Subject: [ts-mag:00146] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 138号】
    Date: Fri, 20 Feb 2004 21:41:57 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2004/02/20
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Raster,Legend,Install,Encording,16bitRGB


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第138号「  ラ ス タ の 凡 例 を 極 め る ! !  」
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                       株式会社 オープンGIS




地図といえば「凡例(ハンレイ)」。

ただ、ひとことで「凡例」といいましても様々です。
データによって、向いている凡例と向いていない凡例がありますが、
それらを使い分けるテクニックもまた、GISには必要になってきます。

よく、TNTmips でデータを表示していますと、左側に凡例のスペースが
見られます。ベクタデータなどでは、ラインやポリゴンなどが、属性の
色分けごとに表示されたりと、比較的思い通りに表現されますが、ラス
タの場合は、単純に画像の一部分を切り出しただけで、あまりパッとし
ませんね。

▽例えばこんな具合です。



(もし凡例が表示されていない場合は、<表示ウィンドウ> のメニュー
 から [凡例表示]-[表示]-[左]を選択すると現れますよ)

これでは、あまりに単純すぎて...
そんな方のために、今週は3種類のラスタ凡例を作ってみましょう。

今回の目標は

 (1)連続的カラースケール

 


 (2)カラースケールレンジ

 


 (3)カラーサンプル

 


を作れるようにすること!! です。


●


(1)連続的カラースケールを作ろう!
まずは、この画像を虹色に変更して色のパターンをカラーマップ
として保存しておきましょう。

▽<グループコントロール> ウィンドウの [操作ツール]マークより、[色
 の修正...]を選択。

 <カラーパレットエディタ> ウィンドウのメニューより [パレット]-[さ
 らに多くのパレットはこちら...] を選択して、お好きな虹色を選択し
 て、[OK] ボタンをクリックします。

 


▽同じく <カラーパレットエディタ> ウィンドウのメニューより、[ファ
 イル]-[保存] を選び、表示しているラスタオブジェクト(今回の場合は
 BLUE)の下の階層へ移動して、ColorMap という名前のカラーマップを
 保存しましょう。この保存場所がわかりにくいですので注意してくだ
 さいね。保存するオブジェクト名を入力する場合は、右上の [新規オ
 ブジェクト] ボタンをクリックします。

 


▽カラーマップを保存しましたら、<カラーパレットエディタ> ウィンド
 ウも、[ファイル]-[閉じる] でとじましょう。

▽これで、<表示ウィンドウ> には、このように虹色に表現されました。
 ただ、左側の凡例は相変わらずですね。

 


▽では、<表示ウィンドウ> の凡例部分を右クリックしまして、
 [コントロール...]メニューを選択します。

 


▽[凡例] タブへ移動。

▽凡例の種類を [連続的カラースケール] に切り替えます。

 


▽細かな設定はとりあえずそのままで、[OK] ボタンを押して、<ラスタ
 レイヤコントロール> ウィンドウを閉じましょう。

■これで、凡例が縦方向にグラデーションする連続的カラースケールへ
 と変更できました。

 


●


(2)カラースケールレンジを作ろう!
引き続いて、カラースケールレンジです。と、言いましても、実は先ほ
どの 作業(1)が終わっていれば、とても簡単です。

▽<表示ウィンドウ> の凡例部分を右クリックしまして、先ほどと同様に
 [コントロール...]メニューを選択します。

 


▽[凡例] タブへ移動。

▽凡例の種類を [カラースケールレンジ] に切り替えます。

 


▽凡例エントリの数:も、とりあえずはデフォルトのままで [OK] ボタン
 をクリックしましょう。

■このように、ある幅の値を1つの色でまとめて表現するスケールレンジ
 が描画されます。

 


いかがですか? ここまではとても簡単ですね。


●


(3)カラーサンプルを作ろう!
では最後に、カラーサンプルを作ってみましょう。

大まかな流れですが、
 a.コントラスト調整をオフ
 b.カラーマップを調整
 c.カラーサンプルモードに切り替え
 d.属性テーブルの作成
 e.凡例の文字情報を属性テーブルへ切り替え
となっています。順に説明していきますね。


a.コントラスト調整をオフ

▽<表示ウィンドウ> の凡例部分を右クリックしまして、先ほどと同様に
 [コントロール...] メニューを選択します。

 


▽[オブジェクト] タブへ移動。

■コントラスト: 欄を [なし]に変更。これでコントラスト調整は行われ
 ません。(これを行わないとカラーサンプルに切り替えられません)

 


b.カラーマップを調整

▽今度はカラーマップの一部を変更します。<グループコントロール>
 ウィンドウの[操作ツール]マークより、[色の修正...]を選択しましょう。

 


▽変更する値はどれでもかまいませんが、今回は DN値が 100,101,102
 の3つだけをターゲットとして、色を変えましょう。お好きな色でか
 まいません。残りの色は黒などで統一しておきましょう。

 


▽色の変更が終わりましたら、[ファイル]-[保存]メニューで上書き保存
 しておきます。

■[ファイル]-[閉じる] で<カラーパレットエディタ>も閉じましょう。


c.カラーサンプルモードに切り替え

▽さてさて、<表示ウィンドウ> の凡例部分を右クリックしまして、また
 [コントロール...]メニューを選択します。

 


▽[凡例]タブへ移動。

▽凡例の種類: 欄を [カラーサンプル] に切り替えます。

 


▽[OK]ボタンをクリックして、<ラスタレイヤコントロール> ウィンドウ
 を閉じましょう。

■ひとまず、<表示ウィンドウ>には、このようにカラーマップとして与え
 ました色が表示されます。

 


d.属性テーブルの作成

▽ラスタの属性テーブルとして次のような条件のテーブルを作成します。

 ・ひとまず今回は、テーブル名を Legend とする

 ・[ストリングエンコーディング...] は Japanese (Shift-JIS)

 ・アタッチするタイプ:欄は [制限なし]

 ・DN という名前の整数フィールドを作成、0〜255 の値を、1レコード
  づつ入力しておく。

 ・Name という名前の文字フィールドを作成、DN値に対応する名称を
  入力しておきます(今回は 100,101,102 に対して百番,百一番,百二番)
  と入力。

  


 上記の条件を満たすテーブルの作成方法はいろいろありますが、手入力
 が面倒な方は EXCEL などで作成して、CSV や dBase や ODBC 経由でコ
 ピーしてしまうのが簡単です。
 最終的にこのようなテーブルが作成されていましたらOKです。

 

▽テーブルのメニューより[テーブル]-[定義の編集...] をクリックしま
 す。メッセージが現れましたら [OK] ボタンを押して次へ進みます。

▽[テーブル情報]タブへ移動。

▽アタッチするタイプ: 欄は [暗黙の1対1]に変更。

 


▽[フィールド情報]タブへ移動。

▽キーフィールドへ関連付け: 欄を [Internal.Value] に切り替え。

 


▽[OK] ボタンを押して、閉じます。

▽さて、<表示ウィンドウ> の凡例部分を右クリックしまして、また
 [コントロール...] メニューを選択します。

 


▽[凡例]タブへ移動。

▽[ラベル...] ボタンを押して、Legend テーブルの中の Name フィール
 ドを選択し [OK] ボタンをクリックします。

 


▽最後に[OK]ボタンをクリックして、<ラスタレイヤコントロール> ウィ
 ンドウを閉じましょう。

■大変おつかれさまでした。これでカラーサンプルの横には、
 きちんと、凡例の名前まで与えることが出来ました。

 



ラスタの凡例は、例えば気温分布や降水量といった連続量であれば、
「連続的カラースケール」が向いていますし、人口分布を5区分とか
元の量をさらに区分するような場合には「カラースケールレンジ」が
便利になります。また、画像分類やバイナリの01ラスタのようなパタ
ーンが少ないものに関しては、最後にご紹介いたしました「カラーサ
ンプル」がシンプルでわかりやすいといった具合に、どうしても向き
不向きがあります。そのあたりをよく見極めまして、もっとお洒落な
データを作ってみてください。

しつこいようですが、最後にもう一度だけ見返してみてください。

 (1)連続的カラースケール

 


 (2)カラースケールレンジ

 


 (3)カラーサンプル

 







今週の過去プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" データの選択の度に、ダブルクリックするのがめんどくさい...
"
" Select Objects ウィンドウにて、フォルダやプロジェクトファイル、
" オブジェクトなどを開くときは、その名前の部分をダブルクリックし
" ますが、その名前の左側にある小さなマークをシングルクリックして
" も同じなんです。楽したいな!と思ったときは、マークをシングル
" クリックしてみてください
"
" ちなみに、<グループコントロール> ウィンドウで、ラスタやベクタ
" などのマークをクリックすると、<ラスタレイヤコントロ−ル>などが
" 現れます。これもなかなか便利なマークですよ。
"
" (プチテクニック第48号を改良)
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
=================================================================
=
= ver6.9 MacOSX 用インストールガイドを公開 【PDF:3.1MB】
= http://www.opengis.co.jp/htm/mac_inst/mips69OSX_install_guide.pdf
=
= ver6.9 Windows 用インストールガイドを公開 【PDF:3.5MB】
= http://www.opengis.co.jp/htm/win_inst/mips69_install_guide.pdf
=
= 属性レコードの「エンコード設定外れる」修正 【修正パッチ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD
=
=================================================================




■■■■■■ 今 年 も テ キ ス ト 販 売 中 !! ■■■■■■

昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を
今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!!

同時に、TNTlite の日本語解説セットも、オープンGIS 独自パッチや、
北海道地図さんの GISMAPTerrain サンプルデータと共にリリースしました。

詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm

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バグ・トラブル情報
???
???
??? あれれ、テーブル内に書き込んだ日本語の情報が、保存して再度
??? 開くと文字化けしてたり、見えなくなっている...
???
???
??? vre6.8 と ver6.9 の [編集]-[空間データ...]機能にて、ポリゴン
??? やポイントなどに埋め込まれている属性テーブルを編集中に、日本
??? 語文字を入力・修正して上書き保存しますと、再度テーブルを開い
??? た際に、テーブルのエンコーディング設定が ASCII に戻ってしまう
??? 可能性があります。
???
??? この現象が発生する条件としましては、
??? ●空間データエディタを使用している
??? ●ver6.8 もしくは ver6.9 を使用している
??? ●テーブルのアタッチメントタイプが「暗黙の1対1」
??? です。
???
??? もしこのような現象が現れましたら、大変お手数ですが、以下のサ
??? イトより、修正パッチ(18Feb04以降)をダウンロードしていただけ
??? ますでしょうか。
???
??? ▽ver6.9 の場合
??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/
??? ▽ver6.8 の場合
??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/68patch.htm
???
??? よろしくお願いいたします。
???
???
???
???





今週の話題 on メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~ ユーザーさまより ADS画像のカラー合成についてのご質問がありまし
~ た。この ADS(Airborne Data Acquisition)とは LHSystems社とDLR社
~ が開発した航空機に搭載するデジタルセンサーで、立体視用の3方向
~ (前方視/直下視/後方視)パンクロサンサと、青/緑/赤/近赤外のマルチ
~ バンドセンサを持っています。
~  今回は、その中でもマルチバンドセンサの画像を利用して、カラー
~ 合成を行う作業での疑問点が話題としてあがりました。
~
~  このデータ、青/緑/赤/近赤外の各バンドごとに、それぞれ16ビット
~ の情報が記録されています。そのデータに対して RGB に赤、緑、青と
~ 割り当て、合成された結果を ERDAS-IMAGINE と TNTmips で比較した
~ 結果「明るさと色が異なる」とのご指摘がありました。
~
~
~  ユーザさまの情報によりますと、TNTmips で ERDAS-IMAGINE と同じ
~ 色合いにするには、一度 16bit画像を 8bit に変換することで可能と
~ の事。しかし、なぜ 16bit のままだと色が異なるのか不思議?とのご
~ 意見です。
~
~ 確かにちょっと不思議ですね。
~
~ そこで、別のユーザさまより、「コントラスト(ストレッチング)設定
~ が重要なのでは? 普段は、Auto Normalize や Auto Equalize を使用
~ しています」との意見がありましたが、「コントラスト(ストレッチ
~ ング)を変えても、理想の色合いにならなかった。」との返答も...
~
~ また、弊社からのコメントとして「コントラストの設定ウィンドウで、
~ 縦方向の入力ラスタのヒストグラムの範囲を決める上下の水平線を狭
~ めてみては?」との意見も出ていますが、まだ答えは出ていないよう
~ です。
~
~ それにしても、色の情報を文字だけで伝えるのはなかなか難しいですね。
~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。






■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■■

円高になりましたので、ver6.9 リリースを機に、価格を改定!!
全体的に安くなりました!

・TNTmips シングルライセンス 780,000円(税別・送料別)
・年間バージョンアップ(2回分) 130,000円(税別)
・年間テクニカルサポート 90,000円(税別)


普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。

わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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############# このメールマガジンの配信について ################

このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。

1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。



また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が半年過ぎたとお考えください。



転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。



テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:現在計画中です...



「これで年間9万円は安い!!」と感じていただけるような
サービスを提供していきたいと考えております。

よろしくお願いいたします。




============ おことわり =============

※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、
 TNTmipsに関わる新しいニュースを、
 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。

※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。

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