Subject: [ts-mag:00031] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 236号】
    Date: Mon, 06 Feb 2006 08:24:53 +0900
    From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2006/02/03
Keywords:OpenGIS,TNTmips,Color Management,Gamut,ICC Profile,ICM


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第236号「  カ ラ ー マ ネ ー ジ メ ン ト  」
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                       株式会社 オープンGIS



カラーバランスは、印刷物のカラー調整を行いますが、モニターとプリ
ンターのある組み合わせに対して、試行錯誤を通してユーザの好みの色
を決める過程であって、抜本的な色の調整方法ではありません。

モニターと印刷の色が違うのは、そもそもモニターとプリンターの間で
標準的なカラーマネージメントの考え方が確立していなかったことに起
因します。デバイスによらない共通の色空間を定義して、色変換を行う
しくみを『カラーマネージメント』と呼びます。


4.カラーマネージメント

モニターやプリンターなどの各デバイスが表現できる色の範囲(色空間)
をガモット(gamut)と呼びます。それぞれのデバイスは固有のガモットを
持ち、デバイス毎にガモットを定義したのがICC プロファイルです。

*) ICC = 国際カラーコンソーシアム

モニターは通常、sRGB と呼ばれる標準的なガモットを使用しています。
他に、AdobeRGB 等のガモットもあります。

一般にモニターのRGB によるガモットは、CMYK によるプリンターのガモ
ットより広いため、プリンターで再現できない色が発生します。RGB で
鮮明度の高い色が CMYK で落ちてしまうのはこのためです。最近は6色
あるいは8色のインクを使ったプリンターもありますが、これは印刷の
色空間を広げるためです。


カラーマネージメントを行うには、
・カラーマネージメントに対応したOS
・カラーマネージメントに対応したアプリケーション
・ICC プロファイル

が必要です。MacOS ではColorSync が、WindowsではICM(Image Color 
Matching)がカラーマネージメントの環境を提供します。経験的に、イラ
ストレータファイルに変換すれば安定して印刷できたのは、アドビ社の
アプリケーションが早くからカラーマネージメントに対応していたため
と考えられます。

TNT製品もV6.9 からカラーマネージメントに対応しました。プロファイ
ルは、通常プリンターやモニターのドライバーに付属しており、インス
トールすると通常は使えるようになるようです。インターネットでもダ
ウンロードできるようです。


・・・


さて、TNTmips でカラーマネージメントを行うには、以下の設定を行い
ます:

1)OSの設定
2)X サーバの設定
3)TNTmips の設定

Windows XP を例にとり、解説しましょう。


1)OSの設定
モニターのプロファイルを設定します。

▼ デスクトップで右クリックし、「プロパティ」を選択します。

▼「画面のプロパティ」ウィンドウが表示されます。[設定] タブを選び、
[詳細設定] ボタンを押します。


 

▼ [色の管理] タブを押します。


 

▼ カラープロファイルが選択されていなければ、[追加] ボタンを押し
て、リストから"sRGB Color Space Profile.icm" を選びます。


 

▼ 選択後、[適用(A)] ボタンを押します。


 

▼ [OK] ボタンを押して、「画面のプロパティ」ウィンドウを閉じます。


2)X サーバの設定

▼ TNTmips を起動します。

▼ [MicroImages X Server] をクリックします。




▽ 隠れて見えなければ、[隠れているインジケータを表示します] ボタ
ンを押します。




▼「MicroImages X Server Preferences」ウィンドウが出ます。
[Options] タブを押し、"Options" の下の " Let display driver do 
color management(ICM) " にチェックを入れます。これで X サーバに 
sRGB プロファイルを使うように指示しました。




▼ [OK] ボタンを押して、ウィンドウを閉じます。
(なお、MacOS では、この X サーバの設定はありません。)


3a)TNTmips の設定

▼「表示」>「空間データ」を選びます。[セットアップ...] ボタンを押
し、「表示ウィンドウオプション...」を選びます。




▼ [カラー] タブを選びます。プロファイルを選択します。
sRGBを使ってディスプレイドライバにカラーマネージメントをさせる場
合、図の@を選びます。




(英語メニュー)




Aの標準プロファイルあるいはBのカスタム(プロファイル)を使用する
場合は、先ほどのX サーバのチェックをはずします。

▼ 「レンダリング目的(Rendering Intent)」は、ソース画像の変換のし
方を指定します。

●『絶対的な色彩を保持(Absolute Colorimetric)』
プリンタガモットに含まれるソース画像の色はそのまま印刷されます。
プリンタのガモット外の色は近傍の色で置換されます。

●『相対的な色彩を保持(Relative Colorimetric)』
明度以外、正確なカラーマッチを行います。出力のガモットが狭い場合
に適しています。

●『知覚的(Perceptual)』
相対的な色関係を保持しながら、ソース画像のガモットを圧縮します。
出力のガモットが狭い場合で、写真画像に適しています。

●『彩度(Saturation)』
彩度(鮮明度)を保持しながら、出力ガモットに入るようソース画像の色
の伸張・圧縮を行います。

▼ 以上設定を終えたら、[OK] ボタンでウィンドウを閉じます。


3b)最後に「印刷用レイアウトの新規作成」で「レイアウト」>「用紙
設定...」を選びます。

▼ [断面(プロファイル)] タブを選びます。




▼「ICM プロファイルを使用」を押します。

▼「断面(プロファイル)」は、使用しているプリンターのプロファイル
を選択します。

▼「レンダリング目的」は上と同じです。

▼「スクリーンの検査」、「out-of-gamutアラームを使用」にチェック
を入れると、ソース画像のうち、プリンターの色範囲に収まらないピク
セルが赤で表示されます。




『スクリーンの検査』機能を使うと、印刷することなく、問題箇所の発
見に役立てることができます(資料2-2, 2-3)。実際にやってみると、こ
のような赤の領域はなかなか発生しません。上の図は、「表示ウィンド
ウオプション...」でカスタムプロファイルを使用して、テスト的に作成
しました。資料(2-1),(2-2)によると、「表示ウィンドウオプション...」
で @の設定をした場合、ディスプレイドライバーが画面表示を支配する
ため、この機能は使用できないとあります。





よく分からないところも多いですが、以上がカラーマネージメントの設
定の手順です。


・・・


以上整理すると、TNTmips で印刷の色がモニターと合わない時の一般的
な考え方は、

1) まず、メーカーが提供するプリンタードライバーを使用しているかど
うか確認する。

2) 上の手順に従ってプリンターのプロファイルを設定して、レンダリン
グ目的を変えて印刷してみます。

3) それがあまり効果ないときは、カラーバランスを使ってマニュアルで
色の調整を行う。

ということになります。


☆参考図書

DTPWORLD別冊「カラー図解 DTP&印刷スーパーしくみ事典2003」
(株)ワークスコーポレーション \3,200-







□■Tips□■
===============================================================

ベクタデータの作成で、複数のレコードがアタッチされている要素を見
つけるには、テーブルの上で右クリックして、ポップアップメニューか
ら「複数レコードがアタッチされている要素を選択」を実行します。




逆に、属性の付いていない要素を探すには、その下の「属性が付いてい
ないすべての要素を選択」を実行します。

似たような機能ですが、同じ値のレコードを1つにまとめたいときは、
「データベースエディタ」ウィンドウを開き、テーブルの上で右クリッ
クして「重複しているレコードを削除...」を実行します。




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エラー・バグ・トラブル
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先週報告しましたCSVファイルのインポートエラーが
今週2月2日のパッチで修正されました。

これは、国土数値情報気候値メッシュデータを取り込んだ例です。




+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +





■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■


現在の Ver 7.1 の価格

・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス  81,900円(送料・税込)

・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート       94,500円(税込)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■





困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



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 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
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