Subject: [ts-mag:00138] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 130号】 Date: Sun, 21 Dec 2003 13:24:54 +0900 From: Taichi FURUHASHI OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2003/12/19 Keywords: OpenGIS,TNTmips,Variance,Std.Dev.,CutCopyPaste,JGD2000 オープンGIS テクニカル・サポート専用メールマガジン 第130号「 時 間 軸 で の バ ラ ツ キ を 知 り た い . . . 」 ################################################################# 株式会社 オープンGIS 今週の話題とはまったく関係ありませんが、ようやくマイクロイメージ社 より、TNTmips ver6.9 のリリース日が発表されました。12/23日、日本で は、ちょうど24日のクリスマスイブの日にリリース開始との事です。 新しい機能につきましては、こちらのサイトをご覧ください。 http://www.microimages.com/featupd/v69.htm 目玉は... ★高解像度衛星 QuickBird/IKONOS の RPC オルソ変換機能 ★全世界のGIS/衛星画像データ DVD 付属 ☆ディスプレイ/印刷のカラー補正機能 ☆RVC ファイル内での JPEG2000 圧縮対応 ☆64bitマシン(Opteron/G5/SPARC)に対応 等などですが、 個人的には、この属性ラベル表示機能が気に入っています。 ★http://www.microimages.com/documentation/69labelframes.pdf バージョンアップされている方には、米国より直接、ユーザ登録先住所 へ配送されます。おそらく到着は来年になるかと思いますが、もし いつまで待っても届かない場合は、弊社までご連絡ください。 よろしくお願いいたします。では、今週の本題へ... 統計学の最初に出てくる言葉。 それは、平均とか、最大値とか、最小値とか... で、その次に登場するのが、分散とか標準偏差。たくさんの数字たちの 全体像を捕らえるために必要な、とても重要な情報ですね。 いまさら、そんな基礎的なことを... と思われるかもしれませんが、 そんな統計値を TNTmips で集計するテクニックをご紹介いたします。 ● GIS やリモートセンシングで扱う統計値といえば、空間的に分布している 情報を片っ端から集計する方法。 例えば、標高データのラスタがあった 場合には、その高さの値を、すべて集計して、「この地域の平均標高」と か、「最大標高値」を求めたりします。 こういった処理は、実は非常に簡単で、TNTmips が自動的にヒストグラム という形で求めておりますので、ぱぱっと表示することができます。 例えば... ▽データを表示しているとき([Display]-[Spatial Data...]機能)に、 Group Controls ウィンドウの各レイヤに用意されている、スパナマーク (Tools)をクリックしましまして、[Tools]-[Raster Histogram...]を選択 しますと、 ■そのラスタが持ちます、最大値(Maximum)、最小値(Minimum)、平均値 (Mean)、標準偏差(Std.Dev)、中央値(Median)、最頻値(Mode)、最頻度 (Most)... といった具合に表示されます。 一方で、例えばポリゴンベクタデータであれば、 ▽データを表示しているとき([Display]-[Spatial Data...]機能)に、 Group Controls ウィンドウの各レイヤに用意されている、青矢印マーク を下に向けまして、ポリゴン要素行の POLYSTAT テーブルボタンを押し 込んで表示します。 ▽ひとまず、すべてのレコードを表示するため、[View All Record]ボタ ンをクリックしておきます。 ■あとは、メニューより [Table]-[Statistics]-[...]と選択し、 [Count](レコード数)や、[Sum](合計)、[Mean](平均)、[Standard Deviation](標準偏差)、[Minimum](最小値)、[Maximum](最大値)と いった求めたい統計値を選択すると、その情報が新しいレコードと してテーブルの中に埋め込まれます。 ● さて、ここまでは、ラスタであっても、ベクタであっても、1つの空間 データとして集計していきます。メニュー操作で簡単に行えるので、便 利に思いますが、GIS のメリットはそれだけではありません。同じ空間 の中で、様々な情報を重ね合わせて集計することで、世界は広がってい きます。 ここで、しつこいようですが、分散と標準偏差の話に戻していきましょう。 分散[Variance] とは、「数値の散らばり具合を見る目安」です。 標準偏差[Standard Deviation]とは、「平均値からの誤差として値を 位置づけをする目安」です。よく世の中では、偏差値なんていう位置 づけがされてますね。 空間データを扱う場合、すぐに想像するのは、あるゾーンの中での統計 量ですが、視点を変えて、まったく同じ範囲に、複数のデータ、例えば 毎月の衛星画像を1年分12枚重ねて、まったく同じ1点だけで、すべて の季節の値を比較したいと考えます。ある場所は、植物が生えていて、 春に葉をつけ、夏に緑を増し、秋に紅葉し、冬に葉を落とすような、 変化をしていると、衛星画像の値もまた、大きく変動します。 分散が大きくなるわけですね。 一方で、ほとんど季節変化のしないような建物の場所で、すべての月の 値を比較しても、おそらくそれほど変化はしないと思います。 分散が小さくなるわけですね。 こういった、時空間的な統計処理を行おうとすると、どうしても、 メニュー操作だけでは限界があります。 ● で、話を長々と書いてしまいましたが、TNTmips には SML という得意技 があります。スクリプトで沢山のラスタを読み込んで、一度に集計して しまおう!! というわけです。 ダウンロード先はこちらです。 ▼複数ラスタの最大・最小・平均・分散・標準偏差SML ver1.6 [0.1MB] http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/MaxMinMeanIdxVarSd_v16.sml 注意点としましては、 ・使用するラスタは、1つの RVC ファイルの中に入れておいてください。 途中で、RVC ファイル名を聞いてきますので、指定しますと、中に入って いますラスタオブジェクトを片っ端から開いていきます。 ・使用するラスタは、ライン数カラム数は統一しておいてください。 少しでも違うと、計算結果に問題が生じます。 ・使用するラスタ内に、Null 値がありますと、正しく計算しない可能性 があります。このあたりは、今後バージョンアップする予定です。 そんなわけで、今週はオープンGIS から SML のクリスマスプレゼントでした!! といいたいところですが、実はユーザーさまから提供していただいたもの をちょこっと改良しただけ... 提供していただいたユーザ様に感謝!! メリークリスマス! 今週の過去プチ・テクニック """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""" " " このポリゴンを、あっちのレイヤーに... " こっちのラインを、むこうの位置に... " " Office や、テキストエディタなどでお馴染みの「カット&コピー& " ペースト機能」。 TNTmips でも、いくつかの機能で可能ですが、 " 一番ややこしいのが [Edit]-[Spatial Data...] 機能での編集作業。 " " 詳しくは、以前のメルマガでもご紹介いたしましたが... " http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_044.htm " 若干操作性が統一されまして、わかりやすくなっています。 " " そこで、細かいことはさておきまして、簡単にそれぞれ「カット」 " 「コピー」「ペースト」機能の使い方をご紹介。 " " " 『カット(Cut)』 " " ▽ターゲットのエレメント(ポリゴンとかライン)を選択(セレクト) " " ▽View ウィンドウ側で、[Tool]-[Cut]メニューを選択 " " ▽Region Type: を「Entire Object」に切り替え(ver6.9 以降) " " ▽Use Selected Elements トグルボタン押し込む " " ■[Cut]ボタンを押すと、エレメントが切り取られ、クリップボードに " 保存されます。 " " " 『コピー(Copy)』 " " ▽ターゲットのエレメント(ポリゴンとかライン)を選択(セレクト) " " ▽View ウィンドウ側で、[Tool]-[Copy]メニューを選択 " " ▽Region Type: を「Entire Object」に切り替え " " ▽Use Selected Elements トグルボタン押し込む " " ■[Copy]ボタンを押すと、クリップボードにコピーされます " " " 『ペースト(Paste)』 " " ▽ペーストしたいレイヤをアクティブ(黄色い鉛筆マーク)にする " " ▽View ウィンドウ側で、[Tool]-[Paste]メニューを選択 " " ■[Paste]ボタンを押すとクリップボードにあるエレメントが " 貼り付けられます。 " " " 同じ形状を使いまわしたりするのに、便利ですね。 " (プチテクニック第44号を改良) " """" 隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信 """" New Things 最新情報 ================================================================= = = 複数ラスタの最大/最小/平均/分散/標準偏差集計 【SML スクリプト】 = http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm = = おまたせしました! 12月24日に TNTmips ver6.9 がリリース開始!! = http://www.microimages.com/featupd/v69.htm = = JGD2000 定義でも「Tokyo-Japan」現象を修正【修正パッチ】 = http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD = ================================================================= ■■■■■■ 今 年 も テ キ ス ト 販 売 中 !! ■■■■■■ 昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を 今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!! 同時に、TNTlite の日本語解説セットも、オープンGIS 独自パッチや、 北海道地図さんの GISMAPTerrain サンプルデータと共にリリースしました。 詳しい内容はこちらをご覧ください。 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ バグ・トラブル情報 ??? ??? ??? あれれ、測地系を JGD2000 に指定したはずなのに、Tokyo - Japan ??? になってる... ??? ??? 最近だんだんと世界測地系データが普及し始めてきました。そんな ??? 世界測地系データをインポートしたり、ベクタデータを Warp した ??? ときに、一時期の TNTmips ver6.8 用修正パッチを充てますと、 ??? 測地系(Datum)のリストの中から、JGD2000 を選択しても、何故か ??? 強制的に Tokyo - Japan の測地系として定義されてしまう現象が ??? 見かけられました。 ??? ??? もし、お使いのデータがどうも 400〜500m ズレるなぁ... ??? という場合は、大変お手数ですが、こちらのサイトより最新の修正 ??? パッチ(ver6.8 PV 10Dec03以降)を充てていただけますでしょうか。 ??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/ ??? ??? また、詳しいパッチの充て方につきましては、こちらのサイトをご ??? 参照ください。 ??? http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm ??? ??? ??? 今週の話題 on メーリングリスト ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~ 今週は特にありませんでした。 ~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、 ユーザーさまの間での情報交換の場として 多くの方に利用されています。 ■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■ ■・TNTmips シングルライセンス 840,000円(税別・送料別) ■・年間バージョンアップ(2回分) 140,000円(税別) ■・年間テクニカルサポート 90,000円(税別) ■ ■ 普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、 ■ 円相場に応じて価格が変動いたしますことを ■ ご理解よろしくお願いいたします。 ■ ■ わからない点などありましたら、お気軽に ■ info@opengis.co.jp までご連絡ください。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が半年過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。 >サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。 >サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。 >サービスその9:現在計画中です... 「これで年間9万円は安い!!」と感じていただけるような サービスを提供していきたいと考えております。 よろしくお願いいたします。 ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、 TNTmipsに関わる新しいニュースを、 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================