Subject: [ts-mag:00087] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 80号】
    Date: Fri, 27 Dec 2002 15:54:12 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2002/12/27
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Null,Reference to Edit,Earth Map VPF


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第80号「  ヌ ル ( N u l l ) 値 を 極 め る ! !   」
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                       株式会社 オープンGIS




どんな世界にも、「例外」ってものがあります。

すべてを同じように扱うと、ちょっと不便なことが、「例外」という概念
を持ち込むと、あっさり解決する、そんな経験ってありますよね。


GIS の世界にも「例外」があります。

それは、ラスタデータに用いるヌル値です。


●


情報としては必要なものだけれども、計算結果や表示には反映させたく
ない。わがままな要求かもしれませんが、実際こういうことって頻繁に
ありますよね。

例えば、標高データの場合ほとんどの数値は地面の高さを数値として記録
しているわけですが、海の部分を高さではなく -9999 というコードで記
録する場合があります(国土地理院さんの標高データなどがそうです)。
 この海という意味の -9999 を標高として計算してしまうと問題ですね。
ちょうど海岸線付近で、ものすごい崖が発生してしまうのが、想像できる
と思います。

衛星画像でも、画像の端には「データ無し」というデータ(わかりにくい
表現ですね)が入っていることもあります。


TNTmips では、こういった「例外」としてのヌル値を持ったり、持たなか
ったり、またどの値をヌル値と扱うかを指定したりできます。

今週は、ヌル値の設定方法についてご紹介しましょう。


●


【ヌル値を「持つ」・「持たない」を切り替える】

まずはラスタデータに対して、ヌル値を「持つ」か「持たない」かを設定
してみましょう。

▼メインメニューより Support/Maintenance/Project File... 機能を実行
します。

▼Project File Maintenace ウィンドウにて、対象のラスタを選択(黒枠
で囲んだ状態に)します。

▼下に並んでいるアイコンボタンの中から、Edit ボタンを押します。

▼現れた Edit Object Information ウィンドウの
Has Null Value チェックをオフにすると「ヌル値を持たない」
Has Null Value チェックをオンにすると「ヌル値を持つ」
と切り替えられます。

▼「ヌル値を持つ」場合、どの値をヌル値と設定するか右の枠に入力でき
ます。

■OK ボタンを押して Edit Object Information ウィンドウを閉じれば設定
完了です。




【ヌル値の「透明」・「不透明」を切り替える】

ヌル値を持ったラスタデータを表示すると、ヌル値の部分だけが透明に
表示されて便利だったり、困ってしまう経験ってありますよね。そんな
ときは、透明にするかどうかを切り替えましょう。

▼メインメニューより Display/Spatial Data... 機能を実行して、
New 2D Group ボタンを押します。

▼Group Controls ウィンドウ側の Add Raster ボタンを利用して、対象
のラスタデータを表示しましょう。

▼Group Controls ウィンドウ側の各レイヤにあります Tools マークを
クリックして Controls... を選択します。

▼現れました Raster Layer Controls ウィンドウのなかの Options タブ
に切り替えます。

▼ここで
Null Cells Transparent チェックをオフにすると「ヌル値不透明」
Null Cells Transparent チェックをオンにすると「ヌル値透明」

と切り替えられます。

■OK ボタンを押して、Raster Layer Controls ウィンドウを閉じれば
設定完了です。




【ヌル値を別の値に置き換えたい】

例えば、-9999 の海コードを持つ標高データ(DEM)があったとします。
その値を 0 に置き換えたい...ってことありますよね。その方法について
も少しだけご紹介しましょう。

▼メインメニューより Process/Raster/Utilities/Change Null Value...
機能を実行します。

▼現れました Change Raster Null Value ウィンドウの Rasters... ボ
タンを押して、対象のラスタデータを選択します。

▼現在のヌル値(例えば -9999 とします)をこれから 0 に置き換えるには
New Null Value: 欄に 0 と入力します。

▼Conflict Adjustment: 欄を切り替えます。
None: 今までの -9999 は 0 になる。 今までの 0 も 0 のまま
Decrease: 今までの -9999 は 0 になる。今までの 0 は -1 になる
Increaase: 今までの -9999 は 0 になる。今までの 0 は 1 になる

■Run ボタンを押すと、ヌル値の置き換えが実行されます。





いかがですか、いつのまにかヌル値が設定されていたり、外されていたり、
果たして自分の意図した状態なのかどうか、迷ったらこのメルマガを思い
出してください。

ヌル値を自在に操れば、今まで面倒だった作業がぐっと楽になります。


ただし、「例外」はあくまで1つだけです。
あれもこれもヌル値に、というわけにはいきません。

「例外」を増やしすぎると、どんどんと歯止めが効かなくなって...

その後は、説明はいりませんね :-)







今週の新プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" 背景にしていたデータを編集したくなりませんか?
"
" Edit/Spatial Data... 機能で、リファレンスに使用していたデータを
" 編集したくなったときは、Spatial Data Editor ウィンドウのメニュー
" より Reference/Edit... を選択します。
"
" すると、今まで青丸・赤丸だったマークが、編集モードである、鉛筆
" マークに切り替わりますね。
"
" これで、データの編集が簡単に行えます。
"
"
" でも一度、Edit モードに切り替えると、Reference モードには戻せま
" せん。編集データを背景に戻すことはないと思いますが...
"
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
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=
= すみません。今週も新しい解説が完成できずに終わってしまいました。
= 年明けは、おっと驚くサイトをご用意しておきます。
=
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バグ・トラブル情報
???
???
??? 地球地図の VPF ベクタデータを TNTmips でインポートできない
??? との報告をいただきました。
???
??? 調べてみましたところ、VPF にもいろいろな種類があるとのこと。
???
??? 地球地図ベクタデータを読み込むには、
??? ●VPF ver2.0 と
??? ●VMAP 用拡張 VPF フォーマット
???
??? に対応する必要があります。が、残念ながら現在の TNTmips では
??? 古い VPF フォーマットしか対応しておりません。
???
??? 現在マイクロイメージ社にて対応準備中ですので、
??? 機能追加されましたらメルマガにてご報告いたします。
???
???
???
??? ちなみに地球地図ラスタデータについては、TNTmips でも問題なく
??? インポートできます。この場合、Arc-BIL フォーマットでの対応と
??? なります。
???
???
???
??? 今後ともよろしくお願いいたします。
???
???
???
???
???





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