 → 9 111 このように数値化することで、0〜9の値へと変換することができます。 01101 04302 11001 46002 10100 → 50400 11100 46300 10001 30001 ● 早速このアルゴリズムを使いまして、SML を作成してみました。 こちらからダウンロードできます。[SML 0.1MB] http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/ConnectRaster_v11.sml メインメニューより Process/SML/Run... で、ダウンロードした SML を 選択しますと、必要なラスタデータを聞いてきます。 ▽森林あるなしラスタを指定 ▽出力結果ラスタの保存先を指定 ■計算終了 どうですか? つながりが見えてきましたか? 「連結性指数(指数CON)」についての詳しい内容は、 原科幸爾:日本列島における哺乳類の分布からみた森林連続性の評価, 東京大学農学部生命科学研究科修士論文, pp9,10, 1999. をご参照ください。 今週の新プチ・テクニック """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""" " " たくさんのレイヤが表示されているけど、 " 注目したいのは1つだけでいい!! " " " Display/Spatial Data 機能で、GISデータを表示する際に、いくつも " のレイヤを表示していますと、場合によっては再描画に時間がかかっ " てしまいます。しかも、注目したいレイヤはそのうちの一つだけでい " いとすると、今表示しているレイヤをすべて非表示にして、確認した " いレイヤだけを表示する... この操作を何度も行うのは面倒ですね。 " " そんなときは、Group Controls ウィンドウのメニューより Group/ " Projection-Clipping... を選択してみましょう。Group Settings " ウィンドウの Special タブへ移動し、その中にあります Layers are " mutually exclusive トグルボタンをオンにします。 " " あとは、Close ボタンを押して、Group View ウィンドウへ戻ると、 " 常に表示するのは、1つだけの状態です。別のレイヤを表示すると、 " 自動的にさっきまで見ていたレイヤを非表示に切り替えてくれます。 " " いかがですか、結構便利な機能ですよね。 " " """" 隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信 """" New Things 最新情報 ================================================================= = = 「クエリの作成と使用」PDF公開 【TNT入門】 = http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm = = スケッチ機能の「多角形の角度調節入力バグ」の修正 【修正パッチ】 = http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD = = 「地理データの入手」PDF更新 【TNT入門】 = http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm = ================================================================= ■■■■■■ 今 年 も テ キ ス ト 販 売 中 !! ■■■■■■ 昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を 今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!! 同時に、TNTlite の日本語解説セットも、オープンGIS 独自パッチや、 北海道地図さんの GISMAPTerrain サンプルデータと共にリリースしました。 詳しい内容はこちらをご覧ください。 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ バグ・トラブル情報 ??? ??? ??? あれっ、角度を変えて入力したのに...? ??? ??? Group View ウィンドウの画面上に、直接 CAD データを書き込むこ ??? とができるスケッチ機能(SKETCH)では、三角形や五角形などの正多 ??? 角形も入力することができます(詳しくはメルマガ第085号をご覧く ??? ださい) ??? http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_085.htm ??? ??? さらに、裏技テクニックに近いですが、Shift キーを押しながら、 ??? 確定前の多角形をつまむと、角度の調整が可能です。 ??? ??? ところが、角度を調節して確定(右クリックして、Add To Sketch) ??? を行っても、調節した角度設定が採用されないバグがみつかりました。 ??? ??? ??? マイクロイメージ社へ報告しましたところ、最新の修正パッチにて ??? 修正されました。大変お手数ですが、もし、スケッチ機能で、多角 ??? 形入力を頻繁に行われる場合は、こちらのサイトより、最新の修正 ??? パッチ(15Oct03)をダウンロードし、充てていただけますでしょうか。 ??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/ ??? ??? 詳しい修正パッチの充て方につきましては、こちらのサイトをご参 ??? 考ください。 ??? http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm ??? ??? よろしくお願いいたします。 ??? ??? ??? 今週の話題 on メーリングリスト ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~ 今週はとくにありませんでした。 ~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、 ユーザーさまの間での情報交換の場として 多くの方に利用されています。 ■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■■ ・TNTmips シングルライセンス 840,000円(税別・送料別) ・年間バージョンアップ(2回分) 140,000円(税別) ・年間テクニカルサポート 90,000円(税別) 普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、 円相場に応じて価格が変動いたしますことを ご理解よろしくお願いいたします。 わからない点などありましたら、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が半年過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。 >サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。 >サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。 >サービスその9:現在計画中です... 「これで年間9万円は安い!!」と感じていただけるような サービスを提供していきたいと考えております。 よろしくお願いいたします。 ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、 TNTmipsに関わる新しいニュースを、 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================