Subject: [ts-mag:00068] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 273号】
Date: Fri, 27 Oct 2006 17:52:55 +0900
From: WAZA Toshihiko
OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2006/10/27
Keywords: OpenGIS,TNTmips, Boundary, Right Polygon, Left Polygon
オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン
第273号「 棲 め て 遊 べ て 」
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株式会社 オープンGIS
オープンGIS の藤田です。今週は私が担当します。
TNTmips のラインには向きがあります。そして、ラインは右側のポリゴ
ンと左側のポリゴンを認識しています。
TNTmips の持つこの特徴を利用すると、こんなことが出来ます。
「○○という属性のついたポリゴンと△△という属性のついたポリゴン
の境界線の長さの集計」
今回はその方法についてご紹介します。
・・・
作業は次の2つです。
1. ○○という属性のついたポリゴンと△△という属性のついたポリゴン
の境界線を検索するクエリの作成
2. 作成した検索クエリを使って、条件に当てはまるラインだけを抜き出
す
このように、段階的に作業していくと、意外と簡単に出来てしまいます。
今回、サンプルデータとして、「水田」と「宅地」と「森林」が混在し
ている地域を想定した簡単なベクタオブジェクトを作りました。このベ
クタオブジェクトの「宅地と水田の境界線の長さ」を求めていきます。
▽ まず、<表示マネージャ>ウィンドウの[ベクタレイヤコントロール]
ボタンをクリックし、<レイヤコントロール>ウィンドウを開きます。
▼ 次に、[ライン]タブパネルに移動し、[選択:]欄で「検索(クエ
リ)を使用」を選択し、[指定...]ボタンをクリックします。
▼「宅地と水田の境界線」を検索するクエリを作ります。このクエリは、
【メルマガ140号】を参考に作りました。
このクエリは「もしもラインの左側が“宅地”、右側が“水田”の場合、
またはラインの右側が“宅地”で左側が“水田”の場合、1を、それ以外
の場合は0を返しなさい」という内容のクエリです。簡単に言ってしまう
と、「ラインの両側が“宅地”もしくは“水田”のときは1、それ以外の
ときは0を返しなさい」という事になります。
if((Vect.poly[Internal.LeftPoly].SampleData.LandUse == "宅地"
and Vect.poly[Internal.RightPoly].SampleData.LandUse == "水田")
or
(Vect.poly[Internal.RightPoly].SampleData.LandUse == "宅地"
and Vect.poly[Internal.LeftPoly].SampleData.LandUse == "水田"))
then return(1);
else return(0);
▽ クエリを保存します。[ファイル]>[別名保存]>[*.QRYファイル
...]を選択します。
▼ 作成したクエリには日本語が入っているので、[エンコーディング]
ボタンをクリックし、「日本語(Shift-JIS)」を選び、[新規ファイル
...]ボタンをクリックし、<ファイルの新規作成>ウィンドウを呼び
出します。
▼ ファイル名を記入し、[OK]ボタンをクリックします。
▼<クエリエディタ>ウィンドウの[OK]ボタンをクリックし、このウ
ィンドウを閉じます。
▽ 次は、クエリで選択したラインの色を変えます。
[スタイル:]欄の[指定...]ボタンをクリックし、<スタイルエ
ディタ>ウィンドウを開きます。
▼ 表示したい色を選び、[OK]ボタンをクリックします。
▼<ベクタレイヤコントロール>ウィンドウで[OK]ボタンをクリック
します。これで、宅地と水田の境界線の検索完了です。
「宅地と水田の境界線」だけ色が変わっています。
以上で、第1段階の「宅地と水田の境界線の検索クエリの作成」は完了
です。
続いて、第2段階に移りましょう。第2段階は、作成した検索クエリを
使って「宅地」と「水田」の境界線だけを抜き出していきます。
▽ メインメニューから[各種図形]>[抜き出し]>[ベクタ...]を
選びます。
この「ベクタへ抜き出し」機能を使うと、「ある条件にあてはまるベク
タデータ」だけを抜き出すことができます。今回は、クエリで条件を指
定し、ラインを抜き出します。
▼ ラインを抜き出す元となるベクタオブジェクトを選びます。[選択]
ボタンをクリックし、この処理に使うベクタオブジェクトを選びます。
▼ 抜き出す条件を設定していきます。今回の処理ではポリゴンを使わな
いので、ポリゴンの欄は "なし" を選びます。次に、ラインの欄は "ス
クリプトによる" を選び、[選択...]ボタンをクリックします。
▼<クエリエディタ>ウィンドウが開きます。[ファイル]>[開く]
>[*QRYファイル...]から、作成したクエリファイルを開きます。
▼<クエリエディタ>ウィンドウの[OK]ボタンをクリックし、このウ
ィンドウを閉じます。
▼ これで、抜き出しの準備が整いました。<ベクタへ抜き出し>ウィン
ドウの[実行]ボタンをクリックし、処理を開始します。
▽ 結果を表示するとこうなります。先ほど保存したクエリがセットされ
た状態なので、<表示ウィンドウ>には何も表示されません。
▼ そこで、[レイヤコントロール...]をクリックし、<ベクタレイ
ヤコントロール>ウィンドウを開き、[ライン]タブパネルへ移動しま
す。そして、[選択:]の欄を[すべて]に変更し、[OK]ボタンをク
リックします。
▼ これで、抜き出したラインが全て表示されます。
▼ サンプルデータと重ねると、先ほど「宅地と水田の境界線」を検索し
たときと同じ結果になります。つまり、宅地と水田の境界線だけを抜き
出せたということになります。
▼ 境界線だけ抜き出せているので、LINESTATS テーブル の“Length”
がそのまま、宅地と水田の境界線の長さです。緑線で囲んでいるのは、
境界線の合計値です。
今回は、if 文を使ってクエリを作りました。今回の場合、値を返さず
に条件を指定しただけでも、同じ結果が得られます。参考までにその条
件式を記載します。
(Vect.poly[Internal.LeftPoly].SampleData.LandUse == "宅地"
and Vect.poly[Internal.RightPoly].SampleData.LandUse == "水田")
or
(Vect.poly[Internal.RightPoly].SampleData.LandUse == "宅地"
and Vect.poly[Internal.LeftPoly].SampleData.LandUse == "水田");
またこの次に「属性の転写」機能を使うことによって、例えば3次メッシ
ュ毎の境界線の長さを集計するというようなことも出来ます。
「TNTmips のラインには向きがあります。そして、ラインは右側のポリ
ゴンと左側のポリゴンを認識しています。」
この特徴を、ぜひお使いください。
・・・
今回のメルマガのミソは、検索条件式の複雑さもさることながら、ベク
タの抜き出しを使って、条件に合うラインを抜き出しているところです。
またこのような土地利用の境界の環境は、鳥の生息地などを考える上で
大変重要な意味を持っているとのことです。勉強になりました。(輪座)
□■Tips□■
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空間データエディタでのラインの編集が楽になりました。
▼ ベクタを開いたら、即、編集するラインの上で右クリックします。
▼ ラインが赤くなり、ポップアップウィンドウが出ます。編集を選びま
す。
▼ いつもの<ライン/ポリゴン編集コントロール>ウィンドウがあらわ
れますので、編集を行います。
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エラー・バグ・トラブル
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● 漢字の属性データが<属性によるスタイルの割り当て>テーブルで化
けてしまう。
【エラー番号】crr12050E - Style Assignment dialog: Kanji
attribute not displayed correctly in Style Assignment dialog.
対処法としては、漢字ではなく、数字(コード)をお使いください。
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● CADデータの図形を編集すると、属性がはずれる。
【エラー番号】btc12062E - Database Attachment: Editing provided
CAD object loses attachments.
対処法としては、「変換」>「各種図形→ベクタ...」メニュー(V72)で
CADデータをベクタに変換します。上記エラーを含め、ラベル表示が出来
ないなど、CADデータ自体の機能・操作性はベクタに比べて格段に落ちま
すので、ベクタにして処理を進めることをお薦めします。
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■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■
◆ 現在の V2006:72 の価格
・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込)
・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート 94,500円(税込)
・V2005:71 --> V2006:72へのアップグレード 88,200円(税込)
・V2004:70 --> V2006:72へのアップグレード 132,300円(税込)
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◆『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!!
(プログラム及びサンプルデータCD付き)
<目次>
1.空間データの表示
2次元データの表示
3次元鳥瞰図の作成
2.衛星データの取り込み
3.ジオリファレンス
地図画像への座標情報付与
衛星画像への座標情報付与
4.GPSデータの取り込み
5.標高データの解析
陰影図の作成
断面図の作成
勾配・斜面方位の演算
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm
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困ったときの問題解決フローチャート
▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」
STEP1 「ウェブ検索テクニック」
▽オープンGIS検索システム
http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
▽メールマガジン検索システム
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
▽マイクロイメージ検索サイト
http://www.microimages.com/search/
▽Google 検索
http://www.google.co.jp/
とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
- や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
を使いこなすと、便利です!
STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]
STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
http://www.microimages.com/refman/
STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
メーリングリストに参加されたい方は、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。
弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。
STEP5「テクニカルサポート」
テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス
############# このメールマガジンの配信について ################
このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。
基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。
1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。
また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。
メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。
転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。
テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...
テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス
テクニカル・サポート・ユーザー専用 FTPアカウント(最大容量500Mbyte)
●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。
テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。
============ おことわり =============
※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、
TNTmipsに関わる新しいニュースを、
毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。
※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。
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