Subject: [ts-mag:00008] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 213号】 Date: Mon, 15 Aug 2005 00:27:07 +0900 From: WAZA Toshihiko OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users 2005/08/12 Keywords:OpenGIS,TNTmips,MailMagazine,CoordinateReferenceSystems オープンGIS テクニカル・サポート専用メールマガジン 第213号「 座 標 参 照 系 ( 3 ) 」 ################################################################# 株式会社 オープンGIS 今週は、V7.0 の新機能である座標参照系を修正するコマンドをご紹介し ます。これは、ジオリファレンスで付けた座標系や測地系を後で変更したり、 データをインポートする時に座標系や測地系が正しく設定されない時に 使用します。 メニューは、「サポート」>「メンテナンス」>「座標参照系の変更...」 です。どのような働きをするか見てみましょう。 ・・・ メルマガ【第206号】「GeoTIFF出力とアフィン変換」において、UTM 座標53ゾーン/世界測地系 (JGD2000 / UTM zone 53N (CM 135E)) を持つ ラスタを作成しました。
(その時の目的に合わせて、意図的に傾けています) このデータは実際にどこにあるかというと、インドネシアのニューギニ ア島の沖合いにあります。赤道を X 軸、UTMゾーン53の中央子午線(東経 135度)を Y 軸とする座標系の第1象限にあります。
(線が細いので、ウィンドウを大きくしてご覧ください) テストデータなので、UTMゾーンはどこでもよかったのですが、ここ では 53 ではなく、54ゾーンの間違いであったとして、「座標参照系の 変更...」コマンドを使って変更してみます。なお、このコマンドは、入 力のラスタの座標情報を直接上書きします。思わぬ結果になることもあ るかもしれませんので、ディスクに余裕のある場合は、あらかじめバッ クアップをとってから実行するようにしましょう。 さて、上のメニューを選んでやってみます。 ▼ 処理するラスタを選択します。
▼「座標参照系」ウィンドウが出ますので、変更先の"JGD2000 / UTM zone 54N (CM 141E)" を選択します。
▼ ステータスを示すウィンドウが出ます。
▽ 処理前後のラスタレイヤーの「操作ツール」から「範囲」メニューを 選んで、座標参照系を確認します。
座標の範囲は変わりませんが、ゾーンはちゃんと53から54に変わってい ます。 表示してみると、ゾーン54の中央子午線(141E)の位置に移動しました。
・・・ オブジェクトの座標情報は、次の3つの要素から構成されています。 @ 座標値 A 座標系 B 測地系
@の座標値は、ラスタであれば、一般的にはコントロールポイントに与 える座標です。ベクタであれば、一般的にはラインやポリゴンを構成す る点の持つ座標です。 AとBを合わせたものが「座標参照系」です。 今回ご紹介した「座標参照系の変更...」コマンドは、@ の座標値はそ のままで、{ A と B } の情報を変更します。 外部のデータがインポート出来て喜ぶのも束の間、他のデータと一緒に 表示したらうまく重ならないといったことがよくあります。これは @の 情報は多くの外部データが持っていて、(多分)問題なく読み込めている のですが、AやB の情報が "何らかの原因" で正しく読み込めていない ためと考えられます。そういうときは、今回の「座標参照系の変更...」 コマンドを使って、正しく座標参照系を与えるようにします。 "何らかの原因"としては、もともとそのような情報を外部データが持っ ていないとか、持っていても TNTmips が理解できない、といったことが 考えられます。測地系が未定義だと、他のデータと数百メートルずれた り、レイヤーの順番によって、表示がずれたりずれなかったりして奇妙 な現象に出くわします。 V6.9以前のバージョンでは、このような修正はどうするのでしょうか? ラスタの場合は、座標参照系のみを変更することはできないので、コン トロールポイント自体を付け直していました。ベクタの場合は、状況に もよりますが、外部データの座標情報をマニュアルで修正したり、「サ ポート」>「メンテナンス」>「プロジェクト(.RVC)ファイル」メニュー を使って、ジオリファレンス・サブオブジェクトを一度削除して、暗示 的ジオリファレンス(Impiled georeference)を付け直す、といったこと をして対処しています。 ・・・ 「座標参照系」についての英文資料(マイクロイメージ社) < TNT入門 > ● Coordinate Reference Systems (座標参照系)
http://www.microimages.com/getstart/pdf/CoordRef.pdf < 図版 > ● Spatial Referencing in TNT (TNT製品での空間参照の考え方)
http://www.microimages.com/documentation/cplates/70spatref.pdf ● Coordinate Reference System Window (座標参照系ウィンドウ)
http://www.microimages.com/documentation/cplates/70crswin.pdf ● Predefined Coordinate Reference Systems (定義済み座標参照系)
http://www.microimages.com/documentation/cplates/70predefCRS.pdf UTMなど、定義済みの座標系について説明があります。 ● Predefined Coordinate Systems Requiring Datum Selection (測地系の選択が必要な定義済み座標参照系)
http://www.microimages.com/documentation/cplates/70predefDatum.pdf ● Private Coordinate Reference System Setup (ユーザ定義による座 標参照系の設定)
http://www.microimages.com/documentation/cplates/70customCRS.pdf 定義済みにない座標参照系の定義について。"ユーザ定義"は、V6.9以前 では User-defined ですが、V7.0以降は PrivateあるいはCustom と呼 ばれています。 エラー・バグ・トラブル x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x ■ V7.1でDXFファイルを読み込もうとすると、次のエラーメッセージが 出ます[マイクロイメージ社エラー番号:jpr8314E]。 Illegal object type specified Error code = -2036 TNT Version: 7.1 < 対処法 > 申し訳ありませんが、V7.0またはV7.1の「Import/Export(legacy)」 (=V7.0)をお使いください。 ■ V7.0でDXFファイルをCADでインポートする際、「オブジェクトの中の レイヤを分離」オプションを使うと、処理は正常終了しますが、何もデ ータが出来ません[エラー番号:dmd8398E] < 対処法 > 申し訳ありませんが、V6.9 をお使いください。 x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x □■Tips□■ =============================================================== [ジオツールボックス]のプロファイル(断面)表示機能は、DEMラスタ を使って地形断面を表示するのによく使われます。ポイントツールを使 うと、複数ラスタのDN値の串刺し表示も可能です。 ▼ ラスタを表示して、表示ウィンドウの[ジオツールボックス(測定/ス ケッチ)] ボタンを押します。
▼「ジオツールボックス」ウィンドウで、[ポイント] ボタンを押します。
▼ [プロファイル(断面)ビューを開く...] ボタンを押します。
▼「断面(プロファイル)表示ウィンドウ」で[開く...] ボタンを押し、 複数のラスタを選択します。
▼ 画像上でマウスボタンをクリックします。その場所における複数ラス タのDN値が串刺しされて表示されます。
================================================================ ◆◇ ご 案 内 ◆◇ .................................................................. マイクロイメージ社は、V6.9で提供されたGlobal Dataset DVD(スケール 1:1,000,000)の追加データとして、アジア・ユーラシア地域の植生デー タ(Vmap0 2000)を準備中です。V6.9のGlobal Dataset DVD に入っている 植生データは、アメリカが対象エリアでした。このデータは今後リリー スされる予定です。 < V6.9 グローバルデータセットの解説 >
http://www.microimages.com/documentation/cplates/69globaldata.pdf < アジア地域の植生データセット・画面例 >
.................................................................. ■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■ 現在の Ver 7.1 の価格は ・TNTmips シングルライセンス 827,400円(送料・税込) ・年間バージョンアップ(2回分) 136,500円(税込) ・年間テクニカルサポート 94,500円(税込) ご不明の点などありましたら、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 困ったときの問題解決フローチャート ▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」 ▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」 ▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」 ▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 ▼STEP5「テクニカルサポート」 STEP1 「ウェブ検索テクニック」 ▽オープンGIS検索システム
http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi ▽メールマガジン検索システム
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi ▽マイクロイメージ検索サイト
http://www.microimages.com/search/ ▽Google 検索
http://www.google.co.jp/ とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける) を使いこなすと、便利です! STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語] STEP3 「ドキュメントを読んでみる」 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語] ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語] ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
http://www.microimages.com/didyouknow/ ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
http://www.microimages.com/getstart/ [英文] ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
http://www.microimages.com/refman/ STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 メーリングリストに参加されたい方は、 info@opengis.co.jp までご連絡ください。 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。 STEP5「テクニカルサポート」 テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が半年過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。 >サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 50MB まで利用できます。 >サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。 >サービスその9:現在計画中です... ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、 TNTmipsに関わる新しいニュースを、 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================