Subject: [ts-mag:00061] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 266号】
    Date: Sun, 10 Sep 2006 17:18:53 +0900
    From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2006/09/08
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Datum Transformation, JGD2000, TKY2JGD

オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第266号「  日 本 測 地 系 デ ー タ の 変 換  」
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                       株式会社 オープンGIS



数値地図も世界測地系(日本測地系2000)のものが多くなってきました。

今週は、既存の旧日本測地系(Tokyo)の地図データを世界測地系に高精度
に変換する方法についてご紹介します。


・・・


結論を先に言うと、
高精度の変換を行うには、「座標参照系の変更」コマンドを使って、"グ
リッド内挿" を有効にしておくことが必要です。


メニューがバージョンによって若干違いますが、V70以降であれば可能で
す。また実行に際して、最新のパッチ(2006/9/6以降)をあてるようにし
てください。
 http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/72patch.htm


ここでは、地図画像25000を例にして説明します。ベクタやCADデータ
も適用できます。

▽「操作ツール」から「座標参照系の変更...」を選びます(V72の場合)。




▼ 処理する日本測地系のオブジェクトを選択します。



ここでは、日本測地系「東京」の533946(東京首部)の画像を使用しまし
た。

▼ <座標参照系>ウィンドウが出ます。[測地系] タブを選びます。




▼ [測地系変換] パネルにリストされている測地系は、変換先の測地系
を表しています。"JGD2000" の格納ボックスを押して開き、"日本(グリ
ッド内挿)" にチェックを入れます。



"グリッド内挿"とは、飛田幹男氏(国土地理院)が開発した日本測地系と
日本測地系2000の変換を行うプログラムTKY2JGD に格納されている座標
変換パラメータを使用する方法です。

チェックを入れると、JGD2000へ変換する際、TKY2JGD プログラムの座標
変換パラメータを使った変換になります。

****************************************************************
座標計算機による座標値の計算で、座標値を格納したファイルの一括変
換を行うと、秒単位で小数点5桁まで、TKY2JGD プログラムの結果と一
致しました。
****************************************************************

▼ [ OK ] ボタンを押すと、図のような警告が表れます。[はい] で実行
です。





以上で、設定は完了です。


・・・


TNTmipsの場合、座標系/測地系の異なるデータでも、オン・ザ・フライ、
つまりその場で座標変換を行って表示してくれます。

地図画像25000「東京」は世界測地系(日本測地系2000)でも入手可能です。
これを一番下にして、今回設定した旧日本測地系のデータを表示してみ
ました。

発行時期の違いから、情報自体が変わっている場合もありますが、"グリ
ッド内挿" を使った場合は、新・旧測地系の地図画像は、1ピクセル
(2.5メートル) 以内で重なっています。




"グリッド内挿"を使わない場合は、旧日本測地系のデータはこの場所で
は北西の方向に約 6 メートル程ずれています。




(使用したデータ)
○数値地図25000(地図画像) 東京 平成 9年4月1日    [日本測地系]
○数値地図25000(地図画像) 東京 平成15年2月1日1刷 [世界測地系]


・・・


オン・ザ・フライではなく、データ自体を旧日本測地系から世界測地系
(JGD2000)に変換したい場合も、まず「座標参照系の変更」コマンドで 
JGD2000の"グリッド内挿"を有効にしてから、以下の処理を行います。

●ラスタの場合:
「ラスタ」>「リサンプルとリプロジェクト」>「自動...」(V72)を選
びます。モデルは、"アフィン変換"または"バイリニア"でいいです。リ
ファレンスシステムで、変換先の世界測地系 "JGD2000" の座標系を選び
ます。




●ベクタ, CADの場合:
「各種図形」>「リプロジェクト」を選びます(V72)。[出力プロジェク
ション...] で、変換先の世界測地系 "JGD2000" の座標系を選びます。





・・・


これで安心して世界測地系"JGD2000" に移行できますね。







□■Tips□■
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数値地図の世界測地系のデータは、内容がかなり更新されています。

例えば、数値地図50 mメッシュ(標高)の東京首部(533946)のデータでは、

平成9年7月1日発行(日本測地系)のCD では、図郭右半分の荒川・中川の
周囲はほぼ一面 0 メートルとして扱われていましたが、




平成13年5月1日発行(世界測地系)のCD では、マイナスの標高値(海水面
以下)を持っています。




(背景に、25000地図画像(世界測地系)を使用)

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エラー・バグ・トラブル・新機能要望
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● 単写真によるオルソ画像の生成

単写真によるオルソ画像の作成を行うと、画像が欠けるエラーを確認し
ました。V2006:72で発生します(WindowsXP, Mac G4, Intel Mac)。V70, 
71 では起こりません。申し訳ありませんが、修正されるまで V70/71 を
ご使用ください。マイクロイメージに報告済みです。

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● V72で、数字が6文字以上続くようなJPEG ファイルをインポートしよ
うとすると、"checking validity of tiles" エラーが出て、インポート
できません。

【エラー番号】btc11721E - Import Raster: JPEG crashes when 
importing jpeg with filename that starts with 5 numbers

インポートできないJPEG ファイルは、123456.jpg, 12345a.jpg のよう
な名前のファイルです。

V71までは、取り込んだオブジェクトの数字の前に_が付きましたが、V72 
からは付きません。この変更が関係しているのかもしれません。

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◎ 座標計算機の有効桁数の拡張(機能要求)

"ポイント"入力の場合の緯度経度の入力桁数は現在、秒の3桁までです。
これを6桁まで増やしてほしいと再度要求を入れました。
【要求番号】fmh11722N - CRS / Calculator: Add ability to specify 
up to 6 decimal digits of seconds in the point tab of the map 
calculator

6桁まで計算したい時は、"ファイル"入力のモードをご使用ください。

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□■最新ニュース□■
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3種類のTNT入門(チュートリアル)を更新しました。

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・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込)
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	<目次>
	1.空間データの表示
		2次元データの表示
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	2.衛星データの取り込み
	3.ジオリファレンス
		地図画像への座標情報付与
		衛星画像への座標情報付与
	4.GPSデータの取り込み
	5.標高データの解析
		陰影図の作成
		断面図の作成
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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
 テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス





############# このメールマガジンの配信について ################

このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。

1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。


また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。



転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。



テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...


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============ おことわり =============

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 TNTmipsに関わる新しいニュースを、
 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。

※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。

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