Subject: [ts-mag:00130] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 122号】
    Date: Mon, 27 Oct 2003 07:49:40 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2003/10/24
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Vector to Raster,Copy&Paste,Search


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第122号「 ラ ス タ ラ イ ズ の 精 度 が 上 が り ま し た !!  」
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                       株式会社 オープンGIS



ベクラス ヘンカン...??

日本人は言葉を略するのが好きですが、この略語はちょっとマニアック。
いったいなんの事かといいますと、ベクター to ラスター変換のこと。

線やポリゴンなどで構成されるベクタデータを、ラスタデータつまり画像
へと変換する処理のことです。よく「ラスタライズ」とも呼ばれます。
データの構造が変われば、扱える処理もまた変わってきます。必要に応じ
て、自在にデータを変換できるテクニックを身に付けると、ぐぐっと TNT
mips の利用価値が上がってきます。

今週はこの、ベクラス変換をご紹介しましょう。


●


【具体的な作業方法】

まずは、変換前のデータを見てみましょう。
サンプルデータとして、このようなポリゴンベクタを作ってみました。
7つのポリゴンで構成され、それぞれ 10〜70 という整数値の属性を
つけてあります。




早速変換作業ですが、

▽メインメニューより Process/Convert/Vector to Raster...
 を選択実行します。

 


▽Vector to Raster Conversion ウィンドウが現れましたら、
 Input Vector... ボタンを押して、ポリゴンベクタを選択しましょう。

 


▽続いて、今回はポリゴンだけを変換対象にしますので、それぞれ Points
 タブ、Line タブへ移動し、Process:欄を None に切り替えます(ポイント
 データがない場合は、タブ自身が選択できませんね)。

▽Polygons タブへ移動し、Process:欄を All、Value:欄を By Attributes
 に切り替えます。

▽Value:欄右横の Specify... ボタンを押しまして、ラスタの値として
 出力する属性フィールドをテーブル名とともに選択します。

 


▽再び、Vector to Raster Conversion ウィンドウに戻り、Data Type:欄
 を 8-bit unsigned integer など、選択した属性に合うデータタイプに
 切り替えます。

 


▽最後に、Cell Size もしくは、Raster Size を指定して準備完了です。
 何か別のラスタにピッタリ合わせたい場合は、Use reference raster
 トグルボタンを押して、参照用ラスタを指定しても良いかと思います。

▽Run... ボタンを押しますと、変換先を聞いてきますので、ラスタオブ
 ジェクトを指定してください。これで処理が実行されます。

■サンプルデータのベクラス変換の結果はこのようなラスタになりました。



それぞれのポリゴンが持っていました 10,20,30,…,70 という値が、ラス
タとして出力されています。そのままでは、モノクロ画像かと思いますの
で、必要に応じて、カラーパレットに色付けを行ってくださいね。


●


【どんなメリットがあるの?】

ベクタからラスタへ変換すると、いったいどんなメリットがあるのでしょ
うか。重要なことは、ピクセルに変換されるということ。

 例えば、ラスタデータにすることで、ピクセルという単位に統一されま
すので非常に集計しやすくなります。統計処理を行うならば、ラスタ型の
方が考えやすいのです。 また、既に決まった大きさのピクセルサイズに
統一することで、同じサイズのラスタと比較がしやすくなります。 さら
にベクタのままですと、各ポリゴンの境界は明確にラインとして表現され
ますので、いくら小縮尺、つまり拡大しても境界はずっとはっきりしてい
ます。ところが、ラスタに変換することで、その境界を拡大していきます
と、ピクセルのギザギザを視覚的に捉えることができます。これは、逆に、
ラスタデータが持っている空間解像度を視覚的に捕らえられることになり
ます。ピクセルよりも細かな単位の空間情報はほとんどわかりません。ベ
クタデータのままでは、このような空間解像度の情報が視覚的には伝わり
にくいのです。

ベクタとラスタはそれぞれ利点欠点がありますので、必要に応じて使い分
けられるのが理想的です。ベクラス変換の利点をまとめてみますと...

(1)集計がしやすい
(2)他のラスタデータと比較しやすい
(3)空間解像度が視覚的に伝わりやすい

ということになります。


●


【ver6.8 では、精度が良くなっています】

実は、ver6.7以前と ver6.8以降で、このベクラス変換が少し違います。
というのも、変換後のラスタを変換前のベクタと重ねながら全体を見る
と、それほどズレていないように見えますが...




TNTmips ver6.7 での変換結果を拡大してみると...
このように、1ピクセル程度でありますが、ポリゴン境界とピクセルの
振り分けにズレや隙間(黒いところ)が見られます。




一方で TNTmips ver6.8 での変換結果を拡大してみると...
ver6.7 よりもより正確に、隙間も発生せず変換されていますね。




1ピクセルのズレも許さないという場合は、より変換精度の上がった
TNTmips ver6.8 を是非お使いください。

これで、ベクラス ヘンカンと言われても、ピンときますね。
もちろん、ラスベク ヘンカンも... もう何のことかわかりますね。






今週の過去プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" ちょっと横着をしてコピーを...
"
" TNTmips の各ウィンドウで表示される様々な文字情報。
" これらをちょっとコピーしたい場合、マウスカーソルをドラッグしな
" がら範囲選択することができます(中には選択できない情報もあります)。
" あとは、右クリックして Copy を選択すれば、クリップボードに文字
" 情報がコピーされます。あとは、貼り付けたい場所で右クリックをし
" て、Paste を選ぶだけ。
"
" Windows の場合は、ワードパッドやメモ帳にそのまま貼り付けること
" もできます!! もちろん日本語にも対応!!
"
" Macintosh の場合、今のところ(X11 Beta3)別のアプリケーションへは
" 対応しておりません。
"
" 注意点はショートカット。ついつい Cut/Copy/Paste を Ctrl+x/Ctrl+c/
" Ctrl+v と打ちたくなりますが、TNTmips の場合は Ctrl+Del/Ctrl+Ins/
" Shift+Ins と独特です!!
"
" (プチテクニック第40号を改良)
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
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=
= キーワードを更新しました 【OpenGIS 検索システム】
= http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
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??? 今週は、トラブルの検証などが間に合いませんでした。
??? 来週までには、きっちり調査しましてご報告いたします。
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~ 今週は特にありませんでした。
~
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