Subject: [ts-mag:00110] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 315号】
Date: Wed, 12 Sep 2007 18:56:24 +0900
From: WAZA Toshihiko
OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2007/09/07
Keywords: OpenGIS,TNTmips,SuchiChizu 25000,SDF,DoroKukan,KMZ
オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン
第315号「 数値地図25000(空間データ基盤)のインポート(2)」
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株式会社 オープンGIS
今週は、数値地図25000(空間データ基盤)の中の「道路区間」データの取
り込みにまつわる話題です。
・・・
「墨田区(13107)」の道路区間データの取り込みについては、かなり前に
ご報告しました。その後、他区のデータを試したところ、「港区(13103)」
の道路区間データの読み込みで、次のようなエラーが出ました。
これは、ラインを構成する点が近すぎて、ラインとして取り込めないと
いうメッセージです。
ID から、その場所を探し出すと、この場所でした。
<DoroKukan id='DK13103003561'>
<途中のタグを省略>
<segment>
<controlPoint>503024.7170 128457.2910</controlPoint>
<controlPoint>503024.7160 128457.2830</controlPoint>
<interpolation>linear<interpolation>
</segment>
</途中のタグを省略>
</DoroKukan>
数値地図25000(空間データ基盤)では、座標値は経度緯度の秒単位、小数
点以下4桁で表されています。
分かりやすいように、(秒)から(度)に直すと、
503024.7170(秒) / 60 x 60 = 139.729088 (度) ← 経度
128457.2910(秒) / 60 x 60 = 35.6825808(度) ← 緯度
小数点4桁といっても、4桁目は常に 0 のようですので、実質的には小
数点3桁です。これが実際どれ程の長さかというと、地球の半径を約
6,370(km)として、
1度=約111(km) ですので、0.001(秒)=約3(cm) になります。
これは、すごい精度ですね。
・・・
上の2点間の距離は、東西方向が約3(cm)、南北方向が約24(cm)しか離れ
ていないことになります。非常に短いですが、ネットワーク解析をする
上で落とす分けにはいきません。(実は、長さ 0 の区間もありました→
本日の『ちょっと小話』)
座標値の有効桁数は、整数部6桁、小数部3桁の合計9桁です(緯度、経
度とも)。
浮動小数点(実数)の単精度の有効桁数は7桁程度、倍精度のそれは16
桁程度です。SMLで扱える数値(numeric)は、現在確認中ですが、倍精
度ではなさそうです。
困った挙句、座標値の上の方の桁は(少なくとも東京では)同じなので、
なくてもいいのでは、と思い至りました。
そこで、経度(秒)から 500000を、緯度(秒)から 128000 を差し引いた後、
読み込むようにしたところ、エラーは出なくなりました。
・・・
ということで、ようやく取り込んだ「港区(13103)」の道路区間データを
お見せします。属性の「種別」の色を変えて表示しています。
ジオリファレンスには、ファイルの先頭にある4点のコントロールポイ
ントを利用しています。
座標系は、世界測地系(JGD2000)の経緯度(度)です。
東京の10個の区(13101から13110)についても取り込んでみました。
KMZ ファイルにレンダーして、グーグルアースに表示。
さらに、23区全部と5つの市(八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青
梅市)を加えました。
背景の茶色のラインは、以前取り込んだ「数値地図25000(行政界・海岸
線)(日本測地系)」です。
・・・
●道路区間ファイル用のインポートSML:
http://www.opengis.co.jp/sml/DK_import_v73-08c.sml
処理に時間がかかりますので、「スクリプト」>「実行...」でお試しく
ださい。
入力:統合ファイル、地物別ファイル、いずれでもかまいません。
出力:RVCファイル
□■ちょっと小話□■
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数値地図25000(空間データ基盤)「東京」CDの「渋谷区(13113)」に
長さ0の道路区間がありました。
(実際のデータファイルの内容)
供用中、無料、一般道、13.0m以上、などの属性も付いています。
なお、今回のSMLではこのライン(点)は使用していません。
使用したデータ:
数値地図25000(空間データ基盤)「東京」(平成15年3月24日発行)CD
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エラー・バグ・トラブル
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○v73の「各種図形」>「計算」>「Grids...」において、セルの形を
Hexagon(六角形)にした時、Area(面積)を変えたらSide(辺の長さ)も連動
して変わるようにしてほしい。(前は変わっていた)。
このエラーは9月5日付けのパッチで修正されています。
●v73の「各種図形」>「計算」>「Sample Points...」メニューで、
発生したポイントを保存できませんでした。
【エラー番号】crr14702E - Vector Sample Point Generation: Get 'No
file name specified ...' message when run
●ベクタを表示すると、ズームによってポリゴンが色塗りされない場合
があります。(優先度の高い既知のエラー)
【エラー番号】9939E - Region Operations: Certain polygons aren't
rendered when zoom in.
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機能要求
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
○ラスタの集計機能において、16bit 符号なしラスタに対してもヒスト
グラムを計算できるようになりました。
【機能要求番号】4383 - Vector Compute Raster Properties: Allow
'histogram' option for 16-bit unsigned rasters.
2007年7月16日以降のTNTmips v73 をお使いください。
http://www.microimages.com/downloads/tntpatch/v73release.htm.
○メルマガ【第298号】でご報告しました「v73 のベクタデータの KMLフ
ァイルのエクスポートにおいて、グーグルアースのスタイルテンプレー
トで認識できるように、属性データを KML に対応するタグでエクスポー
トする」が、v74で使用できるようになりました。
【機能要求番号】NRS13777N - Allow export of tabular data
defined in KML schema tags
2007年7月23日以降のTNTmips v74 をお使いください。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
●ラスタのXYZ出力において、Zの後のコンマは不要なので削除して
ほしい。
【機能要求番号】crr14684E - Export raster to TEXT - XYZ: an
extra comma is appended to each line in output
●メルマガ【第305号】でエラーとして報告しました「ラスタ相関ウィン
ドウで、表示や保存されるラスタのサイズを256x256 より大きくしたい」
は当初の設計どおり動作しており、エラーではないということで、新機
能要求に変わりました。
(前回)
【エラー番号】PAT14207E - The Raster Correlation window
components is not resized proportionally when window is resized
by mouse.
(今回)
【機能要求番号】PAT14207E - Allow the correlation image pane to
be resizable.
●ラスタサイズ、セルサイズ、ビット深度、座標系など、さまざまな場
所に散在する情報を1箇所でまとめて見れるようにしてほしい。
【機能要求番号】DMD14690N - Add "Object Information"
functionality
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
□■ TNT製品アップグレードの値上げのお知らせ □■
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★ 2007年9月15日から、旧バージョンから最新バージョン2007:73へのア
ップグレード価格が引き上げられます(従来価格から最大2倍)。
(9月15日以降の価格表)
http://www.opengis.co.jp/img/info/kakaku_list.pdf
★ 本体価格、年間バージョンアップ(年1回)、ライセンスキーの交換の
費用はそのままです。
★ 旧バージョンをお持ちのユーザ様あてに、マイクロイメージ社から、
郵送あるいはFAX で、価格変更のお知らせが発送されています。内容に
つきまして不明点がございましたら、弊社までお気軽にお問い合せくだ
さい。
☆ マイクロイメージの最近の価格表によると、9月15日以前のアップグ
レード料金もこれまでの価格から若干値上げされております。
<お問い合せ窓口>
メール: <sales@opengis.co.jp>
電話: (03)3623-2851
FAX : (03)3623-3025
何卒よろしくお願い申し上げます。
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■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■
・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込)
・TNTmips 年間バージョンアップ(年1回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート 94,500円(税込)
◇ HASP-USB キーへの交換 19,950円(税込)
http://www.opengis.co.jp/htm/catalog/tntinfo/tntinfo_fixed_license.htm
※交換に際して、お持ちのTNT製品が最近のバージョンである必要があり
ます。
◆ 特別アカデミックライセンス(SAL)のご紹介
http://www.opengis.co.jp/img/info/SAL_price.pdf
<買取>と<レンタル>の2種類があります。
◇『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!!
(プログラム及びサンプルデータCD付き)
<目次>
1.空間データの表示
2次元データの表示
3次元鳥瞰図の作成
2.衛星データの取り込み
3.ジオリファレンス
地図画像への座標情報付与
衛星画像への座標情報付与
4.GPSデータの取り込み
5.標高データの解析
陰影図の作成
断面図の作成
勾配・斜面方位の演算
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm
☆ 新たな項目を追加して、V73 用に改訂中です。
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困ったときの問題解決フローチャート
▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」
STEP1 「ウェブ検索テクニック」
▽オープンGIS検索システム
http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
▽メールマガジン検索システム
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
▽マイクロイメージ検索サイト
http://www.microimages.com/search/
▽Google 検索
http://www.google.co.jp/
とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
- や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
を使いこなすと、便利です!
STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]
STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
http://www.microimages.com/refman/
STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
メーリングリストに参加されたい方は、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。
弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。
STEP5「テクニカルサポート」
テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス
############# このメールマガジンの配信について ################
このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。
基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。
1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。
また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。
メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。
転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。
テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で
対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを
進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 5 GB まで利用できま
す。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 5 GB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...
テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス
テクニカル・サポート・ユーザー専用 FTPアカウント(最大容量5GB)
●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。
テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。
============ おことわり =============
※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、
TNTmipsに関わる新しいニュースを、
毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。
※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。
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