TNTmips V5.6の新機能

(*)の付いた個所はV5.6で新たに追加された機能です。
(>)の付いた個所は既存の機能の修正、改善です。
(本ページはTNTmipsV5.60リリースノート(Release of V5.60 TNT products;p.3-, p.17-)からの抄訳です。)

圧縮形式でのラスタ・オブジェクトのインポート、保存(*)

ラスタ・オブジェクトを圧縮、非圧縮のいずれの形式でも保存することが可能になりました(ピラミッド・レイヤも同時に圧縮)

<圧縮のタイプ>

SPOTヘッダー情報(*)

Support/Maintenance/Project FileメニューはSPOTヘッダー・サブオブジェクトの情報を表示します。この情報には、衛星および装置名称、スペクトルモード、前処理レベル、SPOTグリッド参照システムの座標、日時、26日サイクルの衛星回転数、太陽の方角、入射角、真東回転角度、シーン中央および隅の緯経度、地図投影法と左上の地図座標(2B処理レベル)、絶対較正係数、CCDセンサーのlook directions、衛星角速度(73レコード)、衛星ephemeral data(9レコード)、が含まれます。

各種インポートのサポート(*)

ERDAS Imagine8.x、圧縮形式のJPEG、NLAPS、ERS(RADAR)、IRS(インド)、DISIMP(オーストラリアで主に使用)、AVHRR-Biweekly、ESRI社ARC/INFOカバレッジの最新版(.adfファイルの使用)、3-D MOSS、ODBCデータソース。ArcWorldファイル。圧縮版JPEGはイクスポートも可。
ODBCデータソースのインポート/イクスポート(Windows環境のみ)これにより、ExcelやAccessのデータファイルをインポート/イクスポート可能。

グラフィカル・ツール(>)

・Line/Polygonツール
入力するラインの始点を四角、終点を円で表示。”Draw”,”Stretch”モードの保持(今までObject Editorに入るたびにモードを選択しました)。

Element Selectionダイアログの統一。(プロセス毎に違っていたユーザ・インタフェースを統一)。

・V5.5まではElement Selectionウィンドウにおいて表示しているすべてのレイヤの、すべてのエレメント・タイプ(ライン、ノード、ポリゴン、…)が検索対象になっていました(Display/Spatial Data)。V5.6から“アクティブ・レイヤ”(コントロール・ウィンドウで選択(反転表示)されているレイヤ)のエレメントのみが検索対象になります。

・エレメント・タイプを選択対象にすると、アイコン・ボタンの色が赤から青に変わるようにしました。(V5.5ではアイコン選択ボタンはバックの色と同じのグレイでした。)

ベクタとTINレイヤの3-D表示、ラスタ・レイヤへのドレープ(重ね描き)

TINオブジェクトを2-D(Spatial Data)または3-Dで表示する際、コンターとして表示できる。

Regionによるベクタの切り出し(*)

Spatial Data Display、Object Editor(Prepare/Editメニュー)およびRaster/ExtractプロセスにおいてRegionによる図形抽出機能を実現。あるレイヤ(ベクタ、ラスタ)から作成したRegion(ポリゴン図形)で、他のベクタ・レイヤを切り出すことが可能。抽出されたレイヤは面積、周長などの内部テーブルのほか、ユーザが定義した属性も持つ。Object Editorでは、切り出されたベクタの保存、編集が可能。

<Regionの種類>
・選択されたポリゴン
・ポリゴン・フィッティング(点データをポリゴンで囲んでグループ化します。)
・バッファ・ゾーン
・ビューシェッド(可視域)
・ラスタ値によるスレッシュホールド(上限、下限の設定によりラスタの範囲をリージョンにする)
・ボロノイ・ポリゴン
・ベースン・グローイング(basin growing)
・ダム(flooding with a dam)
・ラスタ・セル
・テクスチャー・グロース(texture growth)
・クラスタ
・円、矩形、ポリゴン( ダイレクト・リージョン)

TNTlite(*)

ベクタデータのインポート時、TNTliteで扱える範囲に切り出すことができるようになった。
ラスタ・サイズの制限を512x512から256x1024まで広げた(面積は一定)。

その他(>)

図形と関係付けられていない属性レコード(Unattached records)の除去がObject Editorにおいて出来るようになった。

新しいRASTER EXTRACTプロセスが従来のCOPY RasterとManual Resamplingプロセスに置き換わりました。本プロセスにおいてもリージョンの作成が可能。そのリージョンを使って他のラスタを切り出すことが可能(抽出時、投影法、属性も処理)。

Wallisフィルタの概念を拡張し、カラー画像にも適用できるようにした(Locally Adaptive Contrast Enhancement手法)。コントラストに明暗両極の偏りがあるようなカラー画像に適用し、各々微細な形状を浮き彫りにします。

Surface ModelingプロセスのDEMからTIN変換において、より正確な逐次近似手法を採用。新しい方法では、近似の精度の入力が可能。TINと表面の差が精度以下になるまで計算を繰り返します。

Surface Modelingにおいて、地形断面を生成可能。CADオブジェクトとして保存し、2-Dまたは3-Dで見ることができます。ラスタ・オブジェクトはオプションによりスムーズ化され、より滑らかなコンターを作ります。

データベース・レコードの統計値計算機能の追加(*)
合計(sum)、平均(mean)、標準偏差(standard deviation)、最小(minimum)、最大(maximum)、レコード数(count)をテーブルの一番下に表示できます。ソートしたフィールドについて各グループ毎に小計を計算します。見やすいように、レコードの色を変えることができます。検索されたレコードのみを別のテーブルとして保存できます。ほかにDbase、CSV、ODBCデータソースの形式での保存も可能。2つのフィールドを使ったX-Yプロットが可能です。

DEM/オルソ・プロセスが4つのステップに再構成されました
ステップA.Interior Orientation
ステップB.Relative Orientation
ステップC.DEM Extraction(DEMの計算)
ステップD.Orthorectification(正射投影図の作成)(開発中;従来のRestitutionと同等)

・Grid生成(Grid Generation)プロセスは、色々なパターンのサンプルポイントを生成、保存できます。

ポリゴン・フィッティング・プロセスにおいて、生成するポリゴンをプレビューすることができます。

Distance Rasterプロセスにおいて、別のベクタ・オブジェクトの中で選択された要素からの距離を計算できます。

新しいプラットフォーム(*)

TNT製品V5.60は、CPUにインテル486、Pentium、Pentium-Proチップを使ったコンピュータのLINUXで稼動します(CDはB)。LINUXは、パブリックドメインのUNIXです(フィンランドのLinus Torvaldsが開発)。LINUXには、TNTmipsで使える、サーバーが付属しています(Xfree86)。UNIXなので、シリアル・キーが必要です。