Subject: [ts-mag:00023] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 228号】 Date: Sun, 04 Dec 2005 14:25:00 +0900 From: WAZA Toshihiko OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2005/12/02 Keywords:OpenGIS,TNTmips,MailMagazine,3DRendering,Texture,MipMap オープンGIS テクニカル・サポート専用メールマガジン 第228号「 マ ニ フ ォ ー ル ド ( 2 ) 」 ################################################################# 株式会社 オープンGIS 今週は、マニフォールドの話に入る前に、平面図を使って3次元鳥瞰図 を作ります。 ・・・ データは、前々回サンプルで紹介した「1:50,000 地質図幅 十勝池田 (平成12年3月29日発行) 著作権所有・発行者 通商産業省工業技術院 地 質調査所」を使用しました。紙の図面であり、画像データはまだ販売さ れていないようです。(訂正:後日談ですが、5万分の1の地質図のスキ ャンデータは最近出版された「20万分の1数値地質図幅集」の各地域版 のCDに入っていることが分かりました。失礼いたしました。) ( 実際の検索サイト) http://www.gsj.jp/Map/JP/docs/5man_doc/area_02.htm 5万分の1地質図には平面図のほか、地表上のいくつかの測線に沿って 断面図が添付されています。 ・・・ 今週は赤枠内の処理をします。 A)地質図の読み込み、ジオリファレンス ▼ 図面が大判なのでスキャナーの解像度は200dpiを使用しました。保存 形式はPCX です。TIFFよりもサイズが小さいので、時々使用します。 ▼ スキャン画像をTNTmipsの「解析処理」>「入力(インポート)...」で RVC(Raster Vector CAD)ファイルに読み込みます。 ▼「解析処理」>「ラスタ」>「抜き出し...」で、平面図の部分だけを抜 き出しておきましょう。 ▼「編集」>「ジオリファレンス(座標付け)...」で、四隅および周辺の 緯度経度の目盛りにコントロールポイントを与えます。 投影法の設定はこうでしたね。 「入力」は"ジオグラフィック(=緯度経度)"で行い、「出力」は 5万分 の1地質図の投影法である"ユニバーサル横メルカトル座標(UTM)" にし ます。 (ジオリファレンスした地質図) B)次に標高データを処理します。今回は前に取り込んである「数値地 図50mメッシュ(標高)」を使用しました。 ▼「数値地図50mメッシュ(標高)」データは、SMLを使用して取り込みま す。 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/dem50_v41.htm (注意) 前号の【エラー・バグ・トラブル】で説明していますが、V7.0以 降のTNTmipsでは SMLで付けたジオリファレンスのセルの位置が1ピクセ ルずれます。現在調査、修正中ですが、このSMLを使用されるときは念の ため V6.9 以前のTNTmipsをご使用ください。) ▽ 使用した標高ラスタ(6443-22, 23, 32, 33の4枚を使用) ▼「解析処理」>「ラスタ」>「モザイク...」を使用して、4個のラスタ を1個に結合しました。 データが準備出来ました。それでは3次元表示をしましょう。 ▼「空間データの表示」の[3次元] ボタンを押し、「3次元グループの 新規作成」を選びます。 ▼ [地表面(サーフェス)レイヤの追加...] ボタンを押して、モザイクし た標高ラスタを選択します。 ▽ 表示ウィンドウ2に、標高ラスタがワイヤフレーム表示されます。 ▼ [レイヤの追加...] ボタンを押して、地質図ラスタを選択します。 ▽ 表示ウィンドウ2に、地表面レイヤの上に地質図ラスタがドレープ( 起伏のある表面に布を敷くこと)されました。 ▼ 起伏が分かりにくいときは陰影表示した標高ラスタを、地表面レイヤ と地質図ラスタの間に挟みます。 ▼ 地質図ラスタの透明度を50 %にしましょう。 ▽ 堆積物の白い部分がややグレイになりますが、景観図としては分かり やすくなりました。 今までの3枚の鳥瞰図を1つにまとめてみました。 ・・・ ここでちょっとわき道に入りましょう。 表示ウィンドウ1の2次元平面図を拡大すると、陰影がなめらかではない のに気がつきます。 他方、表示ウィンドウ2の3次元鳥瞰図の方を見ていると、陰影は非常に なめらかです。 この差は何でしょうか? 表示ウィンドウ1を拡大して、ジオツールボックスで陰影を作っている標 高ラスタのセルの大きさを測ると、ちゃんと50mになっています。 地質図ラスタのスキャニング時の解像度は200dpiでした。実際の地球上 の距離に換算すると、1ピクセル(ドット)あたり、約6 meter になりま す。 1インチ/200dot = 2.5 cm/200 dot = 2.5 cm x 縮尺50,000 / 200 dot = 625 cm/dot = 6.25m/dot 地質図ラスタのセルサイズは標高ラスタの8分の1程度であり、 上の図を見ても、確かに細かいことが分かります。 さて、3次元鳥瞰図において、標高ラスタの陰影がなめらかなのは、ド レープレイヤ毎に設定できる「テクスチャフィルタ」のなせる技です。 デフォルト設定は"ミックマップ アニソトロピック"です。 全部で6種類のフィルタが用意されています。 それぞれについて試してみました: ● 最近隣(二アレストネイバー)法 輪郭線がギザギザ(ジャギー)で、フィルタが効いていません。 ● バイリニア ぼかしが効いていますね。 ● アッパーミップマップ最近隣法(Upper MipMap Nearest Neighbor) ジャギーです。 ● ローワ ミップマップ バイリニア(Lower MipMap Bilinear) ぼかしが効いていますね。滑らかです。 ● ミップマップ トリリニア(MipMap Trilinear) 滑らかです。 ● ミップマップ アニソトロピック(MipMap Anisotropic) 滑らかです。 特徴をまとめると、 1) "最近隣法"の2つの手法は、陰影表示した50m 標高ラスタのセルの輪 郭が出ており、ぼかしがありません。 2) その他4つの手法については、フィルタによるぼかしが効いています。 また今回使用したデータでは手法間の差はあまりないようです。 ● 6つの手法の図をまとめてみました。 地質図ラスタにも同じフィルタ設定がありますが、セルサイズが標高に 比べて小さいため、気になりません(デフォルトは、やはり"ミップマッ プ アニソトロピック"です)。 "ミップマップ"は、3次元CGやゲームの世界で使われている遠近法表 現の手法です。 ■参考資料1「Texture Filters for 3D Rendering(3次元レンダリング 用テクスチャフィルタ)」 http://www.microimages.com/documentation/cplates/68texture.pdf 最近隣法やバイリニアでは、原ラスタのセル値を使用して、モニター上 の手前や遠景の濃淡を計算しますが、ミップマップではラスタのピラミ ッド情報(リサンプル情報)も使って内挿計算を行うとのことです。 ■参考資料2「Faster/Better 3D Visualization(高速/高品質の3次元 可視化)」 http://www.microimages.com/documentation/cplates/683Dvis.pdf 来週は、マニフォールドを作ります。 エラー・バグ・トラブル + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + Windows版 TNTmips 2005:71で 2005年11月30日のパッチをあてると、起 動時に次のメッセージが出ます: "Unit of Measure definition file (unitofmeasure.xml) is invalid. Error code = -1902 TNT Version: 7.1 " ご面倒ながら、以下の場所から "textres.enu" ファイルをダウンロード してインストールしたフォルダに上書きしてください。メッセージは出 なくなります。 http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/71patch.htm よろしくお願いいたします。 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 今週の話題 / メーリングリスト ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 特にありませんでした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、 ユーザーさまの間での情報交換の場として 利用されています。 ■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■ 平成17年11月21日付けでTNT製品の価格を改定致しました。 現在の Ver 7.1 の価格は ・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込) ・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込) ・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込) ・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込) ・年間テクニカルサポート 94,500円(税込) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 困ったときの問題解決フローチャート ▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」 ▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」 ▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」 ▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 ▼STEP5「テクニカルサポート」 STEP1 「ウェブ検索テクニック」 ▽オープンGIS検索システム http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi ▽メールマガジン検索システム http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi ▽マイクロイメージ検索サイト http://www.microimages.com/search/ ▽Google 検索 http://www.google.co.jp/ とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける) を使いこなすと、便利です! STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語] STEP3 「ドキュメントを読んでみる」 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語] ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」 http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文] ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語] http://www.microimages.com/getstart/ [英文] ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」 http://www.microimages.com/refman/ STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。 STEP5「テクニカルサポート」 テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。 >サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。 >サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。 >サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました... >サービスその10:現在計画中です... ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、 TNTmipsに関わる新しいニュースを、 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================