Subject: [ts-mag:00214] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 203号】
Date: Mon, 06 Jun 2005 00:28:47 +0900
From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2005/06/03
Keywords:OpenGIS,TNTmips,MailMagazine,Raster,Statistics,Polygon


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第203号「  ラ ス タ の 統 計 量 を 見 る (2) 」
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                            株式会社 オープンGIS



先週に続き、ラスタデータの基本的な統計量の求め方について紹介しま
す。


先週は、以下の操作法について説明しました。

<基本操作1> ラスタ全体のヒストグラムを表示する【表示メニュー】

<基本操作2> ヒストグラム情報に直接アクセスする【サポート】

<基本操作3> ラスタ内のある範囲の統計量を見る【表示】

<基本操作4> 複数ラスタの串刺しによる統計量の計算【解析処理】

基本操作3の応用編として、”リージョン”を使って、教師データの頻
度分布を調べる方法についても紹介しました。


今週は、ラスタデータにベクタデータを重ねて、ポリゴン毎にラスタの
統計量を求める方法を紹介します。



・・・



<基本操作5> ポリゴンによるラスタの集計【解析処理】

▼「解析処理」>「ベクタ」>「属性」>「ラスタの集計...」を
選びます。





1)まずはデフォルトのまま、実行してみましょう。

▼ [ラスタ(複数)...]ボタンを押し、集計対象のラスタを選びます。
ここでは分類画像を選びました。1

▼ [ベクタ]ボタンを押して、集計するポリゴンベクタを選びます。2

▼ [実行]ボタンを押します。3




▼「ラスタ統計データベーステーブル」ウィンドウが開きます。[OK]ボ
タンを押します。




▽ 実行が終了すると、「プロセスステータス」ウィンドウが出ます。



(この時間には、OKボタンを押すまでに待たせた時間も含んでいます。
lite用の小さなデータなので処理は瞬時に終わっています)。
[OK]ボタンで閉じます。


さて結果を見てみましょう。

▼「レイヤコントロール」ウィンドウで、ベクタレイヤの[詳細を表示]
ボタンを押します。

▼ ポリゴン行の[テーブルの表示]ボタンを押します。

▽ ポリゴンのテーブルが表示されます。先ほど「ラスタ統計データベー
ステーブル」ウィンドウに示されたテーブルが出来ています。




▼ テーブルの先頭のボタンを押して、開きます。

▼ [すべてのレコードを表示]ボタンを押します。




▼今3個のポリゴンがありますので、レコードも3個出来ます。




ポリゴンとの関係が即座にわかりませんが、ポリゴンをクリックすると、
対応するレコードの先頭に赤丸が付きます。あるいは、レコードの前の
[レコードを選択]ボックスにチェックを入れて、その上左端の[排他(置
き換え)]ボタンを押すと、対応するポリゴンが検索されて、赤く強調表
示されます。




テーブルには、各ポリゴンに対する統計量が示されています。
	
	Min...  対応するポリゴンに対する最小値
	Max...			〃				最大値
	Mean...			〃				平均値
	Mode...			〃				最頻値
	Median...		〃				中央値(中位数)
	StdDev...		〃				標準偏差
	CellCount...	〃				セル数
	NormalizeFactor...		〃		正規化ファクタ(※)

※NormalizeFactorは、Meanの単純平均を、各Meanで割ったものです。何
かの指標と思われます。参考のため、ラスタ全体の統計量は




なお、以上の統計量は、ラスタのデータタイプが8-bit、16-bitを問わず、
計算されます。


・・


さて、オプションメニューやラジオボタンなどについて説明しましょう。

2)「境界のセル」オプション

このオプションには4つの選択肢があります。



	
	1.部分的に内側なら含む(デフォルト)
	2.面積の大きい方を含む
	3.比例配分計算
	4.部分的に飛び出していたら除外


通常、ポリゴンの境界線はセルの上を走っています。




1は、セルが境界線の両側のポリゴンで1回ずつカウントされます。見
かけ上、合計のセル数は増えます。

2は、含まれるセルの面積が一番大きいポリゴンで1個、他のポリゴン
では0個とカウントします。

3は、セルを面積に応じて比例配分します。

4は、セルが境界線にまたがっていたら両方のポリゴンでカウントしま
せん。


3)「ポリゴンごとにヒストグラムを計算」オプション

このラジオボタンを押すと、先ほどの統計量の他に、ポリゴン毎のヒス
トグラムも計算してくれます。

▼ このボタンを押して、[実行]ボタンを押す。

▼ 先ほどの、「ラスタ統計データベーステーブル」のほかに、「ポリゴ
ンヒストグラムデータベーステーブル」ウィンドウが出ます。



[OK]ボタンを押します。処理が実行されます。


▽ 今度は、先ほどのCLS_MAXLIKEテーブルのほかに、POLYHISTOテーブル
が出来ます。




▼「表示」ウィンドウでポリゴンをクリックすると、対応するレコード
の先頭の赤丸が点灯します。




	Cell...  	セル値
	Count...	対応するポリゴンに対するセル数
	Area...		対応する面積(※)

※Areaは、ラスタのジオリファレンスから決まるセルサイズを使って計
算されています。

☆注意点

16-bitのDEM(標高)データに対しては、このオプションはかすれて押せま
せん。つまりPOLYHISTOテーブルを作ることができません。計算量が増え
るからでしょうか。かなり前からマイクロイメージ社に機能要求してい
ますが、今のところサポートされていません。

ポリゴン内の16-bitラスタの統計量を求めたいときは、前回の<基本操作
3>の応用で紹介した”リージョン”を利用してください。選択したポリ
ゴンに対応するリージョンを作成し、「ヒストグラムの更新」を行いま
す。


4)「島状ポリゴンを含む」オプション

”島状ポリゴン”とは、他のポリゴンの内部に含まれるポリゴンのこと
です。また”島ポリゴン”の周囲のポリゴンのことを、”ドーナツポリ
ゴン”ということがあります。




このオプションを使うと、島ポリゴンについても統計量は計算されます
が、ドーナツポリゴンの統計量には島ポリゴンの統計量が加算されます。



<基本操作6> カテゴリラスタによるラスタの集計【解析処理】

「ラスタの集計」ウィンドウには、「ベクタ」タブのほかに、「ラスタ」
タブがあります。

ベクタの代わりに、カテゴリラスタを使って、ラスタ同士の集計をする
ことができます。この話題については、前にメールマガジンで触れてい
ますので、そちらをご覧ください。

【 第161号 】「こ ん な と こ ろ に 、ラ ス タ の 機 能 . . . 」
 http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_161.htm


注意点としては、カテゴリラスタを選ぶ際、「オブジェクトは現在の処
理では使用できません」というメッセージが出ることがあります。




このエラーは、リサンプル(参照ラスタを利用)して、集計するラスタと
カテゴリラスタを同じラスタサイズにすれば、出なくなります。



・・・



以上です。






エラー・バグ・トラブル
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今週は、ラスタの集計の方法について紹介しましたが、Mipsにはベクタ
同士の集計機能もあります。メニューは、「解析処理」>「ベクタ」>「
属性」>「ポリゴンの集計...」メニュー です。




TNTmips V7.0で、保存先ポリゴンにPERCENTAGEテーブルが出来ないエラ
ーが見つかりました。[エラー番号:PAT2363E]

<対処法>
申し訳ありませんが、修正されるまでV6.9をお使いください。

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□■Tips□■
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データ量(密度)の大きなベクタを表示しようとすると、こんなウィンド
ウが出ることがあります。




これはエラーではありません。表示しようとしているベクタオブジェク
トの図形密度が高く、全体表示すると時間がかかりそうな場合、このよ
うなメッセージを出すようです。このときは、

1.レイヤ追加を中止する場合は、1番目

2.全体表示を強行する場合は、	2番目

3.指定した縮尺範囲の時のみ表示する場合は	3番目

4.非表示の状態でレイヤ追加する場合は、	4番目

を選んで、[OK]ボタンを押してください。
3を選んだ場合は、追加後、「表示」ウィンドウには何も表示されませ
ん。[ズームボックス]などで拡大するとベクタが表示されてきます。

=================================================================




◆◇ ご 案 内 ◆◇
..................................................................

TNTmips V7.1 RV(リリースバージョン)は、6月末にマイクロイメージ社
のウェブサイトからダウンロードが開始される予定です。

先週くらいからFAXで、V7.1へのバージョンアップの案内がマイクロイメ
ージ社から各ユーザ様に届いています。内容について、ご不明の点がご
ざいましたら、ご遠慮なく弊社までお問い合わせください。

メールあて先:	info@opengis.co.jp  輪座まで
電話:	(03)3623-2851
FAX :	(03)3623-3025

..................................................................




今週の話題 / メーリングリスト
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 特にありませんでした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 メーリングリストに参加されたい方は、
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 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 利用されています。




■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■

現在の ver7.0 の価格は 

・TNTmips シングルライセンス 827,400円(送料・税込)
・年間バージョンアップ(2回分) 136,500円(税込)
・年間テクニカルサポート 94,500円(税込)

ご不明の点などありましたら、
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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
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 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
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>サービスその3:対応は最優先で行います。
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>サービスその9:現在計画中です...





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