Subject: [ts-mag:00065] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 59号】
    Date: Fri, 02 Aug 2002 10:00:15 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users        2002/8/2
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Distance,Projection,chiiki_mesh,PRN,PRF


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第59号「 正 し い 距 離 と 面 積 を 知 り た い !! 」
#################################################################
                       株式会社 オープンGIS




地球は丸いです。

なにをいまさらと思われますが、やっぱり丸いんです。


知識として地球が丸いことを知っていても、日常的には、ほとんど平面と
思って行動していることが多いので、自分が今球面の上に存在するという
ことを、あまり意識することがありません。


ましてや、地図を広げると1枚の平面図。

ますます球面であることを忘れてしまいますね...




さて、話題は TNTmips へと移っていきましょう。

手元には、世界各国のポリゴンデータがあります。
ポリゴンデータには、それぞれのポリゴン面積や周囲長などの情報が、
属性テーブル(POLYSTAT)として自動的に計算・生成されています。

これは、TNTmips が自動的に計算する標準属性情報なのです。


さてこの面積の値、本当に正しいものなのでしょうか?

実は、ポリゴンデータの投影法・座標系を定義している Projection 情報
がその鍵を握っています。


例えば、地球回転楕円体(Ellipsoid)の定義が変わると、当然属性テーブ
ルの距離や面積が変わってきます。

日本の本州ポリゴン(緯度経度座標系)で比べてみますと、
(Process/Vector/Warp 機能で座標変換)

 ◎   GRS1980: 227618.25334519 平方km
 ◎   WGS1984: 227618.25334739 平方km
 ◎Bessel1841: 227566.79174734 平方km

という具合に、ちゃんと違う値が計算されます。


また、そもそも緯度経度座標系である Latitude/Longitude SYSTEM が選
択されていた場合あまり正確ではないと思うべきです。

なぜならば、TNTmips は地球の球面としての面積をきちんと計算していま
せん。単純に直線近似したラインを結んでいって計算をした大まかな面積
や距離の情報になります。

ではどうしたら、正確な距離や面積を計算することができるのでしょうか?



それは、距離を計測するのであれば「正距図法」へ、面積を計測するので
あれば「正積図法」へと曲面から平面へ投影変換を行う必要があります。

もちろんたくさんある投影変換のうち、自分の作業に最も適した変換方法
をよく考えて選択しないといけませんが、例えば...

▼ある地点からの正確な距離を計測したい場合は
Azimuthal Equidistant (正距方位図法)

を用いることが多いですし、

▼面積を計算したい場合は
Lambert Azimuthal Equal-Area (ランベルト正積方位図法)

等を使う場合も多いです。


参考までに Lambert Azimuthal Equal-Area での日本本州ポリゴン面積は、
◎227967.44113258 平方km (中心経度緯度:N40/E130, Ellipsoid:GRS1980)
やはり、緯度経度座標系と場合と値が異なりますね。




距離や面積を計算する際の投影変換は、何もポリゴンのようなベクタデータ
だけに限りません。ラスタデータの場合も、やはりリサンプリングを行って、
きちんと平面投影変換を行うことで同様の計算(ラスタの場合はピクセルの
集計ですが...)が行えます。

どのようなデータ形式にせよ、いかに地球の曲面を、平面に置き換えるか
がとても重要なのです。


●


さて、TNTmips では標準属性のほかに、もう一つ距離や面積を計算する
機能があります。それは GeoToolBox です。

Display/Spatial Data/New 2D Group にて、GIS データを表示した場合、
Group View ウィンドウのメニューから Tool/GeoToolBox を選択すると
画面上での簡易計測ツールが現れます。ここでも、距離や面積を計測す
ることが可能ですが、このときの投影法は何を基準にしているのでしょ
うか。

調べてみたところ、どうも、その Group View ウィンドウに一番最初に
開いたデータの Projection 情報を元に計算しているようです。

つまり、GIS データを開いた際の、一番下のレイヤが基準になります。
(後で下のレイヤを入れ替えても、変わりません)



しかし、やはり緯度経度座標系での GeoToolBox はあまり正確な距離、
面積を計算してくれません。ですので、この機能を使って正確な計測を
行う場合も、必要に応じた投影法へ変換したデータを用いましょう。


●


地球は丸いです。
この丸い曲面を平面に変換する時点で、必ずどこかにひずみが出ます。

そのひずみが、自分の必要な情報にいかに影響を与えないよう工夫するか、
投影変換の選びどころです。






今週のプチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" Display 機能で表示している投影法や測地系を
" そのときだけ変更したい...
"
" そんなときは、Group Controls ウィンドウのメニューより、
" Group/Projection-Clipping... を選択しましょう。
"
" Group Settings ウィンドウが現れますが、上の Auto-Match:欄 が、
" デフォルトでは First Raster or First Layer になっています。
" つまり、一番下のレイヤが採用され、ラスタが優先されています。
"
" これを None に切り替えて、あとは、ご希望の Projection に変更
" してみてください。
"
" これで、表示上は任意の Projection 設定が可能となります。
"
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""




New Things 最新情報
=================================================================
=
= 国勢調査データのインポート 【TNTmips の基本操作】
= http://www.opengis.co.jp/htm/basic/chiiki_mesh.htm
=
= キーワードを更新しました。 【OpenGIS 検索サイト】
= http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
=
=================================================================




バグ・トラブル情報
???
???
??? 印刷操作を効率よく行う Support/Print From/Print-File... 機能
??? で誤った情報を提供しておりました。
???
??? Flash サイトなどでは、印刷レイアウトのレンダリング結果を .prn
??? ファイルとして保存しておいて、後で Print-File 機能から読み出し
??? て効率よく複数枚を印刷する事が紹介しておりましたが、
???
??? よくよく調べてみますと、.prn ファイルではなく .prf ファイル、
??? つまり、TNTmips の独自プリンタドライバによって生成された、
??? オリジナルのデータファイルのみに対応していることがわかりました。
???
??? TNTmips から Use Windows Printer 経由で印刷ファイルを生成しま
??? すと .prn ファイルが生成されますが、この .prn ファイルを直接
??? 印刷する場合は、他のソフトウェア(例えば以下のサイトにある印刷
??? ソフト PRNter など)を使用する必要があります。
???
??? PRNter ダウンロードサイト
??? http://download.com.com/3120-20-0.html?qt=prnter&tg=dl-2001
???
???
??? 大変ご迷惑をおかけいたしましたが、すぐに Flash の情報も書き
??? 換えておきますのでご容赦ください。
???
??? 今後ともよろしくお願いいたします。
???
???
???




今週の話題 on メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~ 今週は特にありませんでした。
~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。





☆☆☆ バ ー ジ ョ ン ア ッ プ が 年2回 と な り ま し た ☆☆☆

いままでの年3回バージョンアップから年2回に変更されました。
同時に、年間バージョンアップ契約も、150,000円で2回分となりました。

前倒しで購入されていた分に関しましては、3回としてカウントされます
が、今後申し込まれた方は、2回分としてカウントされます。

また、今まで新規購入の際に1回分のフリーアップグレード・サービスが
ありましたが、こちらのサービスもなくなりました。

新規購入された場合、そのバージョンのみの対応となります。


わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




■■■■■■■ 料 金 改 定 し ま し た ! ! ■■■■■■■

最近の円高に合わせまして、料金を改定を行いました。

今まで、日本語解説書・動作チェック・手数料などを含めまして、
1ドル = 150円(130円 + 20円) 換算で行っておりましたが、
1ドル = 140円(120円 + 20円) 換算へ変更いたしました。


例えば、TNTmips シングルライセンスの場合、

旧価格 900,000円 から 新価格 840,000円 となります。


普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。

わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




############# このメールマガジンの配信について ################

このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。

1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。



また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が半年過ぎたとお考えください。



転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。



テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmipsに関するどんな質問にも対応します。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:電話・電子メールも、もちろん最優先で対応いたします。
>サービスその6:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその7:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその8:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその9:現在計画中です...



「これで年間9万円は安い!!」と感じていただけるような
サービスを提供していきたいと考えております。

よろしくお願いいたします。




============ おことわり =============

※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、
 TNTmipsに関わる新しいニュースを、
 毎週金曜日の朝に、皆さまへご提供させていただきます。

※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。

================================