ベクタの分割
ベクタの分割は、以前SMLでサポート(過去のメルマガ第210号)しましたが、今回は GISの基本機能である
オーバーレイを使って分割する方法を紹介します。
【使用可能なTNTmipsのバージョン】
TNTmips DV2013の2012年8月1日以降のバージョンでご使用ください。
(注)DV(開発バージョン)の有効期間はインストール後30日です。30日過ぎましたら起動できなくなります。
その時は、新たなDVバージョンをマイクロイメージ社サイトからダウンロードして再度インストールを行ってください。
インストールがうまく行かない場合は、アンインストールをしてから、インストールしてください。
【関連するテクニカルガイド】
属性によるベクタの分離
【操作手順】
1)まず、ユニオン(ベクタの組み合わせ処理の1つ)を使って、分割される側のべクタ(ソース)と分割する側のベクタ
(オペレータ)をオーバーレイします。
2)その後、ベクタの抜き出し処理に入り、オペレータ側のポリゴンに付与された識別用の属性値を指定して、各属性値
毎に対応する領域を別々のベクタデータとして抜き出します。
【特徴】
DV2013からの新機能を使うことにより、抜き出すベクタは、それぞれ別々のRVCファイルに出力することが出来ます。
1)ユニオン
▼[各種図形]メニューより[組み合わせ(演算)...]を選ぶ。
▼[操作]を"ユニオン(OR)"にします。
▼[ソース]の[選択...]ボタンを押して、分割したいベクタを選択します。
ソースのベクタオブジェクトの投影法が出力の投影法になります。
今回使用したデータはライン、ポリゴン両方に属性が付いているので、両者とも"すべて"です。
▼[オペレータ]の[ベクタ...]ボタンを押して、分割に使用するポリゴンベクタ(1次メッシュや県境界など)を選択します。
後で分割処理するには、ポリゴンに属性(1次メッシュコードや県コードなど)が付いている必要があります。
ここでは、日本測地系の1次メッシュのベクタを選びました。
▼[テーブル結合オプション]はご希望に応じて適当に選びます。今のデータではテーブル名も構造も違うので、結合(1つ
になる)されません。
▼[実行...]ボタンを押します。出力先のデータ名を指定します。
途中、スタイルオブジェクト等のリンク先を聞かれたら、該当オブジェクトの場所を指示します。
▼処理終了です。
(Intel Core i7 CPU 960 @ 3.20GHz, 12.0 GB(RAM), Windows 7 Pro(64bit OS))
2)抜き出し
▼ TNTmips(DV2013)を起動します。
▼[各種図形]メニューより[抜き出し]>[ベクタ...]を選びます。
▼[選択...]ボタンを押して、先ほどのユニオンの結果を選択します。
▼[ライン]は"なし"、[ポリゴン]は"属性を使用"を選びます。その横の[選択...]ボタンを押します。
▼[キーフィールド:]では抜き出しに利用する属性フィールドを選択します。
▼ここでは、5337(飯田)、5236(名古屋)、4830(八代)にチェックを入れました。
全部選ぶ場合は、右上の[すべて選択]ボタンを押します。
▼[受け付ける]ボタンを押すと、確定です。
次に、出力ファイルの命名法を指定します。
▼[分離度]パネルで、Byは"Polygon Attribute"を選びます。
▼ファイル名に使うテーブルとフィールドを選びます。
▼[前付け文字]と[後付け文字]を設定できます。ここでは[前付け文字]のみ付けるようにして、Meshとしました。
別々のRVCファイルに抜き出しますので、[Output to separate files]の前のチェックを入れます。
▼最後に[実行...]ボタンを押します。出力する場所(フォルダ)を聞いてきますので、既存のフォルダを選ぶか、
新規に作成します。
▼処理が開始します。
・・・・・・
抜き出し結果を表示して確認してみましょう。
▼先ほど指定したフォーマットでファイルが3個ありますね。
▼3個表示されました。
▼日本測地系の1次メッシュと一緒に表示しました。
●ライン属性とポリゴン属性(データティップ)
●抜き出されたベクタオブジェクトのテーブル構成
2012.8.27
株式会社オープンGIS
アイデアをいただいたRWP氏に感謝します。