Subject: [ts-mag:00095] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 88号】
    Date: Fri, 28 Feb 2003 21:36:07 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users       2003/2/28
Keywords: OpenGIS,TNTmips,SpatialFilter,Matrix,ReadOnly,Search,SML


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第88号「   マ ト リ ッ ク ス を 置 き 換 え ろ ! !  」
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                       株式会社 オープンGIS





画像処理の機能として、「空間フィルタ」という考え方があります。

大きなラスタ画像の一部分(例えば 3×3)を窓領域として、集計したり、
平均値を求めて画像のノイズを除去するなど、いろいろな画像の補正や
強調を行うことができる便利な機能です。


ただ、そのパラメータの与え方などは、千差万別でなかなかわかりにくい。

そこで、メルマガ第49号(2002/5/24)の「多数決処理」に引き続き、
今週はこの「空間フィルタ」の一般的な使い方についてご紹介します。


●


まず、そもそも、TNTmips ではどこにそんな機能があるの? といいます
と、メインメニューより、Process/Raster/Filter/Spatial Filter... を
選択します。





そして、まずは、空間フィルタをかけるラスタデータを指定します。
今回はサンプルデータとして、このようなデータを予め作ってみました。

縦5行×横5列の小さなラスタデータです。

  0   0   0   0   0
  0  10  20  10   0
  0  10  20  10   0
  0  10  20  10   0
  0   0   0   0   0




このラスタデータを、Raster Spatial Filtering ウィンドウの Rasters
ボタンを押して、選択しましょう。


●


次に 真ん中あたりにあります、Class: 欄を General に、Type: 欄を
Low Pass/Average にセットします。これでほとんど準備は完了です。
あとは、下にあります3×3のマトリクスに数字を入れていきます。

この数字がどんな意味を持つのか?
それが今週号のメルマガで一番伝えたい内容なのです。

とまあ、言いましても、具体的に使ってみるのが一番わかりやすいです。
まずは下のように、すべてのマトリクスに 1 を入れて Filter/Run...
と実行してみましょう。

1 1 1
1 1 1
1 1 1




結果は、こうなります。

  1   3   4   3   1
  2   7   9   7   2
  3  10  13  10   3
  2   7   9   7   2
  1   3   4   3   1




何が起きたかといいますと、3×3の窓枠が、画像を構成する各ピクセル
ごとに、それぞれを中心となるよう動いていきます。

そして、その枠内のピクセル値を吸い取り、先ほど入力したマトリクスに
従って計算を行います。

例えば、一番真ん中のピクセル(元データは 20)を例に考えてみますと、
20 を中心とする 3×3の窓枠 には

10  20  10
10  20  10
10  20  10

という値が抽出できます。

これにマトリクスとして指定した

1 1 1
1 1 1
1 1 1

をかけていき合算。最後にマトリクスの合計値で割ります。
1行で書くと、
(10×1+20×1+10×1+10×1+20×1+10×1+10×1+20×1+10×1) / 9 = 13.333

値は整数値で保存されますので、四捨五入されて、13 と求められます。

この計算の結果、画像は平滑化処理が行われ、処理前と比較して、より
のっぺりとした絵になるのです。


●


同じように、今度は、マトリクスを次のように変えてみましょう。

0 1 0
1 0 1
0 1 0




この空間フィルタ・マトリクスで計算すると、このようになります。

  0   2   5   2   0
  2   8  10   8   2
  2  10  15  10   2
  2   8  10   8   2
  0   2   5   2   0




また、真ん中の 20 という値を中心として、考えてみましょう。

10  20  10
10  20  10
10  20  10

に対して、

0 1 0
1 0 1
0 1 0

をかけますので

(10×0+20×1+10×0+10×1+20×0+10×1+10×0+20×1+10×0) / 4 = 15


●


しつこいようですが、もう一度。
最後は、このようなフィルタを用意いたしました。

0 1 0
1 3 1
0 1 0




そして、計算結果はこのようになります。

  0   1   3   1   0
  1   9  14   9   1
  1  10  17  10   1
  1   9  14   9   1
  0   1   3   1   0




真ん中の 20 という値を中心として、考えてみますと、

10  20  10
10  20  10
10  20  10

に対して、

0 1 0
1 3 1
0 1 0

をかけますので

(10×0+20×1+10×0+10×1+20×3+10×1+10×0+20×1+10×0) / 7 = 17.14

四捨五入をして 17 となるわけです。


●


計算方法さえわかれば、自分なりにマトリクスの値を変えて、
いろいろな計算や集計に応用することができますね。

また、リモートセンシングや画像処理のテキストには、この空間フィルタ
として使用される、一般的なマトリクスのサンプルは掲載されています。

しかも、TNTmips の空間フィルタは、まだまだいろんな機能があります。
またメルマガにてご紹介いたしましょう。








今週の新プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" いつものように、データベーステーブルの設定を
" 変更しようと Table/Edit Definition... メニューを選択しようと
" しても、かすれて選べない...
"
" そんなときは、Windows のエクスプローラなどで、
" RVC ファイルのプロパティを確認してみてください。
"
" 読み取り専用にチェックが入っていませんか?
" このチェックが入っていると、変更できなくなりますので、
" ご注意ください。
"
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




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