Subject: [ts-mag:00207] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 196号】 Date: Sat, 09 Apr 2005 17:43:07 +0900 From: WAZA Toshihiko OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2005/04/08 Keywords: OpenGIS,TNTmips,MailMagazine,Raster,Geolocation,SML オープンGIS テクニカル・サポート専用メールマガジン 第196号「 面的にいっぱいある ジオリファレンス(1) 」 ################################################################ 株式会社 オープンGIS 地球の広い範囲を撮影している画像データでは、観測された画像本体とセット で、画像の各ポイントの位置情報(緯度や経度)を示すラスタが別に提供され ている場合があります。 このような場合の画像の位置の補正(幾何補正)について考えてみました。 こういうデータがあると、こういうこともできるという一例としてお読 み下さい。 さて、メルマガ 第187号 でも紹介していますが、NASAのMODIS-Terra画 像の中のRadiances and Geolocationがそのようなデータの1つです。 実際の処理を紹介します。 ▽まず MODIS-Terra画像のHDF形式の画像をTNTmipsに取り込みます。 RVCファイルにData_FieldsとGeolocation_Fileの2つのフォルダができます。▽Data_Fieldsに格納されているラスタを表示してみました。
MODISの画像をインポートすると、TNTmipsは画像の四隅にコントロールポイン トを付けますが、今はジオリファレンスのない状態で見るため、「ラスタレイ ヤコントロール」ウィンドウで、ジオリファレンス:を[なし]にして表示しま した。 雲が多くて見にくいですが、場所はインド洋です。右上にインドシナ半島、左 上にインド半島、左下にスリランカがかなりひしゃげた形で見えています。 ラスタサイズは縦8120、横5416です。元は縦長の画像です。 ▽次にGeolocationフォルダを見てみます。中にLatitudeとLongitudeの2つの ラスタがあります。
▽緯度と経度の面的な変化を見るため、「解析処理」>「地表面モデリング」を 使って、コンターを引いてみました。間隔は2(度)おきにしました。 緯度ラスタ:
経度ラスタ:
コンターが曲がりくねっていて、衛星画像を面的に補正する必要があることが 分かります。参考に、これらのラスタのサイズは 縦2030、横1354で、上の画 像のちょうど4分の1になっています。 ★ さてこれからドウスル?ということですが、緯度と経度のラスタから適当 な間隔で値を読み取り、(緯度、経度)の組み合わせを求め、対応する画像の場 所へコントロールポイントとして付与することを考えます(いわゆる、ジオリフ ァレンス)。 こういう仕事はSML向きです。 ▽「解析処理」>「SML」>「実行」を選びます。 使用するSMLはここにあります。
http://www.opengis.co.jp/sml/geolocate2.sml このSMLは、緯度、経度のラスタの左上から50個おきにセル値(緯度、経度) を読み取り、コントロールポイントとして画像本体へ200個おきに割り当て ます。 今の場合、ラスタサイズの比は4倍ですが、何倍でもいいように少し は汎用的に作ってあります。 ▽「"R_in"のためのラスタオブジェクトを選択してください」と出ますから、 ジオリファレンスを与える画像データを選びます。 ▽次に、"R_lat"として、先ほどの緯度のラスタを選びます。 ▽次に、"R_lon"として、経度のラスタを選びます。 ▽最後に座標系を確認するウィンドウが出ますので、「WGS84_ジオグラフィッ ク」を選びます。
▽[OK]ボタンを押します 以上で、処理は終了です。 ★「編集」>「ジオリファレンス」を使って確認します。 赤い十字マークが今回SMLで付与したコントロールポイントです。 たて、よこ200個おきに付いています。
(ミャンマーあたりの拡大)
(画像左下部分) +マーク...SMLで付与したコントロールポイントの位置 xマーク...最小二乗法で決まる、本来あるべき真の位置(使用するモ デルによって変わります。今はアフィン変換を使用しました) この後、いわゆる「幾何補正」をして、画像の各ピクセルを正しい緯度経度の 位置に移動しますが、それについては、来週にいたしましょう。 <参考> 第187号「 T e r r a か A q u a か、ご 注 文 は ど っ ち ? 」
http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_187.htm ◆◇お知らせ◆◇ ...................................................................... 今後TNT製品は ”ウェブによるリリース”へ移行していきます。 ...................................................................... すでに多くのソフトウエアがインターネットによるダウンロードで販売されて います。 マイクロイメージ社も、次期バージョンのV7.1から これまでの "CD-ROMによる配布"=公式リリース から、"RV(Release Version)バージョン のダウンロード開始"=公式リリース日 へと考え方を移行していく方針です。 ユーザの方にも慣れていただきたいという意向です。 現在TNTmipsの1つのバージョンの開発フェーズは、DV > RV > PV へと変化し ます。 開発中のバージョンがDV(開発バージョン)です。開発が終盤になり、新機能の プログラミングが一段落してくると、マイクロイメージ社は新機能リストをア ナウンスし、その後は主に改良、バグ潰しに時間を使います。この作業期間の 後、DVバージョンはRV(リリースバージョン)とリネームされ、その日が公式 リリース日となります。 マイクロイメージ社は今でも毎週1回、修正プログ ラム(パッチ)を公開していますので、1週間前にDVバージョンだったソフトウ エアが1週間後にRVへと変わるわけです。この日をもって新機能の開発は終わ り、翌週からパッチが提供されます。 翌週からは RVはPV(パッチバージョン) と呼ばれ、公式リリースの後発見されたエラーの修正が行われます。 またRVバージョンがリリースされると、PVの保守と平行して、次期バージョン DV +0.1の開発がスタートします。PVはソフトウエアの安定性を望むユーザのた めの保守であり、DV+1バージョンは新機能をいち早く使ってみたいという方の ための新機能開発バージョンでもあるわけです。その際見つかった不都合やエ ラーは、DV +0.1の開発にフィードバックされていきます。 RVバージョンがCDに焼き付けられます。ドキュメント類の作成は、その前から 行われますが、CDやDVDのプレス、文書の印刷、梱包作業などがあるため、最終 出荷まで2ヶ月くらいかかるようです。 CDと一緒にユーザに出荷される頃に は、PVバージョン(パッチ)もかなり進んでおり、PVバージョンをすでに使用し ているユーザは、CDからインストールする必要性はなくなります。諸所の理由 でインターネットにアクセスできないユーザは、CD-ROMあるいはDVDを使ってイ ンストールすることになります。 ●RVはこちら:
http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/v70release.htm ▲PV(パッチ)はこちら:
http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/ ■DVはこちら:
http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV71.htm ...................................................................... New Things 最新情報 ================================================================= TNT入門 (Getting Started/Tutorial翻訳) 以下の冊子を翻訳しました。 ●「 地形と地表面の解析 」
http://www.opengis.co.jp/getstartj/terrain.pdf (原本:Analysing Terrain and Surface 訳) ●「 有理多項式を使用した画像の正射幾何補正 」
http://www.opengis.co.jp/getstartj/rpcortho.pdf (原本:Orthorectification using Rational Polynomials 訳) ================================================================= エラー・バグ・トラブル x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x 空間データエディタでベクタデータを編集用に開く際、次のようなエラーが出 ることがあります。 ●"リンクされたファイルの位置を決定できません: "xxxxxx.rvc" " (cannot locate linked file) 「キャンセル」ボタンを押すと、 ●"リンク先RVCオブジェクトにリンクできません!! " (Cannot open link to RVC object) OKボタンを押すと何も表示されません。 いくつかの原因が考えられます。一番簡単な場合は、ベクタオブジェクトをコ ピーしてきた際、スタイルオブジェクトを忘れてきた、という場合です。 スタイルのあるRVCファイルを選び直せば、エラーは出なくなります。 x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x 今週の話題 / メーリングリスト ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 特にありませんでした ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、 ユーザーさまの間での情報交換の場として 利用されています。 ■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■■ 現在の ver7.0 の価格は ・TNTmips シングルライセンス 827,400円(送料・税込) ・年間バージョンアップ(2回分) 136,500円(税込) ・年間テクニカルサポート 94,500円(税込) ご不明の点などありましたら、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 困ったときの問題解決フローチャート ▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」 ▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」 ▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」 ▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 ▼STEP5「テクニカルサポート」 STEP1 「ウェブ検索テクニック」 ▽オープンGIS検索システム
http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi ▽メールマガジン検索システム
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi ▽マイクロイメージ検索サイト
http://www.microimages.com/search/ ▽Google 検索
http://www.google.co.jp/ とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける) を使いこなすと、便利です! STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語] STEP3 「ドキュメントを読んでみる」 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語] ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
http://www.microimages.com/didyouknow/ ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
http://www.microimages.com/getstart/ [英文] ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
http://www.microimages.com/refman/ STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。 STEP5「テクニカルサポート」 テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が半年過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。 >サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 50MB まで利用できます。 >サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。 >サービスその9:現在計画中です... ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、 TNTmipsに関わる新しいニュースを、 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================