Subject: [ts-mag:00010] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 9号】 Date: Fri, 10 Aug 2001 10:00:32 +0900 From: Taichi FURUHASHI OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2001/8/10 Keywords: OpenGIS,TNTmips,MAP25000,GSIbound,sml,merge,dummy オープンGIS テクニカル・サポート専用メールマガジン 第9号「 行 政 界 と 海 岸 線 で 白 地 図 を 書 こ う ! ! 」 ################################################################# 株式会社 オープンGIS 社会人になりまして始めての夏がやってきました。 この4ヶ月で多くの方にお会いしましたが、いろいろと宿題を渡されて、 できる限りその答えを見つけようと毎日が試行錯誤の繰り返しでした。 なんとかしてうまい方法はないものか... 季節が変わるごとにその焦りがつのってきます。が、 今週、ようやくひとつの宿題を仕上げる目途がたちました。 それは、国土地理院さんが発行しております、 数値地図25000 (行政界・海岸線) という日本全国の都道府県市町村行政界 や海岸線のラインデータを TNTmips で読み込む SML です。 SML(Spatial Manipulation Language ) とは、 TNTmips で実行できるマクロ言語で、主にGIS処理の自動化などに用います。 この SML で 行政界・海岸線 をインポートするプログラムを、とあるユー ザーさまが作られており、これを改良したのが今回の GSIbound_v10.sml です。 詳しい使用方法は http://www.opengis.co.jp/htm/basic/gsi_bound.htm を御覧いただくとして、 例のごとくここでは、その苦労話を少々... その1.属性にすべきか別オブジェクトにすべきか 元々のデータは2つのレイヤーに分かれています。 【河川・湖沼境界】と【それ以外の境界】です。 しかし多くの方が使用するのは都道府県境であったり海岸線であったり 【それ以外の境界】の中で更に細分化されております。これをいかにし て利用可能な形にするか... 考えました。 方法は2つ。属性テーブルで細分化するか、別のオブジェクトとして 細分化するか。ver1.0 は後者を選んでいます。 出力されるベクタは、 「都府県境界」「それ以外の行政界」「海岸線」「河川・湖沼」 以上の4つです。 しかし、ゆくゆくは属性でも細分化しようと現在 SML の勉強中です。 その2.第一段階として1次メッシュ内をマージする この SML の最初の処理は、2次メッシュ内のラインを繋げていく処理 です。つまり、2次メッシュごとにラインオブジェクトが生成されてい くのです。 ということは最大で64×4種類=256個のオブジェクトが作られる... これをひとつひとつマージする(繋げていく)のはなかなか大変な作業で あり、あまり生産性がよくありません。そこで今回の SML ではこれらの オブジェクトを自動的にマージする機能を追加しました。 これで、1次メッシュ内のベクタオブジェクトのマージまでは、自動化 されました。 【補足】 1次メッシュ:緯度幅 40′× 経度幅 1°のメッシュ 1/20万地勢図の範囲がこれに相当します。 2次メッシュ:1次メッシュを8×8=64個に分割したメッシュ 1/2.5万地形図の範囲がこれに相当します。 その3.やはり日本全国一気に処理したい... 最後に考えたのはやはり CD-ROM に含まれている日本全国すべてのデー タを繋げたいということ。結局はラインがすべて閉じてくれないと各都 道府県や各市町村などがポリゴンとして利用できないことになります。 そのためにも最終的には CD-ROM をまるごと処理したい... 次のバージョンでは、このまるごと処理を加えた SML をなんとしてでも つくらねばと考えております。 まだまだ、SML 修行の日々は続きます... 今週のプチ・テクニック """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""" " SML の情報はいろいろとありますが、 " 最近見つけたのは、マイクロイメージ社の " http://www.microimages.com/sml/ " というページ。 " とくにサンプル SML は勉強になります。 " " しかし、このページにマウスだけで辿り着くのは至難の技。 " 直接アクセスするのをお勧めします。 " """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""" New Thing 最新情報 ================================================================= = = 先々週の話題でした 日本語フォント設定 の解説ページ。 = http://www.opengis.co.jp/htm/basic/font.htm = = 今週のテーマでした = 数値地図25000行政界/海岸線 の読み込みSML解説ページ。 = http://www.opengis.co.jp/htm/basic/gsi_bound.htm = ================================================================= バグ・トラブル情報 ??? ??? ??? ポリゴンのマージ機能でバグが見つかりました。 ??? 場合によっては マージされたテーブルに他の属性レコードが混ざって ??? しまう可能性があります。ちなみにこのバグは環境庁が研究用に配布し ??? ております自然環境GIS の DLG データをインポートしてマージした際 ??? に発生しました。 ??? ??? このデータをお使いの方はお気をつけください。 ??? ??? このバグにつきましては早速アメリカへ報告しましたが、 ??? 現状での対処方法を紹介します。 ??? ??? 調べてみたところ、このバグが発生するのはマージするポリゴン選択の、 ??? 一番目で発生する、つまり、一番目に不要なポリゴンをいれ、二番目と ??? 三番目に実際にマージするポリゴンを指定することでバグを避けること ??? ができます。 ??? ??? ??? まとめると、 ??? ??? ??? 作業1.【ダミーポリゴンを作る】 ??? メインメニューより、Edit/Spatial Data... を起動して、 ??? マージするポリゴンの近くに、てきとうな四角形ポリゴンを作成し、 ??? dummy の名を付け保存します(これで Spatial Data Editor は終了) ??? ??? ??? 作業2.【ポリゴンをマージする】 ??? メインメニューより、Process/Vector/Merge を起動して、 ??? マージするポリゴンを複数選択。 ??? このときに、まず 先ほど作った dummy ポリゴンを最初に選択して、 ??? 次に実際にマージしたいポリゴンを2つとも選択します。 ??? (今回は、NI54311 と NI54312 という名前でした) ??? ??? Table Joining Options:欄で「 If Same Table Name and Structure 」 ??? を選択していれば OK ボタンで完了。 ??? ??? ??? マージの結果画像はこのようになります ??? ??? ??? ??? ??? この方法で、属性テーブルへの混在レコードが ??? 発生しなくなります。 ??? ??? ??? とはいうものの、生成されたデータの確認はしっかり行ってください。 ??? また、不要な dummy ポリゴンは後で消してください。 ??? ??? 今週の話題 on メーリングリスト ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~ 今週は、特に話題がありませんでした。 ~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、 ユーザーさまの間での情報交換の場として 多くの方に利用されています。 先週、少し話題になりました GISソフト&ツール投票所 http://www.csis.u-tokyo.ac.jp/%7Eakuri/vote/fvote.cgi ですが、おかげさまであれから 3票いただきまして、 現在6位(先週13位)まで上昇しました。 投票くださった方、ありがとうございます。 得票数も気になりますが、 それよりも、やはりみなさまが書かれている、 コメントが非常に参考になります。 TNTmips をはじめ、多くの GIS に対してどのような 印象をもたれているのか、改めて考えさせられました。 ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際にTNTmipsで作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が半年過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:バグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmipsに関するどんな質問にも対応します。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:電話・電子メールも、もちろん最優先で対応いたします。 >サービスその6:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその7:現在計画中です... 「これで年間9万円は安い!!」と感じていただけるような サービスを提供していきたいと考えております。 よろしくお願いいたします。 ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、 TNTmipsに関わる新しいニュースを、 毎週金曜日の朝に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================