To homeTo titleTo tail

簡易除去方法 【Mosaic 編】
く も の か ん い じ ょ き ょ ほ う ほ う モ ザ イ ク へ ん


衛星画像を入手する際に、
どうしても雲が入ってしまう画像を選ばざるを得ないときってありますね。

しかし、できることならば雲の画像を取り除いてしまいたい。

あっちの画像とこっちの画像の雲の無いところだけを組み合わせれば、雲の無い画像ができるのではないだろうか?

そんなとき、本来 ラスタ画像をつなげていく Mosaic 機能を応用することで簡易的な雲の除去が行えます。このページはそんな Mosaic 応用処理解説です。





25000地図画像のモザイクTIPS



This Information was checked by Windows Me (TNTmips 6.5)
1.考え方
こうやれば、雲が消えるはず
2.Mosaic 設定
設定する項目はちょっと複雑
3.結果の比較
どの程度除去できるか...





 

  を 除 去 す る 考 え 方


 正確な幾何補正と輝度補正を行った状態で、オーバーラップゾーンの最小値選択処理を行えば DN 値の高い雲が除去されるはずです。



▼それぞれの最小値を採用すれば...

使用する画像は、撮影年次の異なる可視光から近赤外のカラー画像(VNIR 画像)2組。

れ雲が画像の中に点在するやっかいなデータです。 ただ、よくよく考えてみますと雲の写っている場所は白く表示されます。 白い場所というのは その場所の値( DN 値)が大きい... つまり、2つの画像を比較して小さいほうの値を採用することで、雲ではないほうの値を採用することができるのではないかと考えることができます。

と Mosaic 処理は隣り合った画像を繋げていく処理のことですが、おたがいに重なった場所の処理をある程度設定することができますので、ここで最小値を選択するとうまくいきそうですね。


 

、処理を行う前に、正確な幾何補正(リサンプリングも含む)と輝度補正を行っておいたほうがより効果的に処理できますので、入念な下準備をお勧めいたします。





 

 M o s a i c 処 理 の 細 か い 設 定


 Mosaic 処理は色々な条件とパラメータの設定など、わかりにくいことが多いですので、細かい設定を解説します。



▼Mosaic 処理を選択しましょう

メニューより Process/Raster/Mosaic... を選びモザイク・ウィンドウを開きます。

 



▼これが Mosaic ウィンドウ!!

こんなウィンドウが開きます。これがモザイク・ウィンドウです。

 



▼画像を読み込まなくては...

が点在する画像を指定しますので、メニューより File/Add RGB Rasters... を選択します。

 



▼Raster Object を選択

Select Objects ウィンドウが現れましたね。 今度は RGB に使用する3つのバンドをひとつひとつダブルクリックします。 順番はやはり R G B で行ってください。 まず一組目の RGB ラスター画像が右側の Selections で選択されましたら、左下の OK ボタンをクリックします。

 



▼1枚目の画像が表示されます

1枚目の雲が含まれた画像を選択することができました。

様に、モザイク・ウィンドウのメニューより File/Add RGB Rasters... を選択してもう1枚の RGB 画像を選択してください。

 



▼2枚とも選択できたらいよいよ設定

と、2枚の RGB 画像が画面上に表示されましたね。 では Input タブで確認するとこのように選択された各ラスタ名が表示されています。 あとは、下にある Image Area: 欄を Processing Area に変更しましょう。

 



▼Output タブの設定

力形式の設定を Output タブで行います。 重要な点としては、Output Area: 欄で Total Extents を選択すること。 他の欄は好みに応じて選択してみてください。 とくにデフォルトのままでも問題ないはずです。

 



▼Parameters タブで Minimum を選択

、今回の一番重要な設定です。 Overlap Method: 欄で Minimum を選択することで、2つの画像が重なった部分では、より DN 値の小さいものが選択されます。 今回の場合、雲の部分は DN 値が大きいため採用されないということになります。

Deviation Filter のチェックがオンになっている場合は、チェックをオフにしておきましょう。

 



▼Contrast タブで輝度補正の設定

分に別の画像を当てはめると違和感が出てきますね。 とくにその明るさが異なるとはっきりわかってしまいます。 そこで、リファレンスとなる画像を選択してそのヒストグラムにうまく合うよう微調整を行うのがこの設定タブです。 

注意するのは次の3点。 Matching Method: 欄を Reference Raster。 Matching Area: 欄には Whole Raster。 そして、下のほうにあります Reference Raster: 欄には リファレンスに使用するラスターを一つ選択します。

 



▼Trend タブは今回設定なし

モザイク処理では、空中写真の明暗グラデーションなどを補正するために Trend 設定を行いますが、今回はほとんど画像が重なっていますのであまり必要ありません。 Remove Trend: 欄は None のままでよいでしょう。

 



▼さあ、あとは Run ボタン

ほとんどの設定が終了しました。 あとは左上にある Run ボタン を押します。



▼Auto Name で出力先を一発指定

Select Object ウィンドウが現れて、出力先のオブジェクト名を聞いてきます。 そこで下にあります Auto Name ボタンを押すと自動的に名前を割り振ってくれます。 できましたら OK ボタンをクリックしてください。 処理が始まります。

 



▼無事に処理が終了しましたか?

動き始めれば処理が行われている証拠です。 無事に終わりますとこのような Process Status ウィンドウが現れ、処理時間が表示されます。 では OK ボタンをクリックです。

 



▼処理結果が表示されて確認できます。

、モザイク処理で生成された画像が表示されますのでざっと確認してください。 細かいチェックは、メインメニューの Display/Spatial Data のほうで確認してみてください。

 





 

  果 の 比 較


 さあ結果を見てみましょう。 どの程度雲が取り除けたか、どんな影響がでているか... 結果に満足いかない方は更なる方法を模索してみましょう。



▼この程度の効果はあります

画像に雲がある場所は当然残ってしまいますが、それ以外のところでも本体は消えたけれど影だけが残るといった現象がみられます。 最小値を選択することで、逆に雲の影を増やしてしまうのはこの処理の最大の欠点です。 このあたりを閾値を決めてうまく除去できれば、かなり実用的な簡易雲除去処理ができるのではないでしょうか。

、都市域では DN 値の高い場所もいくつか存在し、雲が選択されてしまう場合もあります。 このような細かい点については、Mosaic 処理だけでなかなか解決しない問題ですので、SML などに頼らざるを得ないところでしょう。


テクニックは、あくまで簡単に処理するとした場合の雲除去方法としてお考えください。


 
雲のある元画像1▼   ▼雲のある元画像2
▼   ▼
▼   ▼
▼   ▼
 
モザイク後の簡易雲除去画像





To homeHome  |  To titleTitles  |  To headHead

2001.9.28更新

(株)オープンGIS
〒130-0001東京都墨田区吾妻橋1-19-14
電話(03)3623-2851 FAX(03)3623-3025
info@opengis.co.jp