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GPSを使うにあたって、知っておくと役に立ちそうなことを
いくつか紹介したいと思います。
あくまでも豆知識なので、
さらに詳しく知りたいという方は専門図書などを御覧ください。
▼GPS衛星は、地球のまわりを24個の衛星(予備も含めると約30個)でとりかこみ、6つの軌道に配置され地球1周を約12時間で周っています。つまり、GPS衛星は静止軌道衛星ではなく常時移動していることになります。
衛星運用情報
アメリカ海軍天文台/沿岸警備隊公表
ftp://tycho.usno.navy.mil/pub/gps/gpstd.txt
▼3次元での測位には、4個の衛星を用いることになります(2次元測位は衛星3個)。この4個の衛星がどのように配置しているかによって精度が異なります。この衛星は位置精度を指標化したものがPDOP(Position Dilution of Precision)で値が小さいほど理想的な配置となります(通常は5以下が望ましい)。ちなみに最も理想的な衛星の配置は、天頂に1衛星、水平線ぎりぎりでお互いの水平角が120度の3衛星という配置です。
▼通常のカーナビやハンディレシーバーで行うGPS測量は、SPS(Standard Positioning Servise:標準測位サービス)を利用したものです。C/Aコードと航法メッセージだけを使い測位データを得るのですが、単独測位での水平精度は約15mです。以前はSA(Selective availability)コードが含まれていたため、水平精度が約100mでしたが、2000年5月2日よりこのSAコードが解除され精度が飛躍的に向上しました。但し、こういった精度の値は条件の良い場所での結果ですので、実際はビルや地面からの反射、視界の悪さなど、多くの悪条件に制約されることをご考慮ください。なかなか理想の結果を出すのは難しいです。
SA解除前後の精度変化についての参考ページ
独立行政法人電子航法研究所 衛星航法部
http://www.enri.go.jp/sat/saoff.htm
▼NMEA0183プロトコルは航海用レーダシステムや水深測定器など海洋で使用する電子機器用にNMEAが制定した通信プロトコルです。
NMEA0183プロトコルはGPSデータの標準プロトコルとしての印象が強いですが、GPSは様々な機器のひとつに過ぎません。RS-232/422互換のタイミングシグナル(4800bps,1ストップビット,パリティなし,フローコントロールなし)を持っており、7-bit のASCIIキャラクタとして送受信され、パソコンのシリアルコネクタと接続して様々な通信ソフトでデータを受け取ることが可能です。
一例ですが参考までに、このようなデータが流れてきます。
$GPAPB,V,A,0.22,R,N,V,V,36.5,T,1,37.1,T,,*65
$GPRMB,V,0.22,R,,1,3601.975,N,14006.262,E,24.37,37.1,0.0,V*33
$GPRMC,061940,V,3542.548,N,13948.098,E,0.0,0.0,040601,7.0,W*72
$GPGGA,061940,3542.548,N,13948.098,E,0,0,0.00,71,M,,,,*3D
$GPGSA,A,1,,,,,,,,,,,,,0.00,0.00,0.00*00
$GPGSV,1,1,0*49
各センテンスは"$"で始まり、次に2文字のDevice IdentifierまたはTalker Type(GPSはGP)が記されます。続いてNMEAセンテンスが3文字、今回は上からAPB(Autopilot Senetnce B)、RMB(Recommended Minimum Navigation Information)、RMC(Recomended Minimum Specific GPS/Transit data)、GGA(Global Positioning Fix Data)、GSA(GPS DOP and Satellites in Use)、GSV(GPS Satellites in View)とそれぞれ情報をセンテンスに分けて区別しています。
各要素はカンマで区切られ、例えばRMCセンテンスは
$GP*** , 時刻(UTC:OOMMSS) , データ有効性(A:有効/V:無効) , 緯度 , 南北 , 経度 , 東西 , 速度(ノット) , 位置品質 , 日付(DDMMYY) , 方向(北からの角度) , 東西 , チェックサム
という順で記録されています。
NMEAウェブページ
National Marine Electronics Association
http://www.nmea.org/
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