Subject: [ts-mag:00002] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 207号】
Date: Sat, 02 Jul 2005 23:11:27 +0900
From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2005/07/01
Keywords:OpenGIS,TNTmips,MailMagazine,GeoTIFF,Affine,6-parameter


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第207号「 GeoTIFF 出力 と ア フ ィ ン 変換(2)」
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                       株式会社 オープンGIS



1週間お待たせしました。GeoTIFF出力の際の「左上隅のジオリファレン
スとセルサイズを出力」ボタンの役割について解説します。






・・・



まずは先週作成したテストデータのおさらいです。

作成したラスタは、100行 x 100列 の正方形のラスタで、その上にAと
いう文字を書きました。一辺の長さは 50km になるように座標付け(ジオ
リファレンス)しました。




1)セルサイズ:
セルサイズは、行、列とも 50km / 100 = 500m です。これは、2次元グ
ループの表示で、[操作ツール]ボタンから「範囲」メニューを選んでも
分かります。






2)座標系:
与えた座標系は、" UTM座標(ゾーン53)/測地系JGD2000 " でした。




X 方向に、"+50万メートル(=500km)" の"げた"をはかせました。

先ほどと同様、「オブジェクトの範囲」に記載があります。






さて、本論に進みます。

▼ メインメニューから「解析処理」>「インポート/エクスポート」
を選びます。今回は、V7.0を使いました。

▼ 「オブジェクトの種類」を"ラスタ"、「操作」を"出力(エクスポート
)"にします。「利用可能なフォーマット」から"GEOTIFF"を選びます。
[出力(エクスポート)...]ボタンを押します。




▼ テストデータを選びます。

A)まずは、「左上隅のジオリファレンスとセルサイズを出力」ボタン
を押さないで出力してみましょう。




▼ [出力(エクスポート)]ボタンを押します。

▼ 出力ファイル名を指定したら実行です。デスクトップ上にGeoTIFF
ファイルが出来ました。



結果を TNTmips で確認します。


▼ メインメニューから「表示」>「空間データ」を選び、「2次元グル
ープの新規作成」を選択します。テストデータを表示します。

▼ 次に、出力したGeoTFFファイルも表示します。RVCファイルにイン
ポートしなくても直接表示できます。

両者は重なります。GeoTFFファイルの「オブジェクトの範囲」ウィンド
ウを見ると、




テストデータと同じ"セルサイズ"、"座標系"、"座標値の範囲"を持って
いることが分かります。
(テストデータの「オブジェクトの範囲」ウィンドウ)





B)次に、「左上隅のジオリファレンスとセルサイズを出力」ボタンを
押して出力しました。




同じように、GeoTIFFファイルが出力されました。




▼ 同じく、TNTmips の2次元グループで表示してみます。GeoTIFFファ
イルを直接選択、表示します。この場合は、"セルサイズ"、"座標系"は
同じですが、"四隅の座標値"が違っています。





分かりやすいように、座標系の向きに表示し直してみました。

▼「グループコントロール」ウィンドウで、「グループ」>「投影法/切
り抜き表示...」メニューを選びます。

▼「自動マッチング」を「なし」に換えます。[投影法]ボタンを押して、
先ほどの”JGD2000 / UTM zone 53N (CM 135E)”を選びます。[再描画]
ボタンを押します。




GeoTIFF画像は、元画像の左上隅を中心にして、座標軸方向に向きを変え
てしまいました。


・・


地図座標と画像の装置座標(ライン、カラムのこと)は、以下の関係式で
表されます。

    X = a1 x i + a2 x j + a3 
    Y = a4 x i + a5 x j + a6 

これは、一般的なアフィン(Affine)変換の式です。

(X, Y)は、地図座標を表します。今回の例では、" UTM座標(ゾーン53)/
測地系JGD2000 " です。単位はメートルです。X は右向きが正、Y は上
向きが正です。

(i, j)は、画像のライン(行)、カラム(列)です。単位はピクセルです。
左上隅が原点で、ラインは下向き、カラムは右向きが正です。

i, j の係数である a1, a2, a4, a5 は「回転」を表します。a3, a6は、
画像の左上隅(i = j = 0)の地図座標を表します。

A)の、ボタンを押さない場合、出力したGeoTIFF画像は、元の画像と同
じ"セルサイズ"、"座標系"、"座標値"を持ちました。これは、GeoTIFF 
画像内のタグ情報に、回転部分を含めて、上の6個の係数値が正しく記述
されているからと考えられます。元の画像が地図座標に対して回転して
いても、ファイル内に保持している6個のパラメータから、地図座標が正
しく計算され、その結果、正しい位置に表示されます。


他方、B)の、ボタンを押す場合、
使用しているアフィン変換の式が、上式ではなく、座標軸の方向とライ
ン、カラムの方向が平行であるような、次のような特別な形を想定して
いるようです:

    X =         a2 x j + a3 
    Y = a4 x i         + a6 

GeoTIFFファイル内のタグには、強制的に a1, a5 = 0 と置かれ、a2
と a4 にはカラムとライン方向のセルサイズ(この場合、500m)が、また
a3とa6には左上隅の座標が代入されます。そのため、出力したGeoTIFF
画像は、座標軸の向きに平行に表示されてしまいます。






・・・



< 結論 >

ラスタをGeoTIFF形式で出力する時の「左上隅のジオリファレンスとセル
サイズを出力」ボタンの役割について調べました。





1)現状(V7.0)では、ボタンを押さないと、一般的なアフィン変換の式
の6個の係数がGeoTIFFファイル内のタグに書き込まれます。

2)他方、ボタンを押すと、4係数の変換式の形で書き込まれます(a1, 
a5 は 0)。その際、出力されたGeoTIFF画像は原画像がどうであれ、座標
軸に平行になります。

3)6係数の場合は、4係数の場合を含んでいるので、通常は「ボタン
を押さないで使用する」方が無難であると考えられます。


●ボタンを押してはいけない場合...
	画像が座標系の中で任意の方向を向いている(平行でない)場合。

●ボタンを押さないといけない場合...
	特に見当たりません。あるとすれば、画像の地図座標をどうしても
4個の係数のみで表現したい時。この時は、あらかじめ画像を座標系の
向きにリサンプル(幾何補正)しておくのは言うまでもありません。







エラー・バグ・トラブル
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既存DEMを使って航空写真のオルソ補正をしようとすると、「RMSエラー
が大きい」というメッセージが出ます。




RMSエラーが小さくなるようにコントロールポイントを調整しても、「入
力ラスタがDEMと重なっていない」などのメッセージが出ます。




オルソ画像が出来たとしても、元写真の一部しかオルソ化されない等、
複数のユーザさまから障害報告が上がっています。現在、データをマイ
クロイメージ社に送り、調査中です。申し訳ありませんが、解決まで今
しばらくお待ちください。

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◆◇ TNT製品V7.1をご注文された方へ ◆◇
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TNTmips V7.1 RV(リリースバージョン)が、6月中旬、マイクロイメージ
社のウェブサイトからダウンロードが開始されました。

V7.1リリース前にご注文されている方は、ソフトウエアをダウンロード
すれば、そのままご使用になれます。リリース後にご注文の方は、イン
ストール用の16桁の認証コードがマイクロイメージ社から来ますので、
インストール時に入力します。


V7.1のソフトウエアは、以下のサイトからダウンロードできます。

 http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/v71release.htm

< Full Version >  プログラムのほか、オンラインマニュアルと自習
書のPDF書類、メニューを日本語等に変更するための言語(全言語)パッケ
ージを含みます。サンプルデータは含みません。

< Minimum Version >  プログラムのみ。サンプルデータも含みません。

どちらかを選択してダウンロードしてお使いください。


オンラインマニュアルなどは、後で、以下のサイトからも個別にダウン
ロード可能です。

○オンラインマニュアル:
 http://www.microimages.com/documentation/
の「Online Reference Manual」をクリックします。

○自習書(Tutorial):
 http://www.microimages.com/documentation/
の「Tutorials」をクリックします。

○サンプルデータ:
 http://www.microimages.com/data/

○言語パッケージ:
 http://www.microimages.com/i18n/locales/

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なお、TNTmips Ver.2005:71の「DVD および印刷物」でのご提供は、
本年8月位を予定しています。ユーザ登録先の住所に米国から直送され
ます。申し訳ありませんが、それまで今しばらくお待ち下さい。

インストールガイドは現在準備中です。インストールの手順はV7.0と同
じですので、V7.0のガイドをご参照ください。
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm

V7.1の新機能紹介は、英文ですが、以下のページでご覧になれます。
 http://www.microimages.com/featupd/v71.htm

翻訳は出来次第、弊社ホームページにてご紹介します。


不明点がございましたら、お気軽にご連絡下さい。
何卒よろしくお願い致します。

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今週の話題 / メーリングリスト
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 特にありませんでした。


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 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 利用されています。




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・TNTmips シングルライセンス 827,400円(送料・税込)
・年間バージョンアップ(2回分) 136,500円(税込)
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ご不明の点などありましたら、
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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
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 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
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>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
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>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
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>サービスその9:現在計画中です...





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