【3次元景観の構築】 はじめに この冊子ではTNTmipsのランドスケープ・ビルダー処理について紹介しています。ランドスケープ・ビルダーでは、地理空間データを処理して、TNTmipsで提供されるリアルタイム3Dシミュレーション・ソフトであるウィンドウズ版TNTsim3Dで利用するためのランドスケープファイルに読み込むことができます。ランドスケープ・ビルダーは、TNTsim3Dで使用されるような空間情報に合わせてフォーマットされた、起伏やテクスチャのラスタオブジェクトを含むランドスケープファイルを自動的に作成します。 必須基礎知識 本書では、読者が『TNT入門:地理空間データ表示』、および『TNT入門:システムの基本操作』の例題を完了しているものと仮定しています。これらの例題で必須知識と基本的な技法を紹介していますので、本書ではこれらについては説明しません。必要に応じこれらの冊子やTNTmipsリファレンスマニュアルで調べてください。 サンプルデータ 本書の例題では、TNT製品に添付されているサンプルデータを使用します。TNT製品CDにアクセスできない場合は、マイクロイメージ社のホームページからデータをダウンロードできます。本書では特に、LANDSCPデータ集のサンプルファイルを使用します。 その他の資料 本書では、TNTsim3Dによる景観の構築について概要しか説明しておりません。TNTsim3Dの操作の詳細については、『TNT入門:TNTsim3Dを使用する』を参照してください。 TNTmipsとTNTlite TNTmipsには2つのバージョンがあります。プロフェッショナル・バージョンと、無料バージョンであるTNTliteです。本書では、どちらのバージョンも「TNTmips」と呼ぶことにします。プロフェッショナル・バージョンにはハードウェア・キーが必要です。このキーがない場合、TNTmipsはTNTliteモードで動作し、オブジェクトのサイズが制限され、エクスポートができません。TNTviewとTNTatlasではラスタの組み合わせ処理を使用できません。TNTliteでは、添付されたサンプルの地理データを使用してすべての例題を完全に実行することができます。 Randall B. Smith博士、2001年7月17日 (c)マイクロイメージ社、2002 一部のイラストでは、カラー・コピーでないと重要な点がわかりにくい場合があります。マイクロイメージ社のホームページから本書を入手されれば、カラーで印刷したり表示できます。また、このホームページからは、その他のテーマに関する『TNT入門』シリーズの最新のマニュアルも入手できます。インストール・ガイド、サンプルデータ、および最新バージョンのTNTliteをダウンロードできます。アクセス先は次の通りです。 http://www.microimages.com 3ページ 景観の構築へようこそ 本文 TNTsim3Dでは地理情報を3次元鳥瞰図で表現し、その場面や表示を任意の視点から、任意の拡大率で動かすことができます。この選択された部分をリアルタイム3Dで描画するには、かなりのコンピュータの性能が要求されます。TNTsim3Dで、場面が滑らかに動き、かつ写実的な表現をさせるには、ランドスケープファイルの地理空間データが、あらかじめシミュレーションで用いるように、特別なファーマットにされている必要があります。3D表示用のデータを組み立て、必要な付加情報と共にランドスケープファイルを作成ことが、ランドスケープ・ビルダーで簡単にできます。 ランドスケープ・ビルダーでは、まずterrainに含まれる任意のタイプのラスタをひとつ選びます。このラスタは地表面の標高や、空間内に分布するなにか別の数値(例えば土壌のpHや作物の収穫量、地下水面の高さなど)を表示します。そのあとで、テクスチャのラスタとして、さらにもうひとつ、あるいは複数のラスタを重ねることができます。このテクスチャは、地表面データそのものの画像と同じような単純なものでも、数多く重ねられた地理データのレイヤが組み合わせられたものでもかまいません。全てのオブジェクトは自動的に登録され(必要であれば再整理され)、表示を調節し、強調表現するための標準的なツールとともにビューウィンドウに表示されます。ランドスケープファイルを保存する時に、テクスチャを追加して作成するためにファイルを再度開くオプションがあります。すでに保存されたファイルを開いて新しいテクスチャを追加することもできます。 ランドスケープファイルの起伏とテクスチャのラスタは地理情報の範囲に合っていて、空間情報のラスタに必要な大きさを満たしている必要があります。ランドスケープ・ビルダーでは起伏やテクスチャのラスタの範囲や方向、相対的な大きさを調節するために特化したツールが用意されています。このツールを使うと、各テクスチャラスタに対して、空間内で格子状あるいはピラミッド状に並んだ構造を作成することができます。 右の欄 ステップ TNTmipsを起動します。 SupportメニューからTNTsim3D Landscape Builderを選択します。 この冊子の4-6ページでは新しくランドスケープファイルを作成する方法や、既にあるファイルに新しいテクスチャを追加する方法を紹介します。7ページでは、複数のレイヤを用いテクスチャ画像を作成する方法を紹介します。8-10ページでは、景観を表示する時の範囲や方向を別の方法で設定することを掲載します。11-12ページでは出力されたランドスケープラスタの大きさに対するいくつかの制限事項や、起伏やテクスチャのラスタの相対的な大きさの調節、ファイルの大きさを減らすための手法を説明します。実際の地表面の標高ではないものを起伏のラスタとして使用する場合は14ページに載っています。 4ページ 景観データを準備する第一歩 まず、テクスチャ画像を作成するために、単一色のコンポジットラスタを用いて、新しいランドスケープファイルを作成しましょう。このコンポジットラスタはLandsat Thematic Mapperの3つのバンドの組み合わせで、米国ネバダ州をとりかこむメド湖の一部を「自然な」色彩の画像を切り抜いたものです。DEM(デジタル標高図)およびコンポジットラスタはすでに地理空間的に大きさと方向が一致させてありますので、起伏とテクスチャのレイヤを読み込んだ後で、再度調節する必要はありません。 ステップ Landscape BuilderウィンドウのNew(新規作成)相コンポ単を押します。 standard Select Object(標準オブジェクト選択)ウィンドウでLANDSCPディレクトリにあるLKMEADプロジェクトファイルまで辿り、DEMラスタオブジェクトを選択します。 Add Layer(レイヤの追加)アイコンボタンをクリックし、ドロップダウンメニューからQuick Add(すばやく追加)を選択します。 LKMEADプロジェクトファイルからCOMPラスタオブジェクトを選択します。Run(実行)アイコンボタンを押し、New File(新規ファイル)ダイアログウィンドウで、(ファイル名).simと名前をつけます。 つづいて表れるポップアップダイアログウィンドウでTerrain(起伏)オブジェクトとTexture(テクスチャ)オブジェクトに名前をつけます。 図の説明 任意で追加したテクスチャレイヤはビューウィンドウに自動的に表示されます。 この練習は次ページに続きます。 5ページ ランドスケープファイルの保存時の選択肢 本文 TNTsim3Dにおいて別々のビューウィンドウ使用するためにそれぞれを独立して選択することができるテクスチャレイヤを、ランドスケープファイルにはいくつでも含めることができます。ただし、テクスチャは、一度のランドスケープ・ビルダー処理で作成され、保存されたものでなければなりません。 ランドスケープファイルを保存する時に、同じファイルに続いてテクスチャを追加したり、新しく作成したファイルに追加することができます。どちらの場合も、新しくテクスチャを作成する場合にもともと使用されていたテクスチャレイヤを使うかどうかを決めることができます。ランドスケープ・ビルダーによって、ファイルを保存するダイアログが表示され、次の指示を与えなければいけないときに、現在のランドスケープファイルが保存された後で、続いて行うべき指示を示してくれます。現在のファイルを再度開くかどうか、あるいは現在のテクスチャレイヤを削除するかどうかの選択することができます。 今回の例では、同じランドスケープファイルの中に別のテクスチャレイヤを続けて追加しますが、今まで使っていたコンポジットカラーは新しいテクスチャでは使用しないことにします。初めにファイルを保存する時に、Promptウィンドウのトグルをオンに設定し、ファイルを開きますが、テクスチャ(テクスチャ画像を作成するために使用されていたビューウィンドウのレイヤ)をすべて削除します。ランドスケープファイルが保存された後で、ランドスケープ・ビルダーにより、次のテクスチャを作るよう、起伏ラスタが自動的に開き、その範囲がビューウィンドウに表示されます。(新しいテクスチャをすでにあるランドスケープファイルに追加する場合、ファイルに含まれる起伏ラスタは、自動的に各テクスチャラスタに範囲と方向を定義づけます。) 右の欄 新しいランドスケープファイルを作成したり、既存のファイルにテクスチャを追加するたびにPromptウィンドウが開きます。これは、保存ダイアログの一番最後のステップで表示され、次の指示はランドスケープ・ビルダーが促してくれます。 PromptウィンドウでOpen this Landscape File というトグルとClear all texturesというトグルの両方をオンにします。 図の説明 TNTsim3Dで新しく組み立てられたランドスケープを見ることもできますし、TNTmips Spatial Data Display(空間データ表示)処理でそのラスタを確認することもできます。 Promptウィンドウで自動処理を行うように設定した場合、前回の練習で使用されたCOMP画像は、View and Layer Controlsウィンドウから自動的に 削除され、保存したばかりのランドスケープファイルにある起伏ラスタが地表面として開きます。 6ページ ランドスケープファイルへのテクスチャの追加 本文 たとえ対応する地域に対して別の画像や空間データがなくても、ランドスケープファイルの起伏データとして使用している標高ラスタを用いて、有用なテクスチャ画像を作成することができます。今回の練習では、ランドスケープファイルに2次的に生成されたテクスチャするために、メド湖一帯のDEMデータをカラーパレットと共に表示します。 ひとつのセッションの中で、新規作成されたランドスケープファイルに関連するテクスチャを追加することは簡単にできます。以前に作成されたランドスケープファイルを再び編集し、新しいテクスチャを追加することもできます。これらを行うために、Landscape BuilderウィンドウにあるOpen(開く)アイコンを用いて、対象とするファイルを選択します。 欄 ステップ Add Layerアイコンボタンをクリックし、ドロップダウンメニューからQuick-Add(すばやく追加)を選択します。 LKMEADプロジェクトファイルからCOMPラスタオブジェクトを選択します。 Run(実行)ボタンを押し、Name Objectダイアログで新規テクスチャに名前をつけます。 Promptウィンドウで、Open this landscape file(このランドスケープファイルを開く)トグルをオフにし、Clear all textures(テクスチャをすべて削除)トグルをオンにします。 図の説明 既存のランドスケープファイルを開き、新しいテクスチャを追加するには、Open(開く)アイコンボタンを使用します。 Open(開く)アイコンボタンでランドスケープファイルが開かれている場合や、保存した後(Promptウィンドウで)の場合、ランドスケープ・ビルダーはAdd texture(テクスチャの追加)モードになり、選択されたファイルの名前がLandscape File(ランドスケープファイル)フィールドに表示されます。 Layer ControlsウィンドウのToolsメニューからEdit Colors(色の編集)オプションを使用し、ラスタレイヤのカラーパレットを確認したり、変更したりできます。詳しくは、冊子「TNT入門:よい色遣い」を参照してください。 7ページ 複数のレイヤからのテクスチャの生成 本文 ランドスケープファイルを保存し、再度開かないことを選択した場合(前回の練習の最後を参照)、起伏を表現するためにすでに選択した標高ラスタは読み込まれたままです。これを削除し、別の標高ラスタを選択するためには、New(新規)アイコンボタンを押します。 ランドスケープビルだーはTNTmips Spatial Data Display(空間データ表示)処理にあるような複数のレイヤの表示処理に対応しています。任意のタイプで別々のレイヤを重ねたり、ベクターポリゴンの塗りつぶしやラスタレイヤの透明度設定など、特別な処理を施すことで、複雑なテクスチャ画像を作成することができます。 今回の練習では、2つのラスタレイヤを用いて、テクスチャ画像を生成します。一方のレイヤは、DEMデータにTNTmipsのSlope(傾斜)、Aspect(側面)、Shading(陰)処理(この機能はProcessRasterElevation(処理/ラスタ/標高)から辿ることができます。)を適用した陰つきラスタです。もう一方のレイヤは、DEMにカラーパレットで単純に色づけしたもので、それぞれの色の透明度は30パーセントに設定されています。 両者が重ね合わせられたとき、標高によって決まった色に透明度が設定されているために、下にある陰付きのレイヤが色つきの陰のあるテクスチャになります。TNTsim3Dで表示すると、テクスチャ表現において色と陰によって、地表面の鳥瞰図表示が非常に効果的となります。 ステップ New(新規作成)アイコンボタンを押し、TETONプロジェクトファイルからDEMラスタオブジェクトを選択します。 Add Layer(レイヤの追加)アイコンボタンを押し、ドロップダウンメニューからQuick-Add(すばやく追加)を選択します。 TETONプロジェクトファイルからSHADINGおよびDEMCOLOR(この順序で)選択します。 Run(実行)アイコンボタンを押し、ランドスケープファイルの起伏とテクスチャオブジェクトに名前をつけ、保存します。 Promptウィンドウで、両方のトグルをオフにします(ファイルを開かず、現在のテクスチャレイヤを保持します。) 現在の状態をそのままにして、次の練習を続けます。 起伏ラスタに合わせて切り取り/方向決め 景観を組み立てるために選択した入力オブジェクトはその範囲や方向、地図投影法が、かならずしも一致している必要はありません。異なる投影法では処理の中で自動的に一致させますし、ランドスケープ・ビルダーによって方向や範囲を調節する方法がいくつかあります。 今回の練習で扱われるふたつのベクタは、起伏ラスタの範囲の外側までおよんでおり、テクスチャレイヤをそこから生成します。起伏ラスタの範囲外にあるベクタのラインとポリゴンは、地理情報としてのつながりがないので、テクスチャ画像の範囲からその部分を除きます。従って、起伏ラスタの境界部分で、それらのラインやポリゴンを切り取ります。実際、ランドスケープ・ビルダーでは、選択した起伏ラスタの範囲で、すべてのテクスチャレイヤを切り取り(ビューウィンドウの色がつけられた範囲を示す矩形で示されています。)、また全てのレイヤは起伏ラスタの方向に一致しています。 左の欄 注:最後の練習でSHADINGおよびDEMCOLORラスタはテクスチャレイヤのままである必要があります。 ステップ Add Layer(レイヤの追加)アイコンボタンを押し、ドロップダウンメニューからQuick-Add(すばやく追加)を選択します。 TETONプロジェクトファイルからHYDROおよびHIGHWAYS(この順序で)選択します。 色つきの範囲を示す矩形が選択した起伏ラスタの範囲と一致しているかを確認します。 Run(実行)アイコンボタンを押し、ランドスケープファイルの起伏とテクスチャオブジェクトに名前をつけ、保存します。 Promptウィンドウで、Open this landscape file(このランドスケープファイルを開く)トグルをオフにし、Clear all textures(テクスチャをすべて削除)トグルをオンにします。 図の説明 出力されたテクスチャラスタは起伏ラスタの範囲にあわせて切り取られます。 今回の練習で使用される多くのデータレイヤーは、同じ座標系(ユニヴァーサル横メルカトル)でジオリファレンス処理されていますが、高速道路のレイヤはLatitude-Longitude(緯度経度)座標系を採用しています。これらの異なる座標系はレイヤが追加される時に自動的に調節されます。 アクティブレイヤにあわせて切り取り/方向決め テクスチャレイヤとして追加した、いかなるオブジェクトに対しても、景観レイヤを切り抜き、方向決めを行うことができます。まず、ビューの中で対象とするレイヤがアクティブになっているかどうか確認します(Layer Controlsウィンドウのリストの一番左にあるLayer Select(レイヤ選択)ボタンが赤になっている必要があります。もし、赤でなければ、その上で左クリックします。)。つづいて、Landscape Builderウィンドウのオプションパネルにおいて、ClipOrient To(切り取り/方向決めの対象:)ラベルの右をActive Layerにします。 今回の練習では、景観レイヤを切り取り、方向決めを行い、RGBラスタレイヤをテクスチャとして使用します。このラスタレイヤは最後に追加されたもので、これがアクティブレイヤになっています。このレイヤのラスタはいずれも義おリファレンス処理がされていますが、その行方向や列方向は、参照した座標系(ユニヴァーサル横メルカトル、ゾーン11)の格子線に平行ではありません。より大きなラスタの行や列がこの座標系の方向を向きます。 ステップ New(新規作成)アイコンボタンを押し、KINGSプロジェクトファイルからDemラスタオブジェクトを選択します。 Add Layer(レイヤの追加)アイコンボタンを押し、ラスタを選択し、ドロップダウンメニューからQuick-Add RGB(RGBをすばやく追加)を選択します。 KINGSプロジェクトファイルからBAND3、BAND2、BAND1ラスタをこの順序で選択します。 RGBラスタレイヤがLayer Control ウィンドウでアクティブになっているかどうかを確認します。 Landscape Builder ウィンドウのOptions(オプション)パネルで、Active Layerプッシュボタンを選択します。 Run(実行)アイコンボタンを押し、新規ランドスケープファイルとそのオブジェクトに名前をつけて保存します。 Promptウィンドウの設定をひとつ前の練習と同じにします。 図の説明 起伏ラスタに合わせて切り取り/方向決め アクティブRGBラスタレイヤに合わせて切り取り/方向決め 起伏ラスタの範囲をあらわす矩形 出力される範囲の矩形 アクティブレイヤを選択するためのボタン ClipOrient ToをTerrainに切替え、景観レイヤの切取りや方向決めをおこたうのに起伏レイヤを使用することもできます。 10ページ 出力する範囲の手動による設定 本文 自動的に切り取り/方向決めをするオプションの中で、いずれも景観レイヤを作成するために条件を満たさない場合もあるかもしれません。その場合は、Output Extents(出力範囲)ツールを用いて、手動で出力範囲ボックスの大きさを変更し、全てのレイヤに対して、まさに必要とする部分のみを切り取る方法があります。 今回の例では、選択した起伏ラスタがCOMPOSITラスタの全域に及ぶ程大きくない場合を取り上げます。コンポジットレイヤーに対して、アクティブレイヤを用いて切り取り/方向決めオプションのみを使用しても景観レイヤの左下角に有効な起伏データがないことになります。(この操作ではランドスケープ・ビルダーは起伏データのない部分には起伏データの最小値を適用します。)。それに対して、出力範囲ボックスの左部および下部を縮めることで、景観レイヤ全体に対して有効な起伏値が適用されます。 ステップ New(新規作成)アイコンボタンを押し、BIGHORNプロジェクトファイルからBHDEMラスタオブジェクトを選択します。 Add Layer(レイヤの追加)アイコンボタンを押し、ドロップダウンメニューからQuick-Add(すばやく追加)を選択します。 BIGHORNプロジェクトファイルからCOMPOSITEラスタオプジェクトおよびHYDROベクタオブジェクトを選択します。 Layer Controlsウィンドウで、COMPOSITEレイヤの青いSelect(選択)アイコンをクリックします(赤にします。)。 Landscape BuilderウィンドウのActive Layerプッシュボタンを押します。 ビューウィンドウのツールバーにあるOutput Extents(出力範囲)アイコンボタンをクリックします。 出力範囲ボックスの左側および下側境界部分を、左クリックをしたまま内側にドラッグし、左下角が起伏レイヤの範囲内にあるようにします。 この設定のまま次のページに進みます。 図の説明 数値による現在の出力範囲はOptions(オプション)パネルに表示されていますUnits(単位)メニューで扱う範囲に適切な長さの単位を選択します。 出力範囲ボックスの大きさを変更することで、起伏レイヤ範囲ボックスの中に全体が収まるようにします。 11ページ 景観ラスタの大きさの調節 本文 前のページのステップに沿ってLandscape Builderウィンドウをよくみていくと、切り取り/方向決めの設定を変えた時に、Ratio(割合)メニューが1から2へ変わったことに気付いたかもしれません。このメニューはテクスチャと起伏ラスタとの相対的比率の設定です。(大きさは出力ラスタの行と列の大きさを参照しています。)一般的に、写実的な景観シミュレーションでは、表面を覆うテクスチャよりも起伏ラスタのほうが粗いデータです。(テクスチャ/起伏)のラスタサイズ比は1あるいは2、2の冪乗(最大で64)です。 ランドスケープ・ビルダーで作成されたテクスチャラスタは、空間的にタイル状に配置されており、各タイルは256行256列のセルが並んだものです。それぞれの大きさのラスタのタイルの数は、1あるいは2、2の冪乗(最大で64)に制限されています。結果として、それぞれの大きさのラスタセルの数は256、512、1024、2048などとなります。ランドスケープ・ビルダー(Ratio(比率)メニューも)は出力する起伏ラスタセルやテクスチャセルサイズを自動的に調節し、必要な大きさにラスタを生成します。 ステップ Ratio(比率)メニュー(Landscape BuilderウィンドウのOptions(オプション)パネル)とラスタ、出力する起伏ラスタとテクスチャラスタのセルサイズの、現在の設定を確認します。 Run(実行)アイコンボタンを押し、新しいランドスケープファイルとそのオブジェクトに名前をつけて保存します。 Promptウィンドウの設定を前回の練習のままにします。 出力する起伏ラスタの大きさは、選択したサイズ比によって決まる、各テクスチャラスタの大きさに分割されて自動的に計算され、セルがひとつ追加されます。例えば、出力テクスチャが2048*4096で、比率が4の場合、起伏ラスタの大きさは513*1025になります。 図の説明 TextureTerrain Raster Size Ratio(テクスチャ/起伏ラスタサイズ比)をRatio(比率)メニューで設定できます。 どちらの景観ラスタも大きさやセルサイズを手動で編集することができますが、入力した値は選択したサイズ比を保ち、TNTsim3Dが要求する大きさの制限を満たすように保つように自動的に調節されます。 前回の連取で示したように、ビューウィンドウには2つの範囲ボックスがあります。ひとつは現在の出力範囲を示すもの、もうひとつは起伏ラスタの範囲を示すものです。(新しく起伏ラスタを選択すると、ふたつの矩形は重なります。)出力範囲ボックスはTNTmips General System Preferences(一般システム設定)ウィンドウ(SupportSetupPreferences(サポート/設定/初期設定))で設定されているグラフィックツールの色や線幅を参照します。起伏ラスタ範囲ボックスの色や線幅を設定するには、Specify Terrain Extents Style(起伏ラスタ範囲スタイル)アイコンボタンを押します。 テクスチャ/起伏サイズ比の使用 本文 Ratioメニューの設定を変更するとランドスケープ・ビルダーは起伏ラスタやテクスチャラスタの出力の大きさとセルサイズを自動的に計算します。または片方の大きさとセルサイズはそのままにすることもできます。どちらのラスタが変更なしにするかは、Options(オプション)パネルにあるHold Constant(値を一定に保つ)メニューで指定できます。今回の例では、入力のDEMとRGBIラスタ表示に用いるためのラスタが、ほぼ同じ大きさのセルサイズ(15メートル)の場合です。テクスチャラスタを一定に保ち、サイズ比を1かり2へ増やしすて、出力の起伏ラスタの大きさと空間的な詳細さを減らし、テクスチャ画像の詳細さの水準を保つことができます。 ステップ New(新規作成)のアイコンボタンを押し、REDMTNプロジェクトファイルからRMDEMラスタを選択します。 Add Layer アイコンボタンを選択し、メニューからRasterAdd RGBI Rasters(ラスタ/RGBIラスタを追加)を選択します。 RDEMTNプロジェクトファイルから赤チャンネルにBAND3、緑チャンネルにBAND2、青チャンネルにBAND1、強度チャンネルにBAND8Fを選択します。 Raster Layer Controlsウィンドウが自動的に開き、Options(オプション)パネルでColor Blending Mode(混色モード)メニューからHBSを選択し、[OK]をクリックします。 ClipOrient To(切り取り/方向決め)オプションでActive Layerを選択します。 Landscape BuilderウィンドウのOptions(オプション)メニューにおいて、Hold Constant(値を一定に保つ)メニューからTexture(テクスチャ)を選択します。 Ratio(比率)メニューで2を選択し、再計算された起伏ラスタの出力サイズを確認します。 この設定のまま次の練習に進みます。 図の説明 起伏ラスタの始めのサイズの設定(上図)とテクスチャ/起伏ラスタサイズ比が変更された後の設定(右図)。 このRGBI表示では、強度には高解像度の汎クロマティックバンドを使用しており、残りのバンドには3つの低解像度カラーバンドを使用しており(強度ラスタに一致するようにあらかじめ再サンプリングしています。)、より精細な「それらしい」色彩画像です。 13ページ ラスタタイプと圧縮 本文 多くの精細なテクスチャで広範囲に覆うとランドスケープファイルのファイルの容量はすぐに大きくなります。TNTsim3Dは大容量のファイル(500 MB以上)を扱うことに問題はありませんが、容量が小さい方が配付するには都合がいいです。テクスチャや起伏ラスタの大きさとは別に、ランドスケープ・ビルダーではランドスケープファイルの容量に影響するふたつの要因があります。ひとつはテクスチャのラスタタイプと、もうひとつはテクスチャと起伏ラスタの圧縮です。 TextureパネルのRaster Typeメニューではテクスチャラスタのビット深度を選択することができます。選択肢は24bit(最高深度)および16bit、8bit(最小深度)です。24bitおよび16bitのオプションは、各セルが赤、緑、青に分かれたコンポジットのテクスチャラスタの場合に用います。8bitを選択すると各ラスタの値に色情報を割り当てるためのカラーパレットが作成されます。初期設定では16bitで24bitのテクスチャよりも容量の小さい、非常に広い範囲の色を表現できます。色彩画像テクスチャとして8bitを選択すると、色表現の制限により、明らかに不自然にみえます。しかし、テクスチャがグレイスケールの場合には、必要最小限の容量で適切なグレイ濃度を表現できるため、8bitオプションは有効です。 起伏ラスタやテクスチャラスタを圧縮するとファイル容量を小さくすることができます。Use Compression(圧縮を使用)ボタンをオンにすると、ランドスケープファイルに保存される前に、スタンダードロスレス圧縮が適用されます。テクスチャラスタが広い範囲を単一の色で覆っている場合が、圧縮の効果が最も高いですが、ほとんどすべてのラスタに対して、圧縮の効果を得ることができます。TNTsim3Dの解凍処理は非常に早いので、圧縮されたラスタを使用してもそのファイルの取扱いへの影響は少ないです。 ステップ Landscape BuilderウィンドウのTerrain(起伏)パネルおよびtexture(テクスチャ)パネルの両方でUse Compression(圧縮を使用)トグルをオンにします。 Run(実行)アイコンボタンを押し、ランドスケープファイルとそのオブジェクトに名前を付けて保存します。 前回の練習でのPromptウィンドウの設定をそのままにします。 図の説明 出力する起伏ラスタに適用する再サンプリング法を標準的な3つのうちからひとつ選びます。Nearest Neighbor再サンプリング法はテクスチャラスタのみに適用可能です。これらのサンプリング法についての情報は冊子「画像の調整」を参照してください。 14ページ 起伏ラスタを用いた応用的処理 本文 景観ラスタを作成する時に起伏ラスタを選択する際に、必ずしも地表面の標高データである必要はありません。選択した起伏ラスタは、滑らかに変化する空間的に数値化されたものの代表例です。この練習で組み立てた景観ラスタは、米国カリフォルニア州とネバダ州の地震によるゆれのリスクの予想図です。この図は地表面の加速度のピークが、次の50年間に10パーセントの確率で越えると考えられる地域を明確に示しています。同じラスタをテクスチャによる被覆として、カラーパレットと共に使用しています。最も高い値(焦げ茶で表示)は1.8 g(g=9.8 msecsec;重力の一般的な加速度の値)を越えています。 起伏ラスタとして入力したセル値がセルサイズよりも小さい場合(今回の例のように)、Project File maintenance(プロジェクトファイルの編集)のEdit Object Information(オブジェクト情報の編集)オプションを用いて、ラスタのセル値を増幅させることができます。今回の練習では、PGAラスタのセル値スケールを500にしました。結果、Vertical Exaggeration(垂直方向の強調)設定を変更しなくても、TNTsim3Dで自動的に重要な特徴が表れます。 ステップ New(新規作成)アイコンボタンを押し、PGAプロジェクトファイルからCNPGAラスタオブジェクトを選択します。 Add Layerアイコンボタンを押し、ドロップダウンメニューからQuick-Addを選択します。 PGAプロジェクトファイルから、ラスタオブジェクトからSHADINGおよびCNPGA、ベクタオブジェクトからCOUNTIESおよびSTATESをこの順序で選択します。 Run(実行)アイコンボタンを押し、ランドスケープファイルとそのオブジェクトに名前をつけて保存します。 前の練習でのPromptウィンドウの設定をそのままします。 下の矩形の中 注意:ランドスケープファイルを作成した後で、起伏ラスタやテクスチャラスタをほかのTNTmips処理で変更してはなりません。もし、変更をすると空間的に配置された格子状あるいはピラミッド状の構造が削除され、TNTsim3Dでの適切な処理が行えなくなります。 15ページ このページは意図的に空白にしてあります。 16ページ 目次…