Subject: [ts-mag:00069] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 274号】
Date: Mon, 13 Nov 2006 20:42:05 +0900
From: WAZA Toshihiko
OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2006/11/10
Keywords: OpenGIS,TNTmips,IKONOS,Panchromatic,Tree,Crown,Extract
オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン
第274号「 パ ン ク ロ 画 像 を 使 っ た 樹 冠 の 抽 出 」
#################################################################
株式会社 オープンGIS
最近、高解像度衛星画像を使って森林の中の樹冠を識別する方法につい
てご質問をいただきました。
実際どの程度樹木が見えるのか、イコノス画像を使って東京御茶ノ水の
湯島聖堂あたりを表示してみました。
解像度1mのパンクロマティック画像を見ると、確かに道路沿いの樹木
や境内のうっそうとした木々が分かります。
パンシャープン画像は、可視光や近赤外バンドと高解像度のパンクロ画
像を組み合わせて合成したものです。樹木に色が付いて、さらに識別し
やすくなりました(パンシャープン画像の作成については【メルマガ第
251号】をご覧ください)。
今週は、パンクロマティック画像を使って、どうやって樹冠の数を数え
るか、その手法についてご紹介します。
・・・
実際のデータで試す前に、手法の特徴について理解するため、擬似的に
樹冠画像を作成しました。樹冠は半球状をしており、てっぺんに近いほ
ど輝度(DN値)が高いと仮定しました。
樹冠のサイズは半径で5から10ピクセルの間で変動するようにしまし
た。
前の図で緑のラインに沿った擬似樹冠画像の断面を示すと、このような
形をしています。
樹冠は接し合ってかなり密に存在していますが、樹種による輝度の変化
などは考慮していません。
それでは、処理に入りましょう。
1.まずデータをならすために、ローパス・フィルタをかける必要があ
ります。
▼「ラスタ」>「フィルタ」>「空間フィルタ...」(V72)を選びます。
▼ 処理するラスタを選択し、"ローパス/平均"を選びます。
▼「フィルタ」メニューから「実行...」を選び、出力ラスタを指定しま
す。
これでステップ1が終わりです。
2.次に「ラスタ」>「標高」>「地形的特徴点を抽出...」(V72)を選
びます。
▼ [ラスタの入力...] ボタンを押して、先ほどフィルタ処理したラスタ
を選びます。"ローカル最大値"のみを押し込み、他はオフにします。[実
行] ボタンを押します。
操作は以上です。結果を表示してみましょう。
DN値が局所的に最大になる場所でポイントが発生しています。実際の
樹冠の画像もこのような特徴を持っていれば、同様の手法で樹冠を特定
できると考えられます。
・・・
この手法を最初のイコノスのパンクロマティック画像に適用してみまし
た。(あらかじめ範囲を抜き出し、樹木の範囲のみを最尤法で抽出しまし
た。)
パンクロマティック画像とそれから推定した樹冠位置:
樹冠位置をパンシャープン画像の上に表示:
よく分からないという感じは拭えませんが、左端の縦方向、道路沿いに
並んだ樹木を見ると、1本ずつ識別できているのが分かります。
境内の樹冠は重なり合っていて、人間の目でも識別はむずかしいです。
この場所をグーグルマップで見てみると、全体的に点の数が実際の樹冠
の数より多いように見えます。
http://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&q=%E6%B9%AF%E5%B3%B6%E8%81%96%E5%A0%82&lr=&ie=UTF-8&oe=UTF-8&sa=N&tab=wl
(地図+写真モードで見ると分かりやすいです)
☆使用した擬似樹冠画像です。興味のある方はお試しください:
http://www.opengis.co.jp/SampleData/crown/testdata.rar
□■ 話 題 □■
===============================================================
最近のパソコンにはシリアルポートやパラレルポートがないものがあり
ます。そこでパラレルキーをUSBポートにつないで使えるのか、試し
てみました。
現在、数社からUSB-パラレルの変換ケーブルが販売されています。これ
に36ピン-25ピンアダプタを接続して、さらにピンをメスにするためのメ
ス-メスアダプタを接続してから、ライセンスキーを接続しました。
TNTmips の<License Configuration>ウィンドウで、パラレルキーを選
びましたが、残念ながらエラーになりました。
双方向対応のケーブルであっても、ライセンスキーでは駄目なのかもし
れません。
(後記)その後マイクロイメージに確認したところ、パラレルキーをUSB
ポートでは利用できないし、キーを壊すかもしれないとのことでした。
◆USBキーへの交換は有償(税込み19,950円)で可能ですが、TNTmips
のバージョンも最新にする必要があります。
===============================================================
エラー・バグ・トラブル
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
● V72において、シェープファイルをベクタとしてインポートする際、
dbfファイルに対して「リンクされたファイルの位置を決定できません」
というメッセージが出る場合があります。
この際は、一度TNTmips を終了して、tnthost.iniファイル(TNTmipsをイ
ンストールしたフォルダにあります)の中の{Files] の項目に
UseTempEnv=No あるいは UseTempEnv=Yes と書き込むか、最新のパッチ
をあててみてください。
● ENVIのデータ形式のラスタをインポートすると座標情報(ジオリファ
レンス)が付きません。
【エラー番号】btc12197E - Import Raster: ENVI - Provided data not
georeferenced
● TIFFのエクスポートで、4バンドを選んで1つのTIFFファイルとして
エクスポートするとエラーが起こる場合があります。
【エラー番号】PAT12194 - TIFF:the output image is blank or
contains errors when exported as single file.
● V72(WindowsXP)で、ポリゴンを選択し、リージョンを作成しようとす
ると、その次のウィンドウがすぐ閉じてしまう場合があるようです。現
在のところ、原因は不明です。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
機能要求
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
● SMLにおいて、可変数の入力オブジェクトがオープンできるように
なりました(対象バージョン:V72)。(今までは開くオブジェクトの数を
あらかじめ指定しないといけませんでした。)
【機能要求番号】4952N - SML Functions and Classes: Add function
to select variable number of input objects.
2006年11月1日以降のTNTmips 2006:72 のパッチをお使いください。
今回サポートされた関数:
DlgGetObject()
DlgGetObjectSet()
DlgGetObjects()
例題が DlgGetObjects()関数にありますので、ご参照ください。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
● ベクタのインポートで、TEXT 形式でCSV ファイルをラインとしてイ
ンポートする時、CSV ファイル中の項目によってラインを分けることが
できます。指定した項目をライン属性とするよう、機能要求しました。
【機能要求番号】btc12184N - Import Vector: CSV\Text - When
designating lines by 'Attribute' field, add table with designated
attributes attached to lines
● ベクタのインポート、TEXT 形式。GPS からのアクティブログをライ
ンとして取り込む際、トラックがライン情報でなく、ポイントの場合取
り込まれません。ポイントとして取り込むよう要望しました。
【機能要求番号】btc12185N - Import Vector: CSV\Text - Add 'Lines
and Points' option
今のところは、ラインとポイントの両方でインポートをお願いします。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
□■最新ニュース□■
===============================================================
■ デジカメ画像にGPS の位置情報を書き込むSMLがさらにバージョン
アップしました。インターフェースがアイコンに変わり、さらに以下の
機能が追加されました。
- ジオリファレンス済みのラスタ上で左クリックして、デジカメ画像を
右クリックで選択すると、左クリックした場所の緯度経度がデジカメ画
像に書き込まれる。
- EXIF 情報を表示する機能の内蔵
SMLはこちらです:
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/gps-sml/GPSphoto_06Nov7.sml
詳しくは、改めましてご紹介します。
■ V73のリリース(ダウンロード)時期は未定です。分かり次第、メール
マガジン、メーリングリスト等でご連絡します。
V73では、デジカメの画像をサムネールで表示する機能など、新しい機能
の追加が予定されています。お楽しみに。
===============================================================
■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■
◆ 現在の V2006:72 の価格
・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込)
・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート 94,500円(税込)
・V2005:71 --> V2006:72へのアップグレード 88,200円(税込)
・V2004:70 --> V2006:72へのアップグレード 132,300円(税込)
・V2003:69 --> V2006:72へのアップグレード 169,050円(税込)
◆『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!!
(プログラム及びサンプルデータCD付き)
<目次>
1.空間データの表示
2次元データの表示
3次元鳥瞰図の作成
2.衛星データの取り込み
3.ジオリファレンス
地図画像への座標情報付与
衛星画像への座標情報付与
4.GPSデータの取り込み
5.標高データの解析
陰影図の作成
断面図の作成
勾配・斜面方位の演算
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
困ったときの問題解決フローチャート
▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」
STEP1 「ウェブ検索テクニック」
▽オープンGIS検索システム
http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
▽メールマガジン検索システム
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
▽マイクロイメージ検索サイト
http://www.microimages.com/search/
▽Google 検索
http://www.google.co.jp/
とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
- や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
を使いこなすと、便利です!
STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]
STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
http://www.microimages.com/refman/
STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
メーリングリストに参加されたい方は、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。
弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。
STEP5「テクニカルサポート」
テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス
############# このメールマガジンの配信について ################
このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。
基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。
1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。
また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。
メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。
転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。
テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...
テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス
テクニカル・サポート・ユーザー専用 FTPアカウント(最大容量500Mbyte)
●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。
テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。
============ おことわり =============
※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、
TNTmipsに関わる新しいニュースを、
毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。
※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。
================================