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P.1

TNT入門

言語の変更(ローカリゼーション)

草稿
1998年5月7日

各TNT製品に共通

P.2

はじめに

本書では、TNT製品のローカリゼーションに必要な手順の概要を説明します。マイクロイメージズ社では、あらゆる国、文化、言語に合わせてTNT製品をローカライズできるようにするため、TNT製品の国際化に大きな努力を払ってきました。マイクロイメージズ社ではTNT製品の翻訳版は製作していませんが、全世界の誰でもどこでもローカライズできる手段を用意しました。ローカライズ処理では任意のフォントを使用できますので、元の英語の文字やラテン語の文字はまったく残りません。また、大幅なローカリゼーションを行わず、選択されたインタフェース要素だけを翻訳し、その他の部分は英語のまま残すように選択することもできます。もちろん、ユーザがローカライズしたすべてのリソースの所有権はユーザのみに帰属しますので、ユーザの希望する任意の形で国際的に配布したり売買することができます。

必須基礎知識 TNT製品をローカライズするには、英語版のTNTmipsと自分の地域の言語の両方に詳しい、熟練したコンピュータ・ユーザであることが必要です。ローカリゼーションの過程では、すべてのインタフェース用テキスト、メッセージ、資料に関して言語と概念の上から対応するものを見つけて行く作業が必要になりますので、TNTのすべての処理を完全に理解している必要があります。マイクロイメージズ社ではユーザにローカリゼーションを行っていただくことを促進しており、ローカライズされたさまざまなバージョンによりTNT製品がより広く世界で受け入れられて行くことを期待しています。

サンプル・ローカール ローカール(Locale)とは、TNT製品の特定のローカリゼーションをサポートするのに必要なすべての情報を含む一連のファイルです。確認用にロシア語のサンプル・ローカールを用意しました。その他のローカールも用意されており、開発した各社から入手できます。個々の件についてはマイクロイメージズ社にお問い合わせください。

その他の資料 本書では、TNTのローカリゼーションに関する概要しか示されておりません。ローカリゼーションの理論と実際に関する詳細は、技術関係の文献に載っています。マイクロイメージズ社のウェブ・サイトには参考文献に関するページがります。

TNTmipsとTNTlite(TM) TNTmipsには2つのバージョンがあります。プロフェッショナル・バージョンと、無料バージョンであるTNTliteです。マイクロイメージズ社では、TNTedit(TM)、TNTview(R)、TNTatlas(R)も提供しています。1つのTNTローカールですべてのTNT製品をサポートできます。

Keith Ghormley、1998年5月7日、V5.9

本書の一部のイラストでは、カラー・コピーでないと重要な点がわかりにくい場合があります。マイクロイメージズ社のウェブサイトから本書を入手されれば、カラーで印刷したり表示できます。また、このウェブサイトからは、『TNT入門』のその他のテーマに関する最新のパンフレットも入手できます。インストール・ガイド、サンプルデータ、および最新バージョンのTNTliteをダウンロードできます。アクセス先は次の通りです。

http://www.microimages.com

P.3(上、左)

ローカリゼーション

TNT製品のローカリゼーションは、基本的には、一連のリソース・ファイルを目的言語に翻訳して、使用するフォントをTNTに指示することによって実現されます。現行バージョンのTNT製品では、ローカールを定義するファイルを使用することで、TNTに含まれるほとんどすべてのインタフェース要素を翻訳することができます。

本書では、TNT製品のローカライズに必要な操作を順を追って説明していきます。ローカリゼーションを行うためには、

 ローカール・ファイルを翻訳し、
 インタフェース・フォントを選択し、
 注釈フォントを選択します。

ユーザのコンピュータ、TNT製品、およびその他のアプリケーションでは、さまざまなフォントや言語のリソースが使用されています。ローカリゼーション作業における基本となるのが、フォントとコード体系に関する事項です。知っておく必要がある事項をまとめて、以降の数ページに示します。

ローカリゼーションに関して古くからある問題点の一部は、現行バージョンのTNT製品ではまだ対処されていません。日付、時刻、通貨、数値の自動フォーマット機能は、専門的な地理空間解析作業には大きな影響はないため、まだ実装されていません。また、ソート処理(アルファベット順の並べ変えなど)における特殊な例外もサポートされておりません(テキスト項目は単純なUnicode順でソートされます)。

本書の例ではWindows 95オペレーティングシステムの場合を扱います。マッキントッシュとUNIXコンピュータの場合のTNT製品のローカリゼーションもサポートされており、これらのプラットフォームの場合も同様の手順でローカライズできます。

P.3(右)

このページの図は、マイクロイメージズ社がロシア語にローカライズしたものです。

P.4(上、左)

翻訳のための用語を標準化する

ステップ

## GLOSSARY.TXTを開きます。
## 別のウインドウで、各ローカール・ファイルを順番に開きます。
## 各ローカール・ファイルでGLOSSARY.TXTの中の用語を検索し、その用語の範囲と中心的意味を調べます。
## ローカール・ファイルの翻訳時に参照するため、GLOSSARY.TXTを翻訳したバージョンを作成します。

TNTローカールを定義するファイルは、以下の通りです。
##

P.4(右)

TNT製品に含まれるような技術分野では、用語が厳密で一貫していることが非常に重要です。曖昧さを避けるためローカリゼーションで最初に行われる作業が、厳密な用語の定義と一貫した用語の選択です。

実際にローカール・ファイルを翻訳する作業を開始する前に、翻訳に使用する用語を確定します。TNTローカール・ファイルで使用される用語はGLOSSARY.TXTファイルにリストされています。対応する用語を捜す場合は、英語バージョンのローカリゼーション・ファイルを参照して英語における用法の中心的意味と範囲を確認します。英語の一般的な単語のいくつかは、TNT製品では特殊な意味に使用されていますので、目的言語における用語を慎重に選択する必要があります。たとえば"object"(オブジェクト)という語はコンピュータ業界で一般的に通用していますが、TNTではより狭い特殊な意味に使用されています(TNTでは常に、プロジェクト・ファイル内のラスタ、ベクタ、CAD、TIN、またはデータベース・オブジェクトを意味します)。同様に"element"(要素)という語はTNT以外では広い意味に使用されていますが、TNTでは常に、オブジェクトに含まれる要素(ベクタ・オブジェクト内の点、線、ポリゴン、ノード要素など)を意味します。TNTの専門用語をできるだけ一貫的に、明確に、あいまいでなく*,u毆)、目的言語でどのように表現するかを、まず決定してください。

ローカール・ファイルをチェックしてGLOSSARY.TXTの中の用語リストの使用範囲を確認し、ローカール・ファイルの翻訳時に参照できるような翻訳用語集を作成してください。

GLOSSARY.TXTには、使用頻度別にすべての用語が並べられた完全なリストが含まれています。重要な用語を先に、一貫性のある対応した語に翻訳してください。GLOSSARY.TXTは、TNTGLOSS.EXEにより自動的に生成されます。

P.5(上、左)

フォントとコード体系について

フォントは、順番に並んだ一連の文字や記号(絵文字)が含まれたコンピュータ・ファイルであり、通常は特定の目的に適した一般的な書体の一連のアルファベットや文字が含まれています。TNT製品をローカライズするためには、目的言語で使用される文字群を含むフォントが必要であり、フォントのコード体系(ファイル内の文字の順序)も指定しなければなりません。

8ビット・キャラクタ・セットには、ラテン語のアルファベットに十分な256個の文字(大文字と小文字)、句読点、数字、特殊文字が含まれています。さまざまな国のアルファベットに対処するには256文字よりはるかに多くの文字が必要なため、世界中のアルファベットのすべての文字を含む16ビット上位セットであるUnicodeが定義されました。

TNT製品は8ビット・フォントとUnicodeの両方をサポートします。次の練習問題では、フォントのインストール方法と選択方法を説明します。

X Resourceファイル(TNTXRES.TXT)は複合テキスト・コード体系を使用しているため、テキスト・ウィジェットでラテン語以外のテキストを表示できますが、これは、捜すべきフォントをコード体系がシステムに指示するからです。これに対し、他のすべてのローカール・ファイルとインタフェース要素(File / Object(ファイル / オブジェクト)ディレクトリなど)は、必要なフォントをユーザが明確に追加しない限り、ラテン語以外のテキストを表示できません(6、8、19ページを参照)。

これまで多くの8ビット・キャラクタ・セットが定義されてきました。ほとんどのものでは、最初の128個のコード点に英語(ラテン語)の文字が含まれており、上位の128個のコード点でその他の文字(ロシア語、ギリシア語、アラビア語など)をサポートしています。上位の128個はセットによって異なるため、コンピュータで正しい8ビット・フォントとコード体系が選択されていないと、無意味な文字が表示されることがあります。

Unicodeは、65,000個の文字を設定できる領域を持ち、世界のすべての記述言語で使用されるすべての文字にコード点が割り当てられています。TNT製品では、UTF8というUnicodeを使用しています。

左図:16ビットUnicode UTF8のコード体系を選択すれば、ロシア語のファイルがこのように正しく表示されます。

上図:デフォルトの8ビットASCIIコード体系を使用しないようにエディタに指示しないと、同じロシア語のファイルが正しく表示されません。

P.6(上、左)

インタフェース・フォントとフォントのサポート

ステップ

## メインメニューからSupport / Setup Preferences(サポート / ユーザ設定)を選択します。
## Localization(ローカリゼーション)タブのUTF8 Encoding(UTF8コード体系)トグルとCompound Text(複合テキスト)トグルをオンにします。
## メインメニューからSupport / Setup Fonts(サポート / フォントを設定)を選択します。
## 必要なインタフェース・フォントを上部のパネルで選択し、[Add]をクリックします。

BDF:ビットマップ配布フォント(Bitmapped Distribution Font)。X Windowシステムに適したタイプのインタフェース・フォント。
PCF:ポータブル・コンパイル・フォント(Portable Compiled Font)。特に中国語と日本語に適した別のタイプのインタフェース・フォント。

Localization(ローカリゼーション)タブの両方のトグルをオンにします。

上のペーンでフォントを選択すると、その中に含まれる文字のサンプルがウインドウ下部に表示されます。

P.6(右)

メニュー、ツールティップス、ダイアログ・ボックス、システム・メッセージの中に表示されるのがインタフェース・テキストです。さまざまなタイプのTNTインタフェースに対して16ビット・フォントを有効にするには、Setup(セットアップ)処理でユーザー設定を登録します(Support / Setup / Preferences(サポート / 設定 / ユーザ設定))。また、General System Preferences(システムに関する一般的なユーザ設定)ウインドウでLocalization(ローカリゼーション)タブを選択し、System messages Encoded with UTF8(システム・メッセージのコード体系にUTF8を使用)トグルとInterface Labels use Compound Text(インタフェース・ラベルに複合テキストを使用)トグルの両方をオンにします。

Support / Setup / Preferences(サポート / 設定 / ユーザ設定)で16ビット・フォントを有効にしたら、Support / Setup / Fonts(サポート / 設定 / フォント)処理で必要な特定のフォントを選択しなければなりません。Interface Font List Selection(インタフェース・フォント・リスト選択)ウインドウの上部パネルに、使用可能な各国のフォントのリストが表示されます。必要なフォントの位置までリストをスクロールして選択し、Add(追加)ボタンをクリックすると、ウィンドウ下部のFonts To Use(使用するフォント)リストにフォントが追加されます。

TNTでは、インタフェース・テキストにBDFフォントとPCFフォントを使用します。ユーザ独自のBDF、PCFフォントを必要な数だけディレクトリ\tnt\bdf\miscにコピーするとTNTで使用できるようになります(付録の「フォントの追加」、「フォントのフォーマットと変換」を参照してください)。

必要なフォントを上のペーンで選択してAdd(追加)ボタンをクリックすると、アクティブなリストにフォントが追加されます。

P.7(上、左)

ローカールをアクティブにする

使用するフォントをTNTに指示したら(6ページを参照)、次にローカール・ファイルのある場所をTNTに指示しなければなりません。まず、TNTを終了し、TNT製品のインストール・フォルダの中に/localeというディレクトリを作成します(c:/tnt_95/localeなど)。ローカール・フォルダの中に、必要な各ローカール用のサブディレクトリを作成します。

 ##

(3文字のローカール・コードは、Microsoftのローカール命名方式に従います。) 各自のローカール・ファイルを正しいローカール・ディレクトリにコピーします。

TNTPROCS.INIファイルを編集し、[locale]グループと"language"(言語)キーを追加します。(下図のように)言語キーに3文字のローカール・コードを割り当てます。

TNTを再起動する前に、コンピュータのオペレーティングシステムの機能を使用して拡張キーボード・サポートを有効にすることもできます。たとえばWindows 95やNTの場合には、Control Panel(コントロール・パネル)のKeyboard(キーボード)アプレットを使用して、ロシア語のキーボード・サポート機能を追加します。System Tray(システム・トレイ)のポップアップ・メニューでキーボード・レイアウトを切り換えることができます。

TNTPROC.INIファイルに[locale]グループを追加します。続いて"language"(言語)というキーワードを追加し、自分の言語に対応する3文字のコードをこのキーワードに割り当てます。

P.7(右)

ステップ

## TNTのすべての処理を閉じ、X Serverを終了します。
## tntインストール・フォルダの中に/localeディレクトリを作成します。
## ローカール・フォルダの中に/aaaディレクトリを作成します("aaa" は3文字のローカール・コードです)。
## ローカール・ファイルを対応するローカール・ディレクトリにコピーします。
## [locale]グループと言語割り当てを追加してTNTPROC.INIを編集します。
## 各自のシステムのキーボード・ユーティリティを使用してキーボードのレイアウトを選択します。

Windows 95のControl Panel(コントロール・パネル)のKeyboard(キーボード)アプレットを使用すると、多数の言語をサポートする機能を追加できます。

P.8(上、左)

エディタと編集

ステップ

## エディタでMESSAGES.TXTを開きます。
## いくつかの簡単な変更を行い、MESSAGES.TXTを保存します。
## TNTテキスト・エディタでMESSAGES.TXTを開き、エディタで使用するコード体系を指定します。
## TNTテキスト・エディタでUTF8コード体系を指定して、MESSAGES.TXTを保存します。

備考:上記の手順は単にデモンストレーションのためにコード体系をUTF8に変更する方法を示したものにすぎません。次の練習問題では、MESSAGES.TXTを実際に翻訳する様子を示します。

TNTテキスト・エディタでファイルを開いたり保存する場合は、そのファイルに適した正しい文字コード体系を指定することを忘れないでください。すべてのTNTローカール・ファイルは、最終的にはX ResourceファイルかUTF8 Unicodeコード体系を使用して保存する必要があります(14ページを参照)。

P.8(右)

次の練習問題では、TNTのローカール・ファイルに対する翻訳手順を示します。各ローカール・ファイルには、インタフェース・テキスト、およびTNTがファイル内でそのテキストの位置を見つけるためのインデックス情報がともに含まれています。ローカリゼーションを実行するには、インタフェース・テキストだけを翻訳します。インデックス情報は絶対に変更してはなりません。

キーボードで自分の目的言語を入力できるようにオペレーティングシステムが設定されているか確認します。TNTテキスト・エディタはどのような編集作業にも使用できますが、目的言語に特に適したテキスト・エディタの方が良いと思われるでしょう。ユーザのエディタはローカール.TXTファイル内の単純なASCIIテキストを開き、現在のシステム・コード・ページを使用して編集内容を記録します。たとえば、Windows 95上で動作するロシア語のエディタでMESSAGES.TXTを開く場合、ユーザが保存するMESSAGES.TXTはロシア語Windowsのコード・ページのコード体系になります。このようなロシア語版のTNT用MESSAGES.TXTを準備するには、ロシア語コード・ページからUnicodeにコード体系を変換しなければなりません。そのためには、正しいロシア語コード体系を指定してTNTテキスト・エディタでファイルを開く必要があります。さらにUTF8コード体系を指定してファイルを保存します。

システム・トレイのポップアップ・メニューで、Windows 95のキーボード・レイアウトを切り換えます。

P.9(上、左)

MESSAGES.TXTを翻訳する

MESSAGES.TXTを開くには、各自のテキスト・エディタかTNTのテキスト・エディタを使用します。

各行の始めには一意的なTNTシステム・キーワードが付きます。キーワードの後には"="文字が付き、行の残りの部分がインタフェース・テキストとなります。

インタフェース・テキストによっては、メッセージの中に処理中の値を含めたり、メッセージを複数の行に表示できるようにするための変数値やフォーマット制御コードが含まれる場合があります。たとえばTNTが次に示すメッセージを使用する場合、

 ##

TNTが可変プレースホルダ'%S'をCADオブジェクト名に置換しますので、プレースホルダとフォーマット・コードを変更してはなりません。'\n'は、複数行メッセージの場合に新しい行を始める際に使用されます。すべての変数プレースホルダには接頭辞として'%'文字が付きます(%S、%d、%.3fなど)。

変更内容をMESSAGES.TXTに保存します。ユーザのエディタでUTF8コード体系を使用していない場合は、TNTのテキスト・エディタでMESSAGES.TXTを開いて保存することによりコード体系を変換します。この場合は、ファイルを開くときに現在のコード体系を指定し、ファイルを保存するときにUTF8コード体系を指定します(8ページを参照)。

P.9(右)

ステップ

## ユーザのエディタかTNTのテキスト・エディタを使用してMESSAGES.TXTを開きます。
## すべてのメッセージ・テキストを翻訳します(4ページの各自の用語集を参照)。
## UTF8コード体系を使用してMESSAGES.TXTを保存します。

%s、%d、%.3fなどの例のように、インタフェース・テキスト内の変数は'%'文字で始まり通常の文字で終わります。TNTは、メッセージを使用する際に、プログラムの状況に従って自動的に、変数を、ファイル名、オブジェクト名、数値など、現在の値に置き換えます。MESSAGES.TXTの中の変数を削除したり変更してはなりません。

P.9(下)

システム・キーワードは絶対に変更してはなりません。

インタフェース・テキストだけを変更します。

変数は変更してはなりません。

P.10(上、左)

TNTXRES.TXTを翻訳する

備考:V5.9より前のバージョンではTNTXRES.TXTの名前はTNTMIPS.RESとなっていました。

ステップ

## ユーザのエディタかTNTのテキスト・エディタを使用してTNTXRES.TXTを開きます。
## すべてのメッセージ・テキストを翻訳します(各自の用語集を参照)。
## Compound Text(複合テキスト)コード体系を使用してTNTXRES.TXTを保存します。

ダイアログのタイトルをISO-Latin1以外のキャラクタ・セットでローカライズする機能は、本書の準備時点のバージョンではまだサポートされておりません。この機能のサポートが完了したかいなかについては、マイクロイメージズ社にお問い合わせください。それまでは、TNTXRES.TXTの終わりの"!Dialog titiles"という見出しの付いた部分は翻訳しないでください。

P.10(右)

各自のテキスト・エディタかTNTのテキスト・エディタを使用してTNTXRES.TXTを開きます。コメント行は'!'文字で始まります。ファイルの最初の、次に示す見出しの付いた部分にジャンプしてください。

 ##

次に示す見出しの付いた部分から翻訳を開始します。

 ##

各行は一意的なTNTシステム・キーワードで始まります。キーワードの後には":"文字があり、行のその後の部分がラベル文字列テキストです。

変更内容をTNTXRES.TXTに保存し、必要ならばコード体系をCompound Text(複合テキスト)コード体系に変換します。

重要:TNTXRES.TXTは、UTF8コード体系を使用しない唯一のTNTローカール・ファイルです。TNTXRES.TXTはCompound Text(複合テキスト)コード体系で保存しなければなりません(8ページを参照)。

#図#

キーワードを変更してはなりません。

'! Label strings used throughout TNT applications"(TNTアプリケーション全体で使用されるラベル文字列)という見出しの付いた部分のラベル・テキストを翻訳します。

TNTXRES.TXTに対してのみX Resource File(X Resourceファイル)(TNTXRES.TXT)コード体系を選択します。Compound Text Format(複合テキスト・フォーマット)は、1つのファイルで多数のフォントの文字を使用できるようにするためのメカニズムです。システムは、複数のフォントから必要に応じ文字を取り出して混成テキストを表示します。

P.11(上、左)

ERRMSGS.TXTを翻訳する

各自のテキスト・エディタかTNTのテキスト・エディタを使用してERRMSGS.TXTを開きます。コメント行は'#'文字で始まります。各行は一意的なTNTシステム・エラー番号とエラー・レベル値で始まります。行の残りの部分のエラーメッセージ・テキストを翻訳します。

エラーメッセージによっては、変数プレースホルダやフォーマット・コードが含まれる場合がありますが、これらは変更してはなりません。'\n'は、メッセージを表示する際に強制的に改行します。すべての変数プレースホルダには接頭辞'%'文字が付きます(%S、%d、%.3fなど)。

変更内容をERRMSGS.TXTに保存します。ユーザのエディタでUTF8コード体系を使用していない場合は、TNTのテキスト・エディタでERRMSGS.TXTを開いて保存することによりコード体系を変換します。この場合は、ファイルを開くときに現在のコード体系を指定し、ファイルを保存するときにUTF8コード体系を指定します(8ページを参照)。

P.11(右)

ステップ

## ユーザのエディタかTNTのテキスト・エディタを使用してERRMSGS.TXTを開きます。
## すべてのメッセージ・テキストを翻訳します(4ページの各自の用語集を参照)。
## UTF8コード体系を使用してERRMSGS.TXTを保存します。

%s、%d、%.3fなどの例のように、エラーメッセージ内の変数は'%'文字で始まり通常の文字で終わります。TNTは、メッセージを使用する際に、ERRMSGS.TXTの中の変数やフォーマット文字("\n")を削除したり変更してはなりません。

P.11(下)

エラー番号とエラー・レベルは変更してはなりません。

英語のまま残したメッセージがあり、TNTでこのメッセージが必要になった場合は、英語で表示されます。

変数とフォーマット・コードは変更してはなりません。

P.12(上、左)

TNTUNITS.TXTを翻訳する

ステップ

## 各自のテキスト・エディタかTNTのテキスト・エディタでTNTUNITS.TXTを開きます。
## 必要に応じ単位や単位の略語を翻訳します。
## ユーザのローカールに必要な単位定義の追加には十分な注意を要するため、このような追加を行われないよう、マイクロイメージズ社ではお奨めしています(マイクロイメージズ社にサポートをお申し付けください)。
## UTF8コード体系を使用してTNTUNITS.TXTを保存します。

P.12(右)

TNT処理で重量や測定値を表示する場合は、TNTUNITS.TXTファイルで定義された測定単位が使用されます。選択メニューやレポートには単位名が表示されます。単位名をローカライズするには、各自のテキスト・エディタ(UTF8コード体系をサポートしているもの)かTNTのテキスト・エディタを使用してTNTUNITS.TXTを編集します。既存の単位名を変更したり新しい単位の定義を追加することもできます。

各行の第3フィールドを翻訳します。第3フィールドには、メニューやレポート(の単位が記されているすべての部分)に表示される単位名が含まれています。また、第4フィールドの単位の略語もローカライズすることができます。ASCII以外の文字が使用されている場合、単位名を変更するにはUTF8テキスト・エディタを使用する必要があります。名前の長さは31文字までです。

変更内容をTNTUNITS.TXTに保存します。ユーザのエディタでUTF8コード体系を使用していない場合は、TNTのテキスト・エディタでTNTUNITS.TXTを開いて保存することによりコード体系を変換します。この場合は、ファイルを開くときに現在のコード体系を指定し、ファイルを保存するときにUTF8コード体系を指定します(8ページを参照)。

P.12(下)

各行の第3フィールドには、TNTメニューやレポートに表示される名前が含まれています。エディタを使用してこの名前をローカライズし、UTF8 UnicodeでTNTUNITS.TXTに保存します。

各行の第4フィールドには、単位名の略語が含まれています。

各行の第5フィールドには、単位をこのセクションの基本単位に変換するための係数が含まれています。新しい単位を定義する行ではこのような変換が可能ですが、このような操作を行われないよう、マイクロイメージズ社では強くお奨めしています。ユーザからのご要望があればマイクロイメージズ社が新しい単位を追加致します。

P.13(上、左)

MAPPROJ4.TXTを翻訳する

TNT処理で地図投影情報を表示する場合は、MAPPROJ4.TXTファイルで定義された投影、基準面、楕円体の名前が使用されます。選択メニューや情報ダイアログにはこれらの名前が表示されます。投影、基準面、楕円体の名前をローカライズするには、各自のテキスト・エディタ(UTF8コード体系をサポートしているもの)かTNTのテキスト・エディタを使用してMAPPROJ4.TXTを編集します。

MAPPROJ4.TXTは3つのセクションに分けられます。ファイルの各セクションの始めの部分にあるコメントは、そのセクションのレコードのフィールドと内容を定義します。下図に示すように、[mapproj](地図投影)のセクションで編集できるのは略語と名前のフィールドだけです。レコードの追加や削除は一切行ってはなりません。同様に、[datum](基準面)、[ellipsoid](楕円体)のセクションにも、翻訳可能な名前のフィールドと、変更してはならないその他のフィールドがあります。各セクションの見出しのコメントを参照してください。

また、各自のローカールに固有な地域地図投影を定義することもできます。User Defined(ユーザ定義)地図投影の定義と命名方法に関しては、TNTリファレンスマニュアルを参照してください。

P.13(右)

ステップ

## 各自のテキスト・エディタかTNTのテキスト・エディタでMAPPROJ4.TXTを開きます。
## [mapproj](地図投影)、[datum](基準面)、[ellipsoid](楕円体)の3つのセクションで、必要に応じ単位や単位の略語を翻訳します。
## ファイル内の行の追加や削除は一切行ってはなりません。
## UTF8コード体系を使用してMAPPROJ4.TXTを保存します。

User Defined(ユーザ定義)地図投影を作成して名前を付けることができます。

P.13(下)

[projname](投影名)のセクションでは、略語が含まれた第3フィールドを翻訳することができます。

[projname](投影名)のセクションでは、TNTが表示する投影名が含まれた第4フィールドを翻訳することができます。

最初の2つの欄の投影番号とサブタイプ・コードを変更してはなりません。

MAPPROJ4.TXTには、[mapproj](地図投影)、[datum](基準面)、[ellipsoid](楕円体)を翻訳可能な3つのセクションがあります。

P.14(上、左)

SMLFUNCS.TXTを翻訳する

ステップ

## 各自のテキスト・エディタかTNTのテキスト・エディタでSMLFUNCS.TXTを開きます。
## 必要に応じヘルプ定義を翻訳します。
## UTF8コード体系を使用してSMLFUNCS.TXTを保存します。

P.14(右)

SML処理は、SMLスクリプトを作成するユーザを補助するための関数定義を表示します。関数定義はSMLFUNCS.TXTの中に含まれています。表示処理におけるGeoFormulaレイヤーや空間データ問い合わせのサポート機能でも、関数定義が表示されます(GeoFortnulasと問い合わせではSMLと同じ言語とシンタックスが使用されます)。

各SML関数は、鍵カッコで囲まれた関数名([asin]など)の見出しが付いた一連の行で定義れます。このセクションの各行は接頭辞文字(F、W、P、A、R、またはE)およびいくつかのオプションの書式設定コードで始まります。接頭辞とフォーマット・コードは修正してはなりません。ヘルプ・テキストだけを翻訳してください。

変更内容をSMLFUNCS.TXTに保存します。ユーザのエディタでUTF8コード体系を使用していない場合は、TNTのテキスト・エディタでSMLFUNCS.TXTを開いて保存することによりコード体系を変換します。この場合は、ファイルを開くときに現在のコード体系を指定し、ファイルを保存するときにUTF8コード体系を指定します(8ページを参照)。

P.14(下)

SMLFUNCS.TXTファイルには、ヘルプ・テキストとフォーマット・コードが含まれています。エディタにおけるファイル表示(左側)と、SMLヘルプ・ウインドウにおけるフォーマット後のファイル表示(右側)を比較してください。

P.15(上、左)

リファレンス・マニュアルと図

TNTリファレンス・マニュアルは、HTML形式で配布されています。各処理ごとに分かれた説明と図は全体で3000ページに達し、これを翻訳するのは明らかに大変な作業です。より頻繁に使用すると思われる処理に関する章だけ翻訳することも良いでしょう。

Reference Manual(リファレンス・マニュアル)ファイルは、/REFMAN/HTML/*.HTMにあります。翻訳されたHTMLがロードされるときに必要なフォントと言語がサポートされるよう、各自のブラウザのLanguage Preferences(言語設定)を設定してください(ブラウザの資料を参照)。マイクロイメージズ社が提供しているMicrosoft WordフォーマットのReference Manual(リファレンス・マニュアル)ファイルは翻訳しないでください。理由は、翻訳されたWordファイルをHTMLに変換するときに説明と図のリンクを正常に保つ簡単な方法がないからです。

オンライン・イラストは、/REFMAN/HTML/CI/*.GIFと/REFMAN/HTML/II/*.GIFにあります。これらのGIFファイルは、画面取り込みと簡単なペイント・ソフトウェアにより再生成したり、交換する図を正しいディレクトリにコピーすることができます。

P.15(右)

ステップ

## 各HTMLを翻訳します。
## ブラウザに必要なコード体系を使用して結果を保存します。
## TNT製品を実行して画面の図を取り込みます。
## 図を切り取って編集し、結果として得られた各.GIFファイルを/REFMAN/HTML/IIおよび/CIディレクトリに保存します。

重要:説明のセクション間のハイパーリンクを保存するためには、すべてのHTMLテキストとタグがなければなりません。

#図#
ブラウザを使用して*.htmファイルを直接編集することもできます。

P.16(上、左)

ローカールの更新と切り換え

TNT製品の新しいバージョンのローカリゼーションを更新するための機能は、このバージョンの発表時には用意できませんでした。

複数のローカール・ファイル・セットを準備することにより、同じマシン上で複数の言語によるローカリゼーションをサポートできます。TNTの実行環境で一部のユーザが1つの言語で作業し、他のユーザが別の言語で作業する場合に、ローカールを切り換えたり、混成ローカールを提供することもできます。

P.16(右)

ローカールの更新  マイクロイメージズ社は、毎年4回ずつTNT製品の新しいバージョンを発表しています(1986年のV0.9から1998年5月のV5.9まで45のバージョンがあります)。新しいそれぞれのバージョンには、新しい地物と新しい説明が含まれています。ローカライズされたTNT実行環境を保守していくには、新しいそれぞれのバージョンに対応する新バージョンのローカリゼーション・ファイルを準備する必要があります。もちろん、TNT製品の変更はは少しずつ行われ、インタフェースや説明の四半期ごとの変更は10〜20%程度ですので、四半期ごとの更新作業は最初の翻訳に比べるとはるかに少なくて済みます。

マイクロイメージズ社では、ローカリゼーションを行うユーザが新バージョンのローカール・ファイルの中の追加個所や変更個所を捜すためのサポート・ユーティリティを開発中です。新しい処理、メニュー項目、メッセージ、機能に関してはローカール・ファイルでも新しい項目を翻訳する必要があります。既存の要素を修正したバージョンに対しては確認が必要です。更新機能を使用して翻訳や確認を必要とする要素だけをすばやく探し出せるようになる予定です。

ローカールの切り換え  ローカールを切り換えるには、各ローカール・ファイル・セットを/localeディレクトリに置き、TNTPROC.INIの中の[locale]グループを修正します。たとえば/locale/rusディレクトリにロシア語のローカール・ファイルを入れておき、TNTPROC.INIを次のように修正します。

 ##

(7ページを参照)

混成ローカール  ローカール・ファイルでUTF8 Unicodeを使用するようにTNTに指示してあれば、両方の言語の文字を含むフォントを用意するだけで言語を混在させることができます(本書の例では、1つのインタフェース・フォントからロシア語と英語の混成テキストを表示します)。

P.17(上、左)

付録:日本語

日本語用のローカリゼーションは、マイクロイメージズ社の東京の代理店で用意しています。詳細および価格は下記にお問い合わせください。

株式会社オープンGIS
〒130東京都墨田区吾妻橋 1-19-14 紀伊国屋ビル 7F
TEL (03)-3623-2851
FAX (03)-3623-3025
Eメール:waza@kt.rim.or.jp
http://www.opengis.co.jp

用意された日本語ローカールではローカリゼーション処理について図でも説明しています。Fonts to Use(使用するフォント)のリストでは、次の2つの特殊なインタフェース・フォントが選択されています(6ページの練習問題を参照)。

 ##

Fonts to Use(使用するフォント)のリストLatin1フォントを残しておくと良いでしょう。

英語と日本語など、フォントを混在させる場合は、同じフォント・サイズを選択しなければならないことに注意してください。16ポイントの日本語フォントを14ポイントの英語フォントやインタフェース・テキスト要素と混ぜると、正しく表示されません。

P.17(右)

ローカリゼーションはTNTの代理店と世界各地のユーザが行っていますので、それ以外の方はローカリゼーションの作成者に交渉してローカール・ファイルを入手するしかありません。マイクロイメージズ社では、TNTローカリゼーションに関しては一切の管理を行っておらず権利も保有しておりませんが、入手可能なTNTローカリゼーションについての情報はユーザに提供します。

株式会社オープンGISから入手可能な日本語ローカリゼーションは、メニュー、ツールティップス、メッセージ、ダイアログ、ファイル名のための日本語インタフェースを提供します。もちろん、地図の注釈やラベル用のインタフェースも含まれています。

P.18(上、左)

付録:フォントのフォーマットと変換

画面インタフェース・テキスト用のビットマップBDF、PCFフォント

高解像度出力用のアウトラインOF、TrueTypeフォント

PCFフォントは通常、BDFフォントより効率的で高速であり、中国語や日本語用に選択するのに適しています。

P.18(右)

通常、コンピュータでは、ビットマップ・フォント、アウトライン・フォントという2種類のフォントを使用します。ビットマップ・フォントは高速であり描画が容易なため、画面テキストに一般的に使用されています。ビットマップ・フォントは拡大すると凹凸の多い形になってしまうため、高解像度出力(特に高品質印刷)にはアウトライン・フォントが使用されます。アウトライン・フォントはどの解像度でもサイズを調整して高品質の外観を得ることができますが、保存が複雑で処理負荷も大きくなります。

TNTでは、画面インタフェース・テキストにはすべてビットマップBDF、PCFフォントを使用します。多くの国で使用可能なさまざまな要素を含んだフルセットのBDFフォントがTNT製品CD-ROMに入っています。BDFファイルはX Window Systemを搭載した世界中のUNIXコンピュータで使用されていますので、ユーザのローカリゼーション作業をサポートする別のBDFフォントを見つけるのも容易です。

TNTでは、レイアウト処理と印刷処理のサポートにはアウトライン・フォントを使用します。TNT製品CD-ROMには、TNT製品独自のユニークな簡易アウトライン・フォント仕様であるOFフォント・セットが添付されています。またTNTでは、広く使用されているTrueType(R)フォントはどれでも使用できます。したがって、(地図ラベルや注釈などの)出力を作成するのに必要な文字を含むTrueTypeフォントがある場合は、それをそのまま使用できます。注釈フォントを選択するようTNT処理で聞いてきた場合は、自分のシステム上の任意のデバイスやディレクトリに移動できます。

フォント・エディタや変換プログラムには、さまざまなものがあります。ほとんどのUNIXシステムにはPCFからBDFへの変換ユーティリティが用意されています。

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付録:フォントを追加する

BDFフォントをTNTに追加するには、フォント・ファイルをTNTの/bdf/miscディレクトリにコピーし、bdf/misc/fonts.dirファイルを編集します。FONTS.DIRで、ファイルの冒頭のフォント数を1だけ大きくします。この数は必ず、ファイル内の行数(1行で1つのフォント)より1だけ小さい値になります。次に、ファイルの最後に次のような行を追加します。

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フォントのファイル名の後にはX Logical Font Description(X論理フォント記述:XLFD)文字列が付きます。フォントのXLFDを得るには、テキスト・エディタでBDFフォント・ファイルを開き、ファイル冒頭の"FONT"というフィールドを捜します。このフィールドからFONTS.DIRの新しいフォントの行にXLFDをコピーし、FONTS.DIRを保存します。次回TNTを起動すると、新しいフォントを使用できます。

#図#
FONTS.DIRのフォント数を1だけ大きくし、新しいファイル名とXLFDを含む行を追加します。

XLFDの多くは、わかりやすい用語でフォントを説明した名前が付けられていませんので、TNTのFONTS.ALIファイルを使用して、各フォントに別名を対応付けることができます。FONTS.ALIを編集してXLFDと別名を追加します。

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PCFフォントからXLFD文字列を得るには、PCFからBDFへの変換が必要です。ほとんどのUNIXシステムには、このための変換プログラムが用意されています。

BDFファイルのFONT(フォント)フィールドにXLFDがあります。

FONTS.ALIファイルを使用してフォントに別名を付けることができます。

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