Subject: [ts-mag:00097] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 302号】
Date: Wed, 13 Jun 2007 11:28:53 +0900
From: WAZA Toshihiko
OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2007/06/08
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Raster,Edit,Fill,Boundary,TKY2JGD
オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン
第302号「 ラ ス タ の 流 し 込 み 」
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株式会社 オープンGIS
今週は、TNTmips で出来る、ラスタの編集機能についてご紹介します。
ペイントやフォトショップなどを使うと、ラスタに別の色を流し込むこ
とができます。
フォトショップほど高機能で、使いやすくはありませんが、TNTmips で
も若干の画像編集機能を備えています。
TNTmips を使うことのメリットは、座標情報(ジオリファレンス)をつけ
たままで処理できる点です。
・・・
ラスタの編集は、ベクタと同じように、「メイン」>「編集...」メニュ
ーで行います。
▼ ラスタを開きます。ベクタの時と同じです。
▼ 今回使用するラスタです。
真ん中の白い部分のDN値は 5 、黒の三角形部分は 0 です。
では、流し込みを行ってみましょう。
▼ ベクタの場合は<ベクタツール>ウィンドウでしたが、ラスタの場合
は<ラスタツール>ウィンドウに変わります。
ウィンドウのタイトルには、開いているラスタのデータタイプが表示さ
れます。今回は、"32-ビット単精度" のラスタを使っていることが分か
ります。
では、順を追って説明しましょう。
1) はじめに、流し込む"色"を指定します。
今回のような"32-ビット単精度" や"8-ビット整数"のラスタでは、流し
込む色はDN値で指定します。この辺りが通常のペイントソフトと違う
点です。
[ピクセル] ボタンを押して、"2" と入力しました。
このデータの場合、"32-ビット単精度"の範囲で入力可能です。
2) <ラスタツール>で[塗りつぶし] ボタンを押します。
3) 小さいウィンドウがあらわれます。一番左にある[塗りつぶし] ボタ
ンを押します。隣りの2つのボタンについても後で説明します。
4) 画像の三角形の上で(左)クリックして、[塗りつぶし] ボタンを押し
ます。ボタンの代わりに、画像の上で右クリックしてもかまいません。
5) クリックした部分のDN値が "2" に変わりました。
色が変わりましたが、あまり意味はありません。
意味があるのは、あくまでDN値であり、色を変えたいときは、後でカ
ラーマップ(あるいはカラーパレット)を調整することになります。
・・・
このように、左端のボタンを使うと、色(DN値)の変わり目まで流し込
みをしてくれます。
▼ 真ん中の[境界の塗りつぶし] ボタンでは、色の変わり目とは関係な
く、指定した境界値の内側全部を他のDN値に置き換えます。
境界の指定は、境界にしたいラスタの上でクリックして、
[境界の色をつかむ] ボタンを押します。これで登録できました。
境界の内側をクリックして実行すると、このようになります。
このサンプルデータでは、内側にも境界と同じDN値(0)の円があって、
境界で挟まれた領域のみが塗りつぶされました。
▼ 次に右端の[スマートな塗りつぶし] ボタンを使ってみます。
今度は内側の境界も越えて、全部を塗りつぶします。
ベクタで言えば、島ポリゴンを無視して処理するモードです。
・・・
以上が、TNTmips でのラスタの流し込み操作です。
フォトショップなどでやった方が早い、目的に合ったものが出来るとい
う方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、ラスタを一度TIFFファイルなどでエクスポートします。フ
ォトショップなどで処理後、インポートします。画像のサイズ(ライン、
カラム)が変わっていなければ、「操作ツール」>「プロジェクトファイ
ルの管理...」で、前のジオリファレンス・サブオブジェクトをコピーし
ます。
これで、再度ラスタオブジェクトとして扱うことができます。
参考.TNT入門「ラスタ地理データの編集」
http://www.opengis.co.jp/getstartj/editrast.pdf
□■ 訂 正 □■
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先週の「数値地図25000(空間データ基盤)のインポート(1)」の訂正です。
XMLファイルを作る際、SHIFT-JIS 以外にも UTF-8 が選べるのが後で
気がつきました。最初からXMLファイルをUTF-8 で作れば、v72 でも
そのまま読み込めます。
・・・
その後「公共施設」,「地名」ファイルも読み込みました(ともにポイン
ト)。
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エラー・バグ・トラブル
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○メルマガ【第262号】で、流水解析で処理できるDEM ラスタの最大サイ
ズについてお伝えしました。その続報です。
マイクロイメージは、v73において流水解析のコードを完全に書き直しま
した。
v72でも、以前より大きなラスタサイズのDEMを使って処理できるように
なりましたが、改良の成果が見えるのはv73とのことです。
v73 流水解析関連資料:
http://www.microimages.com/documentation/cplates/73geoHydro.pdf
http://www.microimages.com/documentation/cplates/73hydroCatchments.pdf
http://www.microimages.com/documentation/cplates/73attribFlowpaths.pdf
○メルマガ【第295号】で報告しました「教師付き分類のトレーニングセ
ットエディタにおいて、分類ラスタにジオリファレンスがないと、トレ
ーニングセットラスタが隅に小さく表示される」エラーが修正されまし
た。
【エラー番号】btc13537- Raster Classification: When classified
rasters are not georeferenced, Training Set raster is displayed
small at the corner
2007年5月30日以降のv72以降のパッチで修正されています。
○メルマガ【第298号】で報告しました「データベースクエリのフィール
ドの挿入において、"Right Polygon" などを選択した後、テーブルのフ
ィールドがかすれて選べない」エラーが修正されました。
【エラー番号】btc13797E - Database Query: Select By Query - With
Element set to "Right Polygon", cannot select field in table
これも、2007年5月30日以降のv72以降のパッチで修正されています。
○メルマガ【第300号】で報告しました「SRTMのヌルセル(標高値の
ないセル)の穴埋めSMLが日本語メニューで動かない」エラーが修正さ
れました。
【エラー番号】drb13911E - SRTMfill - Does not fill null areas
when running under Japanese titles
2007年6月6日以降のv72以降のパッチをお使いください。
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● 測地系変換に起因するオブジェクトの異常表示(重要)
日本測地系でジオリファレンスしたラスタを、世界測地系で表示すると、
画像が歪むというユーザ報告がありました。この現象は、ラスタの一部
が海域にある場合に起こります。Tokyo→JGD2000の測地系変換のパラメ
ータ(補間のためのグリッド状の係数)が海上になく、座標変換が行えな
いためです。
【エラー番号】DMD14018E - Geodisplay / Raster Layer: Stretches
eastern section of the rasters when CRS changes.
歪み方はデータと海岸の位置関係によりますが、おおむね、太平洋岸で
はラスタの右下隅が右下に向けて伸びる方向、日本海沿岸ではラスタの
左上隅が右下に向けて縮む方向です。
補間のためのパラメータがない海域に対しては、3パラメータを使った
測地系の変換が出来るよう要求しました。
●<ベクタレイヤコントロール>ウィンドウで、属性を使ってスタイル
を変える場合、"Internal.y" しか選択できないというエラーがありまし
た(2006:72)。
【エラー番号】crr14032E - Style Assignment: Can't choose
Internal.x or Internal.z when styling by attribute
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
機能要求
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
●「ラスタ」>「組み合わせ(演算)」>「一般演算式」の[ロジカル] の
[しきい値] で、しきい値を含む、含まないを明確に表示してほしい。
【機能要求番号】crr12846 - Logical, Threshold: Modify Output
White options to >, <, >=, <=
"Below Threshold" や"Above Threshold" といった、しきい値自身に対
してあいまいだった表現を、以下、以上、未満、より大きい、などの表
現に変える。
(参考)メルマガ【第129号】
「以下とみるべきか、未満とみるべきか、それが問題だ」
http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_129.htm
● 同様に「ラスタ」>「組み合わせ(演算)」>「一般演算式」の[ロジ
カル] の[範囲] で、範囲の両端を含む、含まないの表示を明確にする。
【機能要求番号】jjj14028N
● ベールマン図法のサポート(全球的なデータを扱う場合に使う割円筒
図法)
【機能要求番号】DMD13993N - CRS Definition Database: Add Behrmann
projection
● ユーザ様からの報告で、最尤法による画像の分類で、ラスタセットに
よっては処理できない場合がありました。あるラスタの行列が収束しな
い場合に起こるエラーのようです。収束しない場合でも計算できるよう
にしてほしいというのが要望です。
【機能要求番号】fmh14001N - Raster Classification: Allow maximum
likelihood method to run with non-converging input rasters
● v73のKMLファイルのインポート機能で、文字コードがシフトJISで
書かれたKMLファイルも読みこめるようにしてほしい。
【機能要求番号】NRS14034N - KML Import: Add support for Shift-JIS
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
□■お知らせ□■
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□■ 最近マイクロイメージのサイトから TNTpatch のページがなくなり、
Release Version のページへのリンクに変わりました。
http://www.microimages.com/downloads/tntpatch/73patch.htm
今後、TNT製品のエラー修正やアップデートのパッチをあてるには、
Release Version(RV) のページから Minimum のソフトをダウンロードし
てインストールします。
http://www.microimages.com/downloads/tntpatch/v73release.htm
インストールは、ホームページにも記載があるように、既存のソフトを
残したまま、上書きインストールでかまいません。
パッチをインストールしても、日付が変わらないといった症状が出たと
きは、一度アンインストールして、クリーンな形にして再度インストー
ルしてみてください。
□■ Windows 版 v2007:73 のインストールガイドを掲載しました。
http://www.opengis.co.jp/htm/win_inst/mips73_Win_install_guide.pdf
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■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■
◆ バージョンをV2007:73 に変更しました。価格は同じです。
・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込)
・TNTmips 年間バージョンアップ(年1回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート 94,500円(税込)
・V2006:72 --> V2007:73へのアップグレード 88,200円(税込)
・V2005:71 --> V2007:73へのアップグレード 132,300円(税込)
・V2004:70 --> V2007:73へのアップグレード 169,050円(税込)
◇ HASP-USB キーへの交換 19,950円(税込)
http://www.opengis.co.jp/htm/catalog/tntinfo/tntinfo_fixed_license.htm
※交換に際して、お持ちのTNT製品が最近のバージョンである必要があり
ます。
◆ 特別アカデミックライセンス(SAL)のご紹介
http://www.opengis.co.jp/img/info/SAL_price.pdf
<買取>と<レンタル>の2種類があります。
◇『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!!
(プログラム及びサンプルデータCD付き)
<目次>
1.空間データの表示
2次元データの表示
3次元鳥瞰図の作成
2.衛星データの取り込み
3.ジオリファレンス
地図画像への座標情報付与
衛星画像への座標情報付与
4.GPSデータの取り込み
5.標高データの解析
陰影図の作成
断面図の作成
勾配・斜面方位の演算
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm
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困ったときの問題解決フローチャート
▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」
STEP1 「ウェブ検索テクニック」
▽オープンGIS検索システム
http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
▽メールマガジン検索システム
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
▽マイクロイメージ検索サイト
http://www.microimages.com/search/
▽Google 検索
http://www.google.co.jp/
とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
- や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
を使いこなすと、便利です!
STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]
STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
http://www.microimages.com/refman/
STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
メーリングリストに参加されたい方は、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。
弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。
STEP5「テクニカルサポート」
テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス
############# このメールマガジンの配信について ################
このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。
基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。
1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。
また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。
メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。
転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。
テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で
対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを
進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できま
す。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...
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