Subject: [ts-mag:00081] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 286号】
    Date: Wed, 14 Feb 2007 22:46:29 +0900
    From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2007/02/09
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Georeference,Residual,Model,Output,True

オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第286号「    ジ  オ  リ  フ  ァ  レ  ン  ス  の  残  差    」
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                       株式会社 オープンGIS



今回は、ジオリファレンス処理に出てくる『 残差 』について整理して
みました。


・・・


説明には、数値地図50mメッシュ(標高)を使いました。コントロールポイ
ントを置く練習ではないので、「数値地図50mメッシュ(標高)インポート
SML」でインポートしたものを使用しました。

http://www.opengis.co.jp/htm/basic/dem50_v70.htm

▼ インポートしたラスタをジオリファレンスで開きました。



場所はちなみに、日本-II、日本測地系の「5338-57(丹波)」です。


▼「セットアップ」>「投影法...」で座標系を見てみます。



数値地図50mメッシュ(標高)データの場合、"入力"、"表示"、"出力"3つ
とも"ジオグラフィック(緯度経度)"に設定します。



ここで"入力"、"表示"、"出力"の意味について、おさらいしましょう。


● "入力"は、コントロールポイントの座標を入力する場所です。




● "表示"は、入力した座標がリストアップされる場所です。



通常は"入力"と"表示"は同じ座標系にします。


● "出力"は、"入力"した座標情報をオブジェクトに保存する際の座標系
です。



標高データの場合、全部"ジオグラフィック"で正しいですが、『数値地
図25000(地図画像)』などでは、"出力"の座標系をUTMにします。地図
画像では、四隅の座標は緯度経度で記載されていますが、図面自体は、
UTM座標系に投影されているからです。


次に、問題の残差を見ましょう。

▼「オプション」メニューから「残差をX-Y 方向に分離して表示」を選
びます。




▼ 入力したコントロールポイントの残差が X(東西), Y(南北)に分離さ
れて表示されます。この場合は0になっています。




▼ 使用しているモデルは"アフィン変換"です。



アフィン変換に必要なコントロールポイントの数は3点です。

http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_245.htm#model_sum
mary

4点でも0になっているのは、四隅の緯度経度がラスタと同じように、
長方形の頂点に配置されていて、アフィン変換の縦横の伸び縮みだけで
オブジェクト座標(ライン, カラム)を緯度経度に変換できるからです。


さて"出力"の投影法をUTMに変えると、




▼ 残差は0ではなくなります。



まずは"出力"の座標系によって残差が変わることが分かります。

0でなくなるのは、緯度経度から計算されたUTM座標の値が、平行四
辺形的な変形を行うアフィン変換では吸収できないからです。

表の中で「X 方向に-2.95m」ということは、コントロールポイントは最
小二乗法によって計算される「真の位置」から西に(マイナス)2.95m ず
れている、ということを示しています。そして大事なことは、残差があ
る場合、オブジェクトの座標系は、コントロールポイントではなく、最
小二乗法によって決まる「真の位置」によって決まることです。




▼ モデルをたとえば、"バイリニア"(不等辺四角形の変形を行う)に変え
ると、残差が変わります。



バイリニア変換に必要なポイントの数は4点なので、この場合、残差は
計算されず、0になります。


・・・


とりとめのない話になりましたが、以下が大切なポイントです。

1)残差は、コントロールポイントから計算される「真の位置」からの
ずれを表しています。

2)残差は、投影法の「出力」によって変化します。

3)残差は、モデルによって変わります。

4)残差がある場合、「コントロールポイント」ではなく、「真の位置」
がオブジェクトの座標の基準になります。







□■お待ちかね!ウィンドウズVISTA 最新情報□■
===============================================================

現在マイクロイメージでは、ライセンスキーの動作確認をはじめ、 
2007:V73 の Windows Vistaでの動作評価を行っています。

テスト終了後、マイクロイメージ社はホームページで結果を報告します。

Vista 以前にリリースされたTNT製品については、Vistaでは動かないで
あろうとのことです。(2007/2/10)

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★エラー・バグ・トラブル
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● 作成したベクタデータを他のパソコンに移動して、編集用に開こうと
すると、「Recoverしてください」のメッセージが出ることがあります。

この場合は、メッセージのとおり、「操作ツール」の「プロジェクトフ
ァイルの修復...」(V72)を使って、RVCファイルを修復してみてください。

開けるようになると思います。マイクロイメージに報告します。


● メルマガ【第283号】で報告しました、ジオフォーミュラのスクリプ
トの保存のエラーが修正されました。

【エラー番号】drb12719E - Script is lost after saving and 
reopening geoformula

2007年2月14日以降の最新の 2006:72 パッチをお使いください。お手数
をおかけします。


● [日本測地系、緯度経度]でジオリファレンスされたラスタを、[日本
測地系、UTM座標]に投影法変換(リプロジェクト)すると、東南方向に
40mほどずれました。マイクロイメージに報告済みです。

【エラー番号】11583E - Data is shifted in progressive 
resample/reprojects

対処法は、検討中です。

+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +





機能要求
+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

● 要素との関係を保持するような通し番号のフィールドを作るよう要求
しました。

内部テーブルである Internal.ElemNum は通し番号で、それに近い性質
を持ちますが、ElemNum は変わることがあるとマイクロイメージは言っ
ています。

+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +





★ DV73の使用制限
===============================================================

V72 製品版を購入されているユーザは、DV(開発版)73 を製品版(データ
サイズ制限なし)として使用できます。30日間で使用期限が切れますが、
パッチを更新することでさらに30日間ずつ延長使用が可能です。

RV73 として公式リリースされた後も継続して使用するためには、ライセ
ンス購入が必要です。

DV 版のダウンロードはこちらからどうぞ:
http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV73.htm

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□■ お知らせ □■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

大切なお知らせです。

★『TNT製品の年間バージョンアップが年1回になります』

2007年2月15日から、TNT製品の年間バージョンアップの回数が、これ
までの年2回から年1回に変わります。価格は変わりません。

これは、複数プラットフォームのサポート、開発・テストに伴う負荷、
ウェブサーバ製品の開発などのため、年2回の定期的なリリースを維持
するのが難しくなったためです。

2007年2月15日迄のご注文に対しては、最新バージョン(V72)をお持ちの
ユーザは、これまでと同じ金額で V73 とV74 の2回分が提供されます。

ただし、年間バージョンアップを購入するには、2月15日以前、以降に関
わらず、最新バージョンV72 以降を購入済みである必要があります。

かなり先のバージョンまで購入されているユーザは、今回の変更に関わ
らず、購入された回数分のバージョンの使用が保証されます。

・・・

今回の変更は、『シングルユーザ・ライセンス』および『フローティン
グ・ライセンス』をお使いの方が年間バージョンアップを購入される場
合に関係します。

『特別アカデミック・ライセンス(SAL; Special Academic License)』を
お使いの場合、年間バージョンアップ契約は1年という期間が対象です
ので、提供されるバージョンアップの回数がお約束されるものではあり
ませんので、ご注意ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■

◆ 現在の V2006:72 の価格

・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込)
・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込)
・TNTview シングルライセンス  81,900円(送料・税込)

・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込)
・OpenGIS 年間テクニカルサポート       94,500円(税込)

・V2005:71 --> V2006:72へのアップグレード   88,200円(税込)
・V2004:70 --> V2006:72へのアップグレード  132,300円(税込)
・V2003:69 --> V2006:72へのアップグレード  169,050円(税込)


◇ HASP-USB キーへの交換		19,950円(税込)
http://www.opengis.co.jp/htm/catalog/tntinfo/tntinfo_fixed_license.htm
※交換に際して、お持ちのTNT製品が最近のバージョンである必要があり
ます。


◆『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!!
	(プログラム及びサンプルデータCD付き)

	<目次>
	1.空間データの表示
		2次元データの表示
		3次元鳥瞰図の作成
	2.衛星データの取り込み
	3.ジオリファレンス
		地図画像への座標情報付与
		衛星画像への座標情報付与
	4.GPSデータの取り込み
	5.標高データの解析
		陰影図の作成
		断面図の作成
		勾配・斜面方位の演算

http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm

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困ったときの問題解決フロチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
   http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
   http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
   http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
   http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
   http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
   http://www.opengis.co.jp/img/faq/parts/html_mark.gifborder="0">http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
   http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポス
ター類」
   http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
   http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
   http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
   http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」[英文]
   http://www.microimages.com/didyouknow/
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
   http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
   http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
   http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
   info@opengis.co.jpまでご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
 テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス





############# このメールマガジンの配信について ################

このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。

1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。


また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。



転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。



テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で
対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを
進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できま
す。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました...
>サービスその10:現在計画中です...


テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス


テクニカル・サポート・ユーザー専用 FTPアカウント(最大容量500Mbyte)


●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。
テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。





============ おことわり =============

※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、
 TNTmipsに関わる新しいニュースを、
 毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。

※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。

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