Subject: [ts-mag:00181] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 171号】
    Date: Sat, 09 Oct 2004 00:57:47 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2004/10/08
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Watershed,FlowAccumulation,Query,Contains


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第171号「  水 が 溜 ま れ ば 川 と な る . . .   」
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                       株式会社 オープンGIS




秋雨が続き、どこに行くにも傘が手放せませんね。


些細なことですが、水溜りの位置を避けながら歩くと、普段は気にならな
い微小な凸凹が目に付き、水は低きところへ移動し、行き場を失うと溜ま
るという現象をじーっと眺めてしまいます。

そんな水の動きを、TNTmips はシミュレーションすることができます。水
がどっちへ流れ、どこで川が出来るのか? その流量は? 今週は雨が降
った後の水の動きについて考えてみましょう。


●


低きところへ水は流れる...

ということは、雨が降り、その水が移動していく方向は、傾斜方位に依存
します。地形がどちら側に傾いているか、それが重要なのです。そこで登
場するのが標高データ(DEM)。 流水解析を行う上で標高データは欠か
すことの出来ない重要なデータです。


標高データを手に入れましたら、早速、流水解析を実行してみましょう!

▽メインメニュ−より [解析処理]>[ラスタ]>[高さ]>[流水解析...]
 を実行。

 <流水解析>ウィンドウの [オブジェクトの入力...]ボタンをクリック。

▽対象地域の標高データ(DEM)を選択。

 <流水解析>ウィンドウの[実行]ボタンをクリックすると処理が始まり
 ます。

■しばらくすると、このように解析結果が表示されます!

 



たったこれだけで、なにやら複雑な計算が行われてしまいます。

青いラインが、計算によって求められた河川。黄色いラインが抽出された
盆地地形の境界線。ひとまずはそれらしい結果が得られましたね。


●


ここまで TNTmips にまかせっきりだと、さすがに面白味がありません。
そこで、一体何が起きているのか、少し確認してみましょう。


流水処理の最初は、水の移動方向を求めています。

出力結果のうち傾斜方位のラスタ(FLOW_DIR)を見てみましょう。
8方位(北東:1、東:2、...北西:7、北:8)という数値で出力されます。
この向きが水の移動する方向です。
方位ごとに色付けをしますと、結構鮮やかな絵になりますね。

 


流水方向の矢印を追加するとこんな具合です。

 



次に、TNTmips は累積流量(FLOW_ACCUM)を計算しています。
累積流量とは、1ピクセルを流量1として、流水方向のピクセルへ移動
した場合の合計流量。この値に色をつけるだけだけでも、なんとなく川
の抽出ができそうです。

 


遠くから見ると良くわかりませんので、もっと近づいて見てみましょう。
例えば、流水方向の矢印と累積流量の値を表示してみますとこうなります。

 


青い線が、流水処理で発生した河川のラインですが、まだこれだけでは、
一体何をしているのかよくわかりませんね。

累積流量の値は最初は0です。自分自身は流量1を持っていますが、外
から入ってくる流量としてみると、0なんです。ですので、0と0のピ
クセルが同じピクセルに移動するとようやく2となります。0+0=2
と考えますと混乱しますので、自分自身の流量を加味して、
(0+1)+(0+1)=2 と考えるとしっくりきます。

もう一度、先ほどの拡大図を見てみましょう。今度は河川ラインの出発
点である累積流量44のピクセルに注目してください。

 


このピクセルは、周囲3ピクセルから水が流れ込んでいます。
(1+1)+(13+1)+(27+1)=44 ですね。

少しずつ少しずつ、水が溜まって溜まって、地表面で吸収できない量の
水が溜まると川が発生します。


●


いかがでしょうか。 ここで、疑問が生じるかもしれません。

「何故、44のピクセルで河川が発生しているのかがよくわからない!」

累積流量が27とか、13では河川が発生しないのに、44では河川が
発生する理由。確かによくわかりません。 実は TNTmips 自身もよくわ
かっていません(笑)。

どういうことかと言いますと、ある累積流量で河川が発生するかどうかは、
ユーザ側が決めるからです。 具体的に <流水解析>ウィンドウの [流路
と盆地]タブ内にあります、入り江(この翻訳はおかしいですね...)の値を
超えると、河川が発生する仕組みです。

 


今回は、デフォルト設定が累積流量32となっていましたので、32を
超えた値である44ピクセルから河川ラインが発生したというわけですの
で、しきい値を小さく設定することで、もう少し細かい河川を発生させる
ことも可能です。


●


川を作るも、作らないもユーザー次第。

これがシミュレーションの怖さでもあります。

乗り切るにはやっぱり現場の情報が必要不可欠。




胴長と測定器を持っていざフィールドへ!!

くれぐれも川に流されないように...









今週の過去プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" 便利な属性検索テクニックを一つ。
"
"
" キーワードでポリゴンやポイントを検索したい!
"
" そんなときは、<グループコントロール>ウィンドウを手前にします。
"
" ▼対象ベクタレイヤの[詳細を表示](青矢印)マークをクリックして、
"  下に向けます。
"
" ▼選択したいエレメント行(ポイントやライン、ポリゴンなど)の右あ
"  る [選択/非選択] ボタンをクリック。
"
" ▼登場するメニューの [クエリによる選択] を選択。
"
" ■<クエリによる選択>ウィンドウ内に
"   テーブル名.フィールド名 contains "キーワード"
"  と記載して [適用] ボタンをクリック!
" 
" 
"
" これで "キーワード" を含むレコードがすべて選択されるんです。
" 一度お試しあれ。"
"
" (メルマガ第68号を改良)
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
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=
= 第165号「複数ファイル選択の不具合を解消!」 【メルマガ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_165.htm
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= 最近、新しいページが増えてないですね。来週はがんばります!
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昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を
今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!!

同時に、TNTlite の日本語解説セットも、オープンGIS 独自パッチや、
北海道地図さんの GISMAPTerrain サンプルデータと共にリリースしました。

詳しい内容はこちらをご覧ください。
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バグ・トラブル情報
???
???
??? フローティングライセンスサーバー上でTNTmipsを起動したい!
???
??? ライセンスを管理するだけのマシンを用意するのがもったいない
??? とか、いろいろ制約のなかでフローティングライセンスサーバを
??? 利用される方がいらっしゃると思います。
???
??? 通常はフローティングライセンスサーバでの TNTmips 実行は
??? 想定されていませんが、実際に実行するとシングルライセンスと
??? フローティングライセンスがバッティングしまして、エラーメッ
??? セージが現れます。
???
???
??? そんなときは以下の方法で対応可能です。
???
??? 対処法その1:
??? フローティングライセンスマネージャを停止し、
??? シングルライセンスとしてTNTmipsを起動する。
???
??? 対処法その2:
??? シングルライセンスの利用を停止し、
??? フローティングライセンスサーバとしてクライアント側で
??? TNTmipsを起動できるようにする。
???
???
??? 両方同時はできませんのでご注意ください。
???
???
???





今週の話題 on メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~ 今週は特にありませんでした。
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 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。






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普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。

わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。


STEP5「テクニカルサポート」
 テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス







############# このメールマガジンの配信について ################

このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。

1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。



また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が半年過ぎたとお考えください。



転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。



テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:現在計画中です...



「これで年間9万円は安い!!」と感じていただけるような
サービスを提供していきたいと考えております。

よろしくお願いいたします。




============ おことわり =============

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 TNTmipsに関わる新しいニュースを、
 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。

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