Subject: [ts-mag:00094] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 87号】
    Date: Sat, 22 Feb 2003 00:00:14 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users       2003/2/21
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Geoformula,Scale,Nautical Depth,Disolve

オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第87号「  手 間 を か け ず に 串 刺 し 演 算 ! !  」
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                       株式会社 オープンGIS




リモートセンシングの世界には
「リサンプリング」という言葉があります。

ラスタデータを再配列する処理のことで、
単に並び替えるだけではなくて、ピクセルのサイズを小さくしたり、
空間内挿を行ったり、GCP と変換モデルの組み合わせで、幾何補正を
行って、画像の変形までこなします。

ゆえに、画像処理の第一歩は、リサンプリングにあるともいえます。


●


しかしなかなかこのリサンプリングが面倒なんです。

そこで、世の中の多くのリモートセンシング解析用 GIS ソフトは、
「ジオコーデッド」や「ジオリファレンス」という処理で、ラスタデータ
に対して GCP(Ground Control Points) というピクセル座標と空間座標の
置き換え情報を付与し、リアルタイムでリサンプリングを行い、ビュー
ウィンドウ上に表示しています。
 これで、あたかもリサンプリングしたかのように振舞っているのです。

見かけ上は、重なっているように見えるラスタ同士も、実際のデータ
に書き込まれている座標情報は意外とばらばら。ピクセルサイズはもち
ろん、ライン数やカラム数だって、まったく違うことが多々あります。


これらのラスタデータを足し算・引き算にするとなると、まずは、計算
するラスタ同士をリサンプリングして、ピクセルサイズを統一。さらに、
切り出し範囲を合わせてようやく計算式の出番と、かなりの準備と手間
をかけたうえで、処理しなければなりませんでした。


●


でも、TNTmips には、「ジオフォーミュラ」という機能があります。
ピクセルサイズの違うラスタ同士はもちろん、ベクタや CAD、TIN だって
空間座標が一致していれば、リサンプリングや、ベクタ→ラスタ変換すら
行わずに、一度にまとめて串刺し演算することができます。

なかなか、これは優れものです。

今まではリサンプリングや切り出しなどを身構えた上で、エイヤと下準備
をして、ようやく計算という流れがありましたが、ジオフォーミュラは
そんなためらいなく処理することができます。


●


話が長くなってしまいましたが、具体的な作業方法についてご紹介しま
しょう。

▽メインメニューより Process/GeoFormula... を選択します。

▼ウィザードが立ち上がりますが、Create new formula using wizard の
 チェックをオンにして OK ボタンを押します。

▽串刺し演算の対象とするラスタ、ベクタ、CAD、TIN データを複数個
 選択します。

▼Type of formula to create? と聞かれますが、単なる演算であれば
 一番上の General with numeric result を選択して、Next ボタンを
 押しましょう。

▼Press the 'Finish' button ... というメッセージが現れましたら、
 言われるがままに、Finish ボタンをクリックします。

▽これで、GeoFormula Object Combinations ウィンドウが現れます。

▼Script タブに移動して、

 result = R1 + R2 + V1.poly.Table.Field + C1.poly.Table.Field
 return (result)

 のように、計算式を記述します。

▽最後に Output タブへ移動して、出力ラスタの設定を行いましたら、
準備は完了です。

■GeoFormula Object Combinations ウィンドウメニューの File/Run...
 で実行しましょう。

いかがでしょうか?




●


ジオフォーミュラ実行の際のワンポイントテクニック!!


・Objects の名前は、簡単な名前に置き換えておくと便利です。

・ラスタやベクタの名前は手入力ですと間違えやすいですので、
 メニューより Insert/Field... からメニュー選択すると正確です。

・ジオリファレンスの与え方によっては、ビューウィンドウでの重なり
 方と違う結果として、出力される場合があります。どうも予想と違う...
 と思われた場合、ジオリファレンスの際の Model を見返してください。
 特に Piecewise Affine などは、処理を軽くするため、ビューウィン
 ドウでの表示のほうが、簡易的に表示する傾向にあります。つまり、
 歪んでいるように見えるジオフォーミュラの出力のほうが、正しいこと
 になります。

・Output タブの Extents は、Common Area を選択するのが、イメージ
 としっくりきます。Union of Area は選択してもオーバーラップしてい
 るゾーン以外は、Null 値が入ってきます。ご注意ください。






今週の過去プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" ポリゴンやラインの属性などで、たびたび登場する
" 属性テーブルですが、どうも、日本語が文字化けしたり、
" 表示されなかったりする...
"
" そんなときは、テーブルの文字コード設定が日本語用に設定されてい
" ない可能性があります。
"
" テーブルのウィンドウメニューから、Table/Edit Definition... を
" 選択しまして、現れますテーブルの設定ウィンドウの、右側にある
" Table Info タブへ移動します。
"
" 下には String Encording のボタンがありますので、
" お使いのマシンが Windows であれば Japanese(Shift-JIS) を、
" お使いのマシンが Macintosh であれば Japanese(Macintosh) を、
" お使いのマシンが UNIX/Linux であれば Japanese(EUC) を、
" お選び下さい。
"
" これで、OK ボタンを押しますと、いかがですか。
" 正しく日本語が表示されましたか?
"
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
=================================================================
=
= ジオリファレンスの「表示スケールが変わる」バグ修正【TNT 修正パッチ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD
=
= Nautical Depth ラベルが「表示しない」バグ修正【TNT 修正パッチ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD
=
= Disolve Polygons 処理の「フィールド非表示」バグ修正【TNT 修正パッチ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD
=
=================================================================




バグ・トラブル情報
???
???
??? ver6.7 の patch 版にてジオリファレンスの作業を行っている際に、
??? 実際のデータを表示するウィンドウと、リファレンス用データを
??? 表示するウィンドウで、若干表示されているスケールに、
??? 違いがでてくる場合があります。
???
??? それぞれのウィンドウにて、Options/Geolock Setting... を開いて
??? みると、Relative Scale: の値が、1 になっていない。
???
??? そんなときは、以下の2つのパッチを再度充てることで
??? 解消されます。
???
??? GEOREF.ZIP
??? NEEDED.ZIP
???
???
??? 大変お手数ですが、よろしくお願いいたします。
??? 尚、詳しいパッチの充て方につきましては、
??? こちらのサイトをご覧下さい。
??? http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm
???
???
???





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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~ 今週はとくにありませんでした。
~
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