火山DEM10mメッシュインポート




数値地図10mメッシュ(火山標高)とは、国土地理院が刊行している5千分1及び1万分1火山基本図に描かれている等高線をベクタ化したデータから 計算によって求めた24火山の数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)データです。火山基本図を南北(Y)及び東西(X)方向に、それぞれ10m間隔で 分割して得られる各方眼の中心の標高が記録されています。

このページでは、数値地図10mメッシュ(火山標高)をTNTmips 2007:73を使ってインポートします。

このページ内の 目 次
●HEADERの確認
●インポート
A)LEMファイルをインポート
B)DATファイルをインポート
●ジオリファレンス
●標高値の調整




 

●HEADERの確認

数値地図10mメッシュ(火山標高)をインポートする前に、HEADERファイルが更新されていないか確認します。

平成12年12月1日に刊行し、平成14年3月31日まで販売していた「数値地図10mメッシュ(火山標高)」をお使いになる場合:

収録しているHEADERファイルに記載してある座標情報は、旧測地形に基づいています。各火山毎に世界測地系へ変更した新しいヘッダ(csv形式)を 国土地理院のサイトからダウンロードできますので、そちらをお使いください。

国土地理院 新測地系対応HEADERファイル:
http://www.gsi.go.jp/MAP/CD-ROM/sekaitaiou/kazan/kazanindex.htm


上記以外の方:

HEADERファイルの改正情報が国土地理院より公開しています。インポートするデータのHEADERファイルが改正されていないか確認してください。

国土地理院 数値地図10mメッシュ(火山標高) 訂正情報について:
http://www.gsi.go.jp/DIFF/index_10M.htm




 

●インポート


「数値地図10mメッシュ(火山標高)」に収録されているフォルダのうち、“DAT”および“LEM”というフォルダに入っているデータがDEMデータになります。両方とも同じデータが収録されていますので、どちらをインポートしてもかまいません。ここでは「岩手山」を例に解説します。

A)LEMファイルをインポート


LEMファイル
LEMファイルはテキスト形式のデータ(拡張子はlem)です。このファイルでは、DEMデータが次のように並べられています。

レコード番号標高値標高値・・・標高値
レコード番号標高値標高値・・・標高値
レコード番号標高値標高値・・・標高値
・・・
・・・
・・・
レコード番号標高値標高値・・・標高値

このデータは、海部及び空白部を「−9999」で記述してします。また、標高値は10cm単位で表現しています。

▼「レコード番号」は必要ないので、ExcelでDemデータ(.LEM)を開き、「レコード番号」を削除します。A列目が「レコード番号」となりますので、A列目を削除します。



削除しましたら、テキスト(タブ区切り)として保存します。

▼メインメニューから、[メイン]>[入力(インポート)...]を選択します。


▼インポートするデータを選択します。<インポート(入力)>ウィンドウの[入力形式]の欄にある[フィルタ]で“ラスタ”を選択し、 さらに“TEXT-RASTER”を選択し、[ファイルの選択…]を押します。


▼<ファイル(複数)を選択>ウィンドウが現れます。Excelで編集したテキストファイルを選択します。


▼選択しましたら、次へ進みます。


▼<インポートパラメータ>ウィンドウが現れますが、まずはインポートするためのパラメータをHEADERフォルダにある“HEADERファイル”から 読み取ります。ここでは「岩手山」をインポートするので、「岩手山」のHEADERファイルを表示しています。


HEADERファイルの“南北方向の点数”がライン数で“東西方向の点数”がカラム数になります。
パラメータは次のようになります。

ライン(Y方向)数およびカラム(X方向)数 :600×800
ライン方向およびカラム方向のセルサイズ :10m
ピクセルのビット数 :16ビット符号付き



ライン数およびカラム数はデータによって異なりますのでご注意ください。
設定しましたらインポートを始めます。

▼インポートしたデータを表示するとこのようになります。見やすいように、陰影表示しています。標高値は10cm単位で表示しています。


 

B)DATファイルをインポート


DATファイル
DATファイルはバイナリ形式で保存されたデータ(拡張子はdat)です。このdatファイルは“ビッグエンディアン”(2バイトデータは 1バイトずつ分けて記録されますが、その際上位のバイトから記録されています)で記録されていますので、この点に注意してインポートします。

LEMファイルと同じように、海部及び空白部を「−9999」で記述してします。また、標高値は10cm単位で表現しています。

▼メインメニューから、[メイン]>[入力(インポート)...]を選択します。


▼インポートするデータを選択します。<インポート(入力)>ウィンドウの[入力形式]の欄にある[フィルタ]で“ラスタ”を選択し、 続けて“SIMPLE-ARRAY”を選択し、[ファイルの選択…]を押します。


▼<ファイル(複数)を選択>ウィンドウが現れます。「岩手山」をインポートしますので、DATフォルダにある“IWATE.DAT”を選択します。


▼ファイルを選択しましたら次へ進みます。


▼<インポートパラメータ>ウィンドウが現れます。インポートするためのパラメータをREADMEフォルダにある“READMEファイル”から 読み取ります。「岩手山」をインポートするために必要となるパラメータは、以下のとおりです。

ライン(Y方向)数およびカラム(X方向)数 :600×800
ライン方向およびカラム方向のセルサイズ :10m
ピクセルのビット数 :16ビット符号付き
バイトオーダー :高−低


なお、ライン数およびカラム数はデータによって異なるので、インポートするデータに置き換えてください。 以上、設定しましたらインポートを始めます。



▼インポートしたデータを表示するとこのようになります。見やすいように、陰影表示しています。標高値は10cm単位で表示しています。






 

●ジオリファレンス

テキスト形式またはバイナリ形式のファイルをラスタとしてインポートしましたが、このラスタには座標情報がついていませんので、 ジオリファレンスを行います。ジオリファレンスの際、“単位”に注意しましょう。なお、ここでは新測地系に対応したHEADERファイルを使ったジオリファレンスを解説します。

▼HEADERファイルに書かれている座標情報を確認します。ここに書かれている座標情報は新世界測地系(JGD2000)に対応しています。


▼メインメニューから[メイン]>[ジオリファレンス(座標付与)...]を選択します。


▼<オブジェクトのジオリファレンス処理>ウィンドウの[ファイル]>[開く...]から、先ほどインポートしたDemデータを開きます。


▼<ジオリファレンス オプション>ウィンドウで座標参照系を指定します。「岩手山」の座標参照系は“JGD2000/Japan-19 ]”です。




▼HEADERファイルに書かれているラスタの左下の座標と右上の座標を参考に、4隅の座標を入力します。

注意!
・HEADERファイルに書かれている(X,Y)座標はcm単位で書かれていますが、この作業ではm単位で座標値を入力します。
・この座標系は平面直角座標系です。そのため、「X座標が南北方向」を示し、「Y座標が東西方向」を示します。

参考までに、「岩手山」の4隅の座標は次のようになります。座標を入力しましたら、保存します。

位置ラインカラムNorthingEasting
左下6000-19692.4310950.78
左上00-13692.4610950.78
右下600800-19692.4318950.87
右上0800-13692.4618950.87








 

●標高値の調整

インポートしたDEMデータは10cm単位で表現されていますので、単位をm単位に変換します。

▼メインメニューから[ラスタ]>[組み合わせ(演算)]>[一般演算式...]を選択します。


▼<ラスタの組み合わせ演算>ウィンドウでの[ラスタ(複数)...]から、インポートしたDEMデータを選択します。 選択しましたら、パラメータを設定します。

ラスタに対し、どのような演算を行うか設定します。 ラスタ全体に同じ数をかける場合、タイプで“代数”を選択し、操作で“スケール/オフセット”を選択します。

続けてパラメータを設定します。スケールファクタにラスタ全体へかける数を入力します。今回は“0.1”です。 ラスタ全体に0.1をかけるとラスタ値は小数点をとるので、ラスタタイプは“32ビット浮動小数点”を選択します。 まとめると、次のようになります。

タイプ:代数
操作:スケール/オフセット
スケールファクター:0.1
ラスタタイプ:32ビット浮動小数点

設定しましたら、実行します。


50mDEMデータと重ねて表示すると、このようになります。


50mDEMデータと10mDEMデータを比較するため、同じ場所を拡大表示しました。上のウィンドウが10mDEMデータで、下のウィンドウが50mDEMデータです。10mDEMデータのほうがより細かく地形を表現していることがよくわかります。








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2008.3.3更新

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