Subject: [ts-mag:00155] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 146号】
    Date: Fri, 16 Apr 2004 18:05:25 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2004/04/16
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Regression,Popup,SML,KSJlanduse,Zoom 1X


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第146号「 こ の 先 ど っ ち の 方 向 に 進 む の だ ろ う …  」
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                       株式会社 オープンGIS




すばらしいSMLをユーザーさんから投稿していただきました!

その名も「一次回帰式SML」。

しかも、有難いことに、オープンGIS社のウェブサイトへの掲載許可
までいただきました。そこでせっかくですので、今週は、このSMLを
ご紹介しつつ、どんなことができるの簡単に触れてみましょう。


●


例えば、自分の体重を毎日計測していたとします。もちろん、日によって
は、ちょっと食べ過ぎてぐぐっと体重が重くなったり、あるときは体調を
崩して、まったく食事ができなくなったり... いろいろなイベントによっ
て多少の振れはありますが、月単位で見たり、年単位で体重の変化を見て
いくと大まかに自分の体重が増えている傾向にあるのか、減っている傾向
にあるのか判断できますね。

しかも、GISが扱うのは空間データですので、体重を測っている人があ
ちこちに住んでいます。このような時間軸としての変化と、その空間分布
パターンをつかむことによって、もしかすると「ハンバーガーショップや
コンビニの近くに住んでいる人は、体重が増える傾向にある...」とか、
「駅から遠い距離に住んでいる人は、体重が減っている傾向にある...」
といった分布パターンが読み取れるかもしれません。


このような時間軸での大まかな判断(最小二乗法による一次回帰)を、すべ
てのラスタでやってしまおう! というのが、今回提供していただきまし
た「一次回帰式SML」の特徴です。

扱うデータはラスタですので、各ピクセルごとに、大まかな傾向を計算し
ていきます。つまり、先ほどの例で言いますと、各ピクセルごとに毎日体
重を計測する人がいると想像してください。

それでは、具体的な作業内容についてご紹介していきましょう。


●


▽なにはともあれ、まずはSMLをダウンロードしましょう。
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/Regline.sml  [3KB]

▽改変版(2020/1/17)
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/Regline_20200117.sml  [3KB]

▽そして、サンプルデータもダウンロードしましょう。
http://www.opengis.co.jp/img/faq/regression/Raster4Reg.rvc [0.1MB]


サンプルデータはわかりやすいよう、このような3×3の小さなラスタ
データを5つ作ってみました。しつこいようですが、先ほどの例をあげ
ますと、9人の体重を測っている人がいると想像してください。そして、
すべての人が5日間毎日1回体重を計測した結果を、1日ごとにラスタ
データとしまして、ラスタ1、ラスタ2、ラスタ3...、ラスタ5と命名
しました。

それぞれのラスタには、このような値が入力されています。この数値も
わかりやすいよう簡単な数値にしました。

[ラスタ1]
5       5       2
1       1       1
0       3       3

[ラスタ2]
4       4       3
4       2       2
0       3       2

[ラスタ3]
4       3       2
5       3       3
0       3       3

[ラスタ4]
3       2       3
5       4       2
0       3       2

[ラスタ5]
2       1       2
3       5       5
0       3       3


繰り返しになりますが、それぞれのピクセル値(DN値)が、それぞれ対応
する人の体重を意味します。ラスタ1が1日目の体重、ラスタ2が2日目
の体重...、ラスタ5が5日目の体重というわけです。

さあ、いよいよこれらのラスタを使って誰が増えていく傾向、誰が減って
いく傾向にあるのかSMLを使って調べてみましょう。


●


ここからは具体的にSMLを使っていきます。

▽メインメニューから [解析処理]>[SML]>[実行...] を起動します。

▽<ファイルを選択> ウィンドウが現れますので、ダウンロードしました
 Regline.sml を選択し [OK] ボタンをクリックします。

 


▽再度 <ファイルを選択> ウィンドウが現れますが、今度はサンプルデー
 タとしてダウンロードしました Raster4Reg.rvc ファイルを選択して
 [OK] ボタンをクリックします。

 


▽今度は <オブジェクトを選択> ウィンドウが現れますので、出力結果を
 保存するRVCファイルを作成し(右上の [新規ファイル...] ボタンをク
 リック)、[新規オブジェクト...] ボタンを押して、保存用オブジェクト
 の名前を付けましょう。(サンプルでは「ラスタA」という名前を付けて
 います)

 


▽同様に <オブジェクトを選択> ウィンドウが現れますが、今度は「ラス
 タB」という名前をつけます。

 


■出力するオブジェクト名を入力し終わりますと、自動的に計算処理が
 はじまります。ひとまずはおつかれさまでした。


●


いったい何を行ったのかといいますと、1つのRVCファイル内にありま
す、ラスタ1、ラスタ2、ラスタ3... ラスタ5を次々読み込みまして、
その大まかな傾向(回帰式)を求めます。式は1次式ですので...

Y=AX+B

という形で表されます。このうちの係数Aと切片Bの値が、それぞれラス
タ形式で出力されたわけです。



では最後に、出力結果を確認してみましょう。
通常の [表示]>[空間データ...] 機能にてデータを表示してみますと、
ラスタAとラスタBの値はこのように求まりました。

[ラスタA]
-0.7 -1.0  0.0
 0.5  1.0  0.8
 0.0  0.0  0.0

[ラスタB]
 5.7 6.0 2.4
 2.1 0.0 0.2
 0.0 3.0 2.6

つまり、左上のピクセルで考えますと
y= -0.7x + 5.7
という式を意味することになります。


ラスタAの値の値がプラスであれば増加傾向、マイナスであれば減少傾向
を意味しますので、ラスタAの色付けをこのように行えば、赤やオレンジ
といった暖色のピクセルが増加傾向、黒や青といった寒色のピクセルが減
少傾向にあるといった分布を知ることができます。




左上のピクセル値でDN値変化と回帰直線を図化してみると...




この式が、すべてのピクセルに対して求まりますので、大変なことです。



いかがでしょうか。
いろいろな時系列データで処理をすると、面白い話題が沢山見つかりそう
ですね。あとはあなたのアイディア次第。

改めて、SML提供していただいたユーザーさんに感謝!!







今週の過去プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" 最近SMLを使う人が増えてきましたが、[解析処理]>[SML]>[ス
" クリプトの編集...] モードで、SMLを実行しますと、ポップアップ
" ウィンドウなどが下のほうに表示されて操作しづらいことがあります。
"
" そんなときは、実行後に現れた <コンソール> ウィンドウの位置を画面
" の中央に移動しますと、ちょうど良い位置に現れます。
"
" はい、そうなんです。SMLの指示によって登場するポップアップウ
" ィンドウの表示位置は、基本的に <コンソール> ウィンドウの中心に
" 設定されています。ですので <コンソール> ウィンドウを移動させる
" ことによってポップアップウィンドウの登場位置を調整することがで
" きます!
"
" これでSML作成も使いやすくなりますね。
"
" (メルマガ第52号を改良)
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
=================================================================
=
= 国土数値情報の「土地利用メッシュ」インポータ公開 【基本操作】
= http://www.opengis.co.jp/htm/basic/KSJlanduse.htm
=
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バグ・トラブル情報
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??? ジオリファレンスのビューウィンドウに、等倍表示ボタンが消えた!
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??? ver6.9 では、いくつかの操作ボタンが追加された影響か、今まで
??? 表示されていたいくつかのボタンがリストラされてしまいました。
??? ところが、カスタマイズ設定で戻そうにも、[オプション]>[カス
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??? そんな要望がユーザさまからありまして、最新の ver6.9 修正パッチ
??? では、ジオリファレンスの画像表示ウィンドウなどで、[等倍表示]
??? ボタンが追加され、かつ個々にボタンの配置設定を行える、カスタ
??? マイズメニューも組み込まれました。
???
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???
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??? もし、ジオリファレンス機能にて、どうも等倍表示ボタンがないと...
??? とお悩みの場合は、こちらのサイトより修正パッチ(14Apr04 以降)
??? をダウンロードし、充てていただけますでしょうか。
??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/
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??? 今後とも、みなさまのご意見・ご要望をお聞かせいただければ幸いです。
??? よろしくお願いいたします。
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今週の話題 on メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~ 今週は特にありませんでした。
~
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・TNTmips シングルライセンス 827,400円(税込・送料込)
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普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。

わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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困ったときの問題解決フローチャート

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▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
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 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
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 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
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STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
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 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
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 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
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 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


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 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
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