Subject: [ts-mag:00081] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 287号】
Date: Wed, 14 Feb 2007 22:46:29 +0900
From: WAZA Toshihiko
OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2007/02/16
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Line Density,Transfer Attributes,Theme
オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン
第287号「 ラ イ ン の 集 計 」
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株式会社 オープンGIS
メルマガ【第273号】では、ベクタオブジェクトにおいて、ある属性とあ
る属性の境界線を抽出する方法(「水田」と「宅地」と「森林」が混在
している地域での「宅地と水田の境界線」の抽出)について解説しまし
た。
メルマガ【第273号】「棲めて遊べて」:
http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_273.htm
境界線の長さを、例えば3次メッシュや4次メッシュのようなグリッドご
とに集計し、その結果を段階的に図示すると、直感的でより解りやすく
集計結果を示すことができます。
今回は、その方法について藤田が解説します。
・・・
今回のサンプルデータです。水田と森林の境界線を抽出するとします。
▼ まずは「境界線を抽出」します。青い線が水田と森林の境界線になり
ます。
抽出したラインをグリッドで集計するのですが、「属性の転写」を使用
します。属性の転写については、メルマガ【第166号】で詳しく解説して
います。
メルマガ【第166号】「属性転写でラクをしよう!!」:
http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_166.htm
1)属性の転写
▼ メインメニューの「各種図形」>「属性」>「属性の転写...」を択
します。
▼<ベクタ属性を転送>ウィンドウで、
ソース :ラインデータ(境界線)
保存先 :グリッドデータ
をそれぞれ選びます。データを選択したら、そのデータがラインかポリ
ゴンか選択しください。最後に[操作] で "境界で分割" を選択し、実行
します。
▼ "境界で分割" を選択すると、グリッドと交差する点でラインが分割
され、分割されたライン属性がグリッドのポリゴンに転写されます。イ
メージとしてはこんな感じです。赤丸で囲まれているのが、ラインとグ
リッドの交差する点です。
▼「属性の転写」で、ラインの標準属性(LINESTATS)がグリッドのポリ
ゴンデータベース内に格納されます。
▼ グリッドを選択すると、そのグリッド内のラインの長さが表示されま
す。
この図では、4個のレコードがポリゴンにアタッチされています。これ
は、4本のラインが選択したグリッド内に含まれるからです。このよう
に、グリッド内に複数本のラインがある場合は、複数のラインレコード
がグリッドにアタッチされます。
これで属性の転写は終わりです。次に、複数レコードにわたる長さを合
計するためのテーブルを作ります。
2)境界線の長さの集計
▼<表示マネージャ>ウィンドウのポリゴン上で右クリックし、「新規
テーブル...」を選択します。
▼<テーブルの新規作成>ウィンドウが現れますので、名前と説明を入
力し、次へ進みます。
▼“要素ごと1つのレコード、レコード数と要素数が等しい(暗示的1対
1)”を選択し、次へ進みます。
▼ さらに進むとテーブルのパラメータを設定するウィンドウが現れます。
今回は、グリッドの識別番号と境界線の長さを1つのテーブルに入れま
す。
▼ まずは、グリッドの識別番号のフィールドを作ります。[フィールド
の追加]ボタンをクリックし、フィールド名に“ID”と入力しました。
さらに、フィールドタイプで“数値処理”を選択し、[スクリプトの編
集...]ボタンをクリックします。
▼<クエリエディタ>ウィンドウの[挿入]をクリックし、[フィール
ド]を選択します。
▼<フィールドの挿入>ウィンドウが開きますので、グリッドの識別番
号が入力されているフィールドを選択します。このサンプルデータでは、
GRIDNUM テーブルの NRowColumn フィールドにグリッドの識別番号が入
力されています。選択したら、[Insert]ボタンをクリックし、<クエ
リエディタ>ウィンドウにフィールドを挿入し、このウィンドウと<ク
エリエディタ>ウィンドウを閉じます。
続いて、境界線の長さのフィールドを作成します。<テーブルの新規作
成>ウィンドウに戻り、[フィールドの追加]ボタンをクリックし、新
しいフィールドを作ります。今度は、名前を"length" としました。先ほ
どと同じように、フィールドタイプを "数値処理" にし、[スクリプト
の編集...]をクリックします。
▼<クエリエディタ>ウィンドウで、境界線の長さを集計するクエリを
開きます。クエリはこのウィンドウの「ファイル」から開くことができ
ます。
境界線の長さを集計するクエリ:
http://www.opengis.co.jp/sml/query/line_goukei.qry
▼ 全ての設定が完了したら、<テーブルの新規作成>ウィンドウを閉じ
ます。
▼ グリッドを識別する番号とグリッドの境界線の長さが1つのテーブル
に入っています。境界線の長さは整数で表示されていますが、小数点以
下の数も表示したい場合は、フィールドオプションで設定してください。
最後に、集計結果を段階的に表示します。
3)段階的な表示
▼<ベクタレイヤコントロール>ウィンドウの[ポリゴン] タブパネル内
のスタイル欄で、「主題(テーマ)を使用」を選択し、[指定...] ボタ
ンをクリックします。
▼<テーブル/フィールドの選択>ウィンドウが現れます。ここでは、先
ほどの各グリッド内のラインの長さが格納されているフィールドを選択
します。
▼<テーママッピングコントロール>ウィンドウが開きます。クラス欄
に、何段階表示するかを入力し、さらにウィンドウの中ほどにある最大
値と最小値を入力し、各段階の範囲を決定します。終わりましたらば、
設定を保存します。「主題(テーマ)」から保存できます。
▼<ベクタレイヤコントロール>ウィンドウを閉じると、このようにな
ります。境界線も合わせて表示すると、境界線の長さを段階的に表示し
ている様子がよくわかると思います。
・・・
属性の転写や、ポリゴンを主題図を使って表示する方法は色々と応用の
利くテクニックだと思います。ぜひご活用ください。
□■2007:V73最新情報□■
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マイクロイメージ社は、2007:V73 の正式リリース(ダウンロード)を
3月後半(の15日間)に予定しています。大変お待たせしました。
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★ エラー・バグ・トラブル
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● 先週ご報告しました「リプロジェクト(投影法変換)エラー」の続報で
す。
[日本測地系、緯度経度] でジオリファレンスされたラスタを、[日本
測地系、UTM座標] に投影法変換(リプロジェクト)すると、東南方向
に40mほどずれる(前号)。
【エラー番号】11583E - Data is shifted in progressive
resample/reprojects
ずれの量は、入出力ラスタのセルサイズによって違うようです。
a)国勢調査のデータの場合、南東に500m 程ずれました。
b)50m標高の場合、東南東に50m 程ずれました。
マイクロイメージによると、リプロジェクトの前後で位置がずれるエラ
ーは、昨年の8月22日に報告され、一度修正され、またぶり返したとのこ
とです。今回のエラー報告により、修正の優先度を優先度2から1(最優
先)に上げました。このズレは、V70, 71でも起きます。
対処法としては、修正されるのを待つしかありません。
● IMG ファイル(ラスタ)のインポートで、ファイルが日本語フォルダに
あると、フォーマットを先に選んで、ファイルを選ぼうとすると、「フ
ァイルを使用できない」というエラーが出ます。
データを先に選ぶと、間違ったフォーマットがリストアップされます。
【エラー番号】crr12930E - Import raster from IMG: wrong format(s)
listed when pick .img file in folder with Japanese name
[対処法] フォルダ名を英数字に変えれば問題は出ません。
● V71でのIMG ファイルのインポートについて。
新しいインポートメニューを使うと、インポート時間が、前バージョン
(Legacy)にくらべて、2倍以上かかります。V72では、そのようなことは
ありません。V71でインポートする場合は、前バージョンの方をお使いく
ださい。
【エラー番号】crr12872E - Import from IMG: takes over twice as
long to import in new vs. legacy
V72では問題ないこと、V71では前バージョンを使えばよいこと、の理由
で、マイクロイメージは修正しません。
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機能要求
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● ラインの集計を、「各種図形」>「属性」>「属性の転写...」で行
うのではなく、「各種図形」>「属性」>「ポリゴンの集計...」メニュ
ーで行うようにしてほしい。
【機能要求番号】klr4297N - Vector Polygon Properties: Add line
statistics as described.
マイクロイメージのテクニカルサポートも納得の要求でした。
I agree. The following new feature request was previously
written and I've added your comments:
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★ DV73の使用制限
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V72 製品版を購入されているユーザは、DV(開発版)73 を製品版(データ
サイズ制限なし)として使用できます。30日間で使用期限が切れますが、
パッチを更新することでさらに30日間ずつ延長使用が可能です。
RV73 として公式リリースされた後も継続して使用するためには、ライセ
ンス購入が必要です。
DV 版のダウンロードはこちらからどうぞ:
http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV73.htm
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□■ウィンドウズVISTAサポート最新情報□■
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現在マイクロイメージでは、ライセンスキーの動作確認をはじめ、
2007:V73 の Windows Vistaでの動作評価を行っています。
テスト終了後、マイクロイメージ社はホームページで結果を報告します。
Vista 以前にリリースされたTNT製品については、Vistaでは動かないで
あろうとのことです。(2007/2/10)
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■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■
◆ 現在の V2006:72 の価格
・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込)
・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート 94,500円(税込)
・V2005:71 --> V2006:72へのアップグレード 88,200円(税込)
・V2004:70 --> V2006:72へのアップグレード 132,300円(税込)
・V2003:69 --> V2006:72へのアップグレード 169,050円(税込)
◇ HASP-USB キーへの交換 19,950円(税込)
http://www.opengis.co.jp/htm/catalog/tntinfo/tntinfo_fixed_license.htm
※交換に際して、お持ちのTNT製品が最近のバージョンである必要があり
ます。
◆『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!!
(プログラム及びサンプルデータCD付き)
<目次>
1.空間データの表示
2次元データの表示
3次元鳥瞰図の作成
2.衛星データの取り込み
3.ジオリファレンス
地図画像への座標情報付与
衛星画像への座標情報付与
4.GPSデータの取り込み
5.標高データの解析
陰影図の作成
断面図の作成
勾配・斜面方位の演算
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm
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困ったときの問題解決フロチャート
▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」
STEP1 「ウェブ検索テクニック」
▽オープンGIS検索システム
http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
▽メールマガジン検索システム
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
▽マイクロイメージ検索サイト
http://www.microimages.com/search/
▽Google 検索
http://www.google.co.jp/
とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
- や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
を使いこなすと、便利です!
STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
http://www.opengis.co.jp/img/faq/parts/html_mark.gifborder="0">http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポス
ター類」
http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]
STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」[英文]
http://www.microimages.com/didyouknow/
▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
http://www.microimages.com/refman/
STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
メーリングリストに参加されたい方は、
info@opengis.co.jpまでご連絡ください。
弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。
STEP5「テクニカルサポート」
テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス
############# このメールマガジンの配信について ################
このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。
基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
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計2ユーザーを対象として配信させていただきます。
1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。
また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
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メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。
転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。
テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で
対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを
進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できま
す。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...
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テクニカル・サポート・ユーザー専用 FTPアカウント(最大容量500Mbyte)
●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。
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