数値地図25000
 みこみSML使い方


画期的なSMLが登場しました。
(その前に、SMLとは何か?について知りたい方は、こちらのページをご覧ください。)

国土地理院の発行している「数値地図25000(地図画像)」は、
いわゆる地形図をスキャナーで読み取ったようなもので、
衛星画像のジオリファレンスや、GPSで取得した座標データとの重ね合わせなど、
様々なことに用いられている、地図画像データです。

しかし、CD-ROMには、Tiff画像と独自の座標情報が書き込まれているため、
今まで、TNTmipsでの利用は、Tiffデータとして読みこんだ後に、
手作業で、ジオリファレンスを行ってきました。
加えて、隣り合った複数枚の地図画像を重ねると、
図郭の端にある余白スペースが覆い被さり、この範囲を切り取る作業もまた必要となってしまいます。

しかも、CD-ROM 1枚に含まれる画像は、およそ60〜70枚。
日本全国ならば、約4000枚もの画像に対してジオリファレンスと切り出し作業を行わなければなりません。
とても、すべての画像をつなぎ合わせることなど、
夢のまた夢でした。

しかし、このSMLは、その夢を実現します。
●CD-ROM1枚分の地図画像を一気に読み込み、
●自動的にジオリファレンスを行い、
●余分な図郭の外側を透明にしてくれます。
●さらに、それぞれの画像オブジェクト名には、メッシュコードが、
●それぞれの注釈には、地名(ローマ字)が書き込まれ、
●地図画像の発行年月日がメタデータとして保存されます。
あとは、国土地理院からCD-ROMを購入して、大容量のハードディスクを用意すれば、
関東全域でも、たった1日の作業で、データのインポートが終わるでしょう。

どうぞ、このSMLを最大限に利用してください。
そして、あなたのGIS作業から、
少しでも、ストレスが減ることを期待します。

尚、このSMLはユーザー様からの提供によるものです。


本ページ作成時の環境は、Windows 98SE,Me,Mac OS8.5.1(TNTmips 6.4/6.5)

   注 意 事 項
   ■TNTliteでは使用できません。
   ■生成される地図画像の縦横サイズは、読み込み前と変わりません。
   ■また、CD-ROM1枚分の処理で生成されるプロジェクトファイルは、およそ、1.5Gbytesです。
    十分なハードディスクの空き容量を確保してから、実行してください。
   ■図郭線など、多少残る場合もあります。
   ■離島など、モザイク図には、正しい座標がつかないこともありますので、ご了承ください。
   ■CD-ROMの発行年が異なると、正しいジオリファレンスが行われません。
    発行年があやふやな場合は、必ず各自でkanri*.prnファイルを作成してください。
   ■メモリを消費しますので、SML実行の際は、他のアプリケーションをなるべく実行しないでください。
   ■また、実行中の他のアプリケーションは、できるならば、終了してからの作業をおすすめいたします。
   ■このSML処理はCD-ROM1枚分で、約1時間(PentiumV500MHzの場合)かかります。
    寝る前やお食事前に行うと効率的です。
   ■このSMLは、TNTmips ver.6.3 , 6.4 , 6.5での動作確認がされておりますが、
    その他のバージョンでの動作は確認しておりません。
    上記以外のバージョンでの動作状況をご報告いただけると、幸いです。


このページ内の 目 次
@ダウンロード
必要なファイルを入手
AEXCEL作業
.prnファイルを作成
BSMLの実行
mips上でSMLを実行
C補足説明
詳しい解説




 

ダウンロード

まずはじめに、最低限必要な2つのファイルをダウンロードしてください。
より楽に作業を行いたい方は、kanriJAPAN.zipファイルもダウンロードしてください。
尚、このzipファイルは、鷹尾 元(森林総研)様、斎藤 馨(東大・自然環境コース)様
の協力により、共同で作成いたしました。



▼次の2つのファイルをダウンロードしてください。
下のフロッピーディスクのマークをクリックするとダウンロードができます。 ネットスケープをお使いの方は、右クリックしてから「リンクに名前をつけて保存」を選択してください。 また、Excelが起動した場合は「名前を付けて保存」を選択して、適当なディレクトリへ保存してください。
  kanri0.xls   ( .prn 作成用EXCELファイル :147Kbytes)
 EXCEL97/2000用マクロが含まれています。


  Topo25000.sml   ( TNTmips用SMLファイル :6Kbytes)
ダウンロードしたファイルは、それぞれ適当な場所に保存してください。特に保存場所が決まっていない方は、Topo25000というワークディレクトリを作成して、その中へ保存しておくことをお勧めします。


▼とにかくすぐに実行したい方は次のファイルもダウンロードし解凍してください。
このファイルは、SML実行前に行う準備作業で、EXCELでの計算、ローマ字変換作業を行い、出力された、SML用のパラメーターファイルです。 zip圧縮されていますので、適当な解凍ソフト(lhasa、Winzipなど)を利用して解凍を行い、.prnファイルをすべて、ワークディレクトリ ( 例えば、Topo25000ディレクトリ )へ、コピーしてください
現在までに作成されたパラメーターファイルの一覧はこちらです。
  kanriJAPAN.zip   ( 日本全国のパラメータファイル :207Kbytes)





 

EXCEL作業(kanri*.prnファイルの作成)

数値地図25000のCD-ROMには、kanri.csv という、
地図画像の情報をまとめた表があります。このファイルをEXCELで計算し、
同時に、地図画像の名前をローマ字に変換しておくと、
あとは、結果をスペース区切りのテキストファイルとして、
ワークディレクトリに出力して、パラメータの完成です。



▼はじめに書くことではないかもしれませんが、kanriJAPAN.zipをダウンロードされた方は、ほとんどこのEXCEL作業を行う必要はありません。 ただ、場合によっては、発行年度の違いで使用できないこともありますので、数値地図のCD-ROMに記載されている、発行年度とファイル名をよく確認してください。
自力ですべての作業を行いたい方は、このEXCEL作業を行ってください。 このSMLの処理をより詳しく理解することができます。

▼ではまずEXCELを起動し、ダウンロードしたEXCELファイル "kanri0.xls"を開きます。


▼次に、数値地図25000(地図画像)のCD-ROMから、
"Data / kanri.csv"というテキストファイルをEXCELで開きます。


▼すると、CD-ROMに記録されている地図画像の情報が一覧で表示されますので、そのデータをすべて選択し、コピーします。 貼り付ける場所は、最初に開いたkanri0.xlsファイルのKANRIワークシートに、1行A列を起点として、ペーストしてください。
このとき、CTRL+A (すべて選択)、CTRL+C (コピー)、CTRL+V (貼り付け) を使用すると、一瞬です。

▼ワークシートをKANRIからkanri0へ移動すると、パラメータの計算された結果が現れていると思います。 感の良い方は気づかれると思いますが、C列が空白になっているのがわかります。 この空白欄に、図幅名のローマ字を入力しましょう。
EXCEL97/2000をお使いの方は、メニューより ツール/マクロ/マクロ を選択し、"Henkan"マクロを実行するとローマ字変換が自動化されます。

▼ローマ字の入力が終わりましたら、下の行(だいたい60〜70行目あたり)へ移動して、値が0と表示されている、データ範囲を削除してください。


▼余分なセルの中身を削除したら、「ファイル/名前を付けて保存」を行い、ファイルの種類で「テキスト(スペース区切り)(*.prn)」を選択して、"kanri+地域名+発行年(元号頭文字と年2桁)+.prn" ( 例えば、kanriTokyoH09.prn )というファイル名で、ワークディレクトリ(例えば、Topo25000ディレクトリ)保存してください





 

SMLの実行

さあ、いよいよ、SMLを実行します。
まず、インポートしたいCD-ROMをセットしましょう。
あとは、Topo25000.smlファイルをダブルクリックするだけで、
プログラムが実行され、必要な情報を聞いてきますので、
読みこむCD-ROMの地域名、発行年、ワークディレクトリの場所、
CDドライブの番号のメモを手元に置いておくと、スムーズに処理が行えます。



▼Topo25000.smlをダブルクリックしてSMLを実行します。
複数のTNTmipsをインストールされている場合、どのTNTstartを使用するか聞いてくる場合があります。
いくらダブルクリックしても、起動しない方は、こちらをご覧ください。
いくらダブルクリックしても、TNTliteが起動してしまう方も、こちらをご覧ください。


▼すると、MI/Xが起動し、SMLが動き出しました。
画面には、「Welcome to Topo25000 program!!」と表示された、ダイアログが現れたと思います。

それではまず、ワークディレクトリ (例えば、Topo25000ディレクトリ) に、
今回読みこむCD-ROMの地域用、kanri*.prnファイルが置いてあるか、確認してください
ない場合は、EXCEL作業からやり直してください。

次に、CDドライブに、読みこむ数値地図25000(地図画像)CD-ROMがセットされているか、確認してください。

以上2点が確認できたら、OKボタンを押してください。


▼すると、今度は「Input Region Name」等と表示されたダイアログが
表示されたと思います。
入力欄には、デフォルトとして「TokyoH09」と書いてありますので、
今回処理する地域名CD-ROMの発行年を、
kanri*.prnファイルにつけた名で入力してください。
例えば、「ShizuokaH09」など...
パラメータファイル(kanriJAPAN.zip)をダウンロードして、EXCEL作業を省略した方は、
こちらの表で確認してください。

また、網走・浜田・沖縄のCD-ROMを使用される方は、UTMゾーンにまたがった地域ですので、必要に応じてUTMゾーン指定を行ってください。詳しくは、こちらで確認してください。

より詳しい図幅ごとの対応表は こちらです。



▼続いて、ワークディレクトリの名前を聞いてきます。
kanri*.prnファイルが保存されているディレクトリ名を入力してください
例えば、D:/Topo25000/
このとき、最後の"/" スラッシュを書き忘れないよう注意してください。 また、Macintosh の場合は少し表記が異なりますのでご注意ください。
(参考例: " Macintosh HD:Topo25000/ ")
入力しましたら、OKボタンを押してください。


▼今度は、CDドライブのドライブ名を聞いてきます。
Qドライブならば Q: と、Fドライブならば F: と入力してください。
ドライブ名がわからない方は、
Windowsデスクトップのマイコンピューターを開くと、確認できます。
また、Macintosh の場合はCDラベルがドライブ名に相当するので注意してください。
(参考例: " TOKYO: " 東京図幅の場合)
入力しましたら、OKボタンを押してください。


▼すると、少し大きめの
「Cordinate System/Projection Parameters」ダイアログが現れます。
このダイアログでは、入力するGCPの座標系を聞いていますので、
数値地図25000(地図画像)が採用している以下の座標系を選択して、
  System: Latitude/Longitude
  Datum: Tokyo-Japan

OKボタンを押してください。


▼同様に、「Cordinate System/Projection Parameters」ダイアログが現れます。
こちらは、出力する画像の投影法を聞いてきます。
ここでは、UTM座標系を指定しますので、以下のパラメータを入力してください。
  System: Universal Transverse Mercator
  Zone: 必要に応じて、Zoneを選択。Tokyoは Zone 54
 東経126〜132度: Zone 52    東経138〜144度: Zone 54 
 東経132〜138度: Zone 53    東経144〜150度: Zone 55 
  Datum: Tokyo-Japan (もしくは WGS84 が一般的です。)

 入力しましたら、OKボタンを押してください。


▼すべて準備が整っていれば、「Ready?」と表示されたウィンドウの OKボタン を押してください。


▼これで、自動的に処理が始まります。下に表示されている Console Window には、順番にどの地図画像が処理しているかが表示されます。通常のCD-ROMでは、1枚処理を行うと、約1時間ほどかかりますので、しばらく、このままの状態でお待ちください。


▼すべての処理が終了すると、このようなダイアログが表示されます。


▼お疲れ様でした。以上で、インポート作業は終了です。


▼無事にプロジェクトファイルが生成されましたか? プロジェクトファイルは、ワークディレクトリにTopo25000TokyoH09.rvcのような名前で作成されているはずです。画像を表示してみて、そのつながり具合を確認してみてください。

うまく出力されない場合、次のようなことが考えられます。
●ワークディレクトリの名前を間違えていませんか?
●パラメータファイルの中身は正しいですか?
●地域名のスペルを間違えていませんか?
●メモリのリソースは十分に空いていますか?
●TNTliteが起動して「Raster is too Large for TNTlite....」と
 エラーがでる場合はこちらの方法でSMLを実行してください。
●フォルダオプションでファイルの関連付けを行う際は次のように
 「sml」と「%1」も加えてください。
  D:\TNT_65\TNTSTART.EXE sml %1
以上を確認して、念のため一度コンピューターを再起動して実行すると、正しく処理されることもあります。






 

補足(処理の解説)

ここでは、SMLを自分なりにカスタマイズしたりするときに必要と思われる、
いくつかの補足的な解説をします。
感の鋭い方は、気づかれると思いますが、このSMLを改造することで、
数値地図200000地図画像のインポートも可能になりますので、
その一助になれば幸いです。



▼図郭線は、単純に4隅の点を結ぶことで、生成されそうですが、実は、そううまくはいきません。 投影法の関係で、UTM座標系では、lat/lon軸そのものが曲がった形で、表現されるからです。 そのため今回のインポート作業では、4隅以外に北側3ポイント、南側3ポイント、合計6ポイントの中間点を計算し、図郭線を生成することで、この曲線を近似しています。


▼パラメータファイル(kanri*.prn)の中身は、このような構造になっております。 SMLのカスタマイズの際に参考にしてください。


▼数値地図25000地図画像は、CD-ROM全75巻(2001.5 現在)で国土地理院より販売されています。それぞれの図幅の位置や、UTMゾーンなどをわかりやすくまとめてみました。A3サイズで印刷して壁に貼っておくと便利かもしれません。

数値地図一覧 サンプルGIF画像(37Kbytes)

数値地図一覧 PDFファイル(781Kbytes)


▼複数枚の図幅を、並べて表示する際に問題となるのが、図郭線から地図画像の端までのいわゆる余白部分です。 図郭線を抽出後、このSMLは、余白部分をNULL値(今回は0)に置き換えています。 つまり、図郭線で、地図画像を切り出しているのではなく、不必要な場所を透明にすることで、重なりの問題をクリアしております。 逆に、各RaseterObjectのColorMapで、0という値が、透明になっている必要があります。 ただ、ほとんどの場合、自動的に透明になっているようです。


▼延伸フラグとは、海岸付近でよく見られる、範囲外ではあるもののできる限り効率よく、1枚の地図に収めるための、図郭線の延長を意味します。
延伸フラグ


▼数値地図200000対応に改造する際は、
 「延伸フラグのあるなし判定」のメタデータが存在しない点に、注意しなければなりません。 この判定を行わないと、図郭線外の画像を失うことになります。 しかし、なかなか、この判定を正確に行うことが難しいのです。

 おそらく、四隅のピクセル座標値から紙面に対する対称性を検出し、異常に片側へ寄っている場合を判断するのが妥当かと思いますが、その閾値の設定には悩まされます。

 もしかしたら、もっとよい方法があるのかもしれません。


▼最後にメタデータには、このように地図の発行年月日が記録されています。 このメタデータと実際の発行年月日が異なる場合は、新しく更新された地図画像の可能性があります。 その場合は、パラメータファイル(kanriJAPAN.zip)をダウンロードせず、新規に、パラメータファイルを作成してから再度SMLを実行してください。
メタデータ表示





▼数値地図(地図画像)のデータ内容に関する問い合わせは、
 下記へお願いいたします。

 ●数値地図25000(地図画像)
  国土地理院 測図部 地形課
  TEL  0298-64-1111(内線 5254)
  e-mail dmapinfo@gsi-mc.go.jp

 ●数値地図50000(地図画像)
  国土地理院 地図部 地図編集課
  TEL  0298-64-1111(内線 7253)
  e-mail dmapinfo@gsi-mc.go.jp

 ●数値地図200000(地図画像) 
  国土地理院 地図部 地図編集課
  TEL  0298-64-1111(内線 7254)
  e-mail dmapinfo@gsi-mc.go.jp





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2001.6.12更新

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