Subject: [ts-mag:00035] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 240号】
    Date: Mon, 06 Mar 2006 08:19:16 +0900
    From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2006/03/03
Keywords:OpenGIS,TNTmips,Vector,Combine,Replace,JGD2000,IntelMac


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第240号「  地  図  デ ー タ  の  更  新  」
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                       株式会社 オープンGIS



今週は、地図データの更新・置換についてご紹介します。


昔の地図。この辺は畑でした。


 

現在の交差点の周り。左折ラインも出来て、宅地も増えました。果樹園
の形も変わりました。


 

両者を重ねると、


 

このままでは別々の2枚の地図ですが、GISの機能を使えば、必要な
箇所だけ更新・置換することができます。


・・・


▼「解析処理」>「ベクタ」>「組み合わせ(演算)...」を選びます。


 

▼「操作:」から「置き換え」を選びます。


 

▼ [選択...] ボタンを押して「ソース」を、[ベクタ...] ボタンを押し
て「オペレータ」を設定します。



 
●「ソース」...置き換えられる方の地図データ(昔)

●「オペレータ」...置き換える地図データ(今)

▼ 今と昔のテーブルの構造は同じにしてありますので、そのまま「実行」
ボタンを押します。出力オブジェクトを指定します。

▽ 置換が終了しました。


 

まだやることがありますので、「編集」>「空間データ...」で開きます。


 

▼「ポリゴンの塗りつぶし」がオフになっているので、「ベクタレイヤ
コントロール」ウィンドウを出して有効にします。


 

▽ ポリゴンに色が付きました。


 

1)ここで気が付くのが、街路樹を模した点データが置換データから落
ちています(多角形の中)。バグなのか、仕様なのか不明です。マイクロ
イメージに確認が必要です。


2)境界線の多角形のラインは不要ですので、削除します。簡単なデー
タであれば、手作業で選択して削除してかまいませんが、ここではディ
ゾルブを使ってみましょう。ディゾルブについては過去にもメルマガで
紹介しています。

▼「ベクタツール」ウィンドウの[ディゾルブポリゴン] ボタンを押しま
す。ディゾルブはラインの両側の面属性に着目し、同じであればそのラ
インを削除するコマンドです。


 

▼ 着目する面属性のテーブルを選び、その中のフィールドを選び、最後
に[追加] ボタンを押して、右に移動します。


 

▼ [フィルタ] ボタンを押すと、テストが出来ますが、結果が見にくい
ので、ここでは[実行] しました。


 

白く抜けているのがディゾルブで削除されたラインです。境界線は削除
されましたが、同時に道路の赤い中心線も削除されてしまいました。

☆ ディゾルブは、ラインの属性に関係なく、面属性の関係のみでライン
を削除します。削除したくないラインがある時は工夫する必要がありま
すね。


3)ライン属性もある場合、置き換えを実行する前に、置換データの周
りの境界線に目印となる属性を付けておいて、置換後、その属性で削除
するのも手です。


4)あるいはスクリプトを使う方法もあります。

▼ ラインの[選択/非選択] ボタンを押して、「クエリによる選択...」
を選びましょう。


 

▼ 結果の式をお見せします。


 

(式)
Vect.poly[Internal.LeftPoly].POLY.CODE==Vect.poly[Internal.RightP
oly].POLY.CODE and SetNum(LINE[*])==0;

この式の作り方、意味については本日のTIPSで説明しています。

▼ [適用] ボタンを押します。


 
色が赤で紛らわしいですが、多角形のラインのみが選択されています。


▼ 選択したラインを削除します。


 

▽ 最終結果です。


 

ポイントデータについては別のオブジェクトにして別に処理してもいい
かもしれません。またスタイルオブジェクトですが、ベクタオブジェク
トの内部ではなく、外部に独立したオブジェクトとして作った方が扱い
易いと思われます。







□■Tips□■
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「クエリによる選択」ウィンドウでの式の作り方

▼「挿入」>「フィールド...」を選ぶ。


 

▼ まず要素(エレメント):から「左ポリゴン」を選びます。


 

▼ 着目するポリゴン属性(この例では POLY.CODE または POLY.NAME)を
選び、[挿入] ボタンを押します。


 

▽「クエリによる選択」ウィンドウに式が書き込まれました。


 

Internal.LeftPolyは、あるラインの左側のポリゴン番号です。
Vect.poly[ポリゴン番号].POLY.CODEで、そのポリゴンに付いた属性を参
照しています。

▼「右ポリゴン」についても同様に挿入します。間に==(等しい)を入れ
ます。
Vect.poly[Internal.LeftPoly].POLY.CODE==Vect.poly[Internal.RightP
oly].POLY.CODE

この式は、ライン毎に左、右の面属性を比較します。このままでは単な
るディゾルブの式と同じです。ライン属性(ここではLINE)が付いている
ラインを削除しないようにするため、LINEテーブルのレコード数を見る
関数 SetNumを使って、条件式 SetNum(LINE[*])==0 を置き、and で結び
ます。

▼最後に文法チェックをします。";" を文末に付けます。


 

"シンタックスOK" と出たらOK です。実行できます。

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エラー・バグ・トラブル
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JPEG2000で圧縮した画像にジオリファレンス処理を行うと、表示が遅く
なります。これはジオリファレンスを保存した時点で、ラスタ本体の日
付がピラミッドの日付より新しくなり、表示する際、古い日付を持った
ピラミッドを見なくなるためのようです。

【エラー番号】DMD10083E: Georeferencing JPEG2000 compressed 
images makes the pyramid tiers unusable

マイクロイメージ社は、2006:72のリリース迄には修正するとのことです。

対処法としては、
○「解析処理」>「ラスタ」>「抜き出し...」で、抜き出しの範囲を指定
しないでラスタの抜き出しを行ってください(マイクロイメージ社)。ピ
ラミッドを作り直します。
×「解析処理」>「ラスタ」>「ユーティリティ」>「ピラミッド...」は
JPEG2000のピラミッド再生に対して有効ではないとのことです(マイクロ
イメージ社)。確かにそのようです。
○ 経験的にリサンプルをすれば表示速度は改善されます。
○ SMLを使ってピラミッドを削除して作り直す方法も有効です。

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◆◇ 最新ニュース ◆◇
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先週3月1日にマックインテル版TNTmips がマイクロイメージ社のサイ
トにアップされました。
http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV72.htm

情報がありましたら逐次ご報告します。

..................................................................

◇V71までの購入ユーザを対象に、先週くらいからマイクロイメージ社か
らV72へのバージョンアップの御見積書が送付されています。書類のタイ
トルはPro Forma Invoice であり、見積書という意味です。請求書(単に 
Invoice)ではありませんので、ご安心ください。

内容は、年間バージョンアップ(Annual Maintenance;年2回分のバージ
ョンアップ)$1,000と、V71からV72へのバージョンアップ$600の2種類で
す。前者は V72 がこの3月にリリースされる前まで有効な見積書であり、
リリース後は使用できなくなります。V72リリース後は、$600の方でご注
文ください。

弊社経由で購入される場合、現在の為替レートに20円足して、各々
140,000円および 84,000円(税別)の金額になります。

..................................................................

◆ TNT製品バージョン2006:72 は、3月上旬にダウンロードによる正式
リリースを予定しています。また本日以降の新規注文は、TNTserver 
2006:72 を除き、2005:71 で納品されますが、2006:72 がリリース後、
無料提供されます。

◇ マイクロイメージ社は、教育用ライセンス(SAL)の価格体系(台数
割引)を変更しました。変更内容については、マイクロイメージ社よりS
ALの全ユーザにFAXにて通知されています。詳細はお問い合わせく
ださ
い。

..................................................................





■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■


現在の Ver 7.1 の価格

・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス  81,900円(送料・税込)

・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート       94,500円(税込)


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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
 テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス





############# このメールマガジンの配信について ################

このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。

1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。


また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。



転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。



テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...


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●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。
テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。





============ おことわり =============

※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、
 TNTmipsに関わる新しいニュースを、
 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。

※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。

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