良い色を得る (P.2) はじめに 色は,TNTmipsで表示または印刷するラスタ画像内に含まれる情報の可視化に役 立つ重要な要素です.この冊子の練習問題では,スクリーン表示内の画像カラーを 上手に扱って強調したり,印刷されたページへの色変換を調整したりするために TNTmipsに供給されたたくさんのツールを紹介します. 必須基礎知識 本書では読者が『TNT入門:地理空間データ表示』と『TNT入門:ナ ビゲート』の練習問題を完了しているものと仮定しています.これらの練習問題はここ では含まれない基本となる操作や基礎的な技術が紹介されています.必要に応じて これらの入門書やTNTmipsのリファレンス・マニュアルで調べてください. サンプルデータ 本書の練習問題では、TNT製品に添付されているサンプルデータ を使用します.TNT製品のCDにアクセスできない場合は、マイクロイメージズ社の ウェブサイトからデータをダウンロードできます.特に、本書ではCOLORデータ・コレ クションのサンプルデータを使用します.これらのファイルの読み書き用のコピーをハ ードドライブに作成してください;CD-ROMの読み取り専用のサンプルデータで直接 作業すると何か問題があるかもしれません. その他の資料 本書には良い色を得るための概要しか示されておりません. TNTmipsリファレンス・マニュアルの『表示』の巻に、この巻で触れられているほとん どについての詳細情報が含まれています.ラスタカラー変換処理についての追加情 報は、リファレンス・マニュアルの『準備』の巻で見ることができます. TNTmipsとTNTlite TNTmipsには2つのバージョンがあります.プロフェッショナ ル・バージョンと、無料バージョンであるTNTliteです.本書では、どちらのバージョン も「TNTmips」と呼ぶことにします.プロフェッショナル・バージョンにはハードウェア・キ ーが必要です.このキーがない場合、TNTmipsはTNTliteモードで動作し、オブジェ クトのサイズが制約されるほか、TNTliteの別のコピーとの間でしかデータを共有でき ません. この巻で説明される表示カラー強調ツールはすべてのTNT製品で利用することがで きます.カラー変換はTNTedit、TNTview、またはTNTatlasでは使用することができ ません.ハードコピーレイアウトツールを利用した印刷もTNTatlasで使用することが できません.すべての練習問題は供給されたサンプル地理データを使用してTNTlite で完了できます. 一部のイラストでは、カラー・コピーでないと重要な点がわかりにくい場合があります. マイクロイメージズ社のウェブ・サイトから本書を入手されれば、カラーで印刷したり表 示できます.また、このウェブ・サイトからは、『TNT入門』のその他のテーマに関する 最新のパンフレットも入手できます.インストール・ガイド、サンプル・データ、および最 新バージョンのTNTliteをダウンロードできます.アクセスは次の通りです. http://www.microimages.com (Page 3) [本文] ようこそ"良い色を得る"へ "色"情報は多くのラスタ画像,スキャン入力された地図,TNTmipsで編集できる他の 空間データフォームなどにおいて重要な特性です。質の良い色はユーザーやあなた のプロジェクトの結果を用いる最終ユーザーにとってデーターの理解と解釈を容易に します。良い色を得るには主観的判断を要し,そしていくらかの場合ではあなたの色 の扱いによって画像内のある特定の部分を強調する事ができます。 この冊子はあなたがコンピュータ画面上に表示したり出力装置を使ってハードコピー を印刷する際の画像の質を高めるためのものです。どのようにして色がコンピュータ 画面上で作られていくのか,色情報のプロジェクトファイル保存法,また印刷時に色 がどのように作られているのかに関して述べていきます。 はじめに二つの基本的な色モデルの復習をしましょう。両モデルともあらゆる割合に 混ぜることによって幅広い色スペクトラムを作ることができる3原色の組み合わせを 用います。あなたのコンピュータモニターのようにRGBモデルは異なる色の光が混ざ るときに適用されます。3原色中の2つが混ざるとそれら2つの波長から中間色が作 られます。例えば,黄(赤+緑),シアン(緑+青),マゼンタ(青+赤)です。同量の3原色を 混ぜ合せると白の光が作られます。 CMYモデル(シアン,マゼンダ,黄色のための)は半透明インクあるいは染料,ガラス フィルターを混ぜたり上掛けすることによって作り出される色に適用されます。 これらの原料のうち一つが白い光に照らされると,特定の波長のみが吸収されます (白から減算される)。そして,反射した残りの波長から色が決定されます。減算された 主要色のペアは混合することによって,青,赤,緑をつくれます。それらの3色を等分 量に混ぜると黒になります。CMYモデルは印刷過程に適用されます。 [右上図の説明] RGMモデル 加算混合 コンピュータディスプレイ [右中央図の説明] CMYモデル 差法混合 [右下の文章] 4〜14ページにRGBディスプレイのコントラストエンハンスドメント,カラー合成ラスタ の利用法と色パレットの操作法を紹介します。ベクトルオブジェクトの透明効果は15 ページで,色変換は16ページで説明します。 17〜23ページは色のバランス,ガンマコントラストを含む印刷の色調節とテストストリ ップ印刷について紹介します。 (Page 4) [本文] コンピュータ画面上の色 コンピュータ画面上の色は加算法RGBカラーを用いて特定されます。画像要素(ある いはピクセル)は赤,緑と青の光をそれぞれ発するデスクトップモニターやラップトップ ディスプレイ内の別の光源要素から成っています。ピクセルを作るそれぞれの色要素 の発する光の量はそれぞれ変えることができます。色要素が完全にオンオフといった 最も簡単な場合ではこのシステムは8色の基本システムを作ることができます。赤, 緑,青,シアン,マゼンダ,黄,白(全三原色オン),黒(全三原色オフ)。実際最新のカラ ー画面では256段階の強度レベルを作ることができ,その各色要素を混合すると, 1600万色作ることができます。 それぞれのスクリーンピクセルの強度調整の組合せははシステムのスクリーンアダプ ター上のメモリモジュール内に収納されています。上に示された完全色レンジ(時々" フルカラー"と呼ばれる)を与えるにはピクセルあたり24bitのメモリーを必要とします (8bit=2の8乗=256毎色要素)。ほとんどのアダプターはより小さい画面メモリーしか 必要としませんが,その代わり制限されたカラーレンジしか与えることのできない追加 画面のモードを提供します。16bitモードではわずか32の強度レベルが色要素毎に 区別されます。8bitモード表示の色は操作システム又は現在実行中のソフトウェアに よって供給される256色から選択されます。(TNTmip Display過程など) 最高の色演出には24bit表示モードを選択してください。現在のスクリーンサイズ設 定やディスプレイアダプターのメモリ残量によって色設定の選択は制限されることが あります。そのようなときには表示サイズを小さくすることによって(解像度も)表示色 の奥行きが出せます。 [左上から下へ] ステップ □ TNTmipsを起動します。 □ メインメニューから"Display/Spatial Data"を選択します。 [左中央の文章] デフォルトではディスプレイ処理により"Group View"ウィンドウと"Group Contrast"ウィ ンドウから成る新規2Dディスプレイグループが自動的に開きます。もしディスプレイ 処理を立ち上げてもこれらのウインドウが出なければ"Display Spatial Data"ツールバ ー上の"New 2D"グループアイコンをクリックしてください。 ("Startup"オプションは"Setup"アイコンボタンをクリックし"View Option"を選択するこ とによって設定できます。) [左下の文章] モニター上の全体的な明るさとコントラスト設定の調節は,TNTmips Display処理にお ける色調節とは無関係にディスプレイ上のカラー画像に大きく影響します。 (Page 5) [本文] 3-ラスタ RGBディスプレイ いくつものタイプのラスタオブジェクトまたはそれらの組合せを用いてカラー画面イメ ージを作り出すことができます。RGBラスタ表示オプションを用いることによってカラ ー調整に最大の柔軟性をもたせます。3つから選ばれたそれぞれのラスタオブジェク トを用いて1つの表示色成分の強さを制御することができます。ほとんどの場合成分 ラスタは8bitグレースケールオブジェクトですが16bitまたはRGB成分として浮動小 数点ラスタを用いることが可能です。 もし入力像がスキャンされた写真や地図で赤,緑,青それぞれの要素ラスタがそれに 対応する表示に割り当てられていればチャンネルは元の色に近い複製色を持つ画面 表示をつくりだします。しかしながら7バンドランドサット熱マッピング画像やスポット 画像あるいはマルチ偏光レーダー画像といったマルチスペクトラル画像元からバンド の組合せを選択することもできます。結果としての"偽の"色画像は異なる画像領域の 分析と解釈に用いられます。 この練習問題のRGBラスタはアメリカ南西ワシントンのセントへレナズ山上のNASA スペースシャトルの乗員によって得られた自然色写真です。もしコンピュータが24bit 表示モード用であれば実際の24bit画像を見ることができます。それがもし16bitまた は8bit表示モード用であれば,表示処理は自動的にRGBラスタオブジェクトによって 得られる24bit色幅を自動的に減少した色幅に最適化します。 [右上から下へ] ステップ □ "Group Controls"ウィンドウ上で"Add Raster"アイコンをクリックします。 □ 結果オプションメニューから"Quick-Add RGB"を選択します。 □ 標準の"File Object Selection"方法を用いてSthelens プロジェクトファイル からからラスタ"Red","Green","Blue"を選択します。 [右中央画像の説明] 画像コントラスト下部分の暗い森の斜面は,1980年の火山噴火によって荒らされ灰 に覆われて作物の取れない地域です。 [右下の文章] "Categorical"ラスタは異なるクラスやグループのために一時的にラベルされたもので RGB表示成分として用いてはなりません。 [左下の文章] RGB表示処理において有効な結果を得るにはそれぞれの成分ラスタがグレースケー ルラスタオブジェクトでなければなりません。従ってラスタ値の大きさの並びは計測さ れた光波長バンド幅におけろ増加する明度を記録するといった何らかの数値的な意 味を持っていなければなりません。 (Page 6) [本文] ラスタコントラストエンハンスドウインドウ "Contrast Enhanced"処理を用いてRGBラスタ成分1つ1つの表示をそれぞれ調節 することができます。各入力ラスタ内の自然値はそれぞれのバンドの明るさとコントラ ストを強めるために新たな表示値の組合せに変換することができます。RGB表示モ ードでは全体の明るさ,コントラストおよび像の色のバランスを良くするためにそれら 各要素の調節が使われます。入力,調整用のルックアップテーブルは各入力ラスタに 関して"Contrast Table"サブオブジェクトとして保存することができます。そしてこれら の表は画面表示値を求めるためにディスプレイ処理によって自動的に使われます。 RGBラスタセットを表示すると"Raster Contrast Enhanced"ウィンドウはその時間にお ける各色の成分のためのインプットとディスプレイヒストグラムを表示します。 ウィンドウの下の部分にある調節したい成分に対応するタブをクリックし色を選択しま す。各成分のタブされたパネルはまた現在の入力と出力セットの上限と下限を表示し エンハンスド方法を選択を可能にするオプションボタンを含んでいます。 入力ヒストグラムは縦にウインドウの左端に鉛直にあり,ディスプレイヒストグラムは 上にあります。変換カーブは入力ラスタ値を表示値に変えるのに必要な関数の形を あらわします。いくつかのエンハンスドメント方法では変換カーブの形を直接取り扱う ことができます。(練習問題は次のページに続く) [左上から下へ] ステップ □ "General Control"ウィンドウのレイヤーアイコン行内"Tools"アイコンをクリッ クします。 □ 結果オプションメニューにより"Enhance Contrast"を選択します。 □ "Raster Contrast Enhancement"ウインドウ内で"Red"成分の入力およびディ スプレイヒストグラムを検査します(ディフォルトで表示されます)。 □ "Green"成分のタブをクリックしヒストグラムを見ます。 □ "Blue"成分に対しても繰り返します。 [左下の文章] タブされたパネル上の"Method"オプションボタンは表示色に対してエンハンスド方法 を選択可能にします。 利用可能な方法は,"Liner","Normalize","Equalize","Exponential","Logarithmic" と"User Drawn"です。 (Page 7) [本文] 線形画像コントラストの調節 セントヘレナス山の画像の各ラスタ要素には簡単な線形関数を用いて入力ラスタ値を 表示値に変換する線形コントラストテーブルがあります。 これらのテーブルは画像表示の際にディフォルトで選択されています。画像は良い色 のバランスを持ちますが多少暗く,コントラストが弱いです。 殆どの3-ラスタ内のセル値は8bitデータ範囲の低いところに落ち着き,高いところに は意味のある値を持ったセルが無いことが,入力ヒストグラムからわかります。つまり それぞれの色要素の最大制限値を低くすることによって画像度を良くすることが出来 ます。これらの値をほぼ同じくらいに下げることによって表示平均値を高く動かすこと ができ,色のバランスに影響することもなく画像を明るくすることが可能です。 それはさらに高範囲の表示値にわたって残りの入力値セットのコントラストを高め,分 散させます。3-ラスタにおける上限を越える入力値を持つセルはすべて白として表示 されます。これらのセルは本来白として表示されるべき雪の面積に対応しています。 [右上から下へ] ステップ □ "Red"成分のタブをクリックします。 □ マウスカーソルを用いて,上限値が188になるまでRed入力ヒストグラム用 上限線を引き下げます。 □ "Green"成分のタブをクリックし上限値入力を171に変更します。 □ "Blue"成分に関しても繰り返し,上限入力値を151に設定します。 □ "Group View"ウィンドウ上で"Redraw"アイコンボタンをクリックします。 □ "Raster Contrast Enhancement"ウィンドウ上で"File"メニューの"Save All"を 選択し,すべてのコントラストテーブルの変更を保存します。そして"Close"を選択し ます。 [右下アイコンの説明] 次の練習問題のためにRGBレイヤーを削除する [左下図の説明] 入力制限は制限線を手動で動かしたり,対応するボックス内に新たな値を入力するこ とによって変更が可能です。 (Page 8) [本文] 自動コントラストエンハンスドメント "Add RGB Raster"オプションを選択すると"Raster Object Display Controls"ウインド ゥ上"Contrast"オプションボタンがそれぞれの入力ラスタに使われるコントラストテー ブルを選択可能にします。ディフォルト選択は最後にオブジェクト表示に使われた表 です。いくつかある自動コントラストエンハンスドメント方法のうち1つを使うことも可能 です。またはNoneを選択し自然ラスタ値を表示値として使うこともできます。自動で はディフォルトのセッティングが用いられ,入力値の範囲を表示値の完全範囲に拡大 します(8bitラスタ用) この練習問題で使われたラスタオブジェクトのようにオブジェクトにコントラストテーブ ルが保存されない場合"Auto Normalize"コントラストオプションは8bitラスタのディフ ォルトの選択になります。この方法は入力値を表示値の正規分布への再決定を試み ます。正規分布の中央は出力範囲の中心に設定されます(128) [左上から下へ] ステップ □ "Add Raster"アイコンボタンメニューから"Add RGB Raster"を選択します。 □ SYRDARYAプロジェクトファイルから"Red","Green","Blue"ラスタを選択し ます。 □ ""Raster Object Display Controls"ウィンドウ内でコントラストのディフォルト選 択をメモした後で"OK"をクリックします。 □ "Tools"アイコンボタンメニューから"Enhance Contrast"を選択します。 [左中央アイコンの説明] "Layer"アイコン行内の"Raster"アイコンボタンをクリックすることによってRaster Object Display Controlsウィンドウを開くことができます」 [左下図内の説明] 正規出力分布の中央値 [右下画像の説明] Tajikistan,Kyrgyzstanz,Lizbekistanの半乾燥したSyr-Darya川地域のスペースシャ トル写真。左上には谷間の川流域にある灌漑地が見られます (Page 9) [本文] 正規化された画像コントラストの調節 自動正規化されたSyr-Daryaシャトル画像は所々かすみ,全体に青みがかかってい ます。自動コントラストエンハンスドメント方法は各色成分を拡大するため,いくつかの 成分を拡大しすぎてしまいます。したがってRGB表示内で適当な色のバランスをつく りだすことができません。この練習問題では青成分の明るさを下げることと新しいコン トラストテーブルのセットを保存するのが目的です。 縦方向の点線を動かすことによって正規化されたディスプレイヒストグラムの位置と 形状を変更できます。中心線(中央値の明暗を代表する)を左に動かすとヒストグラム を低い値に下げ,要素全体の明るさを低減させることができます。 入力範囲の上または下の部分のコントラストは側面に位置する偏差線を移動するこ とによって増やしたり(伸長)減らしたり(圧縮)することが可能です。 [右上から下へ] ステップ □ "Blue"色成分のタブをクリックします。 □ "Display"ヒストグラム内の中心ダッシュ線をクリックし,M=100になるまで線 をドラッグします。 □ "View"ウインドウ内でディスプレイを再描写します。 □ "Raster Control Enhancement"ウィンドウ上で"File"メニューの"Save All"を 選択しそれぞれの新規コントラストテーブルに名前を付けます。 □ "Close"を"File"メニューから選択します。 [右下アイコンの説明] 次の練習問題のためにRGB層を削除してください [左下図内の説明] 中央値が100になるまでディスプレイヒストグラムの中央値を左にドラッグします [左下図の説明] それぞれのコントラスト法オプションボタンのディフォルト選択は色成分を表示するの に現在用いられている方法です。 (Page 10) [本文] シングルラスタ混合色 色情報は1つの合成色ラスタオブジェクトとしても保存されます。TNTmipsでは数タイ プのの混合色オブジェクトをサポートしています。練習問題に使用した最初のオブジェ クトは24bitカラー混合で3つの8bitラスタオブジェクトのRGB表示により表現され るすべての色を再現できます。16bit混合ラスタオブジェクトは同様の3つの値を持っ たオブジェクトですが,それぞれのディスプレイ上の色に対して5bitのデータレンジ(32 明度値)しか使用していません。皆さんにはおそらく24bitと16bitの混合色バージョン の殆どのイメージに関してほとんど劣化がわからないでしょう。 24bitまたは16bit混合色オブジェクトを表示させるときには,双方向のコントラストエ ンハンスドメントは必要ありません。コントラストを上げたRGBラスタセットから固定さ れた混合色オブジェクトをつくるためには,"Color Conversion"プロセス(次章参照)が 使用可能です。 [左上から下へ] ステップ □ "Add Rater"アイコンボタンメニューから"Quick-Add Single"を選択します。 □ カラープロジェクトファイルからラスタオブジェクトCOMP24を選択します。 □ レイヤー"Tool"のアイコンボタンから"Setup Datatips"を選択します。 □ "Spatial Datatips Selection"ウインドウ内で"Raster Cells"トグルボタンがオン になっていることを確認します。 □ データティップが現れるまでカーソルを表示されたイメージの任意の場所に 置き,その値を記録します。 □ COMP24ラスタレイヤーを削除します。 □ 最初の2ステップを繰り返しALEXANDORプロジェクトファイルからCOMP16 オブジェクトを選択します。 [左下画像内の説明] 24-bitまたは16-bit混合色ラスタでは各ラスタセルに対して3つの値を持っています [左下アイコンの説明] 次の練習問題のためにComp16レイヤーを削除します [右下画像の文章] エジプト地中海沿岸のアレキサンドリアのNASAスペースシャトルからの写真です。 写真右下のナイル川の緑の植生は写真左下の西砂漠の荒涼とした砂と対照的です (Page 11) [本文] カラーパレットを持った混合色 色混合によるイメージの最後のオプションとして8bit混合色ラスタがあります。この種 のラスタオブジェクトは256色まで含むことができます。このラスタ内の数量的値は一 時的な物で,ラスタのサブオブジェクトとして保存されているカラーパレット(またはカラ ーマップ)から表示色を割り当てる役のみをします。カラーパレットは8bitデータレンジ 内でそれぞれのラスタ値における一連のRGB値を保存します。カラーマップサブオブ ジェクトは8bitカラー混合イメージを取り込んだとき,またRGBラスタセット,24また は16bitの混合ラスタから8bit混合ラスタを作成するために"Color Conversion"プロ セスを適用したときに自動的に作成されます。 "Color Palette Editor"は現在の混合ラスタオブジェクトに割り当てられている色の並 びを表示します。特定のラスタ値への色の割り当ては一時的であり,よって混合カラ ーラスタに関してカラーパレットに対する明確な規則はありません。同様にカラーマッ プなしでのラスタ表示では意味のあるグレースケールイメージを制作できません。 [右上から下へ] ステップ □"Add Rater"アイコンボタンメニューから"Quick-Add Single"を選択します。 □ カラープロジェクトファイルからラスタオブジェクトCOMP24を選択します。 □ レイヤー"Tool"のアイコンボタンから"Edit Colors"を選択します。 □ カラーパレットを調べた後,"File menu"から"Close"を選択します。 [右中央アイコンの説明] 次の練習問題のためにComp8レイヤーを削除します [左下ウインドウの説明] (引出線)ラスタ値0,ラスタ値255 "Color Palette Editor"ウインドウには左上の0から右下の255までの可能なラスタ値 の割当てが示されています。(サンプルの配列ではラスタ値は左から右へ,上から下 へ並べられています) [右下画像の説明] 人工衛星SeaWIFSから得られた南アフリカの天然色イメージです。15日間(1997年 の9月18日から10月3日)に得られた最も雲の無い部分のイメージが最終イメージ を形成するために集められ,それを組み立てることでこのイメージが完成しました (Page 12) [本文] カラーパレットを持ったグレースケールラスタ カラーパレットはグレースケールラスタオブジェクトから偽のカラー表示を作り出すた めにも使われます。ラスタ値がスムーズに変化する表面を表すとき,表面の特徴を強 調するために同様にスムーズなカラーグラデーションもつカラーパレットを作ることが できます。カラーマップはあらゆる種類のグレースケールラスタオブジェクトに適用さ れますが,カラーパレットには256色以上は含むことができません。カラーマップを 16bit浮動小数点ラスタオブジェクトで使用するときには,表示プロセスは自動的にラ スタ値のレンジを色の割り当てのために256に分割します。もしNoneよりコントラスト オプションを選択した場合,コントラストエンハンスドメントがカラーパレットから色の割 り当てが実行される前に適用されます。 [左上から下へ] ステップ □ "Add Rater"アイコンボタンメニューから"Add Single Raster"を選択します。 □ カラープロジェクトファイルからラスタオブジェクトDEM16を選択します。 □ "Raster Object Display Controls"ウインドウ内で,"Color Map"オプションの デフォルト設定を記録し,[OK]をクリックします。 □ レイヤー"Tool"のアイコンボタンメニューから"Edit Colors"を選択します。 [右中央画像の説明] DEMの右上部分(16-bitラスタ)はカラーマップ無で表示しています。このDEMをカラ ーマップ有で表示するとより生き生きとした興味をそそる表示になり,より細部を表現 できます。 [左中央画像の説明] ワシントン州のセントヘレナス山のデジタル高度モデルです。カラーマップは高度の低 いところを緑で表し高度が上昇するにつれ黄色から茶色へ変化し,山頂は非常に薄 い灰色で示されています。 "Color Palette Editor"ウインドウは次の練習問題のために開いたままにしてください [左下ウィンドウの説明] タイトルをクリックし,赤,緑,青のスライダー(または色合,強度,彩度)を操作すること でカラーパレット内であらゆる色を制作できます。 (Page 13) 色空間と色の広がり パレットの全体および一部にカラースプレッドを適用することでスムーズなグラデーシ ョンを持つカラーパレット作成できます。最初に選択された値のレンジの最高および最 低に当たる色を割り当てます;スプレッドを適用すると選択された値のレンジに渡って 段階的な色変化が形成されます いくつかのカラースプレッドモデルが適用可能です。それぞれのモードは色のレンジ を表すため特定のカラーモデルを使用しています。これらのカラーモデルはもしグラフ ィックで三次元の色空間で表現されれば最も簡単に理解できます。 [右上から下へ] □ "Color Palette Editor"の"Special Menu"から"Mode"を選択し,可能な色拡散 モデルの種類を表示してください [中央図の説明] RGB色モデルは直交した赤,緑,青軸により定義された立方体内の色で表現されま す。黒は座標系の原点で(R=G=B=0),白は立方体の反対の頂点です(R=G=B=255)。 黒と白を結ぶ対角線(灰色の点線)は無色の灰色レベルのレンジを表しています。補 色(青と黄など)は立方体の反対の角に位置します。R-G-B色拡散は2つの終端の 色を結ぶ直線上に表されます(例えば赤と黄をつないた端など)。 [下図の説明] 色合-強度-彩度(HIS)色モデルはダブルコーンの空間内で表されます。垂直軸は強 度で,色の明るさと暗さの変化を表現します。強度0レベルが黒です; 最大強度が白。 強度軸に沿ったあらゆるHIS値は異なるレベルの灰色を示します。モデルを水平面 でスライスした面において,色合("色"の色)はその外周で変化し,彩度("色"の純度) は中心の強度軸から外方向に放射状に増加していきます(非常に緊密に関係した HBSモデルはブライトネス最大時に彩度が最大のシングルコーン空間を用います)。 HISはコーン周辺で時計周り(CW)か半時計周り(CCW)方向で拡散します(方向は強度 軸に沿った上方から見て定義されます; 矢印は半時計周り方向を示します)。 (P.14) カラースプレッドを作成する (本文) では,(パレットタイルの0に対応する)マゼンタから(255に対応する)赤色へ反時計 回りのHISカラースプレッドを作成してみましょう.マゼンタから青,シアン,緑,黄,そ して最後に赤となるグラデーションが生成されます. (ステップ) ・ SpreadメニューのModeオプションをクリックしてH-I-S CCWを選択します. ・ 赤と青のスライダーをずっと右まで移動します. ・ 緑をアクティブにするためにスライダーを右へ移動し,次にずっと左まで移動しま す. ・ Color Palette Editorウィンドウの中央で“255”と表示しているテキストボックスの右 のラジオボタンをクリックします;255がアクティブなカラータイルになります. ・ グリーンと青のスライダーをずっと左まで移動させ,赤のスライダーをずっと右まで 移動させます. ・ SpreadメニューからApplyを選択します. ・ Group Viewウィンドウ上のRedrawアイコンボタンをクリックします. (説明) ・ カラースプレッドの開始値を決定するために左のコントロールを使用します.このラ ジオボタンが押されると,パレットからタイルを選択して開始値を指定することができ ます;この値はテキストボックスに表示されます(デフォルトは0です).必要があれ ばスライダーを用いてカラーを調整してください;現在の開始値に対応するカラーは テキストボックスの右に表示されます. ・ カラースプレッドの終値(デフォルトは255)を選択するために右のラジオボタンをク リックして,必要があればスライダーを用いてカラーを修正してください. ・ スプレッドを適用した後では,FileメニューからSave Asを選択して新しいカラーパ レットをColor Mapサブオブジェクト中に保存することもできます. ・ 中間色の数を指定し,それらのカラースプレッドを作成することで標準カラーパレット をデザインすることができます. ・ 新しいカラースプレッドを適用したMount Saint Helens DEMの下半分 ・ 次の練習問題のためにColor Pallette Editorウィンドウを閉じ,現在のグループを 閉じてください. (P.15) 透明効果を使用する (本文) ベクタやCADポリゴンまたはTIN三角形用に作成したソリッドカラーで塗りつぶした スタイルは様々な透明度で表示されます.(ラスタ画像のように)透明に塗りつぶされ たオブジェクトが他のオブジェクトの上に表示され,両方のレイヤによって伝わる情報 は簡単に見ることができます.透明効果は標準表示処理の間と印刷中に利用できま す. (ステップ) ・ Spatial Dataツールバー上のOpenアイコンボタンをクリックしてOpen Groupを 選択します. ・ COLOR Project FileからHAZGROUPを選択します. ・ COLOR / HazZoneレイヤアイコン列の中のVectorアイコンボタンをクリックしま す. ・ Vector Object Display Controlウィンドウ中のPolygonタブをクリックし,Style:By Attributeの[Specify…]をクリックします. ・ 開いているStyle Assignmentウィンドウ上で[Edit]を押します. (説明) ・ Style Editorウィンドウ中で,ソリッドポリゴンで塗りつぶす透明度の割合を設定して ください.(0%=透明度が全くない塗りつぶし,100%=完全に透明=無色塗りつぶし) ・ いったん透明度を持つポリゴンの塗りつぶしを作成すると,Use Tranparency Effectトグルの設定は透明度が特定の表示レイヤに可能かどうかを決定します. ・ 表示スタイルのさらなる情報を得るには,「TNT入門:スタイルの作成と使用」を調 べてください. ・ 起伏の濃淡と,ベクタ災害地域マップが重ねられて表示されたMount Saint Helens DEM.ポリゴンの塗りつぶしは75%の透明度のソリッドカラーが用いられ,下にあ る地形が見えたままになっています. ・ 次の練習問題のためにStyle Editor,Style Assignment,Vector Object Display Controlsウィンドウを閉じ,現在のグループを閉じてください. (P.16) カラー変換処理 (本文) Color Conversion処理では,あらゆるカラー画像の格納モードまたはカラー空間を 変更することができます.単一カラー合成ラスタ,RGBラスタセット,Hue-Intensity- Saturation(色相-明度-彩度)(または関連した様々の)ラスタセットの変換が可能で す. 暗いけれども良いカラーバランスを持ったRGB画像があるときは,HISカラー空間 への変換はカラーを強調する簡単な方法を与えてくれます.出力Intensityラスタを 表示し,明るさとコントラストを修正し,HISからRGBに再変換するのに使用するコン トラストテーブルの結果を選択することができます.結果として出されるRGBラスタセ ットは元の色相を保持しながら明るさとコントラストが改善されているでしょう. (ステップ) ・ TNTmipsメインメニューからPrepare / Raster / Convert Colorを選択します. ・ Input TypeオプションボタンからR-G-Bを選択します. ・ [Select Raster(s)]をクリックし,標準File / Object Selection手続きを用いて STHELENS Project FileからラスタRED,GREEN,BLUEを選択します. ・ Output TypeオプションボタンからH-I-Sを選択します. ・ [Run]をクリックし出力ラスタに対する新しいProject Fileとオブジェクトの名前を付 けます. (説明) ・ Singleオプションを使って変換するカラー合成ラスタを選択します. ・ Output Typeオプション. ・ RED,GREEN,BLUE カラー要素ラスタから作成されたIntensityラスタ,コントラ スト強調を自動正規化して表示されています. ・ ExitをクリックしてRaster Color Conversionsウィンドウを閉じてください. (P.17) 印刷に関するディザ (本文) 画像を表示するときに良いカラーを生成する基礎を扱ってきましたが,これからカラー 画像印刷の領域に移ります.まずプリンタがどのようにカラーを再現するのかを考え てみましょう.ほとんどのデジタルプリンタはシアン,マゼンタ,黄色のインクの小さな ドットをページに適用しています.(インク-ジェットやソリッド-インクタイプのような)最も 一般的なプリンタでは,これらのドットは固定サイズを持ち,各インクカラーは各ドット で完全に”有り”か完全に”無し”のどちらかです.一つのドットの上に半透明のインク を重ねることで,プリンタは青,緑,赤,そして黒のドットを生成することもできます.も しドットの位置にインクが適用されなければ,白のままです. プリンタはこれら8個の基本カラーを使ってずっと広い範囲の画像カラーをシミュレー トします.プリンタの高空間解像度のおかげでこれが可能となっています.言い換える と,インクドットは非常に小さくお互い非常に接近しており,これには2つの重要な影 響があります.ひとつめは,1個の画像ピクセルは一般的にインクドットの配列によっ て表現されます.ふたつめは,個々のドットの色を見分けることができず,代わりに近 辺のドットのグループによって作られた混合色を見ることになります.各画像セルに対 してプリンタドットのカラーと位置に変化を付ける(この処理をディザと呼びます)ことで, プリンタは画像の元の色の視覚的効果を生成することができます. (説明) ・ 低水準のプリンタはシアン,マゼンタ,黄色のインクしか使用しません.4-カラー (CMYK)プリンタは個別の黒インク供給(K)を含み,純粋な黒の色調を生成してカ ラーインクの使用を少なくします.いくつかの新しいデスクトッププリンタは今6また は7つのインクを提供し,それらは主となるインクカラーよりも軽い色調を含みます. ・ プリンタの解像度は1インチに対するドット数で測られ,この単位を訳してdpiとい います.典型的なデスクトッププリンタは300から700dpiの印刷解像度を持ちます. グラフィックサービス店で使われる高水準のプリンタは1200または2400dpiの解 像度があるかも知れません. ・ Alexandria Space Shuttle写真を高倍率で拡大した部分.24-bitカラー画像はセ ルとセルに非常に微妙な変化を含みます. ・ 同じ領域を印刷用にディザしたもの.このレイアウトスケールでは,各入力ラスタセ ルはプリンタドットの5×5配列によって表現されています.ディザ処理は,使用でき る印刷カラーの様々なパターンを使用して元画像の広い範囲の色を再現します. (P.18) ページ設定ウィンドウ (本文) 印刷中に可能なカラー修正を描画するために,描画方向に8.5“×11”ページに印刷 するようデザインされたサンプルのハードコピーレイアウトを用います.TNTlite, TNTview,TNTeditではレイアウトを11“×17”サイズまで印刷することができます. TNTmipのプロフェッショナルバージョンでは様々なページサイズ(44“ロールまで)の 印刷と複数ページの印刷をサポートしています. 印刷するためのカラー修正はPage Setupウィンドウで行い,それには2つのバージ ョンがあります.Layout Controlsウィンドウ上のLayoutメニューからPage Setupを 選択する(またはTNTmipsメインメニューからSupport / Setup / Printersをせんたく する)と,印刷を初期化しないでも基本印刷パラメーターを設定し,OKボタンを押して それらを保存することができます.LayoutメニューからPrintを選択すると,OKの場 所にRunボタンのあるPage Setupウィンドウが開きますが,残りのコントロールは 同様です. (ステップ) ・ Spatial Dataツールバー上のOpenアイコンボタンをクリックし,Open Layoutを選 択します. ・ COLOR Project FileからDEM_LAYOUTを選択します. ・ Layout Controlsウィンドウ上のLayoutメニューからPage Setupを選択します. (説明) ・ ここの練習問題で使用されているレイアウトはHardcopy Layout処理で利用可能 な標準ツールを用いて作成されました.レイアウトツールの紹介は,TNT入門書の 「マップレイアウトの作成」を調べてください. ・ LayoutメニューからPage Setupを選択します. ・ 「TNT入門:地理空間データ」の中のPrint練習問題からプリンタ設定をすでに得て いるはずです.もしそうでなければ,Printerタブパネル上でコントロールして選択し てください. ・ Windous95またはWindousNT上でTNTmipsを作動させているなら,Use Windows Printerラジオボタンをクリックして印刷を制御するWindows用印刷ドラ イバを使用してください. (P.19) ディザパターンの選択 Ditheringタブパネル上のコントロールでは,印刷レイアウトのラスタ要素とそうでない 要素の両方のディザパターンを選択することができます.Floyd-Steinberg,Jarvis- Judice-Ninke,Stucki,そしてOrdered Ditherパターンは通常たいていのプリンタで カラー画像の良い結果を与え,どのパターンを選択するかは個人の趣味にかかって います.Dither Patternウィンドウの下部分にあるサンプルで,異なる色によってパタ ーンがどのように見えるかを想像できます.Stucki(グレーを強調した)パターンはグ レースケールのラスタ画像を印刷するときに最も良い結果を与えます.ラスタでない 要素のための既定Vectorパターンは,ベクタ,CADまたはTINの重なりの中の細 線と地図グリッド,スケールバー,そして凡例中の細線の連続性を保証します. 多くのプリンタに供給されている印刷ドライバは,今ではディザ能力が元々備わって います.Windows印刷ドライバを用いてWindows用プリンタに印刷する場合は, TNTmipかWindows印刷ドライバのどちらにディザをさせるか選択します.一般的 に,後者を選択した方がTNTmipのディザ処理を使用するより処理時間を必要としま す. (ステップ) ・ Dhitheringパネルをクリックし,[Raster Dither Pattern]を押します. ・ 開いているDither Patternウィンドウの中のリストからStuckiを選択します. ・ [OK]をクリックしてDither Patternウィンドウを閉じます. ・ Layer Controlsウィンドウ上のPrintアイコンボタンをクリックしてレイアウトを印刷 します. (説明) ・ Ditheringパネルの2つのスライダーは印刷出力に対する全ての明るさ(上のスラ イダー)とコントラスト(下のスライダー)を修正することに使用できます.スライダー を右に移動して印刷のそれぞれの性質を増加させます.しかし,より良く予想できる 結果のためには,Colorパネル上でIntensityスライダーとSaturationスライダー を使用すべきです(後に説明します). ・ 染料昇華プリンタやフィルムレコーダーは,ほとんどのプリンタで生成される8個の 基本ドットのように制限されてはいません.それらは画像ピクセルの再生に使用さ れる各カラー要素のレベルを連続的に変化させることができ,その結果,現実の連 続カラーを出力できます.これらのデバイスに印刷するときはディザの必要はなく, ディザパターン・コントロールは停止します. (P.20) 明度(Intensity)と彩度(Saturation)の修正 (本文) ディザを用いると,プリンタはコンピュータモニターに匹敵するカラー範囲を生成するこ とができます.しかしディザは,プリンタによって生成された特定のカラーが表示画面 上のカラーと同じであることは保証しません.カラーが生成される方法が異なるため, ラスタ画像の画面表示と印刷されたバージョンの間に通常は重要な色の交替が存在 し,ある表示カラーはプリンタが利用できるカラーの範囲を超えているかもしれませ ん. Page SetupウィンドウのColorパネルは,画像カラーがプリンタへ翻訳される方法を 変えることのできるたくさんの制御を与えてくれます.これらの制御を用いて,画面の カラーを与えるために作成したコントラストテーブルやカラーマップを変えずに印刷中 に生成されたカラーを修正することができます. インクジェット・プリンタによって生成されたカラーは,しばしば対応する画面のカラー よりも暗かったり彩度が落ちていたりします.Colorパネルの下部分は2つの水平ス ライダを含み,HISカラーモデルを利用して同時に印刷画像中の全てのカラーを修正 します.上のスライダを右に移動させると全てのカラーの明度(明るさ)が上がります. 下のスライダを右に移動させると,パステル調の影に干渉することを犠牲にして各色 相の彩度が上がります.これらのスライダの上にあるカラーサンプル・バーはスライダ を移動するにつれて変化し,全ての効果のプレビューを見ることができます.多くのナ チュラルカラー画像は印刷処理中の明度と彩度のささやかな増加の利益を得ます. しかし,画像の一部がすでに非常に明るい場合には,全ての明度を増加させるとこの 部分のカラーを“消し去って”しまい,局所的な細部の欠如を生んでしまうかもしれま せん. (ステップ) ・ LayoutメニューからPrintを選択します. ・ Page Setupウィンドウ上のColorタブをクリックします. ・ Intensityスライダを戻したり進めたりして,その上にあるカラーサンプル・バー上の 効果に注意します. ・ Saturationスライダについて繰り返します. ・ Intensityレベルを20に,Saturationレベルを15に設定します. ・ [Run…]を押してレイアウトを印刷し,Page Setupウィンドウを閉じます. (説明) ・ Intensity(明度)スライダ ・ Saturation(彩度)スライダ ・ 明度と彩度のスライダの設定は印刷ジョブの間や,印刷無しのPage Setupウィン ドウ上で[OK]を押したときには保存されません.もしスライダ設定を既定の0値以 外のものを使用している場合には,印刷するごとにスライダをリセットしなければな りません. (Page 21) [本文] 色のバランス 前の練習問題で適用した調整は印刷されるラスタ画像色に影響します。しかし全ての 画面色が同等にレイアウトに対して印刷できるとは限りません。例えば緑や青などは 通常他色に比べインクジェットプリンターによって印刷された場合青くなり画面上で深 い青は印刷されると紫になります。この場合"Color"パネル内の鉛直スライダーとパネ ル左下の4つのアイコンボタンを共用するとそれぞれの出力色を調整することができ ます。 "Brightness"アイコンボタンをオンにしたままスライダーを動かすと色の強さを強めた り弱めたりできます。"Saturation"ボタンをオンにしたままスライダーを上に動かすと 色の飽和(純粋度)が上がり、スライダーを下げると色は灰色に近づきます。スライダ ーの下にあるカラーバーは効果結果プレビューを可能にします。プリント不可の"Page Setup"ウインドウ上で"OK"をクリックまたは印刷処理の実行をしても"Slider"ポジショ ンは自動に保存されません。しかし"Save"ボタンを押し保存された設定を"Load"ボタ ンを用いて呼び戻すことによってこれらの設定をいつでも保存することができます。 [左上から下へ] ステップ □ "Layout"メニューから"Print"を選択します。 □ "Page Setup"ウインドウ上で"Color"タブをクリックします。 □ 選択された"Brightness"アイコン(デフォルト)で"Green"スライダーを10.6に 上げ"Megenta"スライダーを-6.1まで下げます。 □ "Saturation"アイコンボタンを押し"Green"スライダーを10.6に上げます。 □ "Save"を押し"File/Object"ウィンドウを用いて"Color Project File"まで選択 する。そして新規色バランスまたオブジェクトに名前を付けます。 □ "Run"を押してレイアウトを印刷し"Page Setup"ウインドウを閉じます。 [右中央の文章] 私のプリンターはセントヘレナス山の DEMの緑色を、非常に暗くオリーブ色過ぎる色 で表現します。この練習問題内の設定は緑を強めその補色のマゼンダの強さを弱め 緑の飽和点を上げることによって補完します。 [右下の文章] カラースライダーは"Hue and Hue"シフトアイコンボタンによって選択された色合いに 変換できますが、この手段は予期せぬ結果を招く可能性を持つ難しいもので す。"Brightness"と"Saturation"ボタンのみを用いて良いカラーバランスを得ることが 得策でしょう。 (Page 22) ガンマコントラストの調節 "Gamma Contrast"ウインドウは画面色を印刷色に変換する代わりの調整選択方法 を与えてくれます。印刷色の明るさの変化は画面のそれとの関係は通常線形ではあ りません。その代わりにそれはほぼ関数です。印刷の明るさは画面の明るさを自然 対数の乗数したものになります。コンピュータグラフィックにおいて"ガンマ"は乗数関 数内の数値指数に用いられるシンボルです。 "Gamma Contrast"ウィンドウは各色成分をガンマ指数(デフォルトでは1.00で線形の 明るさ変換を定義する)の値を入力できる"Power"テキストボックスを備えていま す。"Mode"オプションボタンはガンマ値を指定する際のRGB(表示色)かCMY(インク 色)モードにするかを選択可能にします。カラー印刷はCMYが用いられますが結果は RGBモードを用いてみた方が簡単です。赤、緑、青ともにガンマ値1.00以上で入力 すると下から真ん中の範囲にわたって印刷色の強さが明るくなります。また1.00以下 の値を入力するとそれと逆の効果があります。 [左上から下へ] ステップ □ "Layout"メニューから"Print"を選択します。 □ "Page Setup"ウィンドウから"Color"タブをクリックします。 □ [Gamma….]をクリックします。 □ "Gamma Contrast"ウィンドウ内でマウスを用いて"Green"の"Power"テキスト ボックスをハイライトし、1.4 という値をタイプします。 □ "Blue Power"値を1.2に変更します。 □ "OK"をクリックし値を有効にし、"Gamma Contrast"を閉じます。 □ "Run"を押してレイアウトを印刷し"Page Setup"ウインドウを閉じます。 [左中央ウインドウの説明] (引出線上)"Gamma Contrast"ウインドウはデフォルトではそれぞれの色成分に対し てガンマ値1.00で開きます (引出線下)RGBはデフォルトモードです (引出線右)印刷の明るさとコントラストを調節するのに最小と最大を入力及び出力値 を変更することが可能です。 [右下ウインドウの説明] (引出線左)練習問題で用いられているガンマ値は赤を明るくせずに印刷で緑を明るく するように設計されています。緑の領域は印刷で明るく表れ、茶色区域はより少ない 赤を含むはずです。 (Page 23) [本文] テストストリップ印刷 "Color"パネルの設定は画面表示でなく印刷処理に影響しますので結果判定をする にはレイアウトを印刷してください。使用されるプリンターに対する最良の設定を見つ けるには試行錯誤が必要ですが、毎日設定を変えてのレイアウト印刷は時間の浪費 となりますのこれをさけるためにいくつものカラーバランスやガンマコントラスト設定の 結果判定にサンプル領域を用いるラスタレイヤーのテストストリップセットを印刷する 事が可能です。 [右上から下へ] ステップ □ "Layout"メニューから"Print"を選択します。 □ "Page Setup"ウインドウ上で"Color"タブをクリックします。 □ 水平"Brightness"スライダーを20に設定し"Saturation"スライダーを10に設 定します。 □ [Test….]をクリックします。 □ "Test Strip Setup"ウインドウ内の"Add"をクリックします。 □ "Brightness"アイコンがオンの状態でカラースライダーを左から右へ以下の 値に合わせます。 0.0, -4.5, -4.5, 0.0, 6.1, 6.1 □ 再度"Add"をクリックします。 □ 前2つのステップを以下のスライダーセッティングで繰り返します。 0.0, -6.1, -6.1, 0.0, 10.6, 6.1 □ "Test Strip Setup"ウインドウで"OK"をクリックしテストストリップを印刷しま す。 [左上ウィンドウの説明] (引出線下) "Test Strip Setup"ウインドウにリストを追加する前に設定を1つのまた は全てのバランスパラメータに対して調整することができます。 リストはカラーバランスボタンによって現在選択されているパラメータの設定を示しま す。 それぞれのテストストリップは全ての設定リストによって先行されます。 [右中央ウインドウの説明] (引出線下)もしレイアウト内に1つ以上の層があれば"Layer"オプションボタンを用い てテストする層を選択してください。 [左下図の説明] それぞれのテストストリップはすべてのセッティングのリストにより実行されます (引出線下)カラーバランス,ガンマコントラスト:,RGB,CMY