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P.1

TNT入門

道路網解析

草稿
1998年10月16日

TNTmips(R)

P.2

はじめに

TNTmips(R)には、任意の数の中継地点を含む2点間の最適経路や考慮すべき経路制御パラメータを決定するための高度な道路網解析ツールが用意されています。第2操作モードでは、点または中心を配置して、その中心に流入する(Allocate In)、またはその中心から流出する(Allocate Out)道路網線要素を指定します。また、結果を決定する際にも、道路網を構成する線とノードの特性が使用されます。

必須基礎知識 本書では、読者が『TNT入門:地理空間データ表示』、『TNT入門:システムの基本操作』の練習問題を完了しているものと仮定しています。TNT製品の使用方法に関する基本事項については、これらの練習問題で説明しています。道路網解析は属性と深い関係にありますので、データベースの作成方法やメンテナンス方法、およびオブジェクト内の要素に属性を対応付ける方法を説明した『TNT入門:リレーショナル・データベースの管理』、『TNT入門:地理属性の管理』も完了していることが必要です。本書ではこれらの基本事項については繰り返し説明しません。

サンプルデータ 本書の練習問題では、TNT製品に添付されているサンプルデータを使用します。TNT製品のCDにアクセスできない場合は、マイクロイメージズ社のウェブ・サイトからデータをダウンロードできます。本書の練習問題ではLITEDATAのNETWORKディレクトリのNETWORKプロジェクト・ファイルのオブジェクトを使用します。

その他の資料 本書では、Network Analysis(道路網解析)処理に関する概要しか示されておりません。詳細はTNTmipsリファレンスマニュアルを参照してください。

TNTmipsとTNTlite(TM) TNTmipsには2つのバージョンがあります。プロフェッショナル・バージョンと、無料バージョンであるTNTliteです。本書では、どちらのバージョンも「TNTmips」と呼ぶことにします。プロフェッショナル・バージョンにはハードウェア・キーが必要です。このキーがない場合、TNTmipsはTNTliteモードで動作し、プロジェクト・データのサイズが制約されるほか、TNTliteの別のコピーとの間でしかデータを共有できません。TNTliteでは、添付されたサンプルの地理データを使用して本書のすべての練習問題を完全に実行することができます。

Merri P.Skrdla博士、1998年10月16日、V6.0

本書の一部のイラストでは、カラー・コピーでないと重要な点がわかりにくい場合があります。マイクロイメージズ社のウェブサイトから本書を入手されれば、カラーで印刷したり表示できます。また、このウェブサイトからは、『TNT入門』のその他のテーマに関する最新のパンフレットも入手できます。インストール・ガイド、サンプルデータ、および最新バージョンのTNTliteをダウンロードできます。アクセス先は次の通りです。

http://www.microimages.com

P.3(上、左)

道路網解析の世界にようこそ

TNTmipsのNetwork Analysis(道路網解析)処理には、経路決定と割り当てという2つの操作モードがあります。経路決定アプリケーションでは、経路の始点と終点を選択し、含める中継地点の位置を指示すると、道路網解析処理が最適経路を決定します。割り当てアプリケーションでは、流入または流出の中心の位置を指定すると、道路網解析処理が、道路網の各線要素を、これらの中心のうちで最もサービス効率の高いものに割り当てます。

Network Analysis(道路網解析)は、ノードと線の属性に基づいて意味のある結果を生成します。この処理では、一方通行の道路や通過不可能な交差点がわからないと、意味のある経路を生成できません。また、この処理では、中心の容量と道路網の線に沿った需要量がわからないと、意味のある割り当てを決定できません。線の長さ、速度制限、方向転換が許される方向、方向転換の平均時間、交通信号での平均停止時間など、他の多くの属性を使用して、道路網の特性をより正確に記述できます。ベクタ属性と実際の状況が似ているほど、最適な経路と割り当てをより正確に予測できます。

道路網トポロジーを伴うベクタ・オブジェクトはNetwork Analysis(道路網解析)処理での使用に適しているのが理想的です。このようなベクタ・オブジェクトでは、要素が交差し実際にも交差する場所(交差点など)はすべてノードとなり、線が交差するが実際には交差しない場所(橋、陸橋、地下道など)はノードになりません。

P.3(右)

用語:中継地点または中間地点は、経路の途中にあり必ず通らなければならない地点のことです。中心は、道路網の中で、物資や人が流入する点または物資やサービスが流出する点です。

ステップ

## TNTを起動します。
## Project File Maintenance(プロジェクト・ファイルのメンテナンス)を使用して、NETWORKデータ・コレクションのプロジェクト・ファイルを各自のローカル・ドライブにコピーします。

4ページでは、道路網解析を開始する前に行うべき作業について説明します。5〜7ページでは、経路決定におけるインタフェースとユーザ設定について説明します。8〜9ページでは、デフォルトの経路決定解と属性に基づいた経路決定解について示します。10ページでは新しい経路に関する操作を始めます。11〜15ページの練習問題では、方向転換や、方向インピーダンスについて説明します。16〜18ページでは道路網のノード属性の機能について説明します。19ページの練習問題では、道路網の線属性について説明します。20ページでは、スタイルについてさらに詳しく説明します。その後の部分では割り当て道路網について説明します。

P.4(上、左)

必要な作業

ステップ

## メイン・メニューからEdit / Spatial Data(編集 / 空間データ)を選択します。
## Open Object for Editing(編集するオブジェクトを開く)アイコンをクリックし、NETWORKプロジェクト・ファイルのTGR31109EXTRACTオブジェクトを選択します。
## Spatial Data Editor(空間データ・エディタ)ウィンドウのLayer(レイヤー)メニューからProperties(プロパティ)を選択します。

##

## Save As(名前を付けて保存)をクリックし、NETWORKプロジェクト・ファイルの<新しいオブジェクト>にTGR31109NETWORKという名前を付けます。

"join selected line"(選択された線を結合)ツールが実装されるまでは、この練習問題で引用した開始用ベクタ・オブジェクトを、以下の練習問題でも使用してください。

P.4(右)

ほとんどのTNTmips処理ではプロジェクト・ファイル・フォーマットのデータさえあればよく、また、さまざまな処理において、他のファイル・フォーマットでデータを処理したり保存することもできます。これに対し道路網解析では、使用するデータを準備しなければなりません。実際的な経路決定や割り当てを決定するのに必要な属性がベクタ・オブジェクトにすべて割り当てられており、これらの決定に必要な属性タイプを割り当てるのに時間を浪費しなくて済むというようなことは、あまりありません。

また、トポロジーの問題もあります。オブジェクトの道路網トポロジーが、実際の交差を表していない線の交差部分のノードが削除されたものになっていない限り、Angle Impedance(角度インピーダンス)のサポート機能を使用して限定されたアクセス・ハイウェイに沿うノードに対して方向転換インピーダンスを割り当てることになります。もちろん、後でこれらのノードを捜してインピーダンスを0に戻すことはできますが、線の交点が実際の陸橋や地下道を表しているようなノードを除去する方が良いでしょう。

この練習問題には、"join selected line"(選択された線を結合)ツールが必要です。

P.5(上、左)

道路網解析の経路決定用のインタフェース

Network Analysis(道路網解析)処理を起動すると、Network Analysis(道路網解析)、Network Analysis View(道路網解析ビュー)、Network Analysis Layer Controls(道路網解析レイヤー・コントロール)のうち2つまたは3つのウインドウが開きます。(後者のウインドウが開くのは、初めてこの処理を使用する場合と、最後にこの処理を終了したときにこのウィンドウが開いていた場合だけです。) Controls(コントロール)ウインドウでは、描画スタイルとDataTipの設定描画にアクセスできます。View(ビュー)ウィンドウでは、表示操作とアクティブなツール(ズーム、スライド、中継地点や中心の追加)を選択できます。道路網解析に関連する機能のほとんどは、Network Analysis(道路網解析)ウインドウからアクセスされます。

Network Analysis(道路網解析)処理に組み込まれたさまざまな機能は、マウスの右ボタンをクリックすることで使用できます。たとえば、すべてのノード要素や線要素のリストに含まれるノードや線を右クリックしたとき、その要素が現在の表示範囲外にある場合は、表示範囲が移動します。

P.5(右)

用語:インピーダンスは、ある線に沿う抵抗のことです。また、インピーダンスは、ある線に沿って移動する際のコストとみなすこともできます。経路決定処理では、合計インピーダンスが最も小さくなるような経路が選択されます。バリアは、交差不可能なノードのことを言います。

ステップ

## Process / Vector / Network Analysis(処理 / ベクタ / 道路網解析)を選択します。
## Open(開く)アイコンか[Input Object...(入力オブジェクト...)]をクリックし、NETWORKプロジェクト・ファイルから、前の練習問題で作成したTGR31109NETWORKを選択します。

P.5(下)

##上段左から##
近い線を選択
近いノードを選択
近い中継地点を追加
近い中心を追加
Network Line Attributes(道路網の線の属性)ウィンドウを開く
Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウを開く
Preferences(ユーザ設定)ウィンドウを開く

##下段左から##
選択された中継地点を削除
需要量を設定
新しい中継地点を追加
経路を計算
経路を保存
レポートを保存
経路をクリア

P.6(上、左)

ユーザ設定

ステップ

## Network Analysis(道路網解析)ウィンドウの最上部付近のPreferences(ユーザ設定)アイコンをクリックします。
## [Basic Color(基本色)]をクリックし、pale yellow(薄い黄色)を選択するか、白のままにし、[OK]をクリックします。
## 最後の練習問題で選択したベクタの下のスタイル・サブオブジェクトが選択されているか、チェックします(選択されていない場合は選択します)。
## Lines(線)タブ、いずれかのカラー・ボタン、Active Line Specify(アクティブな線を指定)ボタンの順にクリックし、選択肢を確認します。
## Nodes(ノード)タブをクリックし、使用可能な選択肢を調べます。

P.6(右)

Network Analysis Preferences(道路網解析のユーザ設定)ウィインドウでは、インタフェース要素の色や道路網要素の描画スタイルを設定できます。General(一般設定)パネルの[Basic Color(基本色)]とは、Network Analysis(道路網解析)、Network Line(道路網の線)、Node Attributes(ノード属性)ウインドウで設定されていないすべてのボックスのバックグラウンド・カラーのことです。インタフェース要素に色を割り当てるPreferences(ユーザ設定)ボタンはすべて、現在選択されている色を表示します。Style(スタイル)の選択肢はすべて、View(ビュー)ウィンドウ内の道路網要素の描画スタイルに適用されます。Standard(標準)は、Specify(指定)(鉛筆形の)アイコンをクリックすると開くStyle Editor(スタイル・エディタ)ウィンドウから選択されたベタ塗りカラー、記号、または線パターンのいずれかを意味します。その他の選択肢としては、None(無指定)(Vector Object Display Controls(ベクタ・オブジェクト表示コントロールで指定されたスタイルを使用)、*,u毆)By Script(スクリプトによる)があります。

P.6(下)

これらの色はNetwork Line Attributes(道路網の線の属性)ウィンドウに適用されます。
ノードの色はそれぞれのフィールドに対応することに注意してください。
View(ビュー)ウィンドウ内のアクティブな線のスタイル。
この行はNetwork Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウに適用されます。
この行はAngle Impedance(角度インピーダンス)ダイアグラムに適用されます。
方向転換マトリクスとグラフィックにおいて流入、流出する線の色は一致することに注意してください。
これらのスタイルはView(ビュー)ウィンドウ内のアクティブなノードとバリア用です。

P.7(上、左)

経路と割り当てにおけるユーザ設定

Route Preferences(経路に関するユーザ設定)パネルとAllocation Preferences(割り当てに関するユーザ設定)パネルのオプションは、ほとんどView(ビュー)ウィンドウの描画スタイルに関係するものだけです。各パネルのColor(色)ボタンは、Stops(中継地点)リストやCenters(中心)リストの対応するボックスの色を変更するだけでなく、Style(スタイル)がStandard(標準)に設定されている場合はView(ビュー)ウィンドウ内のアクティブな中継地点や中心に割り当てられた色も変更します。描画スタイルの指定について良くわからない場合は、パンフレット『TNT入門:スタイルの作成と使用』を参照してください。スタイルの割り当て方法について詳しく説明しています。

経路の描画用には特徴のあるスタイルを選択してください。選択されたベクタの描画スタイルに属性を使用する場合は、特定の種類の道路に割り当てられたスタイルと混同される恐れのある経路スタイルは選択しないでください。割り当て道路網用の記号や線が必要な場合は、「可変」色を含むものを選択します。可変色を使用すると、中心と、これに対して割り当てられた線を「一致」させることができます。各記号やパターンのセットに対して可変なものとして使用される色は、追加時に中心に割り当てられた色です。

#図#
順序を示す番号を使用したラベルを追加します。

方向転換を示す点を追加します。

これらのボタンを使用すると、Stops(中継地点)リストやCenters(中心)リストから削除した後、最後に計算された経路や割り当てに対応する中継地点や中心が描画された状態に保つことができます。

割り当て

P.7(右)

用語:Active Stop(アクティブな中継地点)、Active Center(アクティブな中心)は、View(ビュー)ウィンドウ内で選択されるのではなく、Stops(中継地点)リストやCenters(中心)リスト内でそれぞれのノード番号をクリックすることで選択されます。

ステップ

## Route(経路)タブをクリックし、さらにPath Specify(経路を指定)アイコンをクリックします。
## カラー・パレットの赤のタイルをクリックし、Line Width(線幅)として3 Screen Pixels(画面ピクセル)と入力し、[OK]をクリックします。
## Stop Specify(中継地点を指定)アイコンをクリックし、点のスタイルを、幅が6ピクセルで中間の青で塗りつぶされた円に設定し、[OK]をクリックします。
## Allocation(割り当て)タブをクリックし、使用可能な選択肢を確認します。

#図#
経路

P.8(上、左)

デフォルトの経路決定解

ステップ

## View(ビュー)ウィンドウの上部中央の(4つ葉のクローバー形の)立体交差十字路の位置にカーソルを移動し、<+>(プラス)キーを押して拡大表示にします。
## Add Near Stop(付近の中継地点を追加)アイコンをクリックします。
## 表示されている2つの交差点(ノード118と124)をクリックします。
## Calculate Route(経路を計算)アイコンをクリックします。
## 選択された経路が最短経路でないことを確認してください。

P.8(右)

この練習問題の目的は、要素に属性を割り当てて道路網解析に使用することの重要性を示すことにあります。線のデフォルトのインピーダンス値は1.00です。したがって、インピーダンスを与えたりインピーダンスに影響するような他の何らかの属性(複数も可)を指定しない限り、システムは、距離や他の要因に関係なく含まれる線の数が最少になるような経路を示してきます。

この練習問題の場合、計算された経路には、より近い経路となる他の2つの線に比べて長さが2.5倍の線が1つ含まれていますが、デフォルト設定を使用して得られた解は正しい解です。理由は、選択された経路の方が、最短経路よりも合計インピーダンスが小さくなるからです。この場合の合計インピーダンスは線の数と等しくなり、選択された経路では4、これより短い経路では5になります。

この例のように、さまざまなノードや線の属性から、直観的には誤っているように思われる経路が結果として指定されることがありますが、これこそが、道路網解析に価値がある理由です。道路網解析では、ユーザが指定した属性を使用してインピーダンスが最小になる経路を見つけます。この経路が、人間の目で見た感じで選択したものと一致しないことも、よくあります。

追加された中継地点はすべて、ノード番号に従ってここにリストされます。

経路が計算された後、経路に関する情報がここに表示されます。

P.9(上、左)

長さを使用してコストを評価する

Network Analysis(道路網解析)ウインドウでNetwork Line(道路網の線)アイコンをクリックするとNetwork Line Attributes(道路網の線の属性)ウインドウが開きます。このウインドウはNetwork Node Attributes(道路網のノードの属性)ウインドウと同時に開くことができますので、両方の要素タイプの属性に関する操作を同時に行えます。

線のためのQuery Editor(問い合わせエディタ)には、問い合わせによって線に値を割り当て可能な3つの方法が、問い合わせの使用前に表示されますので、それぞれの方法のシンタックスを確認することができます。3つの方法とは、「割り当てをその線に全体的に適用する(Impedance0fLine)」、「始点から終点の方向に割り当てを適用する(ImpedanceOfLineFromTo)」、「終点から始点の方向に割り当てを適用する(Impedance0fLineToFrom)」です。線の両方の方向に同じ属性を割り当てる場合は、第2ステートメントを削除するかコメントにする必要があります。そうでないと、個々の方向が後で1.0にセットされ、両方の方向に対して行われた属性割り当てがすべて取り消されてしまいます。

#図#
これらのEdit Query(問い合わせを編集)、Apply Query(問い合わせを適用)ボタンを使用してください。

P.9(右)

ステップ

## Network Analysis(道路網解析)ウィンドウでClear Route(経路をクリア)アイコンとNetwork Line(道路網の線)アイコンをクリックします。
## Network Line Attributes(道路網の線の属性)ウィンドウのImpedance(インピーダンス)パネルのEdit Query(問い合わせを編集)アイコンをクリックします。
## Insert / Field(挿入 / フィールド)を選択して(または値を入力して)、ImpedanceOfLineの値をLINESTATS.Lengthに変更します。
## 問い合わせから他のすべてのステートメントを削除します(または行の始めに#を挿入してコメントにします)。
## Query Editor(問い合わせエディタ)ウィンドウで[OK]をクリックします。
## Impedance(インピーダンス)パネルのApply Query(問い合わせを適用)アイコンをクリックします。
## Calculate Route(経路を計算)アイコンをクリックします。
## 前の練習問題の経路とこの経路の違いを確認してください。

インピーダンス値として長さを割り当てると経路の長さが2.6kmから1.3kmに減少します。

P.10(上、左)

新しい経路のための手順

ステップ

## Network Analysis(道路網解析)ウィンドウでClear Route(経路をクリア)アイコンをクリックします。
## Stops List(中継地点リスト)の中の両方のノードのSelection(選択)インジケータをクリックするか、Include All(すべてを含める)アイコンをクリックします。
## Stops List(中継地点リスト)の下のDelete Selected Stops(選択された中継地点を削除)アイコンをクリックします。
## Add Near Stop(付近の中継地点を追加)アイコンをクリックします。
## 表示されている2つの交差点(ノード183と157)をクリックします。
## Calculate Route(経路を計算)アイコンをクリックします。

#図#
ここをクリックし、
さらにここをクリックします。

インピーダンス=経路の長さ

右の図に示す経路にはアクセス道路の方向への間違った行程も含まれています。行程の間違いを防ぐ方法については、後の練習問題の中で説明します。

P.10(右)

経路をクリアするように選択すると、計算された経路は削除されますが、経路に沿った中継地点はすべてそのまま残ります。この後、さらに別の中継地点を追加したり中継地点の順序を調整して、経路を再計算することができます。現在のルートの中継地点の一部またはすべてを使用しない経路を計算するには、Stops List(中継地点リスト)から中継地点を削除することも必要です。

この練習問題の目的は、新しい経路に関する操作を始める方法を示し、道路網トポロジーにベクタ・オブジェクトを使用しないとどのような問題が起こるかを説明することにあります。実際に道路が接合されていない部分(陸橋や地下道など)に対応するノードが削除され適切な線が結合されていない限り、このような問題を避けるには道路網トポロジーだけでは不十分です。恐らくは、道路網が正しく表記されているにもかかわらず方向転換ができないような交差点ができてしまいます。最も一般的な例は左折禁止の交差点ですが、左折と右折は許されるが直進できない交差点など、これを変形したあらゆる例も含まれます。次の練習問題では、このような状況のすべてに対応するための方法を説明します。

#図#
線の長さによってインピーダンスを決定することで計算された経路は良い選択肢のように思われますが、これらの経路はいずれも正しくありません。どちらの経路も、高速道への乗り入れ道路がない部分で州間高速道に入ってしまいます。結果は左の図と同じになるはずです。

インピーダンス=線の数

P.11(上、左)

方向転換を禁止する

Select Near Node(付近のノードを選択)ツールを使用するかNetwork Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウのNode(ノード)ボックス内をクリックしてノードを選択すると直ちに、Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウに方向転換マトリクスが表示されます。交差点と対応するすべての線のグラフィックも表示されます。方向転換マトリクスの行と列の見出しをクリックすれば、各行と列で参照される線を正確に判断することができます。このとき、参照される線は、対応するカラーでグラフィック上に表示されます。行は選択されたノードに流入する線を示し、列はノードから流出する線を示します。各見出しに対応するツールティップスでは流入や流出の表示が繰り返されます。

#図#
7号線とI-80号線の交差部
Superior線とI-80号線の交差部

方向転換マトリクスでは最初、すべてのUターン(行き止まりの個所を除く)部分にはXが表示されます。Xは、方向転換ができないことを示します。その他の方向転換を禁止するには対応するボックスを右クリックします。こうすると、初期インピーダンス値がXに置き換えられます。Uターンを可能にするには、これらの方向転換個所に正のインピーダンス値を入力します。

流入するそれぞれの線から1つの方向にしか進めない場合は、方向転換マトリクスの各列に1つの数値しか入力されていないはずです。

#図#
完成したノード184の方向転換マトリクスはこのようになるはずです。

P.11(右)

ステップ

## Network Analysis View(道路網解析ビュー)ウィンドウでSelect Near Node(付近のノードを選択)アイコンをクリックします。
## Network Analysis(道路網解析)メイン・ウィンドウでNetwork Node(道路網のノード)アイコンをクリックします。
## 7号線とI-80号線の交差部のノード(ノード184)をクリックします。
## Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウの方向転換マトリクスの左側の最初の"7th"という項目をクリックします。
## Superior線とI-80号線の交差部のノード(ノード156)をクリックし、I-80号線とSuperior線との間の方向転換を示すすべての項目を右クリックします。

#図#
方向転換マトリクス内を左クリックするとPrompt(プロンプト)ウィンドウが開きますので、任意の値を変更できます。負の値(-1)は方向転換できないことを示します。

#図#
完成したノード156の方向転換マトリクスはこのようになるはずです。

P.12(上、左)

割り当てた属性を保存する

ステップ

## Clear Route(経路をクリア)アイコンをクリックします。
## Calculate Route(経路を計算)アイコンをクリックします。
## 10ページの練習問題で求められた経路とこの経路との間で大きく変わった部分を確認してください。
## Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウのTurn Impedance(方向転換インピーダンス)パネルのWrite Table(テーブルを書き込む)アイコンをクリックします。
## Turn Table(方向転換テーブル)ウィンドウで[OK]をクリックし、デフォルトのテーブル名と説明を確定します。
## Layer Controls(レイヤー・コントロール)が開いていない場合は、Network Analysis View(道路網解析ビュー)ウィンドウのツールバーのLayer Controls(レイヤー・コントロール)アイコンをクリックします。
## Show Details(詳細を表示)アイコンをクリックし、さらにノードに対応するShow Tables(テーブルを表示)アイコンをクリックします。
## ノードに対応するSelect(選択)アイコンをオンにし(描画用のノードが選択されていることが必要)、Turn(方向転換)テーブルを開きます。
## Toolbox(ツールボックス)アイコンをクリックし、個々のノードを選択すると、対応する方向転換情報が表示されます(特に、前の練習問題で方向転換を禁止したノード184と156を確認してください。また、他のノードも確認してください)。

P.12(右)

前の数ページの練習問題では線とノードの両方に属性を割り当てました。次ページの練習問題では、さらに別の属性を線に割り当てますので、ここではこれらの属性を保存します。割り当てた属性は、データベース・テーブルとして保存されます。これらのテーブルは、以後の道路網解析セッションで再ロードすることができます。また、ノードや線の属性情報を変更または追加して保存する場合には、元のテーブルを書き換えることもできますし、別の属性テーブルとして保存することもできます。道路網解析の目的により、同じベクタ・オブジェクトに対して複数の属性テーブルを用意することもできます。たとえば、特定の道路を使用できるかいなか、特定の交差部を通過できるかいなかは、車両または歩行者のどちらに対して経路を計算するかによって違ってきます。

選択された要素に対応するデータベース・レコードを見るためには、Toolbox(ツールボックス)のSelect(選択)ツールがアクティブになっていなければなりません。Select Near Node(付近のノードを選択)ツールはNode Attributes(ノードの属性)ウインドウで対応するノード情報を識別するためのものですので、このツールを使用しても、対応するレコードは見つかりません。

#図#
ノード184

Turn(方向転換)テーブルには、方向転換マトリクス内のインピーダンス値がゼロでないフィールドに対してしか、項目がありません。このテーブル・ビューでは、ノード184に対応付けられたすべての方向転換インピーダンス情報が表示されます。

P.13(上、左)

一方通行の道路をマークする

11ページの練習問題で方向転換を禁止する部分を指定したことで、計算された経路は大幅に変わり、前の練習問題で新しい経路を計算したときの間違った行程に関する問題はなくなりました。が、あらゆる経路に関して間違った行程ができないようにするには、一方通行の道路をマークする必要があります。線に一方通行という性質を割り当てれば、方向転換インピーダンスを設定しなくても間違った方向に曲がるのを防止できます。

4つ葉のクローバー形の立体交差路では、合計で8本の線を一方通行に設定する必要があります。クローバー形の立体交差路を拡大すると、許される移動方向が矢印で表示されます。Network Line Attributes(道路網の線の属性)ウインドウのこれらの道路のいくつかについては名前が表示されませんが、これは、元のTIGERファイルで、これらの無名のアクセス道路やインターチェンジ道路がこの属性になっていないからです。

View(ビュー)ウィンドウ内の線をクリックすると、その線が表示される位置まで線のリストが自動的にスクロールし、View(ビュー)ウィンドウでもリストでもアクティブな線カラーでハイライト表示されます。線および対応付けられた2つのノードも、Line Attributes(線の属性)ウインドウの右上に表示されます。ノードは、移動方向がわかりやすいようにカラー・コード化されています。

P.13(右)

ステップ

## 4つ葉のクローバー形の立体交差路を拡大します。
## Network Analysis(道路網解析)ウィンドウでNetwork Lines(道路網の線)アイコンをクリックし、View(ビュー)ウィンドウでSelect Near Line(付近の線を選択)アイコンをクリックします。
## 8本の線のそれぞれをクリックし、道路の方向の指示が間違っている部分は緑色の矢印をクリックしてオフにし、(下図およびNetwork Line Attributes(道路網の線の属性)ウィンドウの)線のダイアグラムとノードの色から禁止される方向を確認してください。

#図#

アクセス道路の設定(最上行)およびインターチェンジ道路の設定(最下行)を下図に示します。North(北)から始まり反時計方向に移動して行きます。

## Line Attributes(線の属性)ウィンドウのTable(テーブル)パネルのWrite Table(テーブルを書き込む)アイコンをクリックし、デフォルトのテーブル名を確定します。

テーブルを保存した後の線の属性の単一レコード・ビュー。

P.14(上、左)

角度インピーダンスのサポート

ステップ

## Network Analysis(道路網解析)ウィンドウでNetwork Node(道路網のノード)アイコンをクリックします。
## 12ページの練習問題の完了後にNetwork Analysis(道路網解析)処理を終了した場合は、Read Table(テーブルを読み込む)アイコンをクリックし、12ページの練習問題で保存したテーブルを選択します。
## Node Attribute(ノードの属性)ウィンドウのAngle Impedance(角度インピーダンス)パネルのEdit(編集)アイコンをクリックします。
## Angle(角度)の列(-179)の最初のフィールドをクリックし、Angle Diagram(角度ダイアグラム)のその位置にあるドット(Selected Angle(選択された角度)の色のものも)を確認してください。
## この角度に対するインピーダンス値を5に変更します。
## -90まで下にスクロールするか、ダイアグラム内の-90付近の円の内側をクリックして必要ならスクロールし、角度の列の中の-90をクリックします。
## この角度に対するインピーダンス値を1に変更します。
## Angle(角度)を0に、Impedance(インピーダンス)を0.1に変えてステップ5、6を繰り返します。
## Angle(角度)を90に、Impedance(インピーダンス)を3に変えてステップ5、6を繰り返します。
## Angle(角度)を180に、Impedance(インピーダンス)を5に変えてステップ5、6を繰り返します。
## [Spread(分布)]をクリックします。

P.14(右)

長さや速度制限など、いくつかの線の特性だけを使用して、すべての線のインピーダンスを決定できるのとまったく同様に、方向転換角度を使用してすべての交差点でのインピーダンスを割り当てることができます。角度インピーダンスは単なるノードの特性ではなく、ノードに近付いたり遠ざかるときに使用する線によって異なります。右折のインピーダンスより左折のインピーダンスを大きくすると、右折より左折の方が時間がかかりますが、これは一般的にも真実です(少くとも右側通行の国では)。これらのインピーダンス値は、方向転換を可能にするためだけに割り当てられたものです。デフォルトでは行き止まりの道路を除くすべてのUターンが禁止されていることを思い出してください。

Angle Impedance(角度インピーダンス)ウインドウでユーザが選択した角度や入力した値は、分布の間隔と範囲を規定します。分布は、選択された1つの角度と次の角度に対して設定されたインピーダンス値の間の均一なグラデーションにも適用されます。この練習問題では、-179〜-90の角度に対する値はそれぞれ5〜1の間に均一に分布しています。-90〜0の角度に対するインピーダンス値は1〜0.1、0〜90の角度に対するインピーダンス値は0.1〜3のように分布しています。連続的な角度群は、分布の中に含まれるように選択され、Angle Diagram(角度ダイアグラム)におけるこれらのドットは円弧によって接続されます(Spread Range(分布範囲)の色で)。Angle Diagram(角度ダイアグラム)に色付きの円弧が表示されない場合は、2つの角度がまだ選択されていません。分布が適用されると角度は選択解除されます。

Angle Diagram(角度ダイアグラム)内にドットで表現され分布内に含まれるようにするためには、Angle(角度)の値の内側をクリックする必要があります。

P.15(上、左)

分布、適用、保存

インピーダンス列の内側をクリックすると、Angle(角度)列もクリックしなくても、分布の中に含めたくない特定の角度インピーダンス値を入力することができます(1)。ただし、このような入力値は、その角度を含む範囲を越えた分布を適用すると置換されます。また、狭い分布範囲を選択し、Angle Diagram(角度ダイアグラム)の一部分の最初の結果を変更することができます(2および3)。

Angle Impedance(角度インピーダンス)ウィンドウでは、ウインドウを閉じる前にユーザが変更を行ったかいなかにかかわらず、現在のNetwork Analysis(道路網解析)セッション中は最後の設定のままに保たれます。Angle Diagram(角度ダイアグラム)を「クリア」したい場合は、180と-179を選択し、両方ともゼロに設定してSpread(分布)ボタンをクリックします。

ユーザが保存するAngle(角度)テーブルは、基本的にはTurn(方向転換)テーブル用の「参照テーブル」です。方向転換マトリクスの中にある値がAngle(角度)テーブルの中に見つかった場合、その値はTurn(方向転換)テーブルには保存されません。方向転換マトリクスの値が、Angle Impedance Diagram(角度インピーダンス・ダイアグラム)で割り当てられた値から変更された場合は、Turn(方向転換)テーブルに保存されます。この練習問題に従って保存した場合に得られるTurn(方向転換)テーブルは、12ページで保存したものと完全に同じものになり、一切のインピーダンス数値はAngle Diagram(角度ダイアグラム)で決定された値から変更されていません。

Turn(方向転換)テーブルとAngle(角度)テーブルのインピーダンスを使用すると、経路や割り当てを決定する際にこれらのテーブルを混合したり一致させることができます。Angle(角度)テーブルを読み込んで適用する前に必ず希望するTurn(方向転換)テーブルを読み込んでください。また、Angle(角度)テーブルを参照テーブルにしておくと、Turn(方向転換)テーブル自身が必要以上に大きくなるのを防ぐのに役立ちます。

P.15(右)

ステップ

## [Apply(適用)]をクリックします。
## [Write...(書き込み...)]をクリックし、デフォルトをそのまま確定します。
## [Close(閉じる)]をクリックします。
## Select Near Node(付近のノードを選択)アイコンをクリックし、ノード184を選択し、方向転換マトリクスを、Angle Diagram(角度ダイアグラム)からインピーダンスを適用する前のものと比較してください(11ページを参照)。

#図#

1)個々の角度のインピーダンス値は、分布により割り当てられたものより大きくなっています。

2)新しく定義された、制約された分布範囲(-120〜-150)。
#図#
分布範囲グラフィック・インジケータ

3)最初の分布およびその他の変更の後、変更された分布範囲。-150〜-120 、および120〜140。

P.16(上、左)

選択された要素に移動する

ここまで続けて読んでこられた方は、この練習問題の前に一休みされると良いでしょう。
勉強を再開する前に、同じオブジェクトを選択し、前に保存したテーブルを読み込んでください。

ステップ

## 4つ葉のクローバー形の立体交差路を拡大します。
## Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウインドウが開いていない場合は、Network Nodes(道路網のノード)アイコンをクリックします。
## このウインドウのNode(ノード)リストをスクロールし、マウスの左ボタンを使用してリスト内のさまざまなノード項目をクリックし、View(ビュー)が変わらないことを確認してください。
## リスト内の項目を右クリックすると、新しく選択されたノードが中心になるようにView(ビュー)がスクロールすることを確認してください。

#図#
ノード番号を右クリックします。

P.16(右)

Network Analysis(道路網解析)処理には非常に多くの機能がああり、一部の機能はマウスの右ボタンに割り当てられているため、最初は初心者ユーザにはわかりません。マウスの右ボタンを使用して方向転換を禁止するためのショートカットについては紹介しました(11ページ)。この練習問題ではマウスの右ボタンによる他の多くの機能を紹介します。

方向転換マトリクスの流入または流出する線の名前を右クリックした場合、Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウインドウはNetwork Line Attributes(道路網の線の属性)ウインドウにも関連付けられます。方向転換マトリクスの線の名前を左クリックした場合は、Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウインドウのグラフィック・パネルで割り当てられた色でその線が表示されます。右クリックすると、必要に応じNetwork Line Attributes(道路網の線の属性)ウインドウの線のリストがスクロールし、対応する線が選択されView(ビュー)ウィンドウでハイライト表示されます。

Add Near Stop(付近の中継地点を追加)ツールとAdd Near Center(付近の中心を追加)ツールにも右ボタン機能があります。中継地点や中心をリストに追加した後、View(ビュー)ウィンドウ内の中継地点または中心の近くを右クリックすると、アクティブな中継地点または中心になります。

#図#
左クリックすると割り当てられたカラーで線が表示され、右クリックするとリスト内の線が選択されます。

P.17(上、左)

Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウインドウ

ここまでさまざまな練習問題でNetwork Node Attributes(道路網のノードの属性)ウインドウやNetwork Line Attributes(道路網の線の属性)ウインドウを使用してきましたが、これらのウィンドウのインタフェース要素については詳しく説明しませんでしたので、ここで詳しく説明します。これらのウィンドウには非常に多くの機能があるため、各ウインドウは別々に表示されます。また、他の練習問題でもすべての機能については詳しく説明していません。

ノードに対してツールティップスを使用すると、ノードが線上にあるか、内側の部分にあるか、行き止まりであるかが示され、関係する道路の名前が表示されます。

方向転換マトリクス内の線に対してツールティップスを使用すると、アクティブなノードに対して線が相対的に流入しているのか流出しているのかが示され、線の番号や、線に名前がある場合はその名前も示されます。

P.17(右)

ステップ

## Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウが開いた状態で、ノード・リスト内でカーソルを下に移動し、さまざまなノード上で静止させてツールティップスを表示させます。
## 方向転換マトリクス内のノード・フィールドと線に対応するサンプルのツールティップスをクリックします。
## 方向転換マトリクス内の流入または流出する線をクリックし、グラフィック・パネルへの影響を確認します。

P.17(下)

#図の上の段#

Append / Subtract Selection(選択したものを追加 / 削除)アイコンは、Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウインドウで選択されたノード群に対して、View(ビュー)ウインドウ内で選択されたノード群を追加、または削除します。したがって、問い合わせによる選択など、通常使用可能な任意の選択ツールを使用して、リスト内で選択されるものを決定できます。

名前フィールドを(左ボタンで)クリックすると、(グラフィック・パネル内の)フィールドと対応する線が、流入 / 流出用の色で表示されます。右クリックすると、View(ビュー)ウィンドウ内の線がハイライト表示され、Network Line Attributes(道路網の線の属性)ウインドウが開いている場合はこのウィンドウの線もハイライト表示されます。

#図の直上#
方向転換マトリクス(スクロールしてすべての値を確認できるほか、ウィンドウを拡大すれば見やすくできます)。

#図の左#
すべてのSelection(選択)ボタンをオフにします。
すべてのSelection(選択)ボタンをオンにします。
Selection(選択)ボタンの状態を反転させます。
Selection(選択)ボタンを使用すると、グループ処理(バリアの設定 / 削除)アプリケーション用にノードを選択できます。

#図の右#
Angle Inpedance(角度インピーダンス)ウィンドウを開きます。
前に保存されたTurn(方向転換)テーブルの値を使用して方向転換マトリクスを更新します。
マトリクス内の値からTurn(方向転換)テーブルを生成します。
現在の設定値からBarrier(バリア)テーブルを生成します。
Barrier(バリア)テーブルを読み込みます。
Barrier(バリア)のステータスを削除します。
選択したノードに対してBarrier(バリア)のステータスを設定します。

#図の直下#
Barrier(バリア)インジケータ(バリアの場合は赤)。
ノードに対応付けられた線の数。

#図の下の段#
グラフィック・パネルには、アクティブなノードに対応付けられたすべての線が表示されます。表示される要素が更新されるのは、View(ビュー)ウィンドウのSelect Near Node(付近のノードを選択)ツールを使用してノード・リスト内の新しいノードを選択する場合か、周辺のノードをクリックして線に沿って「移動する」場合だけです(次の練習問題を参照)。

P.18(上、左)

道路網内を少しずつ移動する

ステップ

## Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウが開きアクティブなノードが選択された状態で、グラフィック領域内の周辺部のいずれかのノードをクリックします。
## Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウとView(ビュー)ウィンドウへの影響を確認します。
## ステップ1、2を数回繰り返します(図のように1つの道路に沿って進む必要はありません)。

#図#
ここをクリックします。
ここをクリックします。
ここをクリックします。

P.18(右)

Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウインドウのグラフィック・パネル内で周囲のノードをクリックするたびに、道路網解析用のアクティブなノードが変わります。方向転換マトリクスには新しくアクティブになったノードに関する情報が表示され、対応するノードが、アクティブなノード・スタイルでView(ビュー)ウィンドウに描画されます。現在Viwe(ビュー)の範囲外にあるノードに移動する場合は、アクティブなノードを右クリックするとView(ビュー)ウィンドウの内容をスクロールできることを覚えておいてください。また、方向転換マトリクス内の関心のある線を右クリックしてNetwork Line Attributes(道路網の線の属性)ウインドウ内の線のリストをスクロールさせ、その情報を表示することもできます。

Network Analysis(道路網解析)処理において、要素に対する「アクティブな」という語と「選択された」という語の使用法は多少曖昧です。Toolboxや問い合わせを使用してView(ビュー)ウィンドウ内の要素を選択する場合は、選択されたセットの一部(または全部)であるような1つのアクティブな要素になります。Append / Subtract Selection(選択したものを追加 / 削除)アイコンをクリックするまでは、この選択されたセットと、道路網解析処理用に選択されるものとの間には直接的な対応はありません。選択されたセットの中のアクティブな要素が道路網解析用のアクティブな要素になることは絶対にありません。このようなアクティブな状態になるのは、Select Near Node(付近のノードを選択)またはSelect Near Line(付近の線を選択)ツールがアクティブになっている状態で要素をクリックした場合か、対応するNetwork Attributes(道路網解析)ウィンドウのノードまたは線のリスト内の要素をクリックした場合だけです。また、この練習問題で説明した方法によりアクティブなノードを変更することができます。

P.19(上、左)

Network Line Attributes(道路網の線の属性)ウインドウ

道路網の線の属性は、オブジェクト内の各線のインピーダンス、需要量、方向の条件とともに1つのテーブルに保存されます。道路網のノードの属性は、Turn(方向転換)、Angle(角度)、Barrier(バリア)の3つのテーブルに別々に保存されます。Turn(方向転換)テーブルは、直接編集可能な特殊なテーブルです。このテーブルには、各ノードごとにそのノードの方向転換インピーダンスを完全に定義するのに必要な多くのレコードが含まれており、接続されている線の本数の2乗までの個数が許されます。Angle(角度)テーブルには、360個以下のレコードが含まれています。Barrier(バリア)テーブルには、1つの論理フィールド(はい / いいえ)を持つレコードが各ノードごとに1つずつあります。

P.19(右)

ステップ

## Network Node Attributes(道路網のノードの属性)ウィンドウとNetwork Line Attributes(道路網の線の属性)ウィンドウが開いた状態で、方向転換マトリクス内のいずれかの線の名前をクリックします。
## Network Line Attributes(道路網の線の属性)ウィンドウとView(ビュー)ウィンドウへの影響を確認します。
## Select Near Line(付近の線を選択)ツールを使用して別の線を選択します。
## ステップ1、2、3を数回繰り返します。
## 使用可能なツールティップスをチェックします。

P.19(下)

#図の上の段#

Append / Subtract Selection(選択したものを追加 / 削除)アイコンは、Network Line Attributes(道路網の線の属性)ウインドウで選択された線群に対して、View(ビュー)ウインドウ内で選択された線群を追加、または削除します。したがって、問い合わせによる選択など、通常使用可能な任意の選択ツールを使用して、リスト内で選択されるものを決定できます。このため、トラックの交通量が多い住居地域内のすべての道路を禁止するようなことも可能です。

グラフィック・パネルには、方向を定義するため端部のノードがカラー・コード化されたアクティブな線が表示されます。表示される線が更新されるのは、線リスト内で新しい線を選択した場合か、View(ビュー)ウィンドウでSelect Near Line(付近の線を選択)ツールを使用した場合だけです。

#図の直上#
選択されたすべての線に対して両方向の行程を許可します。
選択されたすべての線に対して両方向の行程を禁止します。

#図の左#
すべてのSelection(選択)ボタンをオフにします。
すべてのSelection(選択)ボタンをオンにします。
Selection(選択)ボタンの状態を反転させます。
Selection(選択)ボタンを使用すると、グループ処理(需要量 / インピーダンスの設定、方向の許可 / 禁止)アプリケーション用に線を選択できます。

#図の右#
選択されたすべての線に対してインピーダンス値を入力できます。
問い合わせを入力 / 適用してインピーダンス値を決定します。

#図の直下#
方向トグルを有効 / 無効にします。
選択されたすべての線に対して需要量の値を入力できます。

#図の下の段#
道路網の線の属性テーブルを開いて線のインピーダンス、需要量、禁止される方向を更新します。
線の現在のインピーダンス、需要量、方向を、データベース・テーブルとして保存します。
問い合わせを入力 / 適用して需要量の値を決定します。

P.20(上、左)

スタイルの詳細

ステップ

## Network Analysis(道路網解析)ウィンドウでPreferences(ユーザ設定)アイコンをクリックします。
## General(一般設定)タブをクリックし(まだ選択されていない場合)、続いて[Styles...(スタイル...)]ボタンをクリックし、NETWORKプロジェクト・ファイルからNETWORKSTYLEオブジェクトを選択します。
## Route(経路)タブをクリックし、Active Stop color(アクティブな中継地点の色)をマゼンタ(赤100%、青100%)に設定します。
## Active Stop(アクティブな中継地点)オプションがStandard(標準)に設定された状態で、対応するSpecify(指定)アイコンをクリックします。
## Point Type(点のタイプ)をPoint Symbol(点記号)に設定し、記号のリストからHappyFaceを選択し、Height(高さ)を6mmに設定します。
## Stop(中継地点)ボタンがStandard(標準)に設定された状態で対応するSpecify(指定)アイコンをクリックし、Point Type(点のタイプ)をPoint Symbol(点記号)に設定し、記号のリストからNeutralFaceを選択します。
## Path color(経路の色)をベタ塗りの幅1mmの赤い線に設定します。
## 4つまたは5つの中継地点を配置し、経路を計算します。
## Network Analysis(道路網解析)ウィンドウの中継地点リストをクリックしてアクティブな中継地点を変更し、影響を確認します。

P.20(右)

ほとんどのベクタ・アプリケーションでは、メイン・レベル・オブジェクトではなく、ベクタのサブオブジェクトとして保存されたスタイルを使用した方が良いでしょう。スタイル・サブオブジェクトでは描画スタイルがベクタと一緒の状態に保たれますので、ファイル転送時に誤って分離されることがありません。ただし、Network Analysis(道路網解析)で使用されるスタイルは、入力ベクタ・オブジェクトに固有なものではなく、処理中に生成される一時的な道路網ベクタ・オブジェクトに固有なものです。さまざまな入力オブジェクトに使用可能な同じ記号とパターンが欲しくなります。6ページで行ったように使用するサブオブジェクトを選択することはできますが、希望するサブオブジェクトがどのベクタに含まれているかを正確に覚えておくことは、多くの場合困難です。

この練習問題で使用されるスタイル・オブジェクトには、TNT製品に添付されているスタイル・オブジェクトから選択された2つの記号と、TrueTypeフォントの絵文字から得られたいくつかの記号が含まれています。これらの2つのソースから記号を取り込む方法、およびユーザ独自の記号を作成する方法については、『TNT入門:スタイルの作成と使用』で説明しています。

アクティブなノードや線用にそれぞれ記号または線パターンを選択すると、それらは指定通りにView(ビュー)ウィンドウに表示されますが、対応するNetwork Attributes(道路網属性)ウインドウには表示されません。Network Attributes(道路網属性)ウインドウには、アクティブな色は反映されますが記号による表記は反映されません。

P.21(上、左)

割り当て道路網

割り当てとは、小学校、消防署、倉庫など、同じ目的のためにサービスを行う多数の中心に対して流入または流出する物資の動きのことを言います。経路決定のためにユーザが指定した線やノードの属性は、割り当てにも関連してきます。たとえば、割り当てを設定するときには恐らく、線の数ではなく移動距離が使用されるように、インピーダンスの要因として長さを含めたいと考えるでしょう。また、方向転換が許される方向によっても、道路が割り当てられる中心が違ってくる可能性があります。

中心を決めるには、最大容量やインピーダンス限界値など、他の条件も重要になります。容量の限界値が意味を持つためには、需要値も必要です。各線のデフォルトの需要値は1.00になっていますので、実際の需要情報がないと、道路網に含まれる線の数が設定された限界値に等しい場合に、中心の容量が一杯になってしまいます。中心までの最大移動距離などのインピーダンス限界値は、標準のベクタ属性以外の情報がなくても合理的に設定して適用することができます。

P.21(右)

用語:Allocate In(流入割り当て)関数は、指定された各中心に人や物資を運び込むのに使用すべき道路網の線を決定します。子供を学校に行かせるのは「Allocate In」処理です。Allocate Out(流出割り当て)関数は、中心から運び出すのに使用すべき道路網の線を決定します。1つのピザ店から複数の場所へのピザの配達地域を決定するのは「Allocate Out」処理です。

ステップ

## Allocation(割り当て)タブをクリックします。
## さまざまなアイコン上にカーソルを移動して静止させ、各アイコンの機能に慣れてください。

P.21(下)

#図の上の段#

Network Node Attributes(道路網のノードの属性)、Network Line Attributes(道路網の線の属性)、Preferences(ユーザ設定)ウィンドウは同時に開くことができます。これらのウィンドウを閉じるにはアイコンをもう一度クリックします。

#図の上#
容量値を設定します。
インピーダンス限界値を設定します。
インピーダンス・ディレイ値を設定します。
Allocate In(流入割り当て)処理を実行します。
Allocate Out(流出割り当て)処理を実行します。

#図の左#
選択された中心を削除します。
中心リスト内のすべてのSelection(選択)ボタンをオフにします。
すべてのSelection(選択)ボタンをオンにします。
Selection(選択)ボタンの状態を反転します。
追加された中心はここにリストされます。

#図の右#
中心の現在の割り当て情報をデータベース・テーブルとして保存します。
現在の割り当て道路網をクリアします。
Allocation Report(割り当てレポート)パネルに表示されている情報をテキスト・ファイルとして保存します。
各中心ごとの割り当て情報は、追加された順にここにリストされます。

P.22(上、左)

制約を使用しない割り当て

ステップ

## View(ビュー)ウィンドウでAdd Near Center(付近の中心を追加)アイコンをクリックします。
## 図のように広い間隔の空いた4つの中心を追加します。
## Allocate Out(流出割り当て)アイコンをクリックし、結果を確認します。
## レポートをチェックます。
## Clear Allocation(割り当てをクリア)アイコンをクリックします。
## 結果を比較します。

#図#

ノードと線の属性は、中心の線の割り当てに影響します。

P.22(右)

Network Analysis(道路網解析)処理を終了していずれかの練習問題を再開する場合は必ず、ユーザが、本書全体に渡って使用される同じオブジェクトを開き、15ページ以降のすべての練習問題においてNETLINES(道路網の線)、ANGLE(角度)、TURN(方向転換)テーブルを再ロードするものと仮定しています(方向転換値と角度値の両方を再ロードする方法が思い出せない場合は、15ページを参照してください)。

以下の練習問題でわかる通り、需要量、容量、インピーダンス限界値は、割り当て道路網に非常に大きな影響を与えます。このような制約がない場合は、選択されたオブジェクトに含まれるすべての線は、いずれかの中心に割り当てられます。線とノードの属性を考慮した場合に異なる中心道路網が接する部分では、Allocate In(流入割り当て)処理とAllocate Out(流出割り当て)処理との間で、割り当てられる線が変わることも多くあります。左の図のようにAllocate In(流入割り当て)処理とAllocate Out(流出割り当て)処理との間で1つの線により中心割り当てが切り換わる部分で道路網の妥当性を評価するには、専門的な評価が必要です。道路網の末端部分の線をハイウェイからの出口道路にしても意味がありません。

P.23(上、左)

インピーダンス限界値

割り当て道路網は、経路決定の際には適用されない他の制約も受けます。このような制約の1つがインピーダンス限界値です。インピーダンス限界値とは、中心に向かう任意の経路に許される最大インピーダンスのことです。多数の場所から製品を配達する事業を行っているような場合に、各場所ごとの配達地域を5kmに制限すると(保険、車両の損耗、顧客の満足度、その他の要因上)有利であることがわかることもあるでしょう。またたとえば、子供の通学距離が2.5km以下になるように学校の場所を計画したい場合もあるでしょう。このような場合は、最大移動距離の条件をインピーダンス限界値として入力します。この限界値を、すべての中心に対して同じにすることもできますし、1つまたは複数の中心に対して異なるものにすることもできます。

インピーダンス限界値が設定されても、すべての線をいずれかの中心に割り当てることができる訳ではありません。カバー範囲に隙間がある場合にそのまま受け入れることもできますし、中心の位置を再調整してカバー範囲が完全になるように考えることもできますし、また、設定する限界値を考え直すこともできます。残念ながら、最少の中心数で領域全体がカバーされるような中心の「最適な」配置を決定できるアルゴリズムはまだわかっていません。

この練習問題では、選択されたすべての中心に対して1つの値を入力するため、まず最初にInclude All(すべてを含める)アイコンをクリックし、次にSet Impedance Limit Value(インピーダンス限界値を設定)アイコンをクリックします。個々の中心のImpedance Limit Value(インピーダンス限界値)を設定するには、Centers List(中心リスト)内のその中心に対応するLimit(限界値)の列の内側をクリックします。また、選択されたすべてのものよりは少ない中心に対してSet Impedance Limit Value(インピーダンス限界値を設定)アイコンを使用することもできます。この場合は、入力された値が選択された中心に対してのみ割り当てられます。

インピーダンス限界値を2.5kmにすると、既存の中心ではすべての領域をカバーできません。

P.23(右)

ステップ

## Clear Allocation(割り当てをクリア)アイコンをクリックします。
## Include All(すべてを含める)アイコンをクリックします。
## Set Impedance Limit Value(インピーダンス限界値を設定)アイコンをクリックします。
## 2500と入力して[OK]をクリックします。
## Allocate In(流入割り当て)アイコンをクリックし、結果を確認します。

P.24(上、左)

中心を配置する

ステップ

## Include All(すべてを含める)、Delete Selected Centers(選択された中心を削除)の順にアイコンをクリックします。
## ほぼ図のように5つの中心を追加配置します。
## Include All(すべてを含める)、Set Impedance Limit Value(インピーダンス限界値を設定)の順にアイコンをクリックし、2500と入力して[OK]をクリックします。
## Allocate In(流入割り当て)アイコンをクリックします。
## Delete Selected Centers(選択された中心を削除)アイコンをクリックします。
## 最初の割り当て領域の内側の縁の付近に新しく5つの中心を追加配置します(図のものを除く)。
## ステップ3、4を繰り返します。

#図#
縁の付近に配置された中心

P.24(右)

インピーダンス限界値が設定された中心を配置するための1つの方法として、まずベクタ・オブジェクトの周辺部またはその付近に2、3個の中心を配置してから希望するAllocation(割り当て)処理を実行します。次に、決定された割り当て領域の内側の縁の近くになるように中心の位置を修正し、もう一度割り当て処理を実行します。

このページの例でも、ユーザが知識を持っていることの重要性がわかります。ノードはベクタの右上隅には配置されませんでしたが、これは、線のうちの1つが州間高速道であり、通常は中心の位置としては不適切だからです。操作を2回繰り返すだけで、インピーダンス限界値が2.5kmのベクタ・オブジェクトの範囲をほとんどすべてカバーできました。これらの中心群が学校の場所である可能性がある場合は、範囲外の地域でバスを運行することで、この結果に満足できます。割り当て領域内の隙間のほとんどは高速道であり、高速道に沿った地域に住んでいる生徒はいないかきわめて少数であると思われるため、歩行距離が大幅に増えることはありません。

#図#
最初に割り当てられた領域の内側の縁に移動し再度割り当て処理を行った中心群

P.25(上、左)

需要量を求める

通常使用できるようなデータ・タイプからでは、需要量が簡単に求められない場合も多くあります。需要量を求める際に最もよく使用される要因の1つが人口です。しかし、人口データは通常、点データであり、需要量は線に対応付けられた属性です。Transfer Attributes(属性を転送)処理を使用すると、点の人口データを、道路網解析に使用する線に対応付けることができます。ベクタ・オブジェクトには市、郡、州の境界線などの輪郭が含まれていることも多くありますが、これらの線を移動に使用することはできません。人口属性がこのような線に対応付けられるのを防ぐには、選択されたキー・フィールド属性や問い合わせを使用して、属性の転送が可能な線だけに限定します。

線に属性を転送する上記の方法では、多くのレコードが多くの線に対応付けられる場合もよくあります(たとえば街路に転送された世帯人員数データなど)。需要量を求める際には、最初に対応付けられるレコードだけではなく、対応付けらるすべてのレコードに対して、特殊な問い合わせ命令が必要です。

#図#
転送される側の道路網の線の上に属性転送用の点が表示された様子。

道路網に含めるのに適する線とそうでないものを区別するためのキー・フィールド属性を持つ線以外には、By Attribute(属性による)を選択しないでください。ここに示す問い合わせ例では、外側の境界以外のすべての線が道路網の線として使用するのに適する場合だけしか考慮されていません。

P.25(右)

この練習問題には、各自で適当なデータを使用してください。適当なデータが現在ない場合は、適当なデータを入手したときのためにこのページのことを覚えておいてください。

ステップ

## Process / Vector Attributes / Transfer Attributes(処理 / ベクタ属性 / 属性の転送)を選択します。
## [Source...(ソース...)]をクリックし、需要量を求めるのに使用する属性を持つ点を含むベクタ・オブジェクトを選択します。
## Destination(転送先)をクリックし、Network Analysis(道路網解析)に使用するオブジェクトを選択します。
## 転送先要素をLines(線)に設定し、オプション・メニューからBy Attribute(属性により)またはBy Query*(問い合わせにより)を選択します。
## [Select...(選択...)]をクリックし、属性を選択するか左に示す問い合わせを入力して[OK]をクリックします。
## すべてのレコードを転送するのに十分な距離を設定して[Run...(実行...)]をクリックします。
## Network Analysis(道路網解析)処理を起動し、属性を転送したベクタを選択し、9ページの手順に従って長さによるインピーダンスを割り当てます。
## Demand(需要量)用にEdit Query(問い合わせを編集)アイコンをクリックし、左に示す問い合わせを入力します。ただし、CITYとPOPULATIONの部分はそれぞれ各自で適当な名前に置き換えてください。
## Demand(需要量)パネルのApply Query(問い合わせを適用)アイコンをクリックします。

P.26(上、左)

容量を導入する

前の練習問題が済んだら、そのオブジェクトをそのままこの練習問題にも使用してください。割り当てた需要量に合うように容量を調整する必要があります。

ステップ

## 需要量の値が割り当てられた自分のベクタがない場合は、24ページから操作を続けてください。
## Centers List(中心リスト)パネルのInclude All(すべてを含める)アイコンをクリックします。
## Set Capacity Value(容量値を設定する)アイコンをクリックします。
## 250と入力して[OK]をクリックします。
## Allocate In(流入割り当て)アイコンをクリックします(自分の需要量データにとってAllocate Out(流出割り当て)の方が適切である場合はこちらをクリックします)。
## どちらの側にも線が割り当てられていない中心を選択して対応する容量フィールドをクリックし、500と入力して[OK]をクリックします。
## Allocate In(流入割り当て)(またはAllocate Out(流出割り当て))アイコンをもう一度クリックします。
## レポートをスクロールして各中心がどの程度最大容量に近付いたか確認します。

P.26(右)

容量とは、中心が対応可能な数のことであり、学校が受け入れ可能な生徒数、1日で配達可能な生鮮品の量、劇場の座席数、ショッピングセンターの駐車スペースの数などがあります。道路網内の中心の容量は、同じにすることも、異なるものにすることもできます。容量を有効に使用するためには、需要を適切に見積もることが必要です。各線のデフォルトの需要量は1.0です。したがって、需要量の値を変更しなければ、中心に流入する線の数が設定された値に等しくなったとき、容量が一杯になります。

道路網の線を中心に割り当てる際には、中心に流入 / 流出するすべての経路が割り当てられた後では中心が容量以下であっても中心の領域を大きくできないように限定される領域が設定されます。ユーザが意思決定を行わなければならないような状況になった場合のために、中心の位置を変更する、中心の容量を変更する、一部の線の割り当てを無視して手動操作によりテリトリの割り当てを変更するなど、さまざまなオプションが用意されています。

#図#
レポートをチェックすることにより、計画された中心の容量が十分か、大き過ぎるか、などを判断できます。

P.27(上、左)

より複雑な解析

道路網解析にはさまざまな複雑さががあります。いくつかについては特に説明しましたが、説明しなかったものもあります。また、これからユーザが発見するものもあるでしょう。

まだ紹介していない概念の中で、本書で説明しておく必要があると思われるのが、インピーダンス・ディレイです。インピーダンス・ディレイを使用すると、別の中心のインピーダンス・ディレイ値に達するまで、ある中心に優先的に道路網の線を割り当てておくことができます。最初に線を割り当てたい中心のインピーダンス・ディレイ値は0でなければなりません。他の中心には、同じか、これより大きい値を割り当てることができます。

道路網解析の問題では、多くの場合、使用可能な制御要素を多数またはすべて組み合わせる必要があります。製品の配達元が近い距離に多数あるが、あるものは主要高速道に容易にアクセスでき、あるものはショッピング街にあって駐車スペースがほとんどないというような場合があります。ショッピング街の中心から1マイル以内のすべての住所にはその中心から自転車で配達し、中間の距離の場所には別の中心から自動車で配達し、より遠い場所には高速道に近い中心からトラックで配達するように、配達を組織化することなどが可能です。インピーダンス・ディレイの機能は、このような条件を指定するのに役立ちます。また場合によっては、長距離の配達が希望する中心に確実に割り当てられるようにするために、他の中心にインピーダンス限界値を割り当てて配達領域を市の範囲内に制約することも必要になるでしょう。

P.27(右)

中継地点の順序の変更も簡単です。次に示す複雑な最初の経路は、中継地点5を選択し、Move Stop to End(中継地点を最後に移動)アイコン、Move Stop Up(中継地点を上に移動)アイコンの順にクリックしてもう一度処理を実行することで単純化されています。

#図#
ここをクリックします(1)
ここをクリックします(2)
ここをクリックします(3)
Calculate Route(経路を計算)をクリックします(4)

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