Subject: [ts-mag:00094] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 299号】
    Date: Wed, 23 May 2007 14:12:38 +0900
    From: WAZA Toshihiko


OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2007/05/18
Keywords: OpenGIS,TNTmips, Patch Holes in SRTM DEMs, SML

オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第299号「   S R T M 標 高 デ ー タ の 穴 を 埋 め る   」
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                       株式会社 オープンGIS



再度SRTM(スペースシャトル立体地形データ)の話題です。

SRTM の標高データは、北米はおよそ30メートル(SRTM-1)、その他の地域
では約90メートル(SRTM-3)のメッシュサイズで、世界の陸地の80%をカバ
ーしていますが、その取得技術に起因して、所々にデータの欠損(空白領
域)が見られます。



これに対して、マイクロイメージ社のサイトでは、かなり以前から、デ
ータの欠損を修正するSMLを公開していました。今回は、このSML
について解説します。
  http://www.microimages.com/documentation/cplates/71SRTMfill.pdf


・・・


使用するSMLはこちらです。
  http://www.microimages.com/sml/SRTMfill.htm

ダウンロードして使用します。

使用する前の注意として、このSMLは日本語メニューでは動かないと
いうことがあります。日本語メニューで使われている方は、このSML
を使う際は、一時的に英語メニューに変えてお使いください。


▼ 日本語から英語メニューに変えるには、「詳細設定...」を選びます。




▼ [言語] ボタンを押して、"英語"に切り替えます。




同様のことは他の(複雑な)SMLでも経験しました。SMLがおかしい
時は、英語メニューにしてみるといいかもしれません。


さて、スクリプトを実行します。

▼「スクリプト」から「スクリプトの編集...」を選びます。




▼ ダウンロードしたファイルを開きます。(ここから英語ですね)




▼ 実行します。




▼ 次のようなウィンドウが出ます。左上の [Input SRTM Raster...] ボ
タンを押して、処理を行うSRTM ラスタを選択します。




今回使用したSRTM-3 データです(拡大図)。



あらかじめインポートしておきます。東経129度、北緯41度のデータで、
場所は中国東部です。白ヌキのセルが標高値が欠損している場所です。


▼ [Output SRTM Raster...] ボタンを押して、出力用のラスタを指定し
ます。




▼ 次の2つのラジオボタンを押します。



これは、(1)1ピクセルの空白領域の内挿と、(2)周囲が同じ値の
標高値で囲まれているときの処理を行います。これらは2つとも押しま
す。

まずはこれだけで実行してみました。

(処理前と処理後)



確かに1ピクセルサイズのピクセルが消えています。手作業で標高値を
入力するのは大変ですから、これは便利です。


残った、より大きな(複数ピクセルの)空白領域を埋めるには、さらにオ
プションを追加します。


▼ "Fill from Reference DEM" を設定します。これは、空白部の標高値
を、他の標高データを参照しながら求める機能です。



ここでは、以前 v72 と一緒に配布された Global Geodata 2006:72 DVD 
中の GTOPO30(30秒メッシュ, 約1km)を使用しました。


(参考)メルマガ【第265号】「世界の地理データ=第2版=」
  http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_265.htm

トグルボタンを押して、後方の"Number of reference DEMs:" に "1" と
入力します。[Enter] キーを押すと、ウィンドウが開きますので、参照
する標高ラスタを選びます。

ドキュメントによると、参照するデータのセルサイズ、データ範囲、座
標系は、入力のSRTM のデータに合わせる必要はないとのことです。


以上の設定で、一度実行してみます。

処理前と処理後です。



複数ピクセルの空白領域が全くなくなりました。


空白領域を通るラインに沿って処理前後の断面を見てみましょう。




(赤) が処理前のSRTM データ、(緑) が処理後です。うまく穴埋めされて
います。




・・・


残りの3つのオプションの説明をしましょう。



● "Replace values that violates the max. elevation difference" 
とは、入力のSRTM データと参照用の標高データの差が、ある数値(デフ
ォルトは100メートル)を超えた場合、そこも空白領域とみなす処理です。
このオプションを効かせると、空白領域のチェックが加わりますので、
処理時間が増えます。(今回使用したパソコンでは、オフの場合が20秒位、
オンの場合 15分位 かかりました)。

● 次の "Use buffer zones to feather around null voids" オプショ
ンは、空白領域の周りにバッファーゾーンを発生して、重み付き平均に
より空白領域と周囲をなめらかにつなぐ働き(平滑化)をします。

この機能の効果を見るため、先ほどと同じ場所で、断面を比較してみま
した。

(赤) が処理前のSRTM データ、(緑) が先ほどの参照標高データで穴埋め
したデータ、(青) が平滑化したデータです。



平滑化により、元の SRTM のデータも一部変化しています。


● 一番下の "Save temp files" は、計算途中のバッファーベクタなど
を保存して後で見たいときに使用します。




・・・


以上で、説明は終了です。

流水解析や3次元表示に役立つ処理ですね。







□■お知らせ□■
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最近マイクロイメージのサイトから TNTpatch のページがなくなり、
Release Version のページへのリンクに変わりました。
 http://www.microimages.com/downloads/tntpatch/73patch.htm

今後、TNT製品のエラー修正やアップデートのパッチをあてるには、
Release Version(RV) のページから Minimum のソフトをダウンロードし
てインストールします。
 http://www.microimages.com/downloads/tntpatch/v73release.htm

インストールは、ホームページにも記載があるように、既存のソフトを
残したまま、上書きインストールでかまいません。

パッチをインストールしても、日付が変わらないといった症状が出たと
きは、一度アンインストールして、クリーンな形にして再度インストー
ルしてみてください。

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エラー・バグ・トラブル
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● インテルマックで、Compute Region メニューでThreshold サブメニ
ューが選択できない場合は、マウスを途中で離さないで、ドラッグした
まま選んでみてください。

【エラー番号】btc13834E - Library / LESSTIF: Highlighting of 
items in popup menus behaves differently between Mac and Windows


● ラスタ-ベクタ変換(自動境界)したベクタで、RightPoly や LeftPoly 
などのトポロジを利用した検索や抜き出しを行うと、正しく行われませ
ん。

【エラー番号】PAT13804 - The internal table has errors when 
raster is converted to vector.

対処法は、バリデートを行ってください。


● SMLで作成したポイントが他のデータとうまく重ならない場合があり
ます。このような場合、SML でベクタを閉じる前に VectorValidate() 
を実行してください。バリデートにより地理範囲が正しく設定され、正
しい位置に表示されるようになります。


● マックで日本語が入力できない。

【エラー番号】fmh13814E - Internationalization/ Localization: 
Cannot enter Japanese characters on the Mac.


● v73 で、属性にスタイルを割り当てようとすると、エラーが出ます。



【エラー番号】PAT13831E - Get "no access permitted for file" 
message when assigning styles by attribute.

+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +





機能要求
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

● 表示マネージャの「ラスタのDN値を確認(Raster Inspection)」機能
について:

ユーザが間違って編集しないよう、安全策を設ける予定です。案として
は、普段ボックスはかすれていて編集できない状態にしておき、トグル
ボタンを押して編集可能にする。

【新機能要求番号】btc13829N - GeoDisplay / Exam Raster Tool: Add 
safeguard against editing raster cells


● ラスタからセル値を検索する機能:

【新機能要求番号】btc13830N - GeoDisplay / Exam Raster Tool: Add 
ability to search for cell values

+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +





■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■

◆ バージョンをV2007:73 に変更しました。価格は同じです。

・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス  81,900円(送料・税込)

・TNTmips 年間バージョンアップ(年1回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート         94,500円(税込)

・V2006:72 --> V2007:73へのアップグレード   88,200円(税込)
・V2005:71 --> V2007:73へのアップグレード  132,300円(税込)
・V2004:70 --> V2007:73へのアップグレード  169,050円(税込)


◇ HASP-USB キーへの交換		19,950円(税込)
 http://www.opengis.co.jp/htm/catalog/tntinfo/tntinfo_fixed_license.htm
※交換に際して、お持ちのTNT製品が最近のバージョンである必要があり
ます。


◆ 特別アカデミックライセンス(SAL)のご紹介
 http://www.opengis.co.jp/img/info/SAL_price.pdf



<買取>と<レンタル>の2種類があります。


◇『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!!
	(プログラム及びサンプルデータCD付き)

	<目次>
	1.空間データの表示
		2次元データの表示
		3次元鳥瞰図の作成
	2.衛星データの取り込み
	3.ジオリファレンス
		地図画像への座標情報付与
		衛星画像への座標情報付与
	4.GPSデータの取り込み
	5.標高データの解析
		陰影図の作成
		断面図の作成
		勾配・斜面方位の演算

 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm

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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
 テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス





############# このメールマガジンの配信について ################

このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。

1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。


また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。



転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。



テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で
対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを
進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できま
す。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...


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●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。
テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。





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 TNTmipsに関わる新しいニュースを、
 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。

※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。

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