Subject: [ts-mag:00184] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 174号】
    Date: Fri, 29 Oct 2004 19:56:27 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2004/10/29
Keywords: OpenGIS,TNTmips,JGD2000,TKY2JGD,7.0,DDDMMSS,TEXT,Import


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第174号「   測 地 成 果 2 0 0 0 対 応 の 精 度 速 報 !   」
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                       株式会社 オープンGIS




「座標情報の設定」方法が大きく変わりました!


そろそろ ver7.0 のリリースが近づいてきましたが、できるだけ、トラ
ブルの少ないように ver7.0 でのチェックも佳境に入ってきました。
今回はその中でも、特に「座標管理」について御紹介いたします。

一体何のことかといいますと、ver6.9 までこのように表示されていた
座標系や測地系や投影法などの設定ウィンドウが、

 


ver7.0 では、こんな具合に、大きく変わりました!

 


今までの表示に慣れている方は、一瞬「何だこれは!」と思われるかも
しれません。しかも新機能として『測地成果2000』の変換機能が追
加されました。そこで今週は新機能の簡易検証結果と合わせて、新しい
座標情報の設定方法をご紹介いたします。


●


そもそも、『測地成果2000』とは、2002年の4月より改定された、測
量法に合わせて今まで使用してきました日本特有の測地系である「日本測
地系」から世界共通用の「世界測地系」へと移行する変換方法の一つです。
 「一つ」というからには、変換方法にはいくつかの種類があります。
多くは世界測地系と総称される測地系(地球の中心座標定義と回転楕円体
定義をセットにしたもの)が数種類存在することが原因ですが、それ以外
にも、今まで基準としていました三角点などの座標が、測量精度の誤差や、
大正の頃から現在までの地殻変動によって、地域に偏ったズレが確認され
ております。そのような地域的なズレを38万ものメッシュに区切って世
界測地系変換と一緒に修正するという機能になります。つまり、昔から使
われている日本の地図データを、世界測地系で作成されたGISデータと組み
合わせて利用する場合には、必要となる重要な機能です。

早速、ver7.0 を使いまして、この測地成果2000変換による座標変換
を行ってみましょう。


●


▽座標情報の設定はいろいろなところで登場しますが、一番シンプルな
機能はメインメニューから [Support]>[Map Calculator...] を選択し
ます。これは座標の変換を行う簡易計算機です。

 <Map Calcurator>ウィンドウが登場します。左側が変換前の設定、右側
が変換後の設定ですので、それぞれ[Specify...] ボタンを押します。
ここでは、測地成果2000としての変換方法を選択してみましょう。

 


▽左側には、緯度経度座標系のTokyo測地系を設定します。

 


 


▽右側には、緯度経度座標系のJGD2000測地系を設定します。

 


 



▽再び<Map Calcurator>ウィンドウに戻ってきましたら、左側の変換前
設定側で、緯度経度を入力してみましょう。

■真ん中の右向き矢印ボタンをクリックしますと、変換結果が右側の枠
内に表示されます。

 


●


操作は非常に簡単ですね。

次に、簡単なサンプルデータを使いまして、測地成果2000の変換が
正しく行われているかどうか、TNTmips の結果と、国土地理院提供の測
地成果2000変換プログラム「TKY2JGD」+全国パラメータ ver2.11
での結果を比較検証してみました。
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/tky2jgd/download/what.html

サンプルデータはこのような値で5点を用。意表記方法は、TKY2JGD で
利用可能な表記にしてあります。

■■  サンプルデータ   ■■
Latitude        Longitude
DDMMSS.ssss     DDDMMSS.ssss
353631.9212     1392457.5820
353621.5820     1392604.4952
353701.3620     1392647.3496
353714.0592     1392743.7508
353650.0112     1392550.1168



上記のサンプルデータを使いまして、旧日本測地系から世界測地系への
変換を、手入力で行いますと TNTmips ver7.0 では、このように出力さ
れます。

■■MapCalc による変換結果■■
Latitude        Longitude
DDMMSS.ssss     DDDMMSS.ssss
353643.5730     1392446.0590
353633.2360     1392552.9670
353713.0130     1392635.8160
353725.7100     1392732.2120
353701.6620     1392538.5880



一方で、国土地理院が提供しております変換ツール TKY2JGD +全国パラ
メータver2.11 で同じサンプルデータを変換しますと、このように出力
されます。

■■TKY2JGD による変換結果■■
Latitude        Longitude
DDMMSS.sssss    DDDMMSS.sssss
353643.57239    1392446.05883
353633.23635    1392552.96650
353713.01281    1392635.81622
353725.71028    1392732.21197
353701.66145    1392538.58862



両方の値を見比べますと、かなり値が似ていることがわかります。差し
引きして、違いを求めてみますと、その差はおよそ0.0005秒。

□結果の差(TKY2JGD-MapCalc)□
Latitude        Longitude
 S.sssss         S.sssss
-0.00061        -0.00017
 0.00035        -0.00050
-0.00019         0.00022
 0.00028        -0.00003
-0.00055         0.00062


単位をメートルに変換しますと、誤差絶対値の平均は
緯度方向: 1.2cm
経度方向: 0.9cm

となりました。ぴったり一致はしませんでしたので、精密な測量用途には
利用できませんが、今までの変換精度と比べますと、かなりの進化が確認
できます。

ちなみに、ver6.9 では、同じサンプルデータで
緯度方向: 69.3cm
経度方向: 37.9cm

ですので、その差は歴然ですね。


●


まだまだ、細かい検証が必要ではありますが、ようやくここまでできる
ようになった点は感慨深いですね。

さあ、いよいよ TNTmips ver7.0 がリリースされますよ!!





今週の新プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" 「度分秒」の値ってどうやって入力するの?
"
" 十進経緯度と度分秒経緯度の入力は、同じ入力欄で使い分けながら、
" 入力が可能です。ちょっとわかりにくいですが、十進経緯度の場合は
" 35.5678 といった数値で保存します。一方で、度分秒経緯度の場合は
" 139 24 55 といった具合に、それぞれ度分秒の間にスペースを入れま
" す。このスペース区切り入力方法を知らないと、あとで結構苦労しま
" すのでご注意ください!
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
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■■■■■■ 今 年 も テ キ ス ト 販 売 中 !! ■■■■■■

昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を
今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!!

同時に、TNTlite の日本語解説セットも、北海道地図さんの GISMAPTerrain
サンプルデータと共にリリースしました。

詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm

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バグ・トラブル情報
???
???
??? ver7.0 の開発版にて CSV 形式などのテキストデータを、点データ
??? としてインポートする際に、同時に属性を取り込もうと [Add] ボタ
??? ンを押すと、tntdisp.exe エラーが発生してインポート処理が落ち
??? てしまいます。現在、米国マイクロイメージ社に修正報告はしてお
??? りますが、まだ、ver7.0 での不具合も埋もれていると思われますの
??? で、お気づきの点などありましたらお気軽にご質問ください。
???
??? お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
???
???
???





今週の話題 on メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~ 今週は特にありませんでした。
~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。






■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■■

円高になりましたので、ver6.9 リリースを機に、価格を改定!!
全体的に安くなりました!

・TNTmips シングルライセンス 827,400円(税込)
・年間バージョンアップ(2回分) 136,500円(税込)
・年間テクニカルサポート 94,500円(税込)


普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。

わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



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 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
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STEP5「テクニカルサポート」
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