Subject: [ts-mag:00112] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 317号】
    Date: Sat, 29 Sep 2007 10:05:48 +0900
    From: WAZA Toshihiko


OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2007/09/21
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Jack Paris,SML,Scene-Object Polygon,SOP

オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第317号「  画 像 分 割 の S M L  」
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                       株式会社 オープンGIS



今週は、画像のオブジェクト分類に関係して、画像内の地物をポリゴン
として分割、抽出するSMLについてご紹介します。


このSMLは、米国のリモートセンシングの専門家である Dr.ジャッ
ク・パリス が作成したものです。流域計算の考えを応用して、単バンド
の画像をポリゴンに分割します。

ジャック・パリスは、衛星画像の陰影補正を行うSMLなど、画像処理
に関するさまざまなSMLを開発しています。
 http://www.microimages.com/downloads/ScriptsByJack.htm


今回ご紹介するSMLである"OBJECT.sml "は、リストの一番最後にあり
ます。

この資料では、ASTER のグレイスケール画像から、農地内のバイオマス
をポリゴンとして抽出しています。
 http://www.microimages.com/documentation/cplates/72ObjectSML.pdf


・・・


SMLはこちらです。
 http://www.microimages.com/sml/OBJECT.htm

使用する画像としては、正式にはジャックの "SRFI.sml" や 
"TASCAP.sml" で補正、正規化を施した画像が望ましいとのことですが、
 http://www.microimages.com/sml/smlscripts/ParisScripts/FAQsbyJackH.pdf

ここでは簡単のため、メルマガ【第313号】でも使用したランドサット画
像の近赤外バンドで試してみました。


なお、誠に申し訳ありませんが、v73では途中でエラーを起こしましたの
で、v72 を使用しています(マイクロイメージに報告済み)。


▼「スクリプト」から「スクリプトの編集...」を選びます。

 

このSMLは処理中、コンソールに情報を書き出しますので、「スクリ
プトの編集...」を使用してください。


▼ ダウンロードしたSMLを開きます。


▼ 実行します。

 


▼1.最初に、CONSOLE-WINDOW の調整に関するウィンドウが出ます。必
要に応じて、ウィンドウのサイズや表示位置を調整します。

 

さらにパラメターの入力を促すいくつかのウィンドウが現れます。


▼2.入力ラスタ(Rin)を選択します。

 


▼3."EP" ラスタに関する設定です。

 

"EP" は、今回の処理で重要な役割をするラスタオブジェクトです。
"Edge-Probability" (エッジ確率)の略で、入力ラスタ内の地物間の境界
の強さを表します。"境界の強さ" とは、簡単に言うと、入力ラスタの地
物間のDN値の差です。DN値の差が大きいほど、はっきりとした"強い
エッジ"であり、差が小さいほど、弱い不明瞭なエッジということになり
ます。詳しくは、後述するFAQをご覧ください。

このラスタは、"16bitの符号なし"のラスタであり、これを標高ラスタと
見立てて、流域(=ポリゴン)を求める計算を行います。


(EP ラスタの例) 山中湖の周辺。強いエッジほど白く表示されます。

 

ここでは、EP ラスタを新規に作るか(1)、既存のものを使用するか(2)、
選びます。ここでは、"1" を選びます。


▼4.ラスタのDN値の最小値(FLOOR-VALUE)が表示されます。処理範囲
の下限をここで設定できます。

 


▼5.ラスタのDN値の最大値(CEILING-VALUE)が表示されます。処理範
囲の上限をここで設定できます。

 


▼6.先ほどのEP ラスタの処理の最小値(minEP)を指定します。"1"から
"5,000" の範囲で変えられます。大きくすると、弱いエッジは処理しま
せん。デフォルトは"1"です。

 


▼7."EXTRAPOLATION-LINE LENGTH" ウィンドウ。解説には、EP ラスタ
の作成に先立ち、入力ラスタ(Rin)の平滑化を行うとあります。必要がな
ければ "1" のままにします。

 


▼8.次は"CUMULATIVE-PERCENTILE FOR LINE" です。ポリゴンを発生し
た後にラインを削除する働きをするとのことです。この辺になってくる
となかなか難しいです。分からないときはそのまま[OK] です。

 


▼9."VECTOR-LINE THINNING-FACTOR"。これはポリゴンを発生した後で、
中間点の間引きを行います。デフォルトは"0"で、間引きを行いません。
セルに沿った階段状のラインになります。

 


▼10.最後のウィンドウです。ポリゴンの中にポリゴン(島ポリゴン)
が出来た場合、ここで指定する面積以下のものは削除されます。これは
分かりますね。

 


以上でパラメターの設定は終了です。

処理が開始します。コンソールにメッセージが表示されます。


▼ 処理後、メッセージを保存したい場合は、コンソールの上で右ボタン
クリックをして保存します。

 


では、出力されたオブジェクトを見てみましょう。


▼ "EP.rvc" と"SOP.rvc" の2つのプロジェクトファイルが出来ます。

 

"EP.rvc" は、先ほど説明したエッジの強弱を示すラスタです。

"SOP" は、"Scene-Object Polygon" の略で、ラスタから作成したポリゴ
ンのベクタです。今回出来た SOPポリゴン(黄色のライン)です。

 

画像が非常に細かく分割されているのが分かります。


・・・


[2回目の実行]

5番目のパラメータ(CEILING-VALUE)を"20"にして、処理しました。
入力画像のDN値20以下のセルに対して処理が行われます。

 


[3回目]

5番目のパラメター(CEILING-VALUE)を"20"、
6番目のパラメータ(minEP)を"1000"に上げます。

1回目の処理で出来ていた湖の中の弱いエッジは生成されません。

 


[4回目] 

さらにパラメータを微調整しました。

5番目のパラメター(CEILING-VALUE)を"20"、
6番目のパラメータ(minEP)を"1500"にしました。

湖の中にエッジがほとんど生成されなくなりました。ポリゴンが統合さ
れています。

 

なお、生成したポリゴンには、面積などの標準属性のほか、各ポリゴン
内の入力ラスタの統計値が属性として付いています。


・・・


今回は、基本的なパラメータのみを使って、ランドサットの近赤外バン
ドに対して、水域部の抽出を行ってみました。

ジャックのFAQ(英文30ページ)では、前もって植生指数などに変換し
たラスタに対して適用しています。その方があとの解釈や処理がしやす
いためと思われます。

(ジャックのFAQ)
http://www.microimages.com/sml/smlscripts/ParisScripts/FAQsbyJackH.pdf

FAQでは、パラメータの意味や効果についても詳しく解説しています。







□■Tips□■
===============================================================

空中写真のオルソ補正で、

画像の主点(カメラ直下の場所)の座標(ライン、カラム)を求めるには、
スケッチツールで対角線を交差させ、「オブジェクトの座標情報...」メ
ニューを使って交点の座標を読むのが便利です。

 

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エラー・バグ・トラブル
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○ メルマガ【第313号】で報告しました「v74 で「レンダリング」>「
ラスタ...」の次のようなエラーが出ます」が修正されました。

Invalid parameter(s) used for library function
Error code = -1213   TNT Version: 2008:74

【エラー番号】DMD14609E - Getting invalid parameters used for 
library function error when layouts are rendered to non rvc 
formats

2007年9月12日以降の TNTmips 2007:74 DV バージョンをお使いください。
 http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV74.htm



○ メルマガ【第297号】で報告しました「RVCファイルの中身をデスクト
ップで開けない」エラーが修正されました。

【エラー番号】DMD13608E - File Explorer - Windows: Process not 
operational, reported crashing windows explorer

2007年9月12日以降の TNTmips 2007:73 RV バージョンをお使いください。
 http://www.microimages.com/downloads/tntpatch/v73release.htm


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

● マック(G5)、v73。次のようなエラーが出て、ベクタが表示できない
場合がありました。

【エラー番号】PAT14778E - MAC only: Get "regions too complex" 
message when displaying vectors provided.

ただし、2007年9月19日以降の TNTmips 2007:73 で完全に修正したとの
連絡がマイクロイメージからありました。

【エラー番号】DMD2472E - Regions are too complex to combine 
trying to view given group.


● "OBJECT.sml"がv73で実行できない。

【エラー番号】crr14791E - SML Functions/Classes: Get "Program 
error" when call ComputeRasterProperties() in OBJECT.sml script


● Intel Mac, v73で、要素の編集で、四角形で要素を選択するとフリー
ズします。ただし2度目は問題はありません。マイクロイメージでも再
現しています。


● v72 での航空写真のオルソ補正の問題点

1)相対方位でタイポイントを入力した後、タイポイントの自動生成が
できない。

2)相対方位を実行すると、抜き出される空中写真の範囲がおかしい。


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機能要求
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● グリッドの生成で、複数のランドサットシーンにわたってグリッドを
生成させたい。(今はモザイクする必要があります。)

【機能要求番号】crr14780 - Grid Generation: Allow 'Match Objects' 
to accept multiple input objects

+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +





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・TNTmips シングルライセンス 	890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 	537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス  	 81,900円(送料・税込)

・TNTmips 年間バージョンアップ(年1回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート         94,500円(税込)


◇ HASP-USB キーへの交換		19,950円(税込)
http://www.opengis.co.jp/htm/catalog/tntinfo/tntinfo_fixed_license.htm
※交換に際して、お持ちのTNT製品が最近のバージョンである必要があり
ます。


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	<目次>
	1.空間データの表示
		2次元データの表示
		3次元鳥瞰図の作成
	2.衛星データの取り込み
	3.ジオリファレンス
		地図画像への座標情報付与
		衛星画像への座標情報付与
	4.GPSデータの取り込み
	5.標高データの解析
		陰影図の作成
		断面図の作成
		勾配・斜面方位の演算

 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm


☆ 新たな項目を追加して、V73 用に改訂中です。

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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
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