Subject: [ts-mag:00022] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 227号】
Date: Fri, 25 Nov 2005 23:28:06 +0900
From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2005/11/25
Keywords:OpenGIS,TNTmips,MailMagazine,RasterProperty,Extract,SML


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第227号「 ラ ス タ の 集 計 機 能 チェックしました! 」
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                       株式会社 オープンGIS



先週ご報告しました「ラスタの集計」機能のチェックを行いましたので、
今週は予定を変更して、その結果についてご報告します。

チェックしたメニューは「解析処理」>「ベクタ」>「属性」>「ラスタの
集計...」です。




テストデータとして、1から7の値(DN値)を持つ縦横 22 x 22 のラス
タと、円形のポリゴンベクタを用意しました。




ラスタのセルサイズは、100 x 100(m)です。





・・・


「境界のセル」のオプションが少し変わりました。




1.部分的に内側なら含む

2.include if center inside(セルの中心が内側であれば含む)

3.比例配分計算

4.部分的に飛び出していたら除外

2番目は以前「面積の大きい方を含む」でした。今回定義がより正確に
なりました。今回は、各オプションについてもう少し補足説明をしてお
きます。

●1の「部分的に内側なら含む」とは、このようなカウントのことです。



はみ出たセルもカウントしますので、面積は大きめに出ます。


●2の「セルの中心が内側であれば含む」とは、このようなカウントで
す。



セル中心の点と集計する図形(この場合円)の包含関係によって、カウン
トしたりされなかったりします。面積的に大きくなるか小さくなるかは、
図形の境界の形状に依存します。


●3の「比例配分計算」は、



処理が正しく行われれば、セルの面積は常に集計する図形の面積と同じ
にならなくてはいけません。


●4の「部分的に飛び出していたら除外」は、こうです。



セルが集計図形から少しでもはみ出ていたらカウントされません。面積
的には常に小さめに出ます。用途としては、境界付近のデータを採用し
たくない場合です。


これらのオプションを1枚の絵にまとめました。





それぞれの手法で計算されるセルの面積をS1, S2, S3, S4, 集計するポ
リゴン(今の例では円)の面積をSc とすると、一般的に次のような大小
関係が成り立ちます。

S1 > S3 = Sc > S4
S1 > S2 > S4
S2 と S3 の大小は、境界の形状などによって変わるでしょう。

またラスタのセルサイズを横軸にとって、各手法ごとのセルの合計面積
の挙動を予想すると、これも大体次のようになるでしょう。




3の「比例配分」以外の手法において、ラスタのセルサイズが相対的に
大きくなればなるほど、集計する図形との面積との乖離(かいり)が大き
くなります。この辺に気をつけてこれらのオプションを使うようにしま
しょう。


・・・


さて解説はこの位にして、結果を示します。

1)まずは手法ごとに結果を整理しました(ケースA)。




集計は、大きい方の円(10と描いたほう)について行いました。




1の「部分的に内側なら含む」、4の「部分的に飛び出していたら除外」
の集計結果(カウント数)は、円の左側の接し方がきわどいですが、目視
確認の結果正しいことが分かります。


2)3の「比例配分計算」については他の方法を使ってさらに計算して
みました。

【第222号】【第223号】で、インターセクトやポリゴンの集計機能を使
って、土地利用図ベクタの集計を行いました。ラスタを一度ベクタに変
換してこの方法で面積を求めてみました。

▼ まずは"ラスベク"変換します。




▼ "ラスベク"変換のパラメータは簡単です。




▼ チェックには「解析処理」>「ベクタ」>「属性」>「ポリゴンの集計
...」を使用しました。

▼ データなど処理に必要なパラメータをセットします。




▼ 表示ウィンドウです。




▽ 実行後の集計結果です。円10の集計結果です。




(黄色の小計の部分のみ抽出しました)




これは、ケースAの集計結果の3と同じです。




当たり前といったら何ですが、ベクタに変換しても同じ結果が得られま
した。


3)次に2の「セルの中心が内側であれば含む」も他の方法で検証して
みました。セルの中心を求めるために、ラスタをポイントに変換しまし
た。

▼ ラスタをポイントに変換するには次のSMLを使用します。



このSMLは「解析処理」>「SML」>「実行...」で開きます。


▽ 変換後のポイントはこのような状況です。ラスタのDN値はInternal
テーブルのZ座標に入っています。




▼ 切り出します。「解析処理」>「ベクタ」>「組み合わせ(演算)...」
の「インターセクト(AND)」を使いました。




▽ 処理後のポイントはこのような感じです。円の内側に含まれる点が切
り出されました。




▼ 10番の円に対するポイントを全部ボックスで選択し、Internalテー
ブルを表示して集計します。並べ替えて、点の個数をカウントしました。




(黄色のカウントの部分のみ抽出しました)




ケースAの2の場合のセルの個数と同じになっています。





4)セルサイズの効果

最後に、ラスタをさらに細かく分割(リサンプル)して、セルサイズを5
0m(ケースB), 20m(ケースC)の場合について集計しました。




リサンプルには、セルの値を変えない"最近隣法 Nearest Neighbour"を
使用しました。

セルサイズと合計面積の関係をプロットしました。




予想どうりですが、手法2の変動が小さかったのは、円のようなあまり
極端な凸凹のない図形を集計単位に選んだからだと思います。


・・・


以上、結果は良好のようです。
これまでご不便、ご迷惑をおかけいたしました。







□■Tips□■
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ラスタの座標系によらずに、機械的にセルを再分割(リサンプル)するに
は、「解析処理」>「ラスタ」>「抜き出し...」メニューの[拡大/方向] 
タブを使います。




(メルマガ【第198号】で既出)

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エラー・バグ・トラブル
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我々がジオリファレンスなどでラスタのセル座標を扱う時、ラスタの原
点は、左上隅のセルの左上隅で、(0, 0)です。これは今でも正しいので
すが、最近になってSMLの中では(1, 1)である、に変わったことが分
かりました。マイクロイメージ社は、V7.0からこのような変更をしたよ
うです。

V7.0や7.1を使って、地図画像などを取り込んだ場合、1ピクセルほどコ
ントロールポイントの位置がずれている可能性があります。

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◆◇ お 知 ら せ ◆◇
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特にありませんでした。


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