Subject: [ts-mag:00046] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 251号】 Date: Tue, 30 May 2006 07:54:55 +0900 From: WAZA Toshihiko OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2006/05/26 Keywords: OpenGIS,TNTmips,MultiresolutionFusion,IKONOS,QuickBird オープンGIS テクニカル・サポート専用メールマガジン 第251号「 パ ン シ ャ ー プ ン 画 像 の 作 成 」 ################################################################# 株式会社 オープンGIS 今回は、Ver.2006:72 から新たに追加された「多重解像度の融合...」メ ニューについてご紹介します。 これは、マルチスペクトルバンド(カラー)と、より高解像度のパンクロ マティック(白黒)画像を組み合わせて、細部を強調したカラー画像(パン シャープン画像)を作成する機能です。イコノスやクイックバードなどの 高解像度衛星画像に適用できます。V72以前でも、ジオフォーミュラ(ス クリプト)を使ってパンシャープン画像を作成していましたが、手法が改 良されました。 ジオフォーミュラでは Brovey(ブロービー)の手法だけでしたが、今回の メニューでは、Paris(米国カリフォルニア大学のリモートセンシングの 研究者。TNT製品の40年間のユーザ)が開発した手法が追加されています。 クイックバードのサンプル画像(埼玉県所沢市)を使って試してみました。 <使用したデータの仕様> ●マルチスペクトル(3バンド):画素数 4,096x4,096, 解像度 2.4m ●パンクロ:画素数 16,384x16,384, 解像度 0.6m ラスタサイズ、セルサイズともちょうど4倍の差です。 ・・・ 処理に入る前に一部分をベクタで切り出しました。 ▼ V72で「ラスタ」>「組み合わせ(演算)」>「多重解像度の融合」を選 択します。 ▼ [ソース] タブの"タイプ"は、入力データのタイプです。次の4種類 が選べます。 (1)パンクロ+RGB分離 (2)パンクロ+RGB合成 (3)QuickBird (Pan + MS) (4)IKONOS (Pan + MS) (1)の"パンクロ+RGB分離"は、パンクロ+赤+緑+青の計4バンドが 使用できます。 (2)の"パンクロ+RGB合成"では、パンクロとRGB合成されたファイル を指定します。 (3)"QuickBird (Pan + MS)"と(4)"IKONOS (Pan + MS)"では、近赤 外+赤+緑+青+パンクロの計5バンドが使用できます。 この設定を選ぶと、さらに大気パス補正や、Parisの手法でパンクロのス ペクトルを使用した補正をすることができます。 今回は、(1)の"パンクロ+RGB分離"を使用しました。 ▼ [選択] ボタンを押します。「オブジェクト(複数)を選択」ウィンド ウで、各ラスタをPanchromatic、赤、緑、青に割り当てます。 さて、ウィンドウの下段に "Must be same size or Integer reduction of high-resolution raster"(同じサイズか、高解像度ラスタを整数で割 ったサイズでないといけない) というメッセージが出ました。パンクロ とカラー画像が割り切れる関係でないといけません。 切り出したラスタを拡大してみると、パンクロ画像のセルが半端になっ ています。ベクタで異なる解像度のラスタを切り出した場合、このよう なことはよく起こります。 このような時の解決策としては、ラスタで切り出します。具体的には、 参照ラスタを使ってリサンプルをします。V72では「ラスタ」>「リサン プルとリプロジェクト」>「自動...」です。やってみます。 ▼ 入力ラスタとしては、切り出す前のパンクロマティック・ラスタを選 びます。 ▼ [設定] パネルでは、範囲を"リファレンスに合わせる"を選びます。 [リファレンスラスタ] として、ベクタで切り出したマルチスペクトルバ ンドの1つを選びます。ライン、カラムの"ピクセルサイズ(meters)"が パンクロの"0.60"であることを確認します。 ▼ 実行すると、このように同じ範囲の画像が得られます。 ・・・ これでようやく先に進めました。 ▼「融合」タブに移ります。"製品"とは出力ラスタのデータタイプのこ とです。クイックバードやイコノスのような8ビット以上のビット深度を 持つデータでは、出力も"16ビットRGB分離"を選びます。 "8ビットRGB分離"だと、255以上のDN値は全部255としてカウントされ、 せっかくの8ビット以上の情報がすべてカットされます。同じ意味で"コ ンポジットカラー"も勧められません。 ▼ 手法は、 (1)ブロービー(Brovey) (2)Paris (パリス) (3)Pendock (ペンドック) の3つがあります。 (1)Brovey には、"パンクロマティック・コントラストの強調" を効 かせる場合と効かせない場合の2種類が選べます。 (2)Paris にはそのような選択はありません。 (3)Pendock は Brovey 同様、"パンクロマティック・コントラストの 強調" を効かせる場合と効かせない場合の2種類が選べます。 最後に、各々の場合の処理結果をお見せします。 (0)まずはパンシャープンしない場合の、マルチスペクトルバンドだ けのRGB表示です(コンラストは自動正規化を使用)。 (1)Brovey の手法 ● "パンクロマティック・コントラストの強調"オフ ● "パンクロマティック・コントラストの強調"オン(パラメータは既定値 を使用) (2)Paris の手法 ● (パラメータは既定値を使用) 画質や色合いは、Brovey のコントラスト強調を効かせた場合に似ていま す。 (3)Pendock の手法 ● "パンクロマティック・コントラストの強調"オフ ● "パンクロマティック・コントラストの強調"オン(パラメータは既定値 を使用) 他の手法にくらべて、エッジ強調の効果が強いのが分かります。 (4)参考に、従来のジオフォーミュラを使った例もお見せします。 新しい手法にくらべて、明るく精細さに欠ける気がします。ただしジオ フォーミュラではラスタサイズをそろえる面倒さはありません。 関連するカラープレート: ● Pan-Sharpening Procedures http://www.microimages.com/documentation/cplates/72PanSharpen.pdf ● Calibrated Pan-Sharpening http://www.microimages.com/documentation/cplates/72CalPanSharp.pdf ● Comparison of Pan-Sharpening Methods http://www.microimages.com/documentation/cplates/72PScompare.pdf □■RV72■トピック□■ =============================================================== 新規に表示ウィンドウを開いてRGB表示をしたい時は... ▼「表示」メニューから「新規作成」>「空の2次元」を選びます。新し い表示ウィンドウが開きます。 ▼ [ラスタの追加...] ボタンで「赤-緑-青...」を選びます。 ▽ 結果 =============================================================== エラー・バグ・トラブル + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + Ver.2006:72 において、テーブルプロパティ(V71までの定義の編集メニ ュー)ウィンドウでOKボタンを押すと、「読み込み専用のオブジェクト に書き込もうとしている」というエラーが出ることがあります。 【エラー番号】PAT10582E : Get "Attempting to write to read-only object" message when clicking OK in Table properties window. Ver.2006:72 の2006年5月24日以降のパッチで修正されました。 ご迷惑をおかけしました。 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 今週のメーリングリスト ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Ver.2006:72の新製品情報をご紹介しました。 ◆ バージョンアップの特徴 ◆ メニューを日本語に変える方法 ◆ V72のメニュー構成について ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 ◆◇ ご 案 内 ◆◇ .................................................................. ホームページのトップ画面にグーグルのサイト内検索窓を設けました。 試してみたところ、グーグルの検索はサイト内の語句を全部は網羅しな いようです(不完全性)。また検索結果も、数日から最大1ヶ月程度前の情 報を表示します(タイムラグ)。 他方、従来のナマズによる検索(左側のSearch窓)は、サイト管理者がイ ンデックスの更新をしないといけませんが、全ての語句を検索します。 ただし、PDFやSMLなどのファイルの中を検索しないのが大きな欠 点です(PDFの検索未対応)。 グーグルはPDFの中まで検索しますので、両方を相補的に使うのが現 時点ではベターかと思います。 .................................................................. これまでV69であった『TNTlite日本語解説セット』をV72用に改訂中です。 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm 6月中旬に販売予定です。 .................................................................. ■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■ 現在の 2006:72 の価格 ・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込) ・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込) ・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込) ・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込) ・OpenGIS 年間テクニカルサポート 94,500円(税込) ・2005:71 --> 2006:72へのアップグレード 88,200円(税込) ・2004:70 --> 2006:72へのアップグレード 132,300円(税込) ・2003:69 --> 2006:72へのアップグレード 169,050円(税込) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 困ったときの問題解決フローチャート ▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」 ▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」 ▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」 ▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 ▼STEP5「テクニカルサポート」 STEP1 「ウェブ検索テクニック」 ▽オープンGIS検索システム http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi ▽メールマガジン検索システム http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi ▽マイクロイメージ検索サイト http://www.microimages.com/search/ ▽Google 検索 http://www.google.co.jp/ とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける) を使いこなすと、便利です! STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語] STEP3 「ドキュメントを読んでみる」 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語] ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」 http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文] ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語] http://www.microimages.com/getstart/ [英文] ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」 http://www.microimages.com/refman/ STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。 STEP5「テクニカルサポート」 テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。 >サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。 >サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。 >サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました... >サービスその10:現在計画中です... テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス テクニカル・サポート・ユーザー専用 FTPアカウント(最大容量500Mbyte) ●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。 テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。 ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、 TNTmipsに関わる新しいニュースを、 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================