Subject: [ts-mag:00086] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 291号】
Date: Mon, 19 Mar 2007 17:22:34 +0900
From: WAZA Toshihiko
OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2007/03/16
Keywords: OpenGIS,TNTmips, Auto-Vectorization, Reproject, Ortho
オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン
第291号「 ラ ス タ の 自 動 ベ ク ト ル 化 」
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株式会社 オープンGIS
ベクタデータを作成するには、大別して、
● ラスタを背景にして、対話的にベクタデータを入力する「ヘッズアッ
プデジタイズ」と、
● 自動ベクトル化
の2つの方法があります。
前者では「空間データエディタ」を使いますが、その操作方法について
はホームページでも説明しています:
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/editv_2006_72.htm
今回は「自動ベクトル化」についてご紹介します。
・・・
今回使用したサンプルデータです。
http://www.opengis.co.jp/img/faq/auto_vector/scan_72.tif
サインペンで紙の上に図形を描き、スキャナーで72 dpi(ドット/インチ)
で読み込みました。
実際の、もっと細い線でトレースした図面の場合は、もっと解像度を上
げてスキャンします。
▼ これをTNTmips にインポートします。今回はそのまま(ジオリファレ
ンス、リサンプルをしないで)「自動トレース」のメニューに入りました。
▼ データ上に表示された緑のワクは、「テスト領域」を表します。
▼ 黒のライン(色は関係ありません)のセル値は0ですので、このデータ
に対しては"しきい値以下"を選びます。しきい値のスライダーバーを適
当に真ん中辺に合わせます。
その下の黒ワクの中は、ベクトル化の際に適用できる前処理フィルター
です。有効にするには、先頭の四角ボタンを押します。 [テスト] ボタ
ンを使うと、[実行...] する前にその効果を見ることが出来ます。
・・・
ここでは、「間引き」処理に注目します。
▼ 次の図は、「間引き」処理の数値をいくつか変えて、 [テスト] を行
った結果です。
(間引き:0)
(間引き:1.0)
(間引き:2.0)
背景の青のラインは細線化(黒のピクセルを周囲からはぎとっていって、
最後に1ピクセル幅になったセル)のラインです。赤のラインはそれを元
にしてそれぞれの間引き率でベクトル化したラインです。
ベクトル化の方式は、細線化されたセルを追っていって、直線上に乗っ
ているうちは中間点を発生しません。進行方向に対して直角方向に何ピ
クセル(間引き率と関係)かずれたら、そこでポイントを発生して折れ線
にします。間引き率を大きくすると、発生する点の数は少なくなる反面、
元のラスタからのズレが大きくなります。
▽ ラインが交差する場所についてもテストしてみました。
(間引き:0)
(間引き:1.0)
(間引き:2.0)
交差部が凹んでY字形になると思いましたが、T字形になっています。
他の場所もすべてT字形になっています。
▽ コーナーの様子です。
(間引き:0)
(間引き:1.0)
(間引き:2.0)
角にひげが残っています。
▼ フィルターを使って削除するため、ジオツールボックスで長さを測り
ます。
▼「飛び出しラインを消去」を有効にして、長さを設定します。
▼ [テスト] 結果です。
最終的に、間引き=1.5、飛び出しラインの消去=10 で実行しました。
赤線がベクタです。交差部の青の四角はノードです。
結果はまずまずです。
・・・
今回基になったラスタは、はじめから2値に分かれていて、ある意味、
理想的なデータです。
数値化したい紙地図の情報をどうやってこの「理想的な形」にするかが、
実は問題なのです。
人間の手によるトレースは昔ながらの方法ですが、ベクトル化に必要な
図形情報だけを整理して取り出しているという点で、事後処理の少ない、
もっとも効率的な方法です。
□■Tips□■
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先週は、保存した2次元表示グループを画面用レイアウトで開く方法に
ついて解説しました。
このままでは横に並んだままです。これを上下に重ねる方法について、
今週は解説します。
▼ 表示マネージャの「表示」メニューから「設定...」を選びます。
▼「自動タイルグループ」をオフにします。自動タイルグループとは、
グループをタイルのように横に並べるという意味です。
グループは重なりますが、拡大すると微妙にずれているのが分かります。
▽ いずれかのグループアイコンをクリックします。
▼ [To] ボタンを押して、相手のグループを選びます。その下のポップ
アップメニューを押して、"地理座標"を選びます。[再描画] または[閉
じる] ボタンを選びます。
▼ これでぴったり合いました。
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エラー・バグ・トラブル
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
○「単写真によるオルソ画像の作成を行うと、画像が欠ける」エラーが
マック版でも修正されました。
【エラー番号】crr11808E - Orthorectification: Output raster is
cut off
V72 3月7日以降のパッチをご使用ください(インテルマックで確認)。
長らくお待たせしました。
○ メルマガ【第286号】,【第287号】で報告しました「[日本測地系、緯
度経度]でジオリファレンスされたラスタを、[日本測地系、UTM座標]
に投影法変換(リプロジェクト)すると、東南方向に40mほどずれる」
エラーが修正されました。
【エラー番号】11583E - Data is shifted in progressive
resample/reprojects
修正前は、画像全体が同一方向に移動していましたが、修正後は画像が
いくつかのブロックに分かれて変形します。
TNTmips 2006:72 の2007年3月14日以降のパッチをお使いください。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
●<カラーエディタ>ウィンドウでスライダバーの上を長く押すと、
Windows エラーになる。
【エラー番号】fmh13145E - Color Editor Window: Clicking on an
empty spot inside slider bar causes crash
● 面塗りをしたベクタを、最近のV72を使って印刷すると、粒子が粗く
印刷されます。また、しみのような模様が出ます。マイクロイメージに
出力を送って連絡しました。V71 の最新パッチでは、このような現象は
出ません。
● 上の現象と関係しているかもしれませんが、ベクタをE00ファイルに
出力して、ArcGIS でカバレッジに変換して、ArcView で表示すると、座
標系を変えるたびに、中間点の位置が別のところに飛びます。マイクロ
イメージに連絡済みです。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
新機能要求
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
●「空間データエディタ」の既存ラインの編集において、
確定時、編集しているラインが既存の他のラインと交差すると、次のよ
うなメッセージが出ます。
[OK] ボタンを押すと、今までの編集作業が消え、最初の状態に戻ってし
まいます。
「少なくとも確定直前の状態でとどまってほしい」というのが今回の機
能要求の内容です。
【機能要求番号】fmh13147E - Spatial Edit Vector: Editing a line
so that it crosses a current line causes error
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
□■ お知らせ(重要) □■
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この2月15日から年間バージョンアップの回数が、これまでの年2回から
1回に変わったのは前にお伝えしたとおりです。
http://www.opengis.co.jp/htm/info/change070215.htm
最新バージョンリリース後のアップグレード価格については、これまで
未定でしたが、マイクロイメージ社に確認したところ、金額は据え置き
とのことでした。
例えば、V73 のリリースの後、V72→V73へのバージョンアップは、従来
の金額のままで、84,000円(税別)になります。
★ ということで、やや不思議な気もしますが、年1回になった今、年間
バージョンアップを予約して買うより、リリースを待ってアップグレー
ドする方が割安になります。
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□■ウィンドウズVISTAサポート最新情報 2 □■
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V72 のWindows Vista での動作について:
マイクロイメージに確認したところ、マイクロイメージ社は V72 を
Vista で使えるように改変しない(サポートしない)とのことです。
V72 は 2006年3月にリリースされ、Vista はその後10ヶ月後にリリース
されています。そのため、V72 では Vista をサポートしないとのことで
す。Vista でTNT製品を使用するには、V73 にアップグレードする必
要があります。
また 2007:V73 で Vista を使うには、ライセンスキーをHASP-USB キー
にしなければならないとのことです。パラレルキーなど、他のタイプの
キーは Vista では使用できません。
申し訳ありませんが、現状では以上のとおりです。
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★☆ お知らせ ☆★
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マイクロイメージ社は、3月1日頃から、2006:V72 を購入されたユーザの
方へ 以下の印刷物の発送を開始します。発送はDHLになります。
- 2006:72 リリースメモ
- 2006:72 カラープレート
- 新バージョン2007:73 で予定されている機能一覧
- リンカーン固定資産ビューワ・サンプルTNTatlas DVD(第2版)
- TNTserver 2006:72, TNTmap 2006:72 テクニカルリファレンス
これらはマイクロイメージ社のウェブで、すでにリリースされているも
のです。お待たせしました。
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□■2007:V73最新情報□■
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マイクロイメージ社は、2007:V73 の正式リリース(ダウンロード)を
3月後半(の15日間)に予定しています。大変お待たせしました。
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★ DV73の使用制限
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V72 製品版を購入されているユーザは、DV(開発版)73 を製品版(データ
サイズ制限なし)として使用できます。30日間で使用期限が切れますが、
パッチを更新することでさらに30日間ずつ延長使用が可能です。
RV73 として公式リリースされた後も継続して使用するためには、ライセ
ンス購入が必要です。
DV 版のダウンロードはこちらからどうぞ:
http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV73.htm
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■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■
◆ 現在の V2006:72 の価格
・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込)
・TNTmips 年間バージョンアップ(年1回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート 94,500円(税込)
・V2005:71 --> V2006:72へのアップグレード 88,200円(税込)
・V2004:70 --> V2006:72へのアップグレード 132,300円(税込)
・V2003:69 --> V2006:72へのアップグレード 169,050円(税込)
★そろそろV73 がリリースされますが、今 V72 を新規購入すると、V73
へ無料でバージョンアップされます。
◇ HASP-USB キーへの交換 19,950円(税込)
http://www.opengis.co.jp/htm/catalog/tntinfo/tntinfo_fixed_license.htm
※交換に際して、お持ちのTNT製品が最近のバージョンである必要があり
ます。
◆『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!!
(プログラム及びサンプルデータCD付き)
<目次>
1.空間データの表示
2次元データの表示
3次元鳥瞰図の作成
2.衛星データの取り込み
3.ジオリファレンス
地図画像への座標情報付与
衛星画像への座標情報付与
4.GPSデータの取り込み
5.標高データの解析
陰影図の作成
断面図の作成
勾配・斜面方位の演算
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm
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困ったときの問題解決フローチャート
▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」
STEP1 「ウェブ検索テクニック」
▽オープンGIS検索システム
http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
▽メールマガジン検索システム
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
▽マイクロイメージ検索サイト
http://www.microimages.com/search/
▽Google 検索
http://www.google.co.jp/
とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
- や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
を使いこなすと、便利です!
STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]
STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
http://www.microimages.com/refman/
STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
メーリングリストに参加されたい方は、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。
弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。
STEP5「テクニカルサポート」
テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス
############# このメールマガジンの配信について ################
このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。
基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。
1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。
また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。
メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。
転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。
テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で
対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを
進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できま
す。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...
テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス
テクニカル・サポート・ユーザー専用 FTPアカウント(最大容量500Mbyte)
●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。
テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。
============ おことわり =============
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毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。
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