Subject: [ts-mag:00102] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 307号】 Date: Thu, 19 Jul 2007 11:16:46 +0900 From: WAZA Toshihiko OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2007/07/13 Keywords: OpenGIS,TNTmips,Remote Sensing,Soil,Vegetation,Water オープンGIS テクニカル・サポート専用メールマガジン 第307号「 ス ペ ク ト ル を 見 て み よ う 」 ################################################################# 株式会社 オープンGIS 土壌と植物と水は、リモートセンシングにおいて基本的な物質です。 太陽光線の反射の程度は、反射する物質によって異なります。次の図は、 土壌、植物、水について、反射率と波長の関係(スペクトル)を示したも のです。 土壌、植物、水のスペクトルは、おおよそ次のような特徴を持っていま す。 1)この図では、土壌の反射率は、可視光線から中間赤外線の波長範囲 において増加していきます。(組成や土壌に含まれる水分によって影響を 受けるようです)。 2)植物の反射率は、近赤外線で大きくなります。 3)水の反射率は、可視光線において小さいです。 今週は、ランドサットTM画像を使って、地表面のスペクトルの特徴を チェックしてみました。 ・・・ 無料サイトである Global Land Cover Facility から日本国内の画像を ダウンロードして、一部を抜き出しました。 http://glcfapp.umiacs.umd.edu:8080/esdi/index.jsp ランドサットは7つの波長帯(バンド)を持ちます。波長の短い順に並べ ると、このようになります。 TMB1... 可視光線の青に対応 TMB2... 可視光線の緑に対応 TMB3... 可視光線の赤に対応 TMB4... 近赤外線 TMB5... 中間赤外線1 TMB7... 中間赤外線2 TMB6... 熱赤外線(10.40-12.50μm) (今回使用した画像) 実際の操作に入りましょう。 「表示」メニューを使います。 ▼ 参照画像として、TMB3, 2, 1の各バンドをそれぞれ赤、緑、青に割り 当てたトゥルーカラー(True Color)表示を使いましょう。 TMB3 → 赤 TMB2 → 緑 TMB1 → 青 左下の白いのは富士山です。右に見えるのは山中湖。撮影時期は 1995年 5月18日です。 (Google Earth) ここで、複数ラスタの串刺し機能を使用します。 ▼ 表示ウィンドウにある[ジオツールボックス(測定/スケッチ)] ボタン を押します。 ▼ 断面の表示の場合は[定規(ルーラ)] ボタンを使用しますが、複数ラ スタの串刺しには [ポイント] ボタンを使います。 ▼ 画像の上でクリックします。どこでも構いません。 こうすることで、ジオツールボックスの[プロファイル(断面)ビューを開 く...] ボタンが押せるようになります。 ▼ 出てきた<断面(プロファイル)表示ウィンドウ>で [開く...] ボタ ンを押して、7バンドを選びます。 ▼ 横軸には、バンドを選択した順に左から TMB1, TNB2, ...と並びます。 縦軸は、各バンドのDN値です。 以上で準備完了です。いろいろな場所でクリックして、その場所のスペ クトルを見てみましょう。 ● まずは、富士山の頂上付近。雪ですね。 可視光線のバンド1,2,3および近赤外線のバンド4のDN値が飽和 (255)に近い値を示しています。 ●次に、山中湖の水面。 6番は熱赤外線です。熱赤外を除く、他のバンドの反射強度を示すDN 値は低い(10-20)です。バンド1がやや高い値を示しています。 ●次に、植物(植生)とおぼしき場所をあたってみましょう。 植物では、バンド4の近赤外線が可視光線に比べて3-4倍高くなっていま す。バンド4を赤に割り当てることで、植物を赤く強調表示します。こ れが、いわゆるフォールスカラー(False Color)ですね。 TMB4 → 赤 TMB3 → 緑 TMB2 → 青 ●最後に、土壌とおぼしき場所を2箇所あたってみました。 植物のような近赤外線でのピークはありません。バンド1の反射がやや 高いですが、可視光線から中間赤外線のバンド5にかけて増加する傾向 が見られます。 ・・・ 今回は、ランドサット画像を使って、土壌、植物、水、雪のスペクトル を見てみました。各物質の特徴が確認できたと思います。 □■ちょっと小話□■ =============================================================== 最初にお見せしたスペクトルの図は、TNT入門「環境リモートセンシング (RSE)の概要」の9ページにあります。 http://www.opengis.co.jp/getstartj/RSE.pdf 他方、RESTEC のホームページにある図を見ると、 http://www.restec.or.jp/data/intro/intro_bandwidth.html この中の"土"のスペクトルは、可視光線の青あたりをピークとして、長 波長側に向かって小さくなっています。 "土" と"乾燥したむき出しの土壌"では、スペクトルの形が違うようです。 面白いですね。 【後日談】 その後RESTECに確認したところ、RESTECで使用しているスペクト ル図が正しくないとのことでした。そういうこともあるのですね。 =============================================================== エラー・バグ・トラブル + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ○ Shape ファイルのインポートにおいて、データが一部分しかインポー トされないというユーザ報告がありました。Shape ファイルをArcView で表示したら、テーブルに値を持たないレコードがあって、それを削除 したら、正常に取り込まれましたとの連絡をもらいました。ブランクの レコードがあると、その後のレコード全部に関係するポリゴンが表示さ れない/インポートされないことがあります。ただし、v69 で試したとこ ろ、取り込みましたので、v73 のエラーとしてマイクロイメージにエラ ー報告しました。 【エラー番号】NRS14307E - SHP: fails to display/import all records after empty record このエラーは、2007年7月11日以降の2007:73 で修正されました。 http://www.microimages.com/downloads/tntpatch/v73release.htm. ○ v73 での陰影図の全体表示が v72 と違う。 【エラー番号】NRS14306E - DEM relief shading displays incorrectly at full view このエラーは、2007年7月11日以降の2007:73 で修正されました。 ご連絡有難うございました。 ○ マスクを使って画像処理をしていたら、立ち上がらなくなったとの連 絡をいただきました。 その場合の対処法は、c:/Program Files/MicroImages/TNT_xx/Settings の下にある "tntproc.ini"ファイルをメモ帳で開き、[classify] の部分 を全部削除します。これによってデフォルトの設定に戻ります。 以前にGPS のトラブルの際もこのファイルの [GPS] の部分を削除して、 トラブル回避を行いました。 ● SMLのツールバーアイコンの絵柄がv73 では表示されない。 【エラー番号】btc14315E - SML functions/classes: Toolbar icons not displayed with provided script + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 機能要求 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ●「各種図形」>「抜き出し」>「ベクタ...」で、「属性を使用」(By Attribute) が選べない場合があります。 これはテーブルにプライマリキー(主キー)に設定されたフィールドがな いためです。その場合は「スクリプトによる」をお使いください。 プライマリキーにしなくても、「属性を使用」を選べるように機能要求 しました。 【機能要求番号】DMD14302N - Vector Extract: Allow users to specify any table.field when extracting by Attribute ● 印刷用のページレイアウトで、スケールバーをグループ毎に設定でき るように要求しました。 現状では、スケールバーは北向きのマークや凡例と同様、地理データで はない(座標を持っていない)ので、(地理データを置くための)Group に 置くことができません。 ● 複数のベクタオブジェクトのレイヤコントロール(たとえば、ライン の選択の設定を「なし」から「すべて」に)を一括して変更したい。 【機能要求番号】NRS14304N - Allow changes to multiple vector objects' layer controls at once ○ XML の関数/クラスで、指定したノードだけを探す FindNext という 機能が追加されました。これまでの GetNext では、同じレベルにある子 供のノードすべてが対象でした。 【機能要求番号】btc14316E - SML Functions/Classes: Add XMLNODE: FindNext 近日中に実装されます。 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■ ◆ バージョンをV2007:73 に変更しました。価格は同じです。 ・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込) ・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込) ・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込) ・TNTmips 年間バージョンアップ(年1回分) 147,000円(税込) ・OpenGIS 年間テクニカルサポート 94,500円(税込) ・V2006:72 --> V2007:73へのアップグレード 88,200円(税込) ・V2005:71 --> V2007:73へのアップグレード 132,300円(税込) ・V2004:70 --> V2007:73へのアップグレード 169,050円(税込) ◇ HASP-USB キーへの交換 19,950円(税込) http://www.opengis.co.jp/htm/catalog/tntinfo/tntinfo_fixed_license.htm ※交換に際して、お持ちのTNT製品が最近のバージョンである必要があり ます。 ◆ 特別アカデミックライセンス(SAL)のご紹介 http://www.opengis.co.jp/img/info/SAL_price.pdf <買取>と<レンタル>の2種類があります。 ◇『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!! (プログラム及びサンプルデータCD付き) <目次> 1.空間データの表示 2次元データの表示 3次元鳥瞰図の作成 2.衛星データの取り込み 3.ジオリファレンス 地図画像への座標情報付与 衛星画像への座標情報付与 4.GPSデータの取り込み 5.標高データの解析 陰影図の作成 断面図の作成 勾配・斜面方位の演算 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm ☆ 新たな項目も追加して、V73 用に改訂中です。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 困ったときの問題解決フローチャート ▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」 ▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」 ▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」 ▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 ▼STEP5「テクニカルサポート」 STEP1 「ウェブ検索テクニック」 ▽オープンGIS検索システム http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi ▽メールマガジン検索システム http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi ▽マイクロイメージ検索サイト http://www.microimages.com/search/ ▽Google 検索 http://www.google.co.jp/ とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける) を使いこなすと、便利です! STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語] STEP3 「ドキュメントを読んでみる」 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語] ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」 http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文] ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語] http://www.microimages.com/getstart/ [英文] ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」 http://www.microimages.com/refman/ STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。 STEP5「テクニカルサポート」 テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で 対応。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを 進呈。 >サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 5 GB まで利用できま す。 >サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。 >サービスその9:FTP サイトを 5 GB に拡張しました... >サービスその10:現在計画中です... テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス テクニカル・サポート・ユーザー専用 FTPアカウント(最大容量5GB) ●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。 テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。 ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、 TNTmipsに関わる新しいニュースを、 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================