V7.0 からジオリファレンスなどで使う座標系の設定ウィンドウのインターフェースが変わりました。 ここでは、緯度経度やUTM座標など、よく使う基本的な座標系の設定のし方について説明します。 また座標系のことを、V7.0から座標参照系(Coordinate Reference System)と呼んでいます。
(1)緯度経度
(2)UTM座標系
(3)平面直角座標系(19座標系)
(4)ユーザ定義の座標系
▼「座標参照系」ウィンドウを開くと、「定義済 (Predefined)」パネルが表示されます。
▼「座標参照系」ウィンドウにおいて「全球規模 and 地域 (Global and Regional)」の先頭の□+ マークをクリックします。このカテゴリに含ま れる座標系が表示されます。
▼ Europeの下にある「Geographic 2D: longitude, latitude (degrees)」が緯度経度です。クリックして反転表示します。
▽「座標系」パネルはそのままです。
▼「測地系 (Datum)」パネルを押します。
▼「日本測地系」を選ぶには、「測地系」メニューの選択肢から「Tokyo」を選びます。
「世界測地系」を選ぶには、「測地系」メニューの選択肢から「Japan Geodetic Datum 2000 (JGD2000)」を選びます。
▽「詳細」パネルには、設定した座標系の詳細が表示されます。設定し た座標参照系の名前は "Tokyo / ジオグラフィック" です。
▼ [OK]ボタンを押して、「座標参照系」ウィンドウをいったん閉じま
す。再度開いて、「現在」の先頭の□+ マークを押すと、設定した座
標参照系がリストに現れます。次回以降は、このリストから選
択すればいいことになります。このリストには、設定した10個の座
標参照系が新しい順に表示されます。
▼「座標参照系」ウィンドウにおいて「全球規模 and 地域 (Global and Regional)」の先頭の □+ マークをクリックします。
▼「ユニバーサル横メルカトル(UTM)」の先頭の □+ マークをクリックすると、ゾーンのリストが表示されます。
▼ スライダーを下の方にスクロールして、ゾーンを選びます。 同じゾーンでも "N" は北半球、"S" は南半球です。
▽「座標系」パネルはそのままです。
▼「測地系 (Datum)」パネルを選びます。
「日本測地系」を選ぶには、「測地系」メニューの選択肢から"Tokyo" を選びます。
「世界測地系」を選ぶには、「測地系」メニューの選択肢から"Japan Geodetic Datum 2000 (JGD2000)" を選びます。
▽「投影法」パネルには、設定した座標系の持つパラメターが表示されます。
▽「詳細」パネルには、設定した座標系の詳細が表示されます。設定し た座標参照系の名前は "JGD2000 / UTM zone 53N (CM 135E)" です。
▼ [OK]ボタンを押して、「座標参照系」ウィンドウをいったん閉じます。再度開いて、「現在」の先頭の □+ マークを押すと、設定した
座標参照系がリストに現れます。次からは「現在」リストから選択できます。
【参考】平面直角座標系(19座標系)(日本地図センター)
http://www.jmc.or.jp/faq/map/heimen.html
▼「座標参照系」ウィンドウにおいて「国家 and 地方 (National and Local)」の先頭の □+ マークをクリックします。国名がリスト表示されます。
▼ スライダーを下の方にスクロールして、「日本」を選びます。「日本」の先頭の □+ マークをクリックします。日本の座標系が表示されます。
「JGD2000」は 新測地系である「世界測地系」、「Tokyo」は 旧測地系である「日本測地系」に対する座標系を表しています。
▼「JGD2000」と「Tokyo」の先頭の □+ マークをクリックします。日本に対して定義されている座標系がリストアップされます。
Japan-19 zone I(1) から XIX(19) までの座標系が「平面直角座標系」です。希望するゾーン(系)をクリックします。
▽「座標系」パネルはそのままです。
▽「測地系 (Datum)」パネルもそのままです。
▽「投影法」パネルには、設定した座標系のパラメターが表示されます。
▽「詳細」パネルには、設定した座標系の詳細が表示されます。(例) JGD2000 / Japan-19 zone IX
▼ [OK] ボタンを押して、「座標参照系」ウィンドウをいったん閉じます。再度開いて、「現在」の先頭の □+ マークを押すと、設定した
座標参照系がリストに現れます。次回以降は、「現在」リストから選択できます。
以上、整理すると、
●「全球規模 and 地域」には、緯度経度やUTM座標系、Gauss Krugerなど、地球全体をカバーできる広域用の座標系が定義されています。
●「国家 and 地方」には、各国独自に制定された座標系が設定されています。日本ならば「平面直角座標系(19座標系)」が定義されています。
●「現在」には、ユーザが設定、選択した座標系が登録されます(10個まで)。
これらのリストにない座標系は、「ユーザ定義の座標系」として定義します。
▼「座標系」パネルを選択します。「座標系」から一番上の「投影: Easting(E), Northing(N), [meters]」を選択します。
▼「測地系 (Datum)」パネルを選択します。測地系を選びます。ここでは、デフォルトのまま "World Geodetic System 1884 (WGS84)" を選びました。
▼「投影法」パネルを選択します。「投影手法」をクリックして、設定したい投影法を選びます。
ここでは 例として"Lambert Azimuthal Equal-Area"(ランベルト等積図法)を選びました。
▼ 投影法のパラメターを入力します。 緯度、経度は 度、分、秒はスペースで区切ります。
▽「詳細」パネルには、設定した座標系の詳細が表示されます。ここで設定した座標参照系の名前は "WGS84 / Lambert Azimuthal Equal-Area" です。
▼ ユーザ定義した座標参照系を保存するには、保存したい座標参照系をクリックし、反転表示します(カレントになります)。 「別名保存...」ボタンを押します。
▼「地理参照系を保存」ウィンドウが出ます。「 OK 」ボタンを押します。
▽ 保存した"WGS84 / Lambert Azimuthal Equal-Area" が「保存済」に表示されます。
▽ なお「保存」した座標参照系は、「マイドキュメント」フォルダのSettingsフォルダに格納されています。
□■ パネル下部にある「バージョン6.9以前のTNT製品との互換性」は、定義、設定した座標参照系が V6.9 以 前のバージョンと互換性(下位互換性)があるか否かをチェックします。 V7.0での座標系、測地系には、V6.9以前にはなかったものも多く定義されているためです。
●"チェックなし"....互換性をチェックをしません。座標参照系を設定
したオブジェクトを V6.9 以前のバージョンで使用するつもりがない場
合、設定します。
●"もし互換性ない場合は注意を促す"....互換性のない座標参照系を設
定した場合、質問ウィンドウが現れます。設定する、しないの最終判断
を行います。
●"要求される"....V6.9以前のバージョンでの使用が必要な場合、これ
を選択します。下位互換性のない座標参照系は設定できません。
「座標参照系」については英文ですが、マイクロイメージ社のサイトに資料があります。
< TNT入門 > ● Coordinate Reference Systems (座標参照系) http://www.microimages.com/getstart/pdf/CoordRef.pdf
< 図版 > ● Spatial Referencing in TNT (TNT製品での空間参照の考え方) http://www.microimages.com/documentation/cplates/70spatref.pdf
● Coordinate Reference System Window (座標参照系ウィンドウ) http://www.microimages.com/documentation/cplates/70crswin.pdf
● Predefined Coordinate Reference Systems (定義済み座標参照系)
http://www.microimages.com/documentation/cplates/70predefCRS.pdf
UTMなど、定義済みの座標系について説明があります。
● Predefined Coordinate Systems Requiring Datum Selection (測地系の選択が必要な定義済み座標参照系)
http://www.microimages.com/documentation/cplates/70predefDatum.pdf
● Private Coordinate Reference System Setup (ユーザ定義による座標参照系の設定)
http://www.microimages.com/documentation/cplates/70customCRS.pdf
定義済みにない座標参照系の定義について。"ユーザ定義"は、V6.9以前では User-defined ですが、V7.0以降は PrivateあるいはCustom と呼んでいます。