Subject: [ts-mag:00060] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 265号】
    Date: Mon, 04 Sep 2006 23:54:00 +0900
    From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2006/09/01
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Global Geodata 2, GPS, DDI10m, 2006:73

オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第265号「 世 界 の 地 理 デ ー タ = 第 2 版 = 」
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                       株式会社 オープンGIS



マイクロイメージ社は最近、宣伝も兼ねて世界中のユーザへ 2006:72の
CD を発送しています。今週は、その中に含まれている "Global Geodata
2006:72 DVD" についてご紹介したいと思います。




同様の DVD が3年程前(V2003:69)にも作られましたが、今回のものはそ
の改訂版です。前回との大きな違いは、

・世界の衛星画像に海底地形の陰影図が追加された
・より高精度の海岸線データ(ベクタ)が追加された
・VMap0 から変換した主題図のベクタデータの範囲が広くなった。

などです。

(2003:69 当時の解説)
 http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_107.htm


データ形式はTNT 製品の独自形式であるRVC 形式ですが、TNTmips を持
っていなくても、無料の地理空間データビューワであるTNTatlas を使っ
て閲覧することができます。

ただし、データを見るためには 2006:72 以降のバージョンである必要が
あります。

TNTmips がすでにインストールされていれば、TNTatlas は既にインスト
ールされています。あるいは、マイクロイメージ社のサイトから個別に
ダウンロードできます。
http://www.microimages.com/product/tntatlas/index.htm


TNTatlasでの表示のし方は、

▼ DVD を開いて、拡張子が.atlのファイルをダブルクリックします。う
まく開かないときは、最初にTNTatlasを起動して、Open メニューから開
きます。



Open Object を使う場合は、DVD の中のレイアウトオブジェクトである
Data/WorldLayout/WorldLayout.rvc/Global_Atlas を選びます。

▼ 縮尺に連動してグループの表示/非表示が変わるように作ってありま
すので、見たい場所を拡大していくと、だんだんと詳細な地図情報が現
れてきます。


 


・・・


データについてもう少し詳しく解説します。

今回のデータは、次の4種類のデータから構成されています。

● 世界の衛星画像(解像度500m)2種類
● 世界の海岸線データ(WVSplus)(縮尺25万分の1)
● 世界の標高データ(解像度1km)
● 世界の主題別地図データ(縮尺100万分の1)10種類

すべて緯度経度(世界測地系WGS84)でジオリファレンスされています。

データに関する情報(データ項目、処理内容等)は、DVD に添付のReadMe 
ファイルに記載されています。


● 世界の衛星画像(解像度500m)2種類

 前回は陸地のみのトゥルーカラー画像でしたが、今回は、海底地形の
陰影付き画像が追加されました。データソースはともに NASA のBlue 
Marble Next Generation です。
 http://visibleearth.nasa.gov/

(陸地のみの画像)


 

(海底地形陰影付き画像)


 
 コントラストの関係で、陸地のみの方が当然画像は明るいです。


● 世界の標高データ(解像度1km)

 これは前回と同じく、GTOPO30 を使用しています。(16bit)


 


● 世界の海岸線データ(WVSplus)(縮尺25万分の1)

 25万分の1の海岸線データです。World Vector Shoreline Plus と呼
ばれており、米国のNGA が作成したもの(VPF形式)をRVC形式に変換して
います。

 100万分の1の海岸線データ(PolBndA)と比べると、確かにラインは入
り組んでいます。


 


● 世界の主題別地図データ(縮尺100万分の1)10種類

 データソースは前回同様、VMap0(DCWの後継バージョン、形式はVPF)で
す。世界4地域に分かれていたVPF形式のデータを商用の変換ソフト FME 
でシェープファイルに変換し、その後TNTmipsでベクタのマージ、編集を
行ったとのことです。以下は、主題図に含まれるオブジェクトです。

1)行政界(Political Boundaries)
	PolBnd17000(面)....国境界、海岸線。島嶼含まない。(属性なし)
	CountryBoundaries(面).....国境界、海岸線。島嶼含む。
	PolBndA(面).....国境界、海岸線。島嶼含む。国内の主要行政界。
	PolBndL(線)....国内の主要行政界
	PolBndP(点)



	前回とくらべ、中国、東南アジア各国内の行政界が大幅に追加され
ています。

2)行政界を除く各種境界(Boundaries)
	BarrierL(線) ....城壁(万里の長城など)
	BndTxt(点)   ....湾の名称など
	CoastL(線)   ....海岸線
	DepthL(線)   ....水深データ
	OceanSeaA(面)....海洋名

 

	日本の北海道の周辺の水深データが追加されています。

3)等高線(Elevation)
	ContourL(線)....等高線(単位メートル)
	ElevP(点)   ....等高点(単位メートル)



	東南アジアの標高点が追加されています。

4)河川(Hydrography)
	hydrology(線) ....河川
	hydro_text(点)....湖、滝など
	dangerp(点)   ....岩、座礁など危険な地点
	aquecanl(線)  ....運河
	miscl(線)     ....その他
	miscp(点)     ....その他


 
	河川データは前回と同じです。

5)鉱工業(Industry)
	extracta(面)....鉱山、石油/天然ガス、塩田
	misindp(点) ....石油/天然ガス施設、プラント
	storagep(点)....タンク、貯水器
	indtxt(点)  ....危険地帯などの種別
	fishinda(面)....漁場
	extractp(点)....鉱山、坑井の種別


 

6)氷など(Physiography)
	landicea(面)....陸地上の氷
	seaicea(面) ....海洋上の氷
	phystxt(点) ....地名
	landforml(線)....
	grounda(面)....

7)人口(Population)
	BuiltUpA(面)....人口密集地域
	MiscPopP(点)....
	MiscPopA(面)....
	BuiltUpP(点)....
	PopTxt(点)....

8)交通網(Transportation)
	TranStrcL(線)....トンネルなど
	RailRoadL(線)....鉄道網
	TranStrucP(点)....
	TrailL(線)....
	RoadsL(線)   ....道路網
	DQline(線)....
	AeroFacP(点) ....飛行場
	MisTransL(線)....


 
	このデータも前回と同じです。

9)設備(Utilities)
	pipel(線)....パイプライン
	utiltxt(点)....
	utilp(点)....電波塔、電話施設、衛星追跡基地など
	utill(線)....送電線、電話線
	dqline(線)....

10)植生(Vegetation)
	grassa(面)....草地、潅木
	swampa(面)....湿原、沼地
	cropa(面) ....作物
	tundra(面)....ツンドラ
	treesa(面)....落葉樹、常緑樹、混合林

	植生データは前回は北米の一部でしたが、今回は大幅に改良され、
全世界をカバーしています。


 


・・・


マイクロイメージは、VMap0のデータ(VPF形式)を読み込むのに、商用の
変換ソフトである FME を使っていると書いています。その後シェープ形
式になったものを TNTmips に読み込んでいます。VPF 形式は複雑なフォ
ーマットと聞いていますので、餅は餅屋に任せたのかもしれません。

前回の DVD のリリース以降、アジア地域の植生データがほしいという声
が多かったです。どうもお待たせしました。







エラー・バグ・トラブル
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● メルマガ【第260号】で報告しました「V2006:72で、世界測地系
(JGD2000)のシェープファイルをインポートすると、測地系の情報が付か
ない」エラーが修正されています。

【エラー番号】crr11265 - Import Vector: Shape: imported vector 
has incorrect datum using CRS specified in .prj file

2006/7/25以降のTNTmips 2006:72 のパッチをご使用ください。

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● メルマガ【第262号】で報告しました「 ArcInfoカバレッジのインポ
ートの際、Info/arc.dir ファイルがないと、エラーメッセージが出る」
件

【エラー番号】btc11419E - Import Vector: Arc-Coverage - Get 
'Specified file does not exist C:\...\info\arc.dir'

結局、エラーメッセージを出さないようにするには、カバレッジと同じ
レベルに INFOディレクトリがあることが必要とのことです。よろしくお
願いいたします。

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新機能要求
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● メルマガ【第262号】でご案内しました、ソニーの新型 GPS ユニット
をさっそく購入してみました。(実売は量販店で14,000円程度)
 http://www.sony.jp/products/Consumer/Peripheral/GPS/GPS-CS1K/

単3乾電池を1本入れて、後はスイッチオンするだけ。表示窓がないの
で非常に簡単です。衛星の捕捉感度は、前に使ったGarmin製 eTrex 
Vista-J と同じ程度でした。

GPS とデジカメをパソコンにつなぎ、付属のユーティリティソフトで、
時間を頼りにデジカメの画像に位置情報を書き込みます。使用したデジ
カメはパナソニック製でしたが、付属の地図の上に画像をドロップする
と、撮影した場所にサムネイルが表示されました。


 

この絵をマイクロイメージに見せたところ、ようやく重い腰を上げまし
た。画像のサムネイルを地図上に表示したり、データチップとして表示
する機能を TNT73 で実装するとのことでした。また近日中に、画像の
EXIFタグにGPS の位置情報を書き込んだり、位置情報付きの画像ファイ
ルを直接 TNTmipsで利用できるようにするとのことでした。

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□■最新ニュース□■
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■ DV(開発版)2006:73 が今週からダウンロード可能になりました。
 http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV73.htm

この中で流水解析で処理できる標高ラスタがこれまで30,000x30,000(ピ
クセル)であったものが、50,000x100,000ピクセルまで処理できるように
なりました。


■『細密数値情報(10mメッシュ土地利用)インポートSML』を更新しまし
た。V70以降でご使用ください。世界測地系版CD-ROMにも対応しています。
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/ddi10m_v70.htm

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■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■

◆ 現在の V2006:72 の価格

・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス  81,900円(送料・税込)

・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート       94,500円(税込)

・V2005:71 --> V2006:72へのアップグレード   88,200円(税込)
・V2004:70 --> V2006:72へのアップグレード  132,300円(税込)
・V2003:69 --> V2006:72へのアップグレード  169,050円(税込)


◆『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!!
	(プログラム及びサンプルデータCD付き)

	<目次>
	1.空間データの表示
		2次元データの表示
		3次元鳥瞰図の作成
	2.衛星データの取り込み
	3.ジオリファレンス
		地図画像への座標情報付与
		衛星画像への座標情報付与
	4.GPSデータの取り込み
	5.標高データの解析
		陰影図の作成
		断面図の作成
		勾配・斜面方位の演算

 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm

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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


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